2月に鑑賞した映画たち
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「プライドと偏見」
<PRIDE & PREJUDICE> / 製作:2005年、イギリス 127分
監督:ジョー・ライト 出演:キーラ・ナイトレイ、マシュー・マクファディン、ロザムンド・バイク、ドナルド・サザーランド、ブレンダ・ブリッシン、ジュディ・デンチ
2006.2.22 レディース・デイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★
「すべてを捨てて もう一度あなたに会いたい」
男はプライドを捨てられない。女は真実が目に入らない。
すれ違う恋が、こんなにも切ないなんて...。
18世紀末のイギリス。田舎町に住むベネット家には、5人姉妹が居る。大らかに構える父親(ドナルド・サザーランド)に対して、母親(ブレンダ・フリッシン)は、娘達を資産家と結婚させようと躍起になっていた。そんな時、隣に大富豪の独身男性・ビングリーが引っ越してくる。ベネット家の娘達と母親は、すっかり浮き足立つ。舞踏会の日、ベネット一家は『噂の大富豪』とご対面する。そして、美しく慎み深い長女ジェーン(ロザムンド・パイク)は、ビングリーと互いに惹かれ合う。ビングリーの親友・ダーシー(マシュー・マクファディン)は、暗い表情で気難しげに振舞っていた。快活な次女・エリザベス(キーラ・ナイトレイ)は、ダーシーが自分を侮辱する言葉を偶然に聞いてしまい、彼の気位の高さに強い反感を抱く。エリザベスは、ダーシーと会話をしても『皮肉の言葉』を投げかけるばかりだった。反発し合いながらも、何故か気になる存在の2人だったが...。
本来の私だったら、「ケッ!」と思ってしまうであろうラブ・ストーリー。ところが、この作品はとても魅力的だった。やっぱり、脚本がよく出来ているのかしらねぇ。本作は、ジェーン・オースティンの『高慢と偏見』の映画化ですから、正確に言うと『脚色』ですかね。今回、ハッキリと自覚しました。私は、「ラブ・ストーリーが苦手」なのではないの。「安っぽい陳腐な脚本の映画が苦手」なのねぇ。今まで、「ケッ!」と思った数々のラブ・ストーリーと呼ばれるジャンルの作品は、出来の悪いものが多かっただけなのねぇ。この作品は、想像以上に魅力の詰まった玉手箱でしたわ~。
キャストもヒジョーに魅力に溢れておりました。主人公のエリザベスは、この時代の女性にしては珍しく、物怖じせずにハッキリと発言する女性。プラス機知に富んだ頼もしいキャラクター。演じるキーラ・ナイトレイは、元々「気の強い」イメージ全開の女優だった。文学作品はどーなの?なんて疑ったりもしたけれど、悪くはなかったですよ~。
ダーシーという男。終始、うつむきっ放しで、パッとするんだかしないんだか微妙な男。最初の登場シーンでは、ダーシーを見た娘のセリフが『仏頂面』となっていました。私に言わせると、「辛気臭ーい顔!」という更に強い表現になってしまう程でした。ところが、どうでしょう。このダーシーという男、ちょっと不器用なだけでなかなか素晴らしいヒトだったりするんですわ。演じるマシュー・マクファディンの『目線』がなかなか良かったですね。
キャストについて、最も特筆しておきたいのは。ベネット家のパパとママでございます!娘5人と妻に囲まれながら、女性のパワーに辟易する素振りも見せずに懐深ーーく家族を包み込むパパを演じるドナルド・サザーランド。余裕たっぷりに存在感を発揮しているのは、さすがである。そして、何と言ってもママが可愛らしい。娘の婿探しに躍起になるなってキャッキャとはしゃぐママ。娘以上に張り切って見せたかと思うと、娘の結婚が決まった途端に「淋しくなる」と素直にションボリして見せる。何て可愛らしいママでしょう!演じるブレンダ・フレッシンは、前に出過ぎずにポイント・ポイントを上手に持っていく。ママがちょっと発言する度に、会場はクスクスと暖かい笑い声で包み込まれていた。「結婚しろ・しろ」とうるさい母親って、人によっては非常に鬱陶しい存在になると思うんだけど。このママがこれ程に魅力的なのは、ひとえにブレンダ・フレッシンのお陰だと思います。
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「イーオン・フラックス」
<AEON FLUX> / 製作:2005年、アメリカ 93分
監督:カリン・クサマ 出演:シャーリーズ・セロン、マートン・ソーカス、ジョニー・リー・ミラー、ソフィー・オコネドー、フランシス・マクドーマンド
2006.2.21 試写会¥0にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,300で妥当 / 評価:3.5★/5点満点★
「人類の運命に立ち向かう全身武器の革命戦士<レジスタンス>」
「2415年、イーオン 君に泣いているヒマはない。」
彼女の名はイーオン・フラックス。
陰謀に満ちた未来の鎖を解き放つのは、君しかいない!
西暦2011年。品種改良によって発生したウィルスにより、人類の99%が死滅した近未来。科学者トレバー・グッドチャイルドが開発したワクチンにより、人類滅亡の危機は回避する事ができた。それ以降、人類は汚染された外界と壁で隔てた潔癖な都市【ブレーニャ】に住み、病気もなく、飢えもなく、戦争もない、完璧な生活を送っていた。
そして400年後。君主である救世主の子孫トレバー8世(マートン・ソーカス)の元、弟のオーレン(ジョニー・リー・ミラー)と科学者のメンバーで成り立つ政府は、秩序の維持を理由に圧制を強いていた。そして、反政府組織【モニカン】も存在していた。イーオン・フラックス(シャーリーズ・セロン)は、【モニカン】の優秀な女戦士だ。
ある日、イーオンの妹・ウーナ(アメリア・ワーナー)が、【モニカン】の分子であると誤って抹殺されてしまう。この日を境に、イーオンは政府に対して復讐心を燃やし始める。
そんな時、【モニカン】の司令塔・ハンドラー(フランシス・マクドーマンド)から「『君主・トレバー』を暗殺せよ」という指令が下る。復讐心を胸に、イーオンは相棒・シサンドラ(ソフィー・オコネドー)と共に、そびえる要塞へ侵入するのだった。
と、チラシ等を見ながら、今ようやくストーリーを理解できました。正直、ストーリーがわかり辛いのよ。説明が足りないのか、字幕が足りないのか、私の集中力が足りな過ぎたのか...。ラストが近づくにつれて進行する展開も、練りに練られたアイディアなのかもしれないけれど、正直言って既視感で一杯な印象でしたね。あ、それって「○○○○」って映画にもあったよねー。とか、そんな感じでした。ですので、ストーリー・ラインはキッチリ追う事なく大雑把な構えで観て頂いて構わないんじゃないかしらねっ。
見所は、やっぱり主演のシャーリーズ・セロンかなぁ。長い手足に抜群のスタイル。胸元と背中に大胆な切り込みの入った真っ黒い全身スーツで華麗なアクションを見せてくれる。一部はスタント・ウーマンが演じているのかもしれないけれど、あの柔らかい身のこなしは見る価値があると思います。それと、この全身スーツ以外の衣装も大注目!彼女でなければ着れないものばかりですよ。中でも、『寝巻き』と思しき衣装がスゴイのよーん、男性諸君。「ビジュアルで魅せる」という手法が、ジェニファー・ロペス主演の「ザ・セル」という映画に似ていると感じました。
この摩訶不思議な映像の中で見るフランシス・マクドーマンドには、少々驚いたけれど。存在感と演技力は共に抜群なのですが、衣装も髪型も何か似合っていなかったんだよなー。敢えて挙げておきたいのは、イーオンの相棒・シサンドラを演じたソフィー・オコネドー。「ホテル・ルワンダ」のポールの奥さんが、こんなところでアクションを披露してくれたのです。迫害を受ける悲劇的な役とは大違いで、筋トレもしてきたかと思しき二の腕にはビックリ。シャーリーズ・セロンより出番は少ないのですが、私はとても印象に残りました。
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年末に「2006年への展望」(記事はこちら)と題して、2006年に必ず劇場に観に行くと決意した10本の作品を羅列しました。現在、2月の終わりでありますが、何と既に7本を無事に鑑賞し終わりました。早っ!と自分で自分に突っ込みを入れつつも、ここでは紹介しなかったけれど、予告編を見てまた気になる作品にたくさん遭遇しました。数えてみたら、15本もありました。全部観に行けるかなー?ちょっと頑張ってみますよー!
あ、画像を一つも入れていなくてゴメンなさいです。
「リトル・ランナー」
2004年製作:カナダ 監督:マイケル・マッゴーワン 出演:アダム・ブッチャー、キャンベル・スコット、ゴードン・ビンセント
「歓びを歌にのせて」の本編が始まる前から、この予告編を見て泣いてました。前売り券も既に購入済みです。
「シリアナ」
2005年製作:アメリカ 監督:スティーヴン・ギャガン 出演:ジョージ・クルーニー、マット・デイモン、アマンダ・ピート
「オーシャンズ」みたいに内輪で盛り上がるだけの作品ではなくて、ものすごいシリアスな政治サスペンスの雰囲気プンプンでした。今年は、社会派ムービーを一杯観たるわい!
「力道山」
2005年製作:韓国/日本 監督:ソン・へソン 出演:ソル・ギョング、中谷美紀、藤竜也、萩原聖人
格闘技ファンでもないので、実は名前しか知らないの。そしたら、「日本人が一番『力道山』を知らない」って宣伝文句が流れました。何か、一気にそそられました。
「ヒストリー・オブ・バイオレンス」
2005年製作:アメリカ/カナダ 監督:デヴィッド・クローネンバーグ 出演:ヴィゴ・モーテンセン、マリア・ベロ、エド・ハリス、ウィリアム・ハート
アカデミー賞助演男優賞にウィリアム・ハートがノミネートされました。個人的には、エド・ハリス大好きなんです!クローネンバーグ監督と言えば、80年代に「スキャナーズ」「デッド・ゾーン」「ザ・フライ」等、数々のホラー作品を送り出しました。「裸のランチ」「イグジステンズ」にはビックリしたけど、今回はビジュアルからではなく心理的に怖がらせてくれそうな予告編だったのでチェックしました。
「プロデューサーズ」
2005年製作:アメリカ 監督:スーザン・ストローマン 出演:マシュー・ブロデリック、ネイサン・レーン、ユマ・サーマン
『ブロードウェイの金字塔』として、お名前は聞いた事ありました。映画化するんですね!元々ミュージカルは好きだし、何か期待が膨らみます。
「マンダレイ」
2005年製作:アメリカ 監督:ラース・フォン・トリアー 出演:ブライス・ダラス・ハワード、イサック・デ・バンゴレ、ダニー・グローバー
『アメリカ3部作』の2作目に当たる作品。1作目はニコール・キッドマン主演の「ドッグヴィル」。何と、3部作だったのですね!重くて長そうなのですが、気になりまする。
「ブロークン・フラワーズ」
2005年製作:アメリカ 監督:ジム・ジャームッシュ 出演:ビル・マーレイ、ジェフリー・ライト、シャロン・ストーン、フランセス・コンロイ
ジャームッシュ監督とビル・マーレイのコンビ。とても絶妙で、ピッタリ噛み合ってると思います。飄々と佇む長身のマーレイ。その姿だけでも、十分に楽しめると期待できました。
「ブロークバック・マウンテン」
2005年製作:アメリカ 監督:アン・リー 出演:ヒース・レジャー、ジェイク・ギレンホール、アン・ハサウェイ、ミッシェル・ウィリアムス
アカデミー賞最多ノミネート作品ですから、敢えて説明する必要もありませんよね。前売り券を買いに行かなくちゃ!
「グッドナイト&グッドラック」
2005年製作:アメリカ 監督:ジョージ・クルーニー 出演:デヴィッド・ストラザーン、ジョージ・クルーニー、パトリシア・クラークソン
実在の人物を描いているんですね。『赤狩り』の描写が入るらしいです。モノクロ映像なんですね。デヴィッド・ストラザーンがアカデミー賞主演男優賞にノミネートされました。監督賞では、ジョジクルさんがノミネート!
「SPL/狼よ静かに死ね」
2005年製作:香港 監督:ウィルソン・イップ 出演:ドニー・イェン、サモ・ハン・キンポー、サイモン・ヤム、ジン・ウー
意外な選択でしたか?ジャッキー・チェンと同様、サモ・ハンも年を重ねても動き回ってます。ドニー・イェンVSサモ・ハンの対決シーン、予告編だけでもインパクトがありました。本編も見てみたい。
「ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR」
2004年製作:ロシア 監督:ティムール・ベクマンべトフ 出演:コンスタンチン・ハベンスキー 他
何でしょう、この映像!どうやら3部作の1作目みたいですが、コレ絶対に観たいです!ホラー・ファンタジーとあります。ハリウッド・メイドの超大作とは違うニオイがプンプンしてます。
「ジャケット」
2005年製作:アメリカ 監督:ジョン・メイブリー 出演:エイドリアン・ブロディ、キーラ・ナイトレイ、クリス・クリストファーソン
帰還兵が死体安置所で見た驚愕のビジョンとは?記憶障害の後遺症を背負った帰還兵のお話だって。面白そう!
「M:I-3」
2006年製作:アメリカ 監督:J・J・エイブラハムス 出演:トム・クルーズ、ヴィング・レイムス、ローレンス・フィッシュバーン、フィリップ・シーモア・ホフマン
ココで挙げる必要もないけどね。今年のアカデミー賞主演男優賞はホフマンさんが獲得すると信じている隣の評論家としては、トム君が気の毒なんだ。あ、ローレンス・フィッシュバーンも好きなんですわぁ。「マトリックス」では、キアヌのネオよりもモーフィアスが好きなアタクシ。
「ピンク・パンサー」
2005年製作:アメリカ 監督:ショーン・レビー 出演:スティーヴ・マーティン、ケヴィン・クライン、ジャン・レノ、ビヨンセ・ノウルズ
あの迷刑事・クルーゾー警部をスティーヴ・マーティンが!予告編を見る限り、相棒と思しきケヴィン・クラインとの掛け合いもそれはそれは絶妙でした。人目をはばからずに大笑いしてしまいました。まだ予告編なのに。
「レント」
2005年製作:アメリカ 監督:クリス・コロンバス 出演:ロザリオ・ドーソン、アダム・パスカル
伝説のミュージカルとして、お名前は聞いた事がありました。映画化するんですね。ミュージカルって好きなんですよー。一緒に歌い出してしまいそう...。
ここには挙げていませんが...。フィリップ・シーモア・ホフマンがアカデミー賞主演男優賞にノミネートされている「カポーティ」が観たいです!公開は一体いつなんでしょうか?とても気になっております。
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「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」
<WALK THE LINE> / 製作:2005年、アメリカ 136分 PG-12指定
監督:ジェームズ・マンゴールド 出演:ホアキン・フェニックス、リーズ・ウィザースプーン、ジェニファー・グッドウィン、ロバート・パトリック
2006.2.18 劇場前売り鑑賞券¥1,500にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥2,500で妥当 / 評価:4.3★/5点満点★
「ちぎれた心をつないだのは、ギターの弦と彼女の愛」
このところ、『ストライク・ゾーン』な作品続きで、とっても幸せ♪
あ、最初に一言断っておくと。私は、ジョニー・キャッシュという人を知らなかったのです。なので、「本人によく似ている」「余り似ていない」と判断できる『音楽ファン』としての知識が一切無い状態で記事を作成しますので。音楽ファンの皆さん、その辺は大きな気持ちでお読みくださいね。
『伝説のミュージシャン』ジョニー・キャッシュ(ホアキン・フェニックス)の人生を綴ったヒューマン・ドラマ。
幼い頃、最愛の兄を事故で亡くしたジョニー。ショックを受けた父親(ロバート・パトリック)は、まるで事故の原因がジョニーにあるかのように無言で攻める。ジョニー自身も、愛する兄の死をキッカケに、自分の殻に閉じこもるようになってしまう。
空軍を除隊後、初恋の女性(ジェニファー・グッドウィン)と結婚して自立する傍ら、大好きな音楽への夢を膨らませるジョニー。ある日、オーディションを受けて合格し、プロ・ミュージシャンとしての人生を歩み始める。成功はするも、妻との生活はてんで上手くいかない。そんな彼が、運命的に出逢った女性が、同じくミュージシャンのジューン・カーター(リーズ・ウィザースプーン)だった。子供の頃から、<ファミリー>で活躍する彼女の歌声をラジオで聴いていたジョニー。そして、ジョニー・キャッシュの人生が大きく動き始めるのだった。
紆余曲折の日々を繰り返しながら、ジョニーとジューンは結婚するのだ。
「結婚を申し込んだ回数40回」
羨ましいような、羨ましくないような。予告編で、この宣伝文句を見た時は、私の苦手な安っぽいラブ・ストーリーにだけはならないで欲しいと心からお祈りしてました。実際には、プロポーズの言葉はせいぜい5回くらいしか出てこなかったし。2人が結びつくまでの道のりはとても長く、自然な成り行きという形だったので安心しました。2人はとてもよく似ていると思いました。音楽への情熱、兄(姉)へのコンプレックス、うまくいかない結婚生活。まるで、合わせ鏡のような2人。正に、『人生の伴侶』という言葉の意味が真に伝わるカップルでしたよー。
ジョニー・キャッシュという人の人生は、紆余曲折が余りにも激しい。成功、挫折、堕落、そして新しいスタート。映画の冒頭は、刑務所から始まる。一体、何事かと思ったら!囚人達の前で歌うジョニー・キャッシュが控え室で座っている。そして、偶然にも『兄の死』を思い出させる道具が目の前にある。そこからジョニーの回想が始まる。そして、ラスト近くで冒頭のシーンに繋がるという訳ですわ。人生で堕落した後、再起を懸ける舞台として『刑務所の慰問』を選ぶジョニー。囚人からのファン・レターが、堕ちた彼に《何か》を与えたみたいです。そして、気がつくといつも側に居た女性・ジューン。彼女の存在こそが、ジョニーから切り離すことなど絶対にできない大きなものとなっていたのです。どんなに安っぽいラブ・ストーリーよりも、『運命の赤い糸』の存在を証明してくれるかのような2人の強い絆。隣の評論家は、久し振りに顔がほころぴました。だって、本当に素敵な2人なんだもの。
ホアキン・フェニックス。私は、元々好きな俳優さん。「兄のリバーの方が全然素敵じゃーん」と言われる事が多いんですけどね。今回もホアキン、良かったなー。ジョニー・キャッシュが『兄の死』をきっかけに暗い瞳に変わってしまうんですけど。やはり、実生活でも兄の死を乗り越えたホアキンだからこそ表現できる役だと思いましたよー。彼の目は、言葉にできない色んな気持ちを物語っているようだったもの。そして、リーズ・ウィザースプーンが魅力的でした。想像していたより歌も上手だったし!とにかく、同性から見てもキュートで頼もしいキャラクターを体現してくれました。
そして、ジェームズ・マンゴールド監督の派手さは無くても確かな演出が素晴らしい。日本での知名度は低い事と思いますが、以前から信頼している監督さんの一人です。今をときめくアンジェリーナ・ジョリーにアカデミー賞助演女優賞をもたらした「17歳のカルテ」、素晴らしいアイディア抜群のスリラー「アイデンティー」等。マンゴールド監督の作品はお気に入りが多いです。
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「フライトプラン」
<FLIGHTPLAN> / 製作:2005年、アメリカ 98分
監督:ロベルト・シュヴェンケ 出演:ジョディー・フォスター、ショーン・ビーン、ピーター・サースガード、ケイト・ビーハン、エリカ・クリステンセン
2006.2.15 レディース・デイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,300で妥当 / 評価:3.5★/5点満点★
「その時、最新鋭の旅客機は、史上最悪の【戦場】に変わる!」
航空機設計士のカイル(ジョディー・フォスター)は、突然の事故で夫を亡くす。夫の遺体と共に、6歳の娘・ジュリアを連れてベルリンから故郷のニューヨークへ向かう。搭乗したのは、ハイテク重層ジャンボジェット【E-474】。それは偶然にも、カイル自身が設計した最新鋭の航空機だった。夫の棺も乗せた航空機は、ニューヨークへと向けて離陸する。
機内で落ち着いたカイルは、睡魔に襲われ眠り込む。しばらくして目を覚ますと、隣にいたはずの娘・ジュリアの姿がない!客席・トイレ・厨房と探し回っても見つからず、誰一人として娘の姿を見た者は居ないのだった。しまいには、「娘さんの搭乗記録はない。娘さんの死亡記録が見つかった。」とまで言われてしまう。騒ぎ立てるカイルは、次第に白い目で見られ始め、『精神不安定者』という扱いを受けてしまうのだった。
果たして、事の真相や、如何に.....。
うーん、コレどうなのよ。余り褒めてる意見を聞いていなかったけれども。隣の評論家も、全然入っていけなかったよー。
どこがアカンかったのかしらん?一応、振り返ってみました。
何つっても、主人公であるカイルという女性に全くもって共感できなかったのですわ~。「娘はどこなの?」「機長と話をさせて!!!」と、もんのすごーーーい剣幕でドッカドッカと機内を暴走するお母ちゃん。制止する乗務員を『振り払う』という表現ならまだしも、『殴り倒す』ことで我が道を突き進む。スッチ~の一人(エリカ・クリステンセン)がぶっ倒れた時は、あまりにも痛そうで同情しましたよ。
機長(ショーン・ビーン)は、懐が深かったよ。シートベルト着用サインを出して乗客を座らせて、乗務員に捜索するように指示を出してくれました。それでも、娘・ジュリアは見つかりません。発狂寸前のカイルさん。エアマーシャル(航空捜査官でしたっけ?)・カーソン(ピーター・サースガード)に捕獲されるも、隙を見て逃げ出して機械室といった内部へと侵入するのだった...。
主人公は、このカイルさんだから。彼女の娘が見つかってメデタシ・メデタシ!と展開するように祈るのが正しい鑑賞法なんだとは思いますが。ゴメンなさい、隣の評論家はどーしてもこの作品に乗れなかったです。あんなに大騒ぎをして、他の乗客を恐怖のドン底へ突き落として!懐の深さを見せてくれた機長に対しても食ってかかるカイルにドン引きしました。女って、どうしても感情剥き出しになっちゃうイキモノなんだねぇ。男性のように、冷静沈着に振舞う事ができないんだねぇ。隣の評論家自身『女』なんですけど、カイルさんと機長のやり取りを見ていたら、女性の悪い部分と男性のいい部分を見せつけられた気分になってしまいました。『子供を想う親心』って、もっと敬うべきものであるはずなのに、嫌悪感すら覚えてしまいましたねぇ。「それはアンタが独身女だからでしょ。所詮『負け犬の遠吠え』じゃんかよっ!」とカイルさんに凄まれても怖いので、この辺で否定的な意見は止めておこうっと。
何かね、『脚本』と『演出』と『ジョディ・フォスターの熱演』が余り噛み合っていなかったのかもしれないなぁ。ジョディが上手い事は、よくわかっているんですけどね。
とにかく、私が本作を観ようと思ったきっかけは。注目して止まないピーター・サースガード殿とショーン・ビーンさんのお姿を拝みたかったからです。(関連記事は、こちら) 評価の点数は、この2人に捧げる甘めの結果となりました。
ピーター・サースガードの微妙な表情。やっぱり上手いと思いました。この人の今後も、とても楽しみにしております。
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「コンスタンティン」
<CONSTANTINE> / 製作:2004年、アメリカ 121分
監督:フランシス・ローレンス 出演:キアヌ・リーヴス、レイチェル・ワイズ、ティルダ・スウィントン、ジャイモン・フンスー、シア・ラブーフ、ピーター・ストーメア
隣の評論家のおススメ指数 4.0★/5★満点 (ちょっぴりオマケ)
一言コメント:あの世界観にすっかりハマリました。「2005年度・上半期ベスト10」にて第8位にランクイン!(関連記事はこちら)
キアヌ・リーブス主演で、VFXバンバンの超大作。
普段だったら、観終わっても記憶から抜け落ちてしまうジャンルの作品なのですがね。隣の評論家は、意外にもスッポリと入り込んでしまいました。
ジョン・コンスタンティン(キアヌ・リーブス)は、幼い頃から『見えるハズのないモノ』が見えてしまう。そんな自分の能力に絶望して、自殺を試みた事がある。その際、2分間だけ【死】を体験したのである。キリスト教の教えでは、『自殺者』の魂は天国へ行けない。『天国行き』の特赦を受ける為に、能力を活かして【悪魔祓い】を繰り返す事で神様にアピールしている。それが『オカルト探偵』コンスタンティンだ。ヒーローと呼ぶには、余りにも風変わりな男である。コンスタンティンは、タバコの吸い過ぎで末期の肺ガンに冒されている。ガリガリで顔面蒼白。つまり、身体はボロボロのヒーローという訳。
天国には神がいる。神の下には、天使がいる。
地獄には悪魔の頂点である【サタン】がいる。その下僕として悪魔がいる。
天使も悪魔も、地上には入れないのだ。その代わりに、地上の監視役として存在するのが【ハーフ・ブリード】と呼ばれる存在。半分は人間、半分は天使もしくは悪魔という事らしい。こうして、天国・地獄・地上のバランスが保たれているのだった。
ところが、人間界を支配しようと目論む陰謀が渦巻き、保たれていたはずのバランスが崩れ始める。そして、コンスタンティンの闘いが激化していくのだった。
制作費が莫大と思しきド派手な特殊効果が続きます。もしかしたら、小バカにしちゃう人も居るかもしれません。冒頭の『魔物にとりつかれた少女』のシーンなんかは、オカルト映画の金字塔的作品である「エクソシスト」の真似事にしか見えませんしね。でも、そんな最初の印象を忘れさせてくれる怒涛の展開は、好感を持ちました。
女性刑事・アンジェラ(レイチェル・ワイズ)。彼女の周りで奇怪な出来事が起き始め、登場するのも特異なキャラクターばかりでワクワクしてくる。まずは、2人のハーフ・ブリード。天国からの使者【ガブリエル】(ティルダ・スウィントン)と、地獄からの使者【バルサザール】(別名<蝿の王>と呼ばれ、虫を自由に操る能力を持つ)。悪魔の頂点に君臨するサタン・ルシファー(<光>という意味を持つ名前で、元々は大天使だった。神に反逆した為に地獄へ堕ちたとされている。)と、ルシファーの息子のマモン(キリスト教『7つの大罪』の【強欲】を意味する名前)。
人間界でコンスタンティンの脇を固める人物も、なかなか魅力的だ。コンスタンティンに協力する怪しい歴史学者や、元祈祷師である実業家・ミッドナイト(演じるジャイモン・フンスーの存在感は見事)。一筋縄ではいかないキャラクターばかりである!
コンスタンティンの武器も、『聖水』から始まり『地獄の聖書』や<父と子と精霊>の三位一体を表す『魔除け』等、意味深なものばかり登場するのだ。かなり興味深く堪能できましたわい。
信仰心の薄い日本人でも、アクション・シーンや特殊効果を楽しむだけで十分に時間を潰せます。私みたいに本当は全く知識のない人間でも、聖書を読んでみようかなという気分にすらさせられた。さすがに、入信はしませんが(笑)、この世界観には参りました。
特殊効果は勿論の事、ビジュアル面でも楽しませてくれました。
『ダーク・ヒーロー』コンスタンティンは、常に黒いスーツを着ています。大天使・ガブリエルとサタンの使者・バルサザールも、ビシッとスーツでキメているところが超クールでした。特に、ガブリエルを演じたティルダ・スウィントンが素敵でした。華奢で長身な佇まいと、中性的な美しさが『天使』という役柄にマッチしていました。更に、チラッと登場するサタン・ルシファーは、何と白いスーツで姿を現しますよ!必見です。
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「クラッシュ」
<CRASH> / 製作:2005年、アメリカ 112分 PG-12指定
監督:ポール・ハギス 出演:ドン・チードル、マット・ディロン、サンドラ・ブロック、ブレンダン・フレイザー、テレンス・ハワード、サンディ・ニュートン、ライン・フィリップ 他、超豪華キャスト
2006.2.11 劇場前売り鑑賞券¥1,500にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥2,500払ってもう一度じっくり観たい / 評価:4.3★/5点満点★
「それはあなたも流したことのある、あたたかい涙。」
「人はぶつかりあう。人は人を傷つける。怒り、哀しみ、憎しみ、孤独。それでも、人は、人を愛していく。」
素敵な映画だ。観に行って本当に良かった。鑑賞後もパンフレットを読みながら、涙が込み上げてくる。DVD購入を即決した。
クリスマス間近のロサンゼルスが舞台。深夜に起きた車の衝突事故を起点に、様々な人々の運命が交錯する。15人程の人生が連鎖し衝突する36時間を綴った群像劇。
『人種のるつぼ』こと多民族国家・アメリカ。本作の登場人物もバラバラの民族が登場する訳です。『白人VS黒人』『ヒスパニック系』『ペルシャ人』『中国人』『アフリカ系』 更には、『富める者』と『貧しい者』、または『成功した者』と『堕ちた者』といった構図まで入り組んでいる。そして、生まれる【偏見】。セリフの多くが偏見に満ちた思いやりのないもので、どうしていいかわからない。『島国・ニッポン』では、比較的『人種』への偏見という意識が薄いかもしれない。その分、この作品で描かれるテーマにピンとこない人も居るかもしれない。実際、『偏見に満ちたひどいセリフ』全てを字幕では再現できていないかもしれない。もしも私が英語ベラッベーラだったら、今感じているよりも何倍もの衝撃を受けるのではないかと思う。
数々の【偏見】の中で、私が最も衝撃を受けたのは。ペルシャ人の男が、イラク人と間違われてテロリスト扱いをされて口論になるシーンだ。これはフィクションとは言え、実際にはあり得るエピソードなのだと思う。【9・11】の落とした暗い影の一つだと実感した。
心の衝突が引き起こす悲しいシーンばかりではない。偏見を超えて温かく触れ合うシーンも多々ある。具体的には描写しないでおくけれど、この作品で登場する数々の『抱擁シーン』は、私の心に深く刻まれた。人は人を傷つけてしまう事もあるけれど、温かく包み込む事もできるのである。弱い部分と強い部分を併せ持つイキモノ、それが人間なのですよ!(と、熱弁が止まらない。)どんなに強く見えたって、『孤独』に勝てる人間なんて一人も居ないのではないかしら。
『人種差別』という意識が薄い私達「日本人」にだって、【偏見】という意識は必ず存在すると思う。自分自身を見つめ直してみても、やっぱりそうだ。職業や血液型で判断したり、学歴や仕事の能力で決めつけてみたりもする。会話が噛み合わない、気が合わないからと話す事を避けたりする時もある。視野が狭いんだなぁ。せっかく、この作品を観て感銘を受けたのだから、自分の良くないと思えた部分は改めていきたい。
もしも『人間関係』で悩むような事があったら。この作品を思い出して頑張っていけたらなぁ...と思う。人間に生まれた以上は、人と接しないで生きていく事は不可能だと思うから。あー、この作品をもう一度じっくりと鑑賞したい!!!
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「PROMISE」
<無極/THE PROMISE> / 製作:2005年、中国 124分
監督:チェン・カイコー 出演:チャン・ドンゴン、真田広之、セシリア・チャン、ニコラス・ツェー、リウ・イェ、チェン・ホン
2006.2.9 試写会¥0にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★
「王妃の運命に挑戦しようとする3人の男」
「愛で運命<プロミス>を超えろ」
一人の幼い少女・傾城の前に、運命を司る美しき神【満神】が現れた。
「お前の望むもの全てを与えましょう。その代わり、お前は永遠に『真実の愛』を得ることはできません。それでもいいですか?」
少女は答えた。「それでもいい」
やがて傾城(セシリア・チャン)は王妃となった。
同じ頃、『無敵』を誇る大将軍・光明(真田広之)が、闘いのさなかに『俊足』の奴隷・昆崙(チャン・ドンゴン)と出逢う。主人を亡くした昆崙を気に入った光明は、彼を自分の奴隷としていた。そして、公爵(ニコラス・ツェー)が王への反乱を企てている事を知る。王を救う為に、光明と昆崙は城へと向かうのだった……。
一度、運命の神との【約束】を受け入れれば、何もそれを覆すことは出来ない。
川が逆流し、時が遡り、死者が蘇らない限り―――。
それでも彼らは、王妃を運命<プロミス>から解き放すことが出来るのか?
いや~、何とも『贅沢感』漂う作品でした。まず、美術と衣装の豪華絢爛っぷりに目を奪われました。大将軍・光明の兜と鎧が、真っ赤な装飾で施されているのには驚かされました。『強さと権力』の象徴となっている光明の衣装は、『華鎧』と呼ばれてまして。赤いお花が一杯ついてました!
敵役である公爵の衣装は、黒か白のモノトーン色でキメていました。黒い色を使うシーンでは、公爵の『悪』を強調しているかのような印象でした。小道具にも注目してください。公爵の武器は必見ですよ。
ワイヤー・アクションも多用していた様子でしたね。【俊足】という設定の奴隷・昆崙が駆けるシーンでは、CGを頑張っていたようです。昆崙がものすごい速さでピューーーンと走っている時、子供の頃に見たギャグ・マンガを思い浮かべてしまった隣の評論家を許してください。公爵と対決するシーンなどは、闘う人達がクルクルクルクルと華麗に回るので。こちらも見所の一つと言えるでしょう。
俳優陣も、皆さん良かったです。「真実の愛を永遠に得られない運命」の王妃・傾城を演じたセシリア・チャンの美しいこと!悲劇的ヒロインといったところなんでしょうが、そう言いながらも無意識の内に男達の運命を翻弄してしまう『ファム・ファタール』といった印象でしたね。大将軍・光明を吹き替えナシで自ら中国語を操った真田さん、ブラボーでした。「大将軍」と呼ばれるに相応しい、力強い存在感も発揮していたし、言う事なしですよ。奴隷・昆崙を演じたチャン・ドンゴンは韓国の俳優さん。真田さんと同じく吹き替えなしで中国語を頑張っていました。昆崙という、この真っ直ぐな男。【悪】に対して燃え上がる怒りの炎を目力で表現していたのも良かったなぁ。もう一人の男、公爵は敵役に当たる訳ですが。隣の評論家は、この敵役が最も気になりました。ニコラス・ツェーは、カッコイイと言うより『華麗』でしたよ。『冷酷無比』という設定なのですが。何が彼をこんな生き方にさせてしまったのでしょう...なんて思い始めちゃった。そして、この公爵に仕える悲しい運命を背負った刺客(リウ・イェ)も忘れられない存在でした。
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「スタンドアップ」
<NORTH COUNTRY> / 製作:2005年、アメリカ 124分 R-15指定
監督:ニキ・カーロ 出演:シャーリーズ・セロン、フランシス・マクドーマンド、ショーン・ビーン、リチャード・ジェンキンズ、シシー・スペイセク、ウディ・ハレルソン
2006.2.8 レディース・デイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★
「力もない。自信もない。味方もいない。それでも、立ち上がってみようと思った。」
これは、実話に基づくストーリー。
夫の暴力に耐えかねたジョージー(シャーリーズ・セロン)は、2人の子供を連れて故郷に帰って来る。女手ひとつで家庭を支えなければならなくなった彼女は、生活の為に給料のいい鉱山での肉体労働を始める。いわゆる『男性社会』に入っていく訳だが、そこでは労働よりも過酷な『男性からの屈辱的な嫌がらせ』が待っていたのだ。
ジョージーは一人きりでも立ち上がり、会社を『セクシャル・ハラスメント』で訴える。この裁判の行方を通して、彼女と彼女を囲む人達の人生模様を描いている。
この作品を見ていたら、日本人女性は『セクハラ』という言葉を完全に理解していないまま、いとも簡単に日常会話で使ってしまっているのね!と何だか恥かしく思えてきました。
触られただけで「あのヒト、ちょーセクハラァ!!」とか言っちゃたりしてないスか?この無知さは、幾らか平和であるからだという事で済ませておいてもいいかしら...。
実際、ジョージーをはじめ数名の女性達が受ける嫌がらせは、想像以上に辛いものでした。ジョージー以外の女性は、訴えを起こす勇気がありません。もしも自分がココで働いていたら、いとも簡単に会社を辞めてしまうでしょう。
ところが、ジョージーは、たった一人でも闘う決意をするんです。あの強さは、どこからくるのでしょうか?愛する家族を守る為?「私だったら辞めちゃうよ」と、即答している自分の弱さが恥かしい。恥かしいけれど、やっぱり勇気を奮えないと思う。何だか、『母性愛』って強くて素敵だなぁと心から思いました。
私自身も『働くOL』やっていますが。「バリバリにキャリアアップしますわよっ!!!」なんて意気込みは持ち併せておりません。一般的に言って、『冷静沈着さ』では男性には絶対に勝てないと思っているので。『キャリア・ウーマン』を目指しているバリバリの女性でも、感情的になってしまえば「所詮、女だ」と言われてもしょうがないとか思ってしまうんですね。でもね、この作品で立ち上がるジョージーは勿論の事、嫌がらせに耐えて働く女性達を見ていたら。やっぱり、結局のところ女性の方が精神的に強いのかもしれないなぁと感じました。『嫌がらせ』をするヤツら、お前ら所詮は【集団心理】でふざけてるだけの腰抜け野郎だ!とか思えてしまってね。特に、クライマックスである肝心の裁判のシーンで証言台に立つ男達を見ていて思いました。お前ら、器が小っちぇーんだよ!と心の中で罵倒して熱くなっていました...。
演技陣も素晴らしいです。ジョージーを演じたシャーリーズ・セロンの凛とした美しさも胸を打ちます。ジョージーの同僚・グローリーを演じたフランシス・マクドーマンドも素晴らしかったし、ジョージーの母親を演じたシシー・スペイセクも僅かな出番ながらに存在感をフルに発揮していたし。特筆すべきは、ジョージーの父親を演じたリチャード・ジェンキンズ!少しずつ、娘とのわだかまりが解けていく展開に、涙を止める事ができませんでした。
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「クライシス・オブ・アメリカ」
<THE MANCHURIAN CANDIDATE> / 製作:2004年、アメリカ 130分
監督:ジョナサン・デミ 出演:デンゼル・ワシントン、メリル・ストリープ、リーブ・シュレイバー、ジョン・ヴォイド
隣の評論家のおススメ指数 4.0★/5★満点
一言コメント:1本の緊張の糸が張り詰めたまま衝撃の展開へ。上質の政治サスペンス。「2005年度・上半期ベスト10」にて第7位にランクイン!(関連記事はこちら)
この作品は、1962年に作られた「影なき狙撃者」という作品のリメイクです。設定は幾らか現代に合わせて変えているそうですが、同じ内容との事です。オリジナルは未見なので、是非チェックしてみようと思います。できれば、原作も読んでみたいと思っています。
1991年、湾岸戦争下のクウェート。米軍大尉ベン・マルコ(デンゼル・ワシントン)の小隊は、任務中に敵の奇襲攻撃に遭った。この時、部隊の危機を救ったレイモンド・ショー軍曹(リーヴ・シュレイバー)は、『名誉勲章』を授与される。終戦後、ショーは政界へ進出する。数年後には、【次期大統領候補】に指名される程の活躍を見せるのだった。
一方、現在も軍務を続けるマルコの元に、かつての部下が現れる。この男は、従軍中の記憶から毎晩おぞましい夢を見ていると言うのだ。実は、マルコ自身もこの男と同じ悪夢に悩まされていたのだ。自分の記憶は曖昧なのかもしれない。果たして、ショーは本当に英雄的行動を取っていたのだろうか?マルコの中に、疑問が生じる。そして、マルコの目を通して、過去の出来事が明らかになっていく。波乱含みのスリリングな展開に、気がつくと最後まで画面に釘付けになっておりました。
ストーリー展開もブラボーでしたが、とにかく登場人物が個性豊かで魅力的です。
『誠実』という2文字が服を着て歩いているかのような男・マルコ。
一見、腹黒い偽善者のようなショー。
この2人の脇を固める人物の中で、際立った異彩を放つショーの母親(メリル・ストリープ)。
この母親自身も辣腕議員なのです。亡き夫も政界で大活躍をしていました。夫が果たせなかった『政界の頂点』という地位を、息子に実現させようと躍起になります。なり過ぎなんですよね。鳥肌が立つくらいに野心家な女性です。この野心と深い愛情で、息子をギュウギュウに束縛しているんです。恐らく、彼女自身は『過剰な愛情』に気づいていないのです。そこが哀しいんですわ。メリル・ストリープの迫力は、凄まじいです。
しかし、隣の評論家が最も気になったのは、ショーを演じたリーヴ・シュレイバーでした。
女手ひとつで自分を育ててくれた母親。「お前の笑顔が生きがいなの」みたいな事を繰り返す母親の為に、『作り笑顔』をする事が身についてしまっている。本音を吐き出せない悲痛な心の叫び。「清く正しく振舞いなさい」と育てられた『操り人形』のような人生への絶望。一見、『アメリカを背負って立つリーダー』として普通の好青年に見えるけれど、「本当はこんな人生から逃げ出したい」という心の叫びが聞こえてくるような気がしました。
ストーリーは、「もし、政治の中心部でマインド・コントロールされた人間を送り込んだ『ある張本人』の陰謀が渦巻いているとしたら?」という感じの政治サスペンスなのでありますが。個人的には、ショー母子の痛々しい関係の方が印象的でした。母親の息子に対する愛情というものは、強いけれど時には恐ろしく映るものなのか...と。
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「ミュンヘン」
<MUNICH> / 製作:2005年、アメリカ 164分 PG-12指定
監督:スティーヴン・スピルバーグ 出演:エリック・バナ、ダニエル・クレイグ、キアラン・ハインズ、マチュー・カソヴィッツ、ハンス・ジシュラー、ジェフリー・ラッシュ
2006.2.5 劇場前売り鑑賞券¥1,300にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥2,000で妥当 / 評価:4.0★/5点満点★
「今 世界に問う。 真の平和とは?」
「私は何をしたのか...」
深い哀しみを胸に、愛する家族を残し、彼は暗殺者となるーーー
ヤバイ。 またしても、知らなかった「歴史上の出来事」を映画から教えられた。
1972年9月、ドイツ・ミュンヘン。オリンピック開催中の選手村に、パレスチナ・ゲリラ【ブラック・セプテンバー/黒い9月】が侵入する。イスラエルの選手団11名が人質となり、世界の注目を集める中、殺害されるという事件が起きる。人質を救出できなかったドイツ警察や各国の対応に激怒したイスラエル政府は、自らの手でテロリストに《報復》する事を決意する。
イスラエル秘密情報機関【モサド】の一員であるアヴナー(エリック・バナ)は、【暗殺チーム】のリーダーに任命される。上官エフライム(ジェフリー・ラッシュ)の指示の下、4人のメンバーと極秘任務に臨む事となる。テロ首謀者と目されるパレスチナ人11名の暗殺。ヨーロッパ中に点在する彼らを探し出し、一人ずつ殺さなければならないのだ。祖国も家族も捨てて、任務遂行の為に秘かに旅立つ5人の男達。彼らの行く先に待っているものとは...?
これは、事実に基づく物語だ。 ミュンヘン・オリンピックで起こった悲劇を、私は知らなかった。それどころか、ミュンヘンでオリンピックが開催された事すら「へぇ、そうだったんだぁ」って調子である。試しに、親にも聞いてみたら。「知らないな」って、あっさり答えられた。
この事実は、どのくらい知られているんだろう。『ルワンダ大虐殺』の如く、映画を見て初めて知ったという人が多いのだろうか?知らなかった事となると、やはり衝撃を受けてしまう。生きていく為に、人を殺さなければならなかった人間が居た事。どんな気持ちで作品を見たらいいのか、頭の中がグチャグチャになってしまった。
劇中、イスラエル秘密情報機関【モサド】のみならず、数々の『団体』が登場していた。
CIA(アメリカ中央情報局)、KGB(ソ連国家保安委員会)、パリ地下組織やローマ地下組織など。ちょっと<恐怖>を覚えてしまう。知らない方が幸せという事もあるのよ、って気持ちにさせらえた。
暗殺者・アヴナーを演じたエリック・バナ。「ブラックホーク・ダウン」「ハルク」「トロイ」と、身体が勝負のアクション系アクターというイメージを持っている方が多いかもしれませんが。隣の評論家は、彼の肉体美よりも『目』が好きなんです。目に輝きがあるんですよ。今回の役どころ、特に終盤の方では、あの瞳から悲鳴が聞こえてくるような気がしました。殺しが終われば肩の荷が下りて楽になるのではなくて、殺しという許されざる行為への葛藤で苦悩していたに違いないです。
そして、やはり特筆すべきは、スピルバーグ監督の演出ですね。事件の発端となった、イスラエル選手団が殺害されるシーン。映像として現れるのは冒頭ではなく、アヴナー達が任務を負ってからの登場でした。上手くは言えないけれど、その流れにした事で、私は頭を鈍器で殴られたような衝撃を受けました。スピルバーク監督が手腕を発揮するのは、やっぱり『社会派作品』だと認識せずにはいられなかったです。個人的には、緊迫したシーンで使われた『心臓の鼓動』みたいな音楽も効果抜群だったと思いました。少々長い作品ではありますが、必見の1本だと思います。
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「カナリア」
製作:2004年、日本 132分
監督:塩田明彦 出演:石田法嗣、谷村美月、甲田益也子、西島秀俊、つぐみ、りょう、水橋研二
隣の評論家のおススメ指数 4.3★/5★満点
一言コメント:「生きていく力」みなぎる少年と少女の物語。2人の生命力がスクリーンから溢れ出てきて、うまく言葉にできない熱い想いが込み上げてきちゃいました。「2005年度・上半期ベスト10」にて第4位にランクイン(関連記事はこちら、こちらも見てね)
この映画は、フィクションです。
でも、どこかで聞いた事があるような話で鳥肌が立ちました。
【集団殺人】を実行したカルト教団・『ニルヴァーナ』は、崩壊した。教団に居た子供達は、肉親に引き取られるか・児童相談所に引き渡されるか、どちらかの新しい居場所を得ていた。
主人公は、12才の少年・光一(石田法嗣)。教団幹部である光一の母親は、行方不明になる。祖父は、光一の4歳下の妹・朝子だけを引き取る。独りぼっちになってしまった光一は、児童相談所を抜け出す。「じいちゃんから妹を取り返して、お母さんを探し出す!」そんな強い意志を持って、京都の児童相談所を脱走する。そして、東京の祖父の家を目指して、孤独な疾走を始めるのだった。旅路の途中で、光一は偶発的に12才の家出少女・由希(谷村美月)を助ける。そして、無謀にも2人の東京へ向かう旅路が始まるのだった。
冒頭から、「この映画はフィクションです」と強調していたのですが。どう考えても、95年に起きた『地下鉄サリン事件』のあの集団がモデルになっているとしか思えませんよね。とても勇気のある作品だと思いました。
この作品では、子供の目を通して【大人の幼いエゴイズム】が描かれていました。
まず、自分の勝手で子供2人を教団に入信させる母親の身勝手さに頭にきました。訳もわからないままに連れてこられて、『禁欲生活』と『修行』を強いられる子供達。勿論、母親とは隔離されてしまいます。たまたま母親を見かけた時に、幼い妹・朝子が「お母さ~ん」と駆け寄る。教団の幹部である母親は、「離れなさい」と冷たく引き剥がす。その上、兄の光一に向かって「この子を連れて行きなさい」と言い残して去って行く。この瞬間の光一の絶望感に打ちひしがれたかのような表情が、胸に焼きついて離れません。
そして、祖父もまた愛情の裏返しのエゴを見せつけます。子供を道連れに教団に入った娘が許せない。孫娘の朝子にだけは、娘と同じような人生を送らせてなるものか!と、孫娘を自分の手元にギュウギュウに縛り付ける。光一に朝子は渡さない!って、まるで小学生じみたジジイだ。
少女・由希が光一の祖父に向かって放つセリフが印象的だった。
「子供は親を選べへんけど、親は子供を選んでもいいんか?」
全く、誰が大人で誰が子供なのか、わかったもんじゃない。そんな中、「妹と母を取り戻す」という希望だけを胸に突き進む、光一の真っ直ぐな目線がとてもいい。ニコリともしない膨れっ面からは世間への怒りが感じられるけど、希望を捨てずに前へ前へと歩んでいくその純粋さ。『純粋である事』は生きていく上で『強さ』となるのかもしれないと思わずにはいられなかった。
そして、ラストのセリフが最高に素晴らしい。
「これからどうするん?」と由希が尋ねると、光一が答える。 「生きていく」
たった一言であるけれど、とても強くて逞しい言葉。胸に染み入る秀逸なシーンで、思わず涙がこぼれてしまった。
こんなに勇気のある作品を見せて頂いて、日本映画も捨てたもんじゃないという気持ちにさせられました。「邦画はチョットねぇ~」と言う方も居らっしゃるとは思いますが、日本人である以上は、絶対に見ておくべき作品だと思いますよ。是非、ご覧になってください。
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「ジャーヘッド」
<JARHEAD> / 製作:2005年、アメリカ 123分 R-15指定
監督:サム・メンデス 出演:ジェイク・ギレンホール、ピーター・サースガード、ルーカス・ブラック、クリス・クーパー、ジェイミー・フォックス
2006.2.3 試写会¥0にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★
「戦場は、あなたの中にある。」
「最高の生き方がある。そう信じて、僕は戦場に向かった―――」
メディアが暴けなかった湾岸戦争の真実が、ここにある
「ジャーヘッド」とは、高く刈り上げた兵士の髪型のこと。お湯を入れるジャー(ポット)の形に似ているところから由来している。
今回、舞台となるのは【湾岸戦争】です。 さすがに、記憶に新しい戦争ですね。
毎日のように、TVでニュースが流れていましたから、基礎知識はバッチリさ!ぐらいの気持ちで臨んだのですが。
『湾岸戦争の真実』
何が描かれているというのでしょうか。
「祖国を守りたい」 希望を胸に、海兵隊に入隊した一人の若者、アンソニー・スオフォード(ジェイク・ギレンホール)。1991年1月に勃発した【湾岸戦争】。スオフォードは、戦地・イラクへと赴く。戦地で課せられるのは、敵との銃撃戦などではなかった。
【砂漠の嵐作戦】 それは、来るべき時の為に、ひたすら待機する事であった。
果たして、この作品は『戦争映画』と単純にジャンル化してしまっていいのかしら? と、自問自答しながら帰って参りました。 「戦争なんて絶対に反対だ!」という強烈な反戦メッセージがひしひしと伝わってくるタイプの作品ではなかった気がするし。辛ーい!悲しい!と悲喜こもごもに盛り上がる事もなかった。隣の評論家にしては、珍しい現象ですわい。
ただ、一つだけ確実に言える事は。それ程に、自分が『湾岸戦争』を他人事として捉えていたという事です。ニュースを聞いているふりして、左耳から右耳に聞き流していたのだという事です。そんな自分が何だか「おバカさん」に思えました。それこそが、一番身に沁みて感じた事でした。
兵士達の戦地での生活と言えば。3度の飯と訓練に続く訓練。約170日もの間、敵の姿もないままに繰り返される『訓練』の日々。そして、エネルギーを発散すべく、子供のように羽目を外す若者達。戦地と言うよりは、『男子校』の一場面という感じ。 果たして、【来るべき時】なんて訪れるのだろうか。 これこそが、【砂漠の嵐作戦】の実体なのですね。
まず、サム・メンデス監督は、さすがである。「アメリカン・ビューティー」で、作品賞・監督賞をはじめ5部門のアカデミー賞を獲得した名誉の仕掛け人である。グイグイと引き込まれる印象深い映像が幾つかある。それは、砂漠でのシーン。炎天下の遥か彼方から揺らめく陽炎と共に登場する車や人の影。夜の真っ暗な砂漠から燃え上がる炎の柱