白バラの祈り/ゾフィー・ショル、最期の日々
「白バラの祈り/ゾフィー・ショル、最期の日々」
<SOPHIE SCHOLL-DIE LETZTEN TAGE> / 製作:2005年、ドイツ 121分
監督:マルク・ローテムント 出演:ユリア・イェンチ、アレクサンダー・ヘルト、ファビアン・ヒンリヒス、アンドレ・ヘンニック
2006.3.1 映画サービス・デイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,300で妥当 / 評価:3.5★/5点満点★
「ヒトラー政権に立ち向かった 21歳の女性ゾフィーの勇気に
世界中の観客が すすり泣いた感動の実話」
1943年のドイツ・ミュンヘンが舞台。ヒトラー独裁政権が末期的局面を迎えつつあった時代。人々は、スターリングラードでのドイツ軍大敗の噂をしながら、先の見えない日々を送っていた。そんな中、『ヒトラー打倒』を叫ぶ若きドイツ人のグループ【白バラ】が存在していた。「打倒ヒトラー!」の文字を町中の壁に書き、郵便やビラで国民に『自由』を呼びかけるていた【白バラ】。ミュンヘン大学の女学生・ゾフィー・ショル(ユリア・イェンチ)は、【白バラ】の紅一点。
ある日、【白バラ】が活動の一環としてミュンヘン大学にて秘かに「反ヒトラー」のビラを撒く。ところが、この行為が見つかり、ゾフィーと兄のハンスはゲシュタポに逮捕されてしまう。後に、仲間のクリストフも逮捕されてしまう。僅か5日後に、3人は人民法廷で裁判にかけられる。『大逆罪』を宣告されて、即日処刑されてしまうのだった。
逮捕から5日間の彼らの真実とは?そして、通常であれば49日かける裁判が何故たったの1日で終わったのか?ナチスは何を恐れていたというのだろうか?
【白バラ】も、ゾフィー・ショルも、実在の人物です。50年間、東ドイツに隠されていたゲシュタポの克明な記録を元に脚本化されたとの事です。
ベルリン国際映画祭では、三冠受賞の名誉。そして、アカデミー賞の外国語映画賞にもドイツ代表でノミネートされております。
え?そうなの!...隣の評論家的には、どーなのよ、これは!って感じで...。かなり不発に終わってしまったのでした。何故?どこがどう物足りなかったのか、もう一度じっくり考え直してみました。
まず、ゾフィー・ショルを演じたユリアさんに全く感情移入できなかったのですわ。何も「このヒト嫌ーーい」とか、子供みたいな自己主張をして言っている訳ではないのです。彼女からは何も伝わってこなかった。『強い意志』と『勇気』、そんな溢れるパワーを全くもって感じ取れなかったのですわ。上映劇場のロビーで販売していた原作本の表紙の写真は、ゾフィー・ショル本人のものだったようですが。この時代らしからぬショートヘアが印象的で、ボーイッシュな強い個性が写真から伝わってきました。本作のゾフィーは、その言動から想像するイメージとは似ても似つかない『お嬢ちゃま』な印象だったので、せめて目力とか並々ならぬパワーを感じ取りたかった。決して、ユリアさんをダメ女優呼ばわりする訳ではなくて、私の中で無意識に出来上がっていたらしいイメージに到達していなかったみたいなんです。
それと、3人が処刑されるまでの展開が割とあっさりとしていました。淡々と進むからこそ、置いてきぼりをくらってしまい逆に胸にグサッと突き刺さる作品もありますけど。今作は、そんな事も起こらずに、もっと強弱が欲しかった印象になってしまいました。
そもそも、隣の評論家は余りにもたくさん映画を見ているから、知らず知らずの内に『基準』がグーーンと高い位置に上がってしまっているのかもしれませんね。自分の中では『社会派作品』がマイ・ブームになっているから、今作にも無意識にスカイ・ハイ!なハードルを設置してしまっていたのかもしれません。正直言って、「社会派作品を観た」という気分で劇場を後にできなかったですぅ(涙)。
それでも、印象深いシーンはありました。やっぱり、ナチスの軍服と卍マーク入りの旗が揺らめく場面には悪い意味で鳥肌が立ちました。片手を挙げて「ハイル ヒトラー!」と軍人が叫ぶシーンには嫌悪感で一杯になったし。特筆すべきは、何と言っても裁判のシーンですね。『威圧感』という言葉だけでは表現しつくせない狂気に満ちた裁判官の迫力には吐き気を覚えました。
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コメント
こんにちは♪
う~ん、いまいちでしたか・・・ボクは結構
ドカンと来た方です。
保身のために狂信振りを演じる裁判官の
存在はボクも吐き気でした。
確かに映画を数多く観てると知らず知らず
のうちにハードルが高くなってたり斜めから
観るようになったりしちゃってますよね。
よく解りますよ~ r(^^;)
投稿: Notorious♪ | 2006年3月 2日 (木) 10:10
Notrious♪さま
TB&コメントありがとうございます。
こんな辛口な記事に、お相手してくださって誠にありがとうございました。
>ボクは結構ドカンと来た方です。
色々な方のブログを覗いても、皆さんどちらかと言うと感銘を受けているよーなんですね。ちょっと恥かしいです。でも、懲りずに「社会派作品」をまた観に行くと思います。次は「シリアナ」かな♪
投稿: 隣の評論家 | 2006年3月 2日 (木) 21:43
ドモドモー♪
いやー、今日もサクッと入りましたぞ!!
サクッと入った日は何だかとっても良い気分。ウフッ
して、この映画でするが、、
評論家さんの仰ること分かりますよー
ワタシもある部分同じでしてね、、
ゾフィーを演じたユリア・イェンチは、あれはあれでとても良い演技だとは思うのだけれど、
ワタシとしてはゾフィー・ショル本人とはイメージが違うかな?
本人のキラキラしたところがなかったような気がします。
これは、映画を観ている時に思っていたのですよん・・・・・
映画そのものは素晴しい映画でしたね。
心の底からじわーーっと来る恐怖を感じましたです。
投稿: Puff | 2006年3月 2日 (木) 22:40
PUFFさーーーん、TB&コメントありあとうございます。
おお!成功しておりますねぇ。フフフのフ。
そうそう、映画そのものは素晴らしかったと思うのですよ。ユリアさんの「抑えた演技」とでも言おうか、それはそれで別に間違ったアプローチではないと思うんです。と、言葉で納得しても、感覚ではピタッと入り込めなかったんですよ。人それぞれですよね。今回は期待し過ぎたのか、少々残念な印象でした・・・フ・・・
投稿: 隣の評論家 | 2006年3月 2日 (木) 23:15
隣の評論家さん、こんばんはぁ。
っと、ご覧になったのですねぇ~!
ふむ、確かに当初ゾフィーの演技に物足りなさを覚えた感はありましたですよ。
でも、「何でだろ?」っと思いながら観ていくうちに「そうなんだぁ~」ってな気持ちに変わっていったのでしたぁハハ。
たぶん本作って「ミュンヘン」みたいなもので事実を受け止める。ってなところなのでしょう?その先を受け付けるか?否か?で印象が違ってきちゃうのは仕方のないことだと思いまぁ~す。なんて知ったかぶりでした…m(__)m
予告編を観て、期待が高ぶっちゃう!?そんな気持ちもよ~くとわかるっす!
何度それで悔し涙を流したことか…
ではでは、またおじゃましますねぇ~ん♪
そうそう、今月。そちらへ遊びにいくのです!ウシシ
投稿: purple in sato | 2006年3月 3日 (金) 00:41
コメント&TBありがとうございました。
>ゾフィー・ショルを演じたユリアさんに全く感情移入できなかった
う〜ん。ぼくは感情移入できなかったからこそ、
彼女の演技はスゴいと思ってしまいました。
ある意味、あの目はイッてた気がするんです。
常人では理解できない(感情移入できない)人だからこそ、
あそこまでのことができたと、ぼくは取りました。
投稿: えい | 2006年3月 3日 (金) 01:06
隣りの評論家さん こんにちわ。
私も同じような感想を持ちましたよ。ゾフィーのショート姿の写真は個性的な感じがしたし、ユリアの抑えた演技とはちょっと合わないような気がしますよね。それで、私も本当のゾフィーはどうなんだろう・・・と気になりました。どうも、ゾフィー像は当時の看守や神父の証言に基づいているみたいですね。どちらかというとゾフィーは内気な方だったというのも意外でした。それに、髪型といい、顔といいユリアに似ている写真が有るんですよね。シナリオ集では、カットされたシーンも書かれているんですけど、看守に手紙を・・・と言われて、唯一叫びましたよね。あそこがないですよ。ちょっと私みたいな凡人には理解できないレベルの冷静さだな・・と思うと違和感が解けてきた気がしました。
投稿: meg | 2006年3月 3日 (金) 15:31
こちらにゾフィーやハンスの写真が掲載されてますよー。
http://www.mypress.jp/v2_writers/ayapo/story/?story_id=1342986
このハンスは横顔ですが、別の写真で見たら、やっぱり似てる気がしました。クリストフは繊細そうで細面な感じが似てますよね。
投稿: meg | 2006年3月 3日 (金) 19:49
TB&コメントありがとうございました。
★purple in sato さま
どもども~。温かいコメントをありがとうございました。
>たぶん本作って「ミュンヘン」みたいなもので事実を受け止める。
そうですね、そういう事だと思います。「ミュンヘン」では、私は寧ろ肯定意見だったのですね。ところが、「ダメでした」という意見の方、結構お見受けしました。この作品での私のようだと、今思いましたよ。
★えいさま
えいさま、コメントも頂きありがとうございます。
>常人では理解できない(感情移入できない)人だからこそ、あそこまでのことができたと、ぼくは取りました。
寧ろ、えいさんのように受け止めるべき作品だったのだと思います!とても参考になりました。ありがとうございます!私は、きっと満点に近い感想を夢見ていたのかもしれません。辛口と言っても「3.5点」というのは決して低くない点数ですし。
★megさま
コレは、コレは。深いコメントをありがとうございます。
>ゾフィー像は当時の看守や神父の証言に基づいているみたいですね。
そうなんですね。実際のゾフィーって、どうだったのか気になり始めました。唯一の叫ぶシーン、コレは印象に残っております。
投稿: 隣の評論家 | 2006年3月 3日 (金) 22:01
ゾフィー・・・・おいらたぶん観ないことになるわ・・。今日はアブノーマル観てきたし。
隣のヒ評論家さんに響かないってことは、睦月に響くはずないもん(笑)感性が鈍りまくりだからねえ(悲)
ところで、コメントありがとうね!お返事かえしております♪ごめんねえ・・・ホントに最近、ブログ管理が追いつかなくって・・・。キチンとココには毎日遊びにきてるんだけど、なかなかコメントが残せないでいる。申し訳ないです。
隣の評論家さんも忙しそうよお・・・無理はしないでね。ところで明日の試写会は一体何?すごい試写会数だよね!うらやましい!睦月もそろそろ金銭が厳しくなってきた・・・・・。
投稿: 睦月 | 2006年3月 3日 (金) 23:59
隣の評論家さん、こんばんは。
私はこの作品結構引き込まれました。特にゾフィーと尋問官のやり取りは。
それとやはりあの最高判事の狂気ぶり。空恐ろしい。
恐ろしいと言えば、ラストに登場する処刑台。その前に「オリバー・ツイスト」を観ていたので絞首刑を想像していたんですが、ギロチンとは! でもギロチンの方が苦しまずにすむかなぁ?
あ、私は白バラもゾフィーも知りませんでした。
投稿: | 2006年3月 4日 (土) 02:20
コメントありがとうございます
★睦月さま
私に響かないから睦月さんに響かないかどうかは、ウーンわからないけれど...。でも、この作品は褒めてる意見が多いので、さすがに辛口な自分が悲しくなりました。「なんで、こう辛口なのかしら...」って。でも、心に響かなかったものは、しょーがないです。と言っても低い点数じゃないからね。
「アブノーマル・ビューティー」どうだったんだろー?気になるのう、レビューが。予告編を見る限り、タイトルのみならず映像でも睦月さんのツボっぽい印象だったけど。
★ さま
最高判事の狂気には、私も吐き気を覚えました。やっぱり、ゾフィーが終始冷静に振舞っていた分、あの狂気はインパクトありましたよね。ギロチンにもビックリでした。ギロチンなんですね。私も絞首刑だとばかり想像していたので、こちらもインパクトありました。
投稿: 隣の評論家 | 2006年3月 4日 (土) 21:38
どうもこんばんはCINECHANです。
コメント名前が抜けていたようで申し訳ありません。失態です。(恥・・)
でも私のコメントだと分かってもらえたようなので良かったです。
ということで今後ともよろしくお願いします。
投稿: CINECHAN | 2006年3月 5日 (日) 01:55
CINECHANさま
やっぱり!CINECHANさんだと思ったんですよ。いつも丁寧にコメントを頂き、ありがとうございました。お気になさらず、こちらこそ今後ともどうぞヨロシクお願いしますね♪
投稿: 隣の評論家 | 2006年3月 6日 (月) 00:04
こんにちは☆
僕も「白バラの祈り」観てきました。
隣の評論家さん。今回厳しいですね・・・
淡々とした演出や、起伏のあまり無い物語でしたが、逆に感情を揺さぶるようなストーリーに仕立て上げなくて良かったと思いました。
尋問のシーンは見所でしたが、モーア役の人が少し強かったですね。ユリア・イェンチが少しもの足りないというのは同意ですね♪
投稿: orange | 2006年3月12日 (日) 13:39
orange さま
TB&コメントありがとうございます。辛口になってしまったので、実はorangeさんにTB貼るのどうしようか迷ってました(笑)。
>淡々とした演出や、起伏のあまり無い物語でしたが、逆に感情を揺さぶるようなストーリーに仕立て上げなくて良かったと思いました。
そうか、そういう事なんですよね。そこを読み解けていなかったです。
投稿: 隣の評論家 | 2006年3月12日 (日) 20:50
トラックバックありがとうございました
「ゾフィーに感情移入できなかった」とのご意見ですが、私にも思い当たるふしがあります。
私はゾフィーではなく、尋問官のモーア氏に感情移入して見ておりました。個人的には、強さだけではなく弱さ(あるいは善だけでなく悪)・・・二面性を持った人物にリアルな共感を覚えてしまうのですね。
ゾフィーの純粋さには胸をうたれました。しかし、人間としての奥深さを感じさせるには彼女は若すぎたのではないか?と思うのですが、いかがでしょうか。
投稿: 朱雀門 | 2006年3月23日 (木) 00:09