5月に鑑賞した映画たち
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「嫌われ松子の一生」
製作:2006年、日本 130分 PG-12指定
監督:中島哲也 出演:中谷美紀、瑛太、伊勢谷友介、香川照之、市川美日子、黒沢あすか、柄本明 他超豪華オールスターキャスト
2006.5.31 レディース・デイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★
「松子。人生を100%生きた女」
「あなたは《嫌われ松子》を好きですか?」
20代で教師をクビになり、家を飛び出す。暴力的な恋人は事故で死に、不倫の末に捨てられる。ソープ嬢となり活躍するが、同棲中の《ヒモ》に裏切られて逆上、彼を殺害。自殺未遂するも、捕まって刑務所に服役8年。元・教え子と再会し、同棲するが、ヤクザ稼業の彼とも別れが訪れる。一人暮らしの引きこもり生活の果て、死体となって発見される。川尻松子・53歳の太くて短い生涯。
原作は読んでいないが、この松子という女の生き方には共感のしようがなかった。少女時代の松子が言う。「私、大きくなったら王子様と結婚するんだぁ!」 この瞬間から死体で発見される53歳まで、松子の心は少しも成長していない。「私だけを愛して。私だけを見て。ずっと私の側に居て。」 地に足が着いていないんですわ。
松子本人曰く、「父親は病気がちの妹ばかりを可愛がった」 だから、父親の気を引こうと必死だったと言うのだ。ううん、父親だけではない。松子の人生に現れる男たちの気を引こうと、それはそれは必死な毎日だ。「私を愛して。私から離れないで。」 一見、しおらしいかのようだが、実際はジットリと相手を束縛しているかのように見えた。松子の人生に登場する男たちは、一見ロクでもない奴らばかりに思えるけれど。実際には、松子の幼い愛情表現が男たちを窮屈にしていたように感じられました。松子自身が『ダメ男』を創り上げてしまったかのような錯覚に陥りまして。心が成長していない分、他力本願な生き方しかできなかったのかもしれないですねぇ。
ところで、松子は父親の気を引く事しか頭になかったようだけれど、母親は?松子は、「父は私を愛してくれない」と決めつけていたようだけど、いえいえ、お父さんは松子さんの事ちゃーんと愛してたんだよ。こんなに淋しい想いをして過ごしていた少女時代、松子の母親は何してたのっ?生きて一緒に暮らしていたのなら、「ちゃんと家族を守らんかいっ!!!」と、怒鳴り散らしてやりたい衝動に駆られてしまった。(別居とか死別とかだったらゴメンなさい)
松子という女に共感はできなくても。松子を演じた中谷美紀は文句なしに素晴らしかった。彼女なしに、この作品を語るべからず。歌って踊って、新しい一面も見せてくれたし。きっと、ファンが増すことと思います。それと、全員は紹介しきれませんが。松子の人生に登場する男たちも、かなり魅力的でした。トム・クルーズよりも白い歯で二カッと微笑む爽やかティーチャーは谷原章介。偶然に松子を人生のドン底から救う《お人よし》の理容師は荒川良々。この2人の役は、他の誰にも演じられないくらいにピッタリとハマっていました。
最後に、この作品を見て思い出した2人の言葉を紹介しちゃいます。
女優ヒラリー・スワンクがインタビューで話した人生のモットー。
「退屈だ!と思わない人生を送りたい。退屈だと感じたら、それは自分が努力していない証拠だから。」
再び登場のウチの母ちゃんのキメ台詞。
「楽しく生きるのも、自分の努力次第なんだよ。」
この2つの言葉は、隣の評論家には効果抜群でした。そうそう、自分のペースでいいからさ。『細く長く』でもいいからさ。地に足つけて1歩1歩の重みを噛み締めながらでいいから、しっかりと生きようよ。と、松子さんに酒の席でさり気なく言ってみたかったな。
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「かもめ食堂」
製作:2005年、日本 102分
監督:荻上直子 出演:小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ、ヤルッコ・ニエミ、タリア・マルクス、マルック・ペルトラ
2006.5.24 映画サービス・デイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★
「ハラゴシラエして歩くのだ。」
今頃になって、ようやく観に行って参りました。(遅ッ!!!) 渋谷シネ・アミューズでは、水曜日は女性のみならず男性も1,000円で観れるとあって、もの凄い混雑しておりました。立ち見席も出てしまう程でした。大きくない劇場はギュウギュウ詰めで、「何で皆、ダ・ヴィンチ・コード」にしないのよぉーとまで思ってしまった...。この作品は、確か3月公開でしたよね。どれだけ評判がいいの!という嬉しい悲鳴が漏れそうになりました。
フィンランド・ヘルシンキの街角で小さな食堂をオープンしたサチエ(小林聡美)。その名は【かもめ食堂】で、メインメニューは【おにぎり】。お客さんはなかなか入りませんが、サチエは今日も食器をピカピカに磨きます。ある日、ついに初めてのお客さんが来店しました。そして、日本人女性のミドリ(片桐はいり)とマサコ(もたいまさこ)に出逢います。3人で協力して【かもめ食堂】の改革を進めていく事になりました...。
全編を通して、緩やかで温かい空気が流れています。オール・フィンランド・ロケを敢行したそうですが、何よりも3人の女優が素晴らしいです。
サチエを演じた小林聡美は、小さい身体から溢れる頼もしさと優しさで、観客をも温かく包み込んでくれました。ミドリを演じた片桐はいりは、素直で可愛らしかったですし。マサコを演じたもたいまさこの存在感たるや、今回も健在でしたよー。絶妙な間と視線で、劇場中を笑いの渦に巻き込んでくれました!とにかく、山あり谷ありという訳でもない、何てことないようなストーリーではありますが。そのスローなテンポが心地良く、【かもめ食堂】のメニューもまた美味しそうで魅力的でした。
と、ココまでは皆さん納得のいく普通のレビューだと思いますが。ココから先は、隣の評論家だからこそ感じた事を書き連ねていきたいと思います。
この作品、個人的には『母へのラブレター』 でした。
ウチの母ちゃんは、食堂(幾分、居酒屋寄り)を経営しております。ですので、色んなシーンで母ちゃんの顔が頭をよぎりました。自営業って、口でいう程に簡単ではないんですよ。隣の評論家自身は、普通のOLやっていまして。『雇われ身分』の方が気が楽だとすら思って生きている訳ですわ。サチエさんのような大らかさを持ち合わせていないアタクシには、自営業なんて絶対に無理ですわ。苦手な客に対しては、必ずや『嫌だ』という気持ちが顔に出てしまうと思います。(まだまだ修行が足りないという事かもしれませんです)
新しいメニューを考えたり、開店前に材料の下ごしらえをしたり。そんな部分も大変ではありますが。何よりも、人を温かくもてなす という事は一言では簡単に片付けられない作業だと思っております。自営業って、向き不向きがあるとさえ考えている次第です。
本作のサチエさんの「いらっしゃいませ」 は、とても素敵でしたよね。お客を引き寄せる包容力が感じられました。何か、サチエさんは『理想の女性』だとすら思いましたよ。
ウチの母ちゃんは、サチエさんとはまた違ったキャラクターではありますが。食堂のシーンが映し出されるたびに、母親の「いらっしゃいませぇ」 「ありがとうございましたぁ」 と言う時の元気一杯の笑顔が浮かんでしょうがなかったです。映画なんて全くもって見ない人なんですけど、この作品を見せてあげたくなってしまいましたわ。
未見の方がいらっしゃいましたら、まだ間に合いますので。是非とも、ご覧になってくださいませ。とても美味しそうなメニューが登場する度に、お腹が空いてしまうかもしれませんが(笑)。
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「ダ・ヴィンチ・コード」
<THE DA VINCI CODE>/製作:2006年、アメリカ 150分
監督:ロン・ハワード 出演:トム・ハンクス、オドレイ・トトゥ、イアン・マッケラン、アルフレッド・モリーナ、ユルゲン・プロホノフ、ポール・ベタニー、ジャン・レノ
2006.5.20 劇場前売り鑑賞券¥1,300にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★
「ダ・ヴィンチは、その微笑みに、何を仕組んだのか。」
本年度最大級の話題作かもしれません。「ジャケット」と<はしご鑑賞>する為に、日劇へ足を運んで参りました。入場できないかもしれない程の混雑を予想して、朝も早よから髪を振り乱して午後の回の指定席をゲットするつもりで有楽町を闊歩して来ました。9:45頃で既に「大変込み合っておりまして...」と受付のお姉さんから前置きをされつつも、無事に席を確保できました。それでも、10:00を過ぎた時点で『宝くじ売り場』を上回る行列ができておりました。想像以上の人気ですね、びっくらこきましたよー。
公開する大分前から「とにかく原作を読んでみなさいよぉ」と太鼓判を押されていた本作。隣の評論家は、原作を先に読んで映画を観ると幾分失望する事が多いんですね。だもんで、本作は原作を読まずにとっておいてあります。原作本を読む事の方に重きを置いて、その前フリとして映画を鑑賞しようと構えておる次第です。という訳で、原作を知らない女の戯言になっておりますので、この時点でフンッ!と思った方は素通りしてくださいませ~。
閉館後のルーヴル美術館。館長のソニエールの死体が発見される。ダ・ヴィンチの有名な素描「ウィトルウィウス的人体図」 を模して横たわり、不可解な暗号を残していた。その暗号の中には、ハーヴァード大学のラングドン教授(トム・ハンクス)の名前が含まれていた。フランス司法警察のファーシュ警部(ジャン・レノ)は、ラングトンを殺人事件の第一容疑者として疑う。現場に連れて来られたラングドンは、館長の孫娘で暗号解読官のソフィー(オドレイ・トトゥ)の機転で窮地を切り抜ける。結果的に2人は指名手配されるが、同時に『暗号の謎』の解明に挑む。しかし、それは歴史的真実を覆す謎解きの始まりに過ぎなかった。
恐らく、原作の内容を完全網羅できていない仕上がりなのかもしれません。細かい説明は削除して、端折って端折ってどうにか150分に上手くまとめたのではないかしら?もう少し説明を加えて欲しかったと思う部分があったのも否めませんが、なかなかのエンターテインメント作品に仕上がっていたと思います。ラングトン&ソフィーの追跡劇は、息つく間もないくらいにスリリングに展開していくので、150分を長いと感じる事はありませんでした。
他にも豪華なキャストが脇を固めているので、原作を知らない映画ファンとしては存分に堪能できました。ラングトン教授の友人の宗教史学者リー・ティービングにイアン・マッケランが扮します。(ガンダルフ!)生粋の英国老紳士というキャラクターを、洗練された会話を織り交ぜつつ圧倒的な存在感で魅せてくれました。
宗教組織『オプス・デイ』の修行僧シラスにポール・ベタニーが扮します。色素欠乏症で厚き信仰心から怪しい行動に出る男です。この作品のキーとなると言っても過言ではないインパクトのある役柄でした。原作では、彼のエピソードがもっと登場している事を祈ります。だって、出番が少な過ぎだわ!もっと見たかったのよぉぉぉ。ポール・ベタニー、今後も楽しみでしょうがない俳優さんの一人です。
本作は、「超話題だしぃ~」 と軽いノリで観ない方がいいかもしれません。チラシやHP等、各情報源を元に多少は予習してキー・ワードを頭に入れてから鑑賞する事をおススメします。TVでもダ・ヴィンチの特集を組んでいるらしいから、取り合えずソレを見ておくとかね。
隣の評論家は、各エピソードや人物関係図を把握しきれていない印象で終わったけれど。それでも、「ダ・ヴィンチ・コード」という世界観は何となく心に刻まれました。やっぱり、絵画や歴史って紐解くと興味深いですよねぇ。特に「最後の晩餐」という名画は、美しさだけではなく様々な事柄を語っている奥の深い芸術だと改めて気づかされました。この感覚を忘れる事なく原作本に挑みたいと思います。
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「ジャケット」
<THE JACKET>/製作:2005年、アメリカ=ドイツ 103分 PG-12指定
監督:ジョン・メイブリー 出演:エイドリアン・ブロディ、キーラ・ナイトレイ、クリス・クリストファーソン、ジェニファー・ジェイソン・リー、ケリー・リンチ、ダニエル・クレイグ、ブラッド・レンフロ
2006.5.20 劇場前売り鑑賞券¥1,300にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥2,000で妥当 / 評価:4.3★/5点満点★
「なぜ未来に行った? なぜ僕は死んだ? なぜ君に会った?」
1992 - 2007 着ると運命が見える。
これはまた、ストライク・ゾーンの作品でした!超話題作「ダ・ヴィンチ・コード」の公開初日と重なってしまった本作。それでも、隣の評論家は以前から気になっていて公開を楽しみにしておりました。天気も快晴だし、初日の初回へいざ出陣!到着した劇場はガラガラでしたわ。あらら~... でもね、一般的には受け入れられない作品でも、アタクシ自身が妙に気に入るパターンが多いんですわ。という事で、やっぱり期待して観ました。
1992年。ジャック・スタークス(エイドリアン・ブロディ)は、湾岸戦争で頭部を撃たれて瀕死の重傷を負う。奇跡的に一命は取り留めるのだが、後遺症は残り【記憶障害】になってしまう。ある日、『殺人事件』に巻き込まれて精神病院へ送られてしまう。そこで待ち受けていたのは、【拘束衣<ジャケット>】を着せられ、死体安置用の引き出しの中に閉じ込められるという実験的療法 だった。気がつくと、15年先の2007年へとタイムスリップしていたジャック。そこでジャッキー(キーラ・ナイトレイ)という若いウェイトレスと出逢う。そして知らされる驚愕の事実。「ジャック・スタークスは1993年1月1日に死んだのよ」 自分が4日後に死ぬことを告げられたジャックは、自分の死の真相を探ろうとするのだが、果たして...。
本作のストーリー・テリングは、決して白黒ハッキリと提示されていませんでした。観る人に解釈を委ねるかのような展開でしたね。これは、賛否両論クッキリと分かれるタイプの作品なのかもしれません。少なくともアタクシは、素直に面白いと思いました。以前、レビューを載せた「隠された記憶」 の難解さには及ばない印象ではありましたが。鑑賞後、パンフレットを熟読していたら、色々と意味深なセリフや行動、はたまたアイテムまで見逃していたらしい事に気づきました。おおっ、これは2~3度改めて観なおしたい作品です。再度トライして、感想が変わるかどうか自分でも知りたくなりました。
一番印象に残っているのは、ジャックが治療と称して閉じ込められる死体安置所の引き出し でした。着せられる【拘束衣】だけでも相当強烈なインパクトを残すのに、何々ですかっ?この引き出しはッ!こんなに狭くて真っ暗な空間に強制的に入れられたら、人格が破壊されてしまうと思います。ジャックを演じたエイドリアン・ブロディは役作りの為に似たような狭い空間に入ったそうですが、そこまでしなくても...という程に恐怖に引き攣った表情を再現していたと思います。閉じ込められると記憶障害である彼の過去の色々な場面がフラッシュ・バックするんですね。映像が眼球に映るという演出も、かなりインパクトがありましたね。
それと、随所随所に散りばめられていた『何か意味がありそうな一場面』が気になりました。ジャックがセリフを言う時は、ジャックの口元のアップが映し出されたり。「このセリフを聞き逃すなよ!」という意味あいの演出だったのか、それは考え過ぎなのか。ジャックとジャッキー、そしてジャッキーの母親はジーンというんですね。「Jで始まる名前が多い事も、何かの隠喩であろう」 とパンフレットに載ってるしぃ。色々と解釈ができるのかもしれませんね。それと、もう一つ。ジャックが持っている【認識票<ドッグ・タグ>】にも注目ですね。名前と生年月日が刻まれています。
本作もまた、ネタバレを含むようで多くを語れないのですが。観た人の解釈を聞いてみたくなりました。好きじゃない方もいらっしゃるかもしれませんが、アタクシはなかなか満足できました。
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「夢駆ける馬ドリーマー」
<DREAMER> / 製作:2005年、アメリカ 106分
監督:ジョン・ゲイティンズ 出演:カート・ラッセル、ダコタ・ファニング、クリス・クリストファーソン、エリザベス・シュー、デヴィッド・モース
2006.5.18 試写会¥0にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,000で十分 / 評価:3.3★/5点満点★
「人はみなドリーマー 夢にむかって走れば奇跡はおこる!」
走れ!ソーニャドール 少女ケールの夢を乗せて
「本当にあった実話を映画化!」 とのことでした。
かつては優秀な騎手であり、今は牧場経営と優秀なトレーナーとして生計を立てているベン(カート・ラッセル)。牧場の資金繰りは、実は苦しい状態であった。ある日、ベンは娘のケール(ダコタ・ファニング)を連れて馬の調教へと出かけた。彼が担当している馬の一頭がソーニャドールである。ソーニャドールが走る姿を見て、ケールは一目で気に入ってしまう。しかし、レース当日。ベンはソーニャの異変に気づく。オーナーに出走をやめるよう進言するが、却下されてしまう。その結果、ソーニャはレースで足を骨折してしまう。オーナーは『安楽死』 を命じるが、ベンはギャラと引き換えにソーニャを引き取る道を選ぶ。
やがて、ケールはソーニャと心を通わせていく。ベンはソーニャを娘・ケールに譲り、『馬主』となったケールを中心に『ブリーダーズ・カップ』でソーニャをカンバックさせるという感動の実話である。
何かねぇ、思い描いていた程に心を動かされなかったなぁ。せっかく素敵な実話なのに、ストーリー・ラインが弱い印象を受けてしまってねぇ。起承転結がキッチリしていなかったというか。隣の評論家の歯切れも悪い、悪い(苦笑)。
ああ、でもね。お馬さんは愛くるしい瞳と颯爽と駆ける姿が好対照で、とっても魅力的でしたよー。キャストも豪華で素晴らしかったと思います。本作は、ケールを演じたダコタちゃんを中心軸に展開していた印象でしたが。やはり、隣の評論家の印象に残ったのは、脇役陣なのでありました。
父・ベンを演じたカート・ラッセルは素敵だったなぁ。『アクション俳優』のイメージが強い彼ではありますが、牧場主という野生的な姿と娘を包み込む懐の深さがたまらなく魅力的でしたわ。娘を見守る優しい笑顔、その細い目線の温かいこと・温かいこと!素敵なお父さんじゃなーい、羨ましいったらないですわ。
更に懐が深い存在感を発揮していたのは、祖父・ポップを演じたクリス・クリストファーソンでありあました。孫娘を通して息子に愛情を注ぐ優しい笑顔がたまりませんでしたよ。さすが『年の功』なのでありましょうか。若い輩には絶対に表現できない温かい存在感が素敵でしたねぇ。
母・リリーを演じたエリザベス・シューは、なかなか好きな女優さん。出番が少な目で淋しいかったです。それでも、さり気なく仕事を増やして家族を支える姿が良かったです。
脇役の中で特に異彩を放っていたのが、ベンの仲間らしきバロンという男を演じたルイス・ガズマンでしたね!この人、「トラフィック」にも出ていたなぁ。あの【ゴリラ】みたいなインパクトの強過ぎる風貌で、圧倒的な存在感を放っていたような印象を受けました。息の長い名脇役として、これからもチョクチョクお目にかかりそうな予感がしました。
最後に、ダコタ・ファニングについて触れておこうかしら。確かに、とっても上手いんだよね。妙に大人びた子供を演じさせたら、今のところ天下一品なんだとは思うよ。でもね、今回の『大人っぷり』には、隣の評論家はドン引きしました。だってさー、お父さんに向かって言うセリフが余りにも大人っぽくて、ちょっと愛らしさに欠けてたんだもの。
「子供扱いしないで。」 「お父さん、怖いの?」 だって。
いえいえ、アンタの事の方がよっぽど怖いと思っちゃったわよ。隣の評論家は、ダコタちゃんよりも長ーい人生を送っているハズなのに。まだまだ人生の修行が足りないのかしらね...。
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「ピンクパンサー」
<THE PINK PANTHER>/製作:2006年、アメリカ 93分
監督:ショーン・レヴィ 出演:スティーヴ・マーティン、ケヴィン・クライン、ジャン・レノ、エミリー・モーティマー、ヘンリー・ツァーニー、ビヨンセ・ノウルズ
2006.5.17 レディース・デイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,300で妥当 / 評価:3.5★/5点満点★
「消えた世界一のダイヤ<ピンクパンサー>の謎に
ご存じ、世界一の迷警部クルーゾー参上!」
もう、『笑い死』するかと思ったわよ...。
サッカーの国際試合で、フランス代表チームの監督グルアンが大観衆の前で何者かに殺害された。同時に、グルアンが所有していた高価なダイヤモンド【ピンクパンサー】が忽然と姿を消したのだ。国中が注目するこの事件を任されたのは、ドレイフェス警視(ケヴィン・クライン)だ。ドレイフェス警視は、この事件で手柄を取る為に、クルーゾーを警部(スティーヴ・マーティン)を擢して任務に当たらせる。早速、アシスタントのポントン(ジャン・レノ)と共に犯人逮捕に乗り出したクルーゾー警部。果たして、事件の顛末は?ギャグ満載でお送りするドタバタ・ハチャメチャ・コメディーです。
これはもうね、ストーリーラインをくっきり追うんではなくて。ドタバタとてんこ盛りのギャグから目を離さないで頂きたいですわ。
まずは、オープニングから素敵。例の『ピンクの豹』のアニメが登場するんですけどね。例の音楽に合わせて、長い手足と腰をクネクネさせて踊るピンクパンサーがかわいい☆ 僅か数秒ではありますが、そのお尻フリフリの映像で「掴みはオッケー」 状態でした。(宙に浮いた眉毛もツボですわ)
歌姫ビヨンセ・ノウルズが、作品中も『歌姫』の役で登場します。やっぱり、セクシーなだけでなくオーラ全開でとても素敵でした。クルーゾー警部の秘書役で登場するエミリー・モーティマーも可愛かったなぁ。ジェイソン・ステイサム、クライブ・オーエンといった『映画好き』なら知っているであろうゲスト出演もありましたね。(多分、知らない人は知らないよねぇ)
後は、数々のコテコテ・ギャグの連続に、腹を抱えて大笑いして参りました。
今回、ドレイフェス警視は『敵役』的存在だったと思うのですが。演じたケヴィン・クラインの余裕のあるコメディ演技には釘付けでした。知的で清潔な雰囲気にコミカルな味が絶妙にブレンドされていて。クルーゾー警部と好対照で面白かったです。クルーゾー警部は、持ち前の『ドジっぷり』を最大限に発揮して、ドレイフェス警視を『痛い目』 に合わせてばかりいるのですが。その度に「・・・痛かった?・・・」 と聞くクルーゾー警部。「痛いに決まってるじゃん!」 と心で大笑いするアタクシ。もう、最高ですわ。
クルーゾーの相棒・ポントンにはジャン・レノが扮します。無表情ながらに、身体を張ってコミカル演技を披露してくれました。崩れた『レオン』という感じで、面白かったです。クルーゾー&ポントンが、捜査の為に『侵入』するんですけど。とんでもない衣装で侵入して、とんでもない動きを見せてくれるんですね。アタクシ、そのシーンで大笑いし過ぎて呼吸困難みたいな状態になってしまいました。「・・・ちょっと、・・・ちょっと・・・止めてよ。・・・・死ぬ、・・・死ぬッ!」 って、画面に向かってお願いをしてしまいましたわ。でも、周り中が笑っていたから気にしなくても大丈夫だったけどね。
後は、やっぱり。クルーゾー警部に扮したスティーブ・マーティンですよね。さすがの名コメディアンっぷりを披露してくれました。彼の面白いシーンは、たくさんありましたが。一番ツボだったのは、クルーゾー&ポントンが『悪人っぽい人達』相手に闘っているところ。実際に闘っていたのは、ポントンだけで。クルーゾーは、その後ろで『カンフー』の真似事みたいな動きを延々としてるんですよ。何なの、そのクネクネした動きは!って、もう大爆笑。スティーブ・マーティンと言えば、以前「アカデミー賞授賞式」の司会をした事がありましたが。なかなか辛口なギャグ満載だったと記憶しております。『この人、社会派?』とか思って、改めて頭の回転の早い人なんだなーと感心したのを今でも覚えております。
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「ナイロビの蜂」
<The Constant Gardener>/製作:2005年、イギリス 128分
監督:フェルナンド・メイレレス 出演:レイフ・ファインズ、レイチェル・ワイズ、ユベール・クンデ、ダニー・ヒューストン、ビル・ナイ、ピーター・ポスルスウェイト
2006.5.14 劇場前売り鑑賞券¥1,300にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥2,500で妥当 / 評価:4.5★/5点満点★
「地の果てで、やっと君に帰る。」
きっかけは、妻の死。 たどり着いたのは、妻の愛。
アフリカのナイロビでイギリスの外交官として働くジャスティン(レイフ・ファインズ)の元に、信じ難いニュースが舞い込む。妻・テッサ(レイチェル・ワイズ)が亡くなったのだ。弁護士であり【救援活動家】でもある情熱的で美しい妻・テッサ。悲しみに暮れるジャスティンは、妻が【活動家】としての熱意から、ある事件に関わっていった事を知るが―――。
妻・テッサの訃報から始まり、ジャスティンの記憶にある美しく情熱的なテッサの姿を織り込みながらストーリーは進行していく。やがて明らかになる、ナイロビを舞台にした『ある陰謀』 もスリリングに展開していくので、「ラブ・ストーリー系は苦手」な人でも最後まで集中して見届けられる作品だと思いました。
本作にてテッサを演じたレイチェル・ワイズが、アカデミー賞助演女優賞を受賞しました。それにしても、このテッサという女性。意志がとても強くて、かなり情熱的で。『救援活動』に賭ける熱意たるや、周囲を圧倒する程のパワーを秘めているようでした。個人的には、こういう『過ぎる』くらいに強い女性って苦手です。アタクシが男だったら、多分一緒に生活はできないと思います。そこを、レイチェル・ワイズは嫌味なく自然体で熱演してくれました。
対する夫・ジャスティンと言えば。ガーデニングをこよなく愛する穏やかで平和に生きている男性です。妻の危険すぎる【活動】にも無頓着というか、気にはなっているのだけれど無理に止めさせたりはしません。演じるレイフ・ファインズが、とてもハマっていたと思います。妻の死後、呆然と立ち尽くして彼女の面影を追い求める。ボンヤリと寂しく遠くを眺める表情なんかも、レイフさんだからこそ切なく体現できるのだと思いました。
この夫婦は、とても相性が良いと思いました。お互いに無い部分を持っている2人、だからこそ強く惹かれ合ったのでしょうね。妻の死の謎を独自に調べ始めるジャスティン。ここからは、サスペンスフルに展開していきます。そして、『ある陰謀』 に気がつき始めてからは、まるでテッサの魂が乗り移ったかのように行動力を示し始めるのです。妻の辿った道を追う事で、改めて気づく妻への強い愛情。そして、妻が残した自分への配慮。2人の愛情は、紛れも無く崇高なものだったと感じずにはいられません。印象的なラストシーンは、悲しくも美しいものでした。
ラブ・ストーリー部分に入り込めなくても、アフリカの乾いた美しい大地を堪能できる事受け合いです。そして、何よりも。暴かれる『ある陰謀』 にも感心を持たずにはいられません。隣の評論家は、『発展途上国』と『先進国』の関係について、今更ながら考えさせられました。【ボランティア精神】というものを持ち合わせていない自分。この作品で忘れられないシーンがあったので記しておきます。
12才程の少年が「入院している姉を見舞う為に」 「テッサの墓参りをする為に」 何キロもの道のりを歩いて来るんです。あんなに痩せ細った身体で。ちょっと小旅行して「一杯歩いて疲れたぁ」と言っている自分が、とても恥かしく思えました。
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「ニュー・ワールド」
<THE NEW WORLD>/製作:2005年、アメリカ 136分
監督:テレンス・マリック 出演:コリン・ファレル、クリスチャン・ベール、クオリアンカ・キルヒャー、クリストファー・プラマー、オーガスト・シェレンバーグ、ウェス・ステューデイ、デヴィッド・シューリス
2006.5.10 レディース・デイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★
「一生を変えてしまう愛がある」
17世紀初頭【新大陸】アメリカ。
異なる世界のふたりが許されない恋におちた―――
【一瞬で一生を変えてしまう運命の恋と、一生変わらない穏やかな愛】
ふふっ...後者にしとけば? と冷静に思いつつ、普段だったら通り過ぎるジャンルの作品をイメージしておりましたが。既に観た方の高めの評価を聞き、劇場へ足を運びました。テレンス・マリック監督だもんね、陳腐な仕上がりではない事に期待が持てます。
レディース・デイの夜だと言うのに、劇場はガラガラでした。丸の内なのに、何でぇ?うーん、一般的な女性の意見とは逆行する感性のアタクシだから、コレは益々期待できそう...。
とにかく美しい作品でしたわ。
1607年、新大陸を開拓し、黄金を手に入れようとするイギリスの船が北アメリカのヴァージニアに漂着した。ネイティブ・アメリカンとの交渉を命じられた遠征隊員ジョン・スミス(コリン・ファレル)は、川上に暮らすネイティブの戦士たちに捕らえられ、処刑されそうになるが、族長の娘・ポカホンタス(クオリアンカ・キルヒャー)に命を救われる。
そして2人は、【運命の恋】におちる。
やがて、2人は引き離される。帰郷したスミスが海の事故で亡くなったと聞き、悲しみに打ちひしがれるポカホンタス。そんな時、イギリス紳士のジョン・ロルフ(クリスチャン・ベール)と出逢う。傷ついた彼女を温かく見守るロルフは、彼女に結婚を申し込む。2人は結婚し、穏やかな暮らしが続いていたのだが...。
ロルフは【穏やかな愛】で、ポカホンタスを包み込む。
ポカホンタスの辿る人生を、印象深い映像美で見事に綴られた叙情的な作品でした。『恋の行方』がどうとか、そんな事よりも。ヴァージニアの美しい自然とネイティブ・アメリカンの地球に根付いた暮らしぶりが心に染み入りました。これは『映画』なのに、思わず深呼吸をしそうになりました。
緑の大地、木々のざわめき、鳥のさえずり、そよぐ風、水のせせらぎ。おいしい空気の匂いがしてくる錯覚を覚えてしまった程に心が漂白される想いでした。隣の評論家が最も好きだったのは。夕日が沈む直前の水平線の美しさ!水平線だけが赤く燃えていて、空は薄暗いんですわ。「お~ぅ」 と日本人らしからぬ感嘆の声が漏れそうになるのをグッと堪えました。
もう一つ好きだったのは。捉えられたスミスがネイティブと少しずつ打ち解けていくシーンが印象的でした。ネイティブがスミスにツンツンとちょっかいを出す仕草とか、妙に嬉しかったです。大自然に囲まれて大らかに暮らしている彼らは、心がとても清らかで。何か、都会でギスギスと暮らしている自分にとって、彼らは【人間の原点】に思えて。少し羨ましい気持ちになりました。
ポカホンタスという少女。何とも『海のような女性』だと思いましたわ。豊かな心と包容力を併せ持つ母性の塊のような印象を受けました。同じ女性から見ても、側にいるだけで癒されそうな気がしました。演じたクオリアンカ・キルヒャーは当時15歳でしょ!いやぁ~、オバちゃん恐れ入りましたよぉ。
【穏やかな愛】を捧げるロルフを演じたクリスチン・ベールも素敵でしたが。
スミスを演じたコリン・ファレル。いつもの熱血演技とは一線を画す抑えた表現を見せてくれたと思います。アタクシの周りには、コリンが大嫌いっ! という女子が多いんですけどね。「顔が嫌い」とか子供みたいな事を言わずに、いい仕事をしたかどうかを評価して欲しいですね。(視野が狭い事言ってると、幸せが逃げちゃうぞ~!)
美しい映像と併せて印象的だった点がもう一つありました。口から発せられるセリフよりも、ナレーションが多い演出でした。コレって、『心の声』って感じで、聞いていて何だか心地良かったです。とにかく、全編に渡って【癒し】のオーラが全開の秀作だったと思います。
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「レント」
<RENT>/製作:2005年、アメリカ 135分
監督:クリス・コロンバス 出演:アンソニー・ラップ、アダム・パスカル、ロザリオ・ドーソン、ジェシー・L・マーティン、ウィルソン・ジェレマイン・ヘレディア、ティ・ディクス、サラ・シルヴァーマン
2006.5.7 劇場前売り鑑賞券¥1,500にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥2,000で妥当 / 評価:4.0★/5点満点★
「未来も過去もない ―――
僕らはこの一瞬を生きる。最期の瞬間まで・・・。」
隣の評論家は、舞台版を見た事がありません。知識不足な記事になっているかもしれませんが、あくまでもこの映画版を観て感じた事をツラツラと書き連ねていきますので。そこのところ、どーぞヨロシクッ!でございます。
元々、ミュージカル好きな隣の評論家は、十分に堪能できました。言うまでもなく当然の事なんだけれど、出演者の歌の上手さには恐れ入りましたよ。素晴らしいパフォーマンスでありました!
ミュージカル作品を見ていると、単なるカラオケ好き(最近、かなりサボっておりますが)の隣の評論家は、「あの群集の中に混じって私も歌いたい」 とか、訳のわからない事を言い出してしまう事が多いのですが(笑)。本作に関しては、そんな邪魔臭いアホな考えは全く浮かびませんでしたわ。見事なパフォーマンスにより、彼らの生き様をシッカリと見守っていたかった。そんな気持ちで、最後まで釘付けになっておりました。
主な登場人物は8人です。『レント』とは『家賃』の事で、アパートの家賃もろくに払えない若者達の生き様を映し出していきます。クリスマスから始まって翌年のクリスマスで終わるという、1年間を綴ったストーリーです。
8人が織り成す人生模様は、紆余曲折しながらも魅力的でキラキラと輝いて見えました。恋愛アリ、三角関係アリ。同性愛やバイ・セクシャル、はたまたドラッグやエイズ患者など。一見、ヘビーとも取れる設定ではありますが、彼らのみなぎる活力が歌と踊りの見事なパフォーマンスによって魅力を放っておりました。
これはもう、映画論どーのこーの!ではなくて、とにかくシッカリと観て頂きたい作品ですわ。
嫌いなシーンやキャラクターなんて全くありませんでしたよ。隣の評論家が特に気に入ったのは。ドラッグ・クイーンのエンジェルの前向きな活力と軽やかな身のこなし。出番が少な目ながらに、インパクトは絶大でした。
ドキュメンタリー映像作家を目指しているマークも良かったな。一見、派手さはなくて目立たないような風貌ではあるけれど、かと思うと歌のみならずタンゴも披露してくれたりしたしね。まさか、踊り出すとは思っていなかったので、得した気分になりました。
うーん、皆それぞれに素晴らしいパフォーマンスでしたよー!
それと、上に写真を載せましたが。オープニングのシーンが何気に好きです。スポットライトを浴びているだけの舞台に並ぶ8人。そして、メインの歌であると思しき「シーズン・オブ・ラブ」を美しく合唱する8人。中でも、女性弁護士ジョアンヌのソロ・パートが大好きで!何てキレイな歌声なのかしら。
劇中の歌にもあった「いつかではない、今日を生きよう」という歌詞も素敵です。何か、勇気が湧いてくる歌でした。一日一日を大切に生きる事って、口で言う程に簡単に実行できていない気がするので。ちょっぴり反省させられた部分もありつつ。ミュージカルという括りにするよりは、素敵なヒューマン・ドラマといった印象を受けた作品でありました。
本日はGW最終日だというのに早起きをして、東劇の初回に行って来たのですが。見終わって劇場を出た時に視界に入って来たのは、驚く程の長蛇の列でした。東劇でこれ程に行列ができているのを初めて観ましたよー。なかなかの人気ですねぇ、嬉しく思いました。
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「パッション」
<THE PASSION OF THE CHRIST> / 製作:2004年、アメリカ=イタリア 127分 PG-12指定
監督:メル・ギブソン 出演:ジム・カヴィーゼル、モニカ・ベルッチ、マヤ・モルゲンステルン、セルジオ・ルビーニ、ロザリンダ・チェレンターノ、ホリスト・ナーモヴ・ショポヴ 他
隣の評論家のおススメ指数 5.0★/5★満点
一言コメント:久々に、「とにかく、スゴイ映画」 を見ました。上手く言葉にできませんが、完全にノックアウトされました。
「誰も描けなかった、真実ゆえの衝撃。」
どうか目を背けないでほしい。
すべては、その受難の後に始まるもの―――。
ここで言う「パッション」とは、【受難】の事を指します。イエス・キリストの最後の12時間と復活 を描いた意欲作です。
紀元前1世紀のエルサレム。十二使徒の1人であるユダの裏切りによって大司祭カイアファの兵に捕らえられたイエス(ジム・カヴィーゼル)は、救世主を主張する冒涜者として拷問され始める。
映し出されるのは、イエスに対する拷問 のシーンです。『鞭打ち』 は徐々に激しさを増していき、鞭が『鉄の器具』に変わります。「死なせてはならぬ。生かしておくのだ。」 何という酷い映像でありましょうか。
拷問は終わりません。茨の冠 を被らされたイエスの額からは、血が滴りおちます。とても体力が残っているとは思えない身体で、重たい十字架の横木 を運ばされます。
そして、ゴルゴダの丘で両手両足を釘打ち されて、磔になったイエスの姿が画面を埋め尽くします。『十字架刑』 の事実を忠実に映画化した意欲作です。
『映画』とは一体何でしょう?好みは人それぞれに異なるとは思いますが、この作品に対して理解を示さない方もいるかと思います。「誰が善玉で、誰が悪者なのか、わかんなぁーーい。」そんなコメントも飛び出してきそうな作品ですわ。
この作品を鑑賞し終わったのは、つい先程なのですが。隣の評論家の身体中をビビビーーッと電気みたいな強い刺激が駆け抜けました。何でしょう、この作品から溢れ出るパワーは。これ程に感銘を受けたのにも関わらず、上手い感想が一つも頭に浮かばない自分の不甲斐なさ。そして、この作品の公開時に劇場まで足を運ばなかったアタクシ。馬鹿じゃないのか?公開当時、あれ程に話題を呼んでいた本作を素通りしてしまったアタクシ。珍しく我が身を呪って、『映画人生』を損した気分になりました。
信仰心の薄い日本人には理解しにくい部分もあるとは思いますが。この作品は、世界中の話題をさらいました。「死人が出た」という噂、「この映画を見た犯罪者が自首をした」という噂。今なら納得できますわ。それ程に、圧倒的なパワーを秘めている作品であります。この作品の監督は、メル・ギブソンであります。「マッド・マックス」 「リーサル・ウエポン」等、アクション・スターのイメージが強いとは思いますが。1995年のアカデミー賞では、自ら監督した「ブレイブハート」にて作品賞・監督賞他6部門での受賞を果たしました。本物の【映画人】として敬意を払っている隣の評論家であります。
この作品で最も強く印象に残ったのは、壮絶な拷問シーンではありませんでした。激しさを増す拷問により、十字架の磔にされたイエスの言葉に、何とも言えない想いが込み上げてきてしまいました。
「わが父よ、彼らをお許しください。彼らは、している事がわからないのです。」
苦痛に悶えながらも、拷問を繰り返す人達に対して祈りを捧げるイエスの姿。これが【慈悲】というものなのですか?このシーンは隣の評論家の心に深く刻まれました。暫くは、絶対に忘れる事なんて出来ないと思います。
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「殺人の追憶」
<Memories of Murder> / 製作:2003年、韓国 131分 PG-12指定
監督:ポン・ジュノ 出演:ソン・ガンホ、キム・サンギョン、キム・レハ、ソン・ジュホ、パク・へイル
隣の評論家のおススメ指数 4.8★/5★満点
一言コメント:この作品と出逢ってからは、氾濫する『刑事ドラマ系エンタテインメント作品』に魅力を感じなくなってしまった。あくまでも静かに、そして確実に隣の評論家の心に刻まれた秀作。
「おまえは いま どこにいる?」
1986年―1991年 韓国のある農村で10人の女性が殺された。
3,000人の容疑者が取り調べを受け、180万人の警察官が動員された。
この事件の犯人はまだ捕まっていない...
犯人は今もどこかに居る!
1986年、ソウル近郊の農村で若い女性の裸死体が発見された。手足は縛られた上に強姦されていた。その後も、同じ手口の無残な女性の死体が次々と発見される。現地には、特別捜査本部が設置された。地元の刑事であるパク・トゥマン(ソン・ガンホ)と、ソウル市警から派遣された刑事ソ・テユン(キム・サンギョン)は、この難事件に挑む。性格も捜査方法も全く異なるこの2人は、対立と失敗を重ねながらも、ついに有力な容疑者を捕らえるのだが...。
この作品は、実際に起きた事件が元となっている。真犯人は、まだ捕まっていない。それどころか、今現在では『時効』を迎えてしまっていますね...。この作品の原作本である「華城事件は終わっていない」の著者は、この事件の元捜査課長だそうです。「例え全ての事件が迷宮入りしたとしても、私は犯人を追い続ける」 という強いメッセージを感じ取る事ができました。
それ程にシリアスな内容であるにも関わらず、随所にユーモアを挿入する事を忘れないポン・ジュノ監督の演出も好きですわ。
ソ刑事がソウルから村にやって来るシーンは、かなりコミカルです。パク刑事は、ソ刑事を『変態』と勘違いして【跳び蹴り】を食らわす!何でも、このシーンは脚本にはなくパク刑事を演じたソン・ガンホのアドリブだったとか。何とも痛いアドリブ!でも、ついつい笑ってしまいました。
それと、パク刑事が容疑者をでっちあげて強引に供述を取ろうとしたり。パク刑事を演じたソン・ガンホは、体重を増やして『野暮ったさ』をコミカルに再現しておりました。あのマイ・ペースっぷりが笑いを誘います。(隣の評論家が今一番好きな俳優さんは、ソン・ガンホさまなのですわ。)
他にも、看護師であるパク刑事の恋人が『薬の横流し』めいた事をしていたり。随所にシュールな小さい笑いが挿入されておりました。
地元のパク・刑事は、自分の足で捜査を進めるいわゆる『アナログ刑事』であるとするならば。ソウル市警からやって来たソ刑事は、『デジタル刑事』とでも表現すれば良ろしいかしら。物事を理論だててから推理をした上で、捜査を進めていくタイプなのです。この対照的な2人は、最初は当然の如く対立します。そして、事件は解決するどころか、次の犠牲者が出てしまう始末です。映画の中での【最後の犠牲者】は、何と中学生でした。無残な少女の死体が発見されるシーンでは、雨が降っています。ビショ濡れの刑事が、静かに怒りに燃えていく様子が痛々しいです。『悲痛』 『苛立ち』 『憤慨』 そして、神経衰弱ギリギリになっていきます。そして、一見クールに見えていたソ刑事の方が、感情を爆発させていくのです。終盤、有力視された容疑者パク・ヒョンギュ(パク・へイル)の胸ぐらを掴んで追い詰めるソ刑事の迫力には、見ているこちらも『未解決事件』への怒りが込み上げてきました。
この作品の予告編では、「おまえは いま どこにいる?」と、デカデカと流しているんですね。何とも、言葉にできない想いで鳥肌が立ってきます。実際にはまだ捕まっていない真犯人が、どこかでこの作品を見ながらほくそ笑んでいるのでしょうか?何とも、恐ろしい話であります。
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「ブロークン・フラワーズ」
<BROKEN FLOWERS>/製作:2005年、アメリカ 106分 PG-12指定
監督:ジム・ジャームッシュ 出演:ビル・マーレイ、ジェフリー・ライト、シャロン・ストーン、フランセス・コンロイ、ジェシカ・ラング、ティルダ・スウィントン、ジュリー・デルピー、マーク・ウェバー、クロエ・セヴィニー
2006.5.3 レディース・デイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★
「突然舞い込んだ謎の手紙。手がかりは20年前の恋人たち・・・」
「ダメな人生も愛おしい!」
2005年カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作品です。うん、何ともジム・ジャームッシュ監督らしいテイストだった気がします。
中年、独身、盛りを過ぎた『女ったらし』の男ドン・ジョンストン(ビル・マーレー)。コンピューターで一儲けしてそれなりに財産は築いたものの、何だかヤル気が感じられない情けない駄目オヤジ。一緒に暮らしていた恋人・シェリー(ジュリー・デルピー)が愛想を尽かして家を出て行ってしまう。そんな折、一通の『ピンクの手紙』 が届けられる。封筒の中にはピンクの便箋に赤い文字。「あなたと別れて20年。息子はもうすぐ19歳、あなたの子です。二日前に旅に出たので、父親を探すつもりかもしれなません。」 と書かれていた。消印は不明瞭な上に、差出人の名前は無い。お節介な隣人ウィンストン(ジェフリー・ライト)の手はずで、ドンは『ピンクの手紙』 の差出人を探す旅に出ることになる。そして、かつての恋人たちを訪ねるドンであったが。
最初から最後まで、ビル・マーレーの魅力で突き進み