ニュー・ワールド
「ニュー・ワールド」
<THE NEW WORLD>/製作:2005年、アメリカ 136分
監督:テレンス・マリック 出演:コリン・ファレル、クリスチャン・ベール、クオリアンカ・キルヒャー、クリストファー・プラマー、オーガスト・シェレンバーグ、ウェス・ステューデイ、デヴィッド・シューリス
2006.5.10 レディース・デイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★
「一生を変えてしまう愛がある」
17世紀初頭【新大陸】アメリカ。
異なる世界のふたりが許されない恋におちた―――
【一瞬で一生を変えてしまう運命の恋と、一生変わらない穏やかな愛】
ふふっ...後者にしとけば? と冷静に思いつつ、普段だったら通り過ぎるジャンルの作品をイメージしておりましたが。既に観た方の高めの評価を聞き、劇場へ足を運びました。テレンス・マリック監督だもんね、陳腐な仕上がりではない事に期待が持てます。
レディース・デイの夜だと言うのに、劇場はガラガラでした。丸の内なのに、何でぇ?うーん、一般的な女性の意見とは逆行する感性のアタクシだから、コレは益々期待できそう...。
とにかく美しい作品でしたわ。
1607年、新大陸を開拓し、黄金を手に入れようとするイギリスの船が北アメリカのヴァージニアに漂着した。ネイティブ・アメリカンとの交渉を命じられた遠征隊員ジョン・スミス(コリン・ファレル)は、川上に暮らすネイティブの戦士たちに捕らえられ、処刑されそうになるが、族長の娘・ポカホンタス(クオリアンカ・キルヒャー)に命を救われる。
そして2人は、【運命の恋】におちる。
やがて、2人は引き離される。帰郷したスミスが海の事故で亡くなったと聞き、悲しみに打ちひしがれるポカホンタス。そんな時、イギリス紳士のジョン・ロルフ(クリスチャン・ベール)と出逢う。傷ついた彼女を温かく見守るロルフは、彼女に結婚を申し込む。2人は結婚し、穏やかな暮らしが続いていたのだが...。
ロルフは【穏やかな愛】で、ポカホンタスを包み込む。
ポカホンタスの辿る人生を、印象深い映像美で見事に綴られた叙情的な作品でした。『恋の行方』がどうとか、そんな事よりも。ヴァージニアの美しい自然とネイティブ・アメリカンの地球に根付いた暮らしぶりが心に染み入りました。これは『映画』なのに、思わず深呼吸をしそうになりました。
緑の大地、木々のざわめき、鳥のさえずり、そよぐ風、水のせせらぎ。おいしい空気の匂いがしてくる錯覚を覚えてしまった程に心が漂白される想いでした。隣の評論家が最も好きだったのは。夕日が沈む直前の水平線の美しさ!水平線だけが赤く燃えていて、空は薄暗いんですわ。「お~ぅ」 と日本人らしからぬ感嘆の声が漏れそうになるのをグッと堪えました。
もう一つ好きだったのは。捉えられたスミスがネイティブと少しずつ打ち解けていくシーンが印象的でした。ネイティブがスミスにツンツンとちょっかいを出す仕草とか、妙に嬉しかったです。大自然に囲まれて大らかに暮らしている彼らは、心がとても清らかで。何か、都会でギスギスと暮らしている自分にとって、彼らは【人間の原点】に思えて。少し羨ましい気持ちになりました。
ポカホンタスという少女。何とも『海のような女性』だと思いましたわ。豊かな心と包容力を併せ持つ母性の塊のような印象を受けました。同じ女性から見ても、側にいるだけで癒されそうな気がしました。演じたクオリアンカ・キルヒャーは当時15歳でしょ!いやぁ~、オバちゃん恐れ入りましたよぉ。
【穏やかな愛】を捧げるロルフを演じたクリスチン・ベールも素敵でしたが。
スミスを演じたコリン・ファレル。いつもの熱血演技とは一線を画す抑えた表現を見せてくれたと思います。アタクシの周りには、コリンが大嫌いっ! という女子が多いんですけどね。「顔が嫌い」とか子供みたいな事を言わずに、いい仕事をしたかどうかを評価して欲しいですね。(視野が狭い事言ってると、幸せが逃げちゃうぞ~!)
美しい映像と併せて印象的だった点がもう一つありました。口から発せられるセリフよりも、ナレーションが多い演出でした。コレって、『心の声』って感じで、聞いていて何だか心地良かったです。とにかく、全編に渡って【癒し】のオーラが全開の秀作だったと思います。
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コメント
隣の評論家さん、こんばんは!
えーと、TB本日は不発だったようであります・・・。
やっぱりこの映画の美しさ、崇高さ、アジがありますよね。
またあの風景に内省のような「心の声」がかぶさると、一編の詩を聞いているようですごく染みました。
また、後半のポカホンタスにとっての「新世界」であるロンドンの喧騒とネイティブ・アメリカンの暮らすアメリカ大陸の自然がうまい具合に対比されていてより彼らの暮らしが際立つんですよね。
隣の評論家さんも仰るように、毎日満員電車に揺られて出勤、セカセカした生活を送っていると、こういう映画を全身に浴びたくなるというものです!
投稿: Ken | 2006年5月11日 (木) 22:57
隣の評論家さん、こんばんは。
この作品は不思議な味わいのある作品でしたね。正に癒しの映画でした。
ストーリーも大きな起伏がある印象ではないのですが、結構面白く、美しく仕上がってました。
クリスチャン・ベイルがいい役やってましたね。
それにしても日曜日に観たのですが、観客は数える程度でした。好みの分かれる作品かもしれませんが、観ると惹きこまれると思うんですけどね。でもドラマティック! というのが好きな人はダメかも・・
投稿: CINECHAN | 2006年5月11日 (木) 23:33
こちらにもお邪魔します♪
本当に癒される・・・という言葉がぴったりなほどでしたね。
確かに、都会でギスギス・・・と生きている私達にとっては、現実を忘れさせてくれるような美しい映画でした。
映像の魔術師と言われるだけあって、映像のタメや間、風や日の光を感じる事の出来るような映像は絶妙でしたね♪
実際、次の日の仕事の事・・・忘れてました。
コリン・ファレル苦手な方が多いようですが、スキャンダルも多いですが、作品に対する姿勢は結構、骨太な部分を持っている良い役者だと思っています。
ポカホンタス役の新星、クオリアンカ・キルヒャーは美しかったですね。正におっしゃるように母性・自然の美だと思います♪
投稿: orange | 2006年5月12日 (金) 18:07
あらあら。
TB試みたのですが、またまた不発だったようですね。
これってgooとの相性なのかなあ?
この映画、ぼくにとっては
大自然の中の音の洗礼を浴びたような
希有な体験となりました。
投稿: えい | 2006年5月13日 (土) 10:43
TB&コメントありがとうございます。
gooの方はTBがのらなかったのにも関わらず、コメントをありがとうございました。
★Kenさま
どもです。ああ~、観た人が少ないみたいなんですけど、勿体ないですよねぇ。『心の声』本当に心に染み渡りました。何と言うか、今の私達の暮らしって、進化しているようで『人間の原点』からは後退してしまっている。そんな気すらしてくる程に、深くのめり込めた作品でしたよ。私は『インドア派』なくせに世界遺産を愛でるのが大好きなんですね。また海外旅行したくなりました...。
★CINECHANさま
どもです。CINECHANさんが観た時もガラガラだったのですね。日曜日なのに!ですか... ちょっと勿体ない気がしますね。 クリスチャン・べール。彼の役は、女子からしたらウットリという男性像だったように思いました。あんなに待ってくれるヒトって実際いるのかしら(笑)?ふふふふふ
★orangeさま
どもです。正に『映像の魔術師』によるマジックでしたよね。あの映像美。私も仕事の事なんかスッカリ忘れる事ができました。何か嫌な事とか悩みとか、消し去ってしまう程の美しい映像でしたぁ。 コリン・ファレル。私の周りでは何か嫌われまくっているのです。ちょっとフォローを入れてみました(笑)。
★えいさま
どもです。お邪魔しようとしていたのですが、2日間PCを開く時間がありませんでした。えいさんから来て頂いて嬉しいです♪ありがとうございます。
>大自然の中の音の洗礼を浴びたような希有な体験
ですか!何とも素敵な表現ですねぇ。『音の洗礼』おお~っ!仰る意味がとてもよくわかります。やっぱり自然は偉大ですわ。
投稿: 隣の評論家 | 2006年5月13日 (土) 21:51
こんばんは~♪
早速、TB&コメントありがとうございました!
アルファ波出まくり!の美しい映画でした。
緑の木々を観てると、
スクリーンからフットンチットが出てるような感覚?
まるで劇場にいながら森林浴♪みたいな感じで、
とても穏やかな気持ちになれました。
そうそう、コリンって私のまわりでも、
あまりいい話聞かないんですよねぇ。
演技上手いし、イイ役者だと思うんだけどなぁ。
ちょっとおイタが過ぎるところもあるけど、
そこはまあ、ご愛嬌でしょう!彼の場合!
投稿: 伽羅 | 2006年5月16日 (火) 21:49
伽羅さま
TB&コメントありがとうございます。
アルファ波出まくりでしたねぇっ。あ~、気持ち良かった。
客入り悪いみたいですよ~。何か勿体ないですね。
やっぱり皆。コリン・ファレルは見たくないのかなぁ(笑)。いつもより抑えた演技が印象的だったので、やっぱり今後も楽しみだと思ったのは私くらいなんだろーか。
投稿: 隣の評論家 | 2006年5月16日 (火) 22:51
遅くなりましたっ
"ネイティブ・アメリカンがスミスにツンツンとちょっかいを出すところ"は私も好きでしたー。とにかく先住民族ものが全般的に好きなのですよね、私。日曜日はニュージーランドのマオリものを観られて満足でした。
コリン・ファレルは俳優としてはすばらしいですよねぇ。
とりわけこの役はすごくいい感じだったと思いますー。
ミニシアター女の私はどうも拡大上映系ものは遅れがち・・。
みんなぞくぞくとナイロビの蜂をレヴュっているのに、私ときたらVなんちゃらもまだ観ていない。
ダヴィンチが始まるとシネコンの他の作品の上映回数が減りそうで困るー。
投稿: かえる | 2006年5月18日 (木) 01:33
かえるさま
TB&コメントありがとうございます。
ニュージーランドのマオリもの
ですかぁ!おお、コレはまた気になりますわ。ニュージーランドという国が大好きなアタクシです。
そうでしょ。コリン・ファレル、プライベートはさておき、本作ではなかなか好演していたと思うんですね。これからも思ったより幅広い演技を期待できる気がしました。
ミニシアター女
ですかぁ!最近アタクシもミニシアターづいています。でも、かえるさんの足元にも及びませんわー 拡大上映系は慌てなくても終わらないから、安心してドーンと構えちゃっていいと思いますよー。
投稿: 隣の評論家 | 2006年5月19日 (金) 01:26
今作を見終えて劇場を出たうら若き女性は、ケータイ電話を通じてご友人にでしょうか、今作の感想をごく簡素に述べていました。
「ていうか、チョーつまんねーって感じ?」
ポカホンタスの年齢よりは上であろうその女性は、15歳の頃の澄んだ魂が曇ってしまったのでしょうか。それとも、15は過ぎているとはいえまだうら若いがゆえにこの深い感情の機微に気付けなかったのでしょうか。
いずれにせよ、ここはひとつ今作の魅力を懇々と語って聴かせねばなるまい、いや、まずはポカホンタスとスミスのように言語の共通化を図らねば、とりあえずどこかで休憩でも、と背後からそっと肩に手を置き優しく微笑む気も起こらないタイプのうら若き女性でしたので、過ちを犯さずに済みました。
マリックさん、ありがとう。
てなわけで、TBありがとうございました。
投稿: にら | 2006年5月24日 (水) 22:53
にらさま
TB&コメントありがとうございます。
まぁ、何でまた観に来たんでしょうね。その娘っ子は。
>背後からそっと肩に手を置き優しく微笑む
フフフ。実行して欲しかったような、しなくて良かったような。
うら若き女性達よ、映画を一杯観ましょーね。
って感じです。
投稿: 隣の評論家 | 2006年5月26日 (金) 23:00
こんばんは。トラックバックありがとうございます。
客がほとんど入っていなくて貸し切り状態で鑑賞できました。
ワタクシ的には良い環境で映画を堪能できたので幸せでしたけれど、映画としては悲しいことですね。
こういう映画に出会えると、映画館に通う喜びを感じます。
投稿: いわい | 2006年6月 4日 (日) 22:56
いわい さま
TB&コメントありがとうございます。
私の時も、貸し切り状態でございました~。客足が悪いという点では悲しい気持ちになりますが、その結果、自分にとっては広々とした抜群の環境になった事は良かったのかもしれません。
自分の日常生活の事などスッカリ忘れて、しばし深呼吸する事ができましたもの。
投稿: 隣の評論家 | 2006年6月 4日 (日) 23:27