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2006年9月19日 (火)

自殺サークル

「自殺サークル」
製作:2002年、日本 99分 R-15指定Jisatsucircle
監督、脚本:園子温 出演:石橋凌、永瀬正敏、麿赤兒、宝生舞、
さとう玉緒、野村貴志、嘉門洋子、ROLLY、余貴美子
隣の評論家のおススメ指数 3.5★/5点★満点  
一言コメント:正確に言うと、とてもじゃないが《おススメ》できない作品。これ程に、とんでもない作品に出逢ったのは初めてかもしれません。その辺の胸の内を書いていきたいと思います。

胸くそ悪くなる映画だっ!!!

この秋に公開される『紀子の食卓』という作品が気になっていたので。『自殺サークル』という作品の続編だと聞いたものだから。未見の私は、予習を兼ねてDVDを借りに行きました。

何とも、全編に渡って 《嫌悪感》 《不快感》 《憤怒》 の嵐となりました。
こんな映画は見た事がありません。何々だ、これはぁーーーっ!!!

夜の新宿駅のプラットホームで、54人の女子高生が手を繋いで投身自殺を図る。現場で発見されたスポーツバックの中から、異様な物が出てくる。200近い切れ端で繋がれたソレの正体は、何と《人間の皮》 であった。しかも、全て別人のモノである事が判明する。黒田刑事(石橋凌)渋沢刑事(永瀬正敏)たちが捜査に乗り出している間にも、次々と【自殺】事件が発生する。やがて、刑事達は自殺者の数をカウントしているかのような怪しいウェブ・サイト の存在を知るが、事態は思わぬ方向へ展開していく。

まずは、冒頭からとんでもない。新宿駅のホームにズラーッと並んだ女子高生54人。
間もなく電車が入ってこようとしていた。違う制服の女子高生達が繋いだ手を揺らして 「いっせーの いっせーの いっせーの せぇっ」 と線路に跳び込む。 辺り一面に血しぶきが舞い、駅は騒然となる。余りにも強烈なインパクトであると同時に、「掴みはOK」とも言える。

ある高校の屋上で無邪気に戯れる高校生たちが映し出される。【女子高生54人投身自殺】の話題になり、軽いノリで「みんなで死んじゃおっかー」と誰かが言い出す。
そして、「いっせーの せぇっ」 と飛び降りてしまう。命の重さを理解できない稚拙な感性に、不快感と共に同情めいた気持ちも沸き起こる。

更に【自殺者】は後を絶たず、刑事たちの捜査は難航する。
この事件のキーと思われるのは、あるウェブ・サイト である。この現代的な手がかりに挑むのは、インターネットが得意とは思えないアナログなオヤジ刑事たち。見ている私以上に《嫌悪感》で一杯だったと思われるオヤジ達に感情移入しつつ、エールを送らずにはいられない。
ウェブサイトを調べていく内に、ある電話が入る。声の主は、どう考えても幼い少年の声だった。 「アナタとアナタの関係は?」 と意味深に繰り返す。 何を大人ぶっているのだ!と、必要以上に《嫌悪感》 で一杯になってしまった私。同時に、電話の声が終始咳き込んでいるのは何故なのか?気になってしまった。大人ぶっていても緊張しているからなのか。いやー、そんなに子供らしい一面があるとは思えない。その答えは、無かったけれど。素通りするべき点だったのか、何か意味を込めていたのか。その描き方にハマッてしまったのも事実です。

胸くそ悪い!と暴言を吐きまくっておりますが。最終的に、深層心理ではこの作品の世界観に何だか惹き込まれてしまったようです。とてつもないテーマを投げかけていながら、映画の中に明確な答えは見受けられなかった印象でした。こういった作風を、見た人同士で色々と語り合うのも面白いかと思ったのです。

余り好きではなかった点も挙げておきます。《嫌悪感》 で一杯になりながらも、以下の点をクリアできていたら満点を捧げたかもしれません。
ビチャッ グチャッ とグロイ映像が多々ありました。冒頭の女子高生の死体の一部の《山》もですが。ある主婦が食事の準備をしながら大根を支える左手を包丁でザクザクと切り刻むシーンがありました。血しぶきが飛び散っても無表情で、確かに怖いのですが。本物ではないにしても、切り刻まれる左手は映し出さずに想像させて欲しかったわ。その方が何十倍もゾッとすると思ったのです。(好みの問題ですがね)
もう一つは、中盤から登場する《危険な一団》のリーダーにをROLLYが扮している点です。『狂信的なカルト教祖』といった役どころなのですが、全く恐怖が伝染してきませんでした。【秘密結社】という呼び方をするには、余りにもゾッとさせるオーラが無さ過ぎました。ROLLYは、元々好きなキャラクターで。彼が出演するミュージカルなんか是非見てみたいと思う程に好感触なのですが。今回の役には、ROLLYは善人すぎだと思います。この一団のアジトの映像は、たいそう不気味で素晴らしかったと思いましたが。

ひとまず、気になっている『紀子の食卓』は観に行ってみようと思います。前売り券も購入しました。

最後に一言。この作品にどこか惹かれてしまっても、私は絶対に飛び降りたりなんかしないもんっ! だって、まだまだやりたい事は一杯あるんだもの。ねっ、皆さん!

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» 自殺サークル [とにかく、映画好きなもので。]
   新宿駅のプラットホームから54人の女子高生が手を繋いで投身自殺した。  このネオン。このメロディは普段、僕が乗り換え駅として使っている以上・・・もの凄い不穏に聞こえてしまう。  現場に残されたスポーツバックの中には200人近い人間....... [続きを読む]

受信: 2006年10月21日 (土) 16:13

コメント

こんばんわ。あちらにまだお返事していませんが、とりあえず早速顔を出してみました。

園子温監督の作品の中でも、この作品は最も不快感をもたらす作品と言われています。
私は結構前に観たので、細かい内容まで鮮明に覚えていないのが残念だけれど、あの胸くその悪い感覚と、手で視界をふさいだまましか観れなかったほどのおぞましさはよ~く覚えていますよ。
この監督のほかの作品も観ましたが・・・この人、頭おかしいんですよ。ものすごく直接的な描写をするのが得意で、もうね・・・観てられないんですよね(苦)。この人の『奇妙なサーカス』もぜひご覧になってみてくださいな。自殺サークルよりは観やすいけれど、いずれにしろヒドイ気持ちになりまっせ・・・。

なんだか薄っぺらなコメントで、期待に添えずにすみません(泣)。睦月も、紀子の食卓対策でもう一度この作品をおさらいしてみようと思っています。

投稿 睦月 | 2006年9月19日 (火) 23:57

睦月さま
早速のコメント!ありがとうございました。
>園子温監督の作品の中でも、この作品は最も不快感をもたらす作品
そーなんだー。『奇妙なサーカス』は睦月さんの記事は拝見しているのですが。作品の方も見てみます。エロエロ?
ところで。手で視界を塞ぐ程に ギョエ~ッ となった睦月さんでも、この世界観に惹かれたという訳ですか!私だけではないのかー。となると、園子温監督という人の描き出す世界には、とんでもなく『力』があるという事なんですな。頭の中、一体どーなってるんだろー。見た目は静かな佇まいなのに。ポン・ジュノ監督もそうだけど、奇才とか評される人って、見た目はごくごく普通なんですねー。
実は、俳優さんよりも監督さんの方が興味深かったりするのかもしれませぬ。

投稿 隣の評論家 | 2006年9月20日 (水) 00:40

こんにちは☆隣の評論家さん。
コメント&TBありがとうございました~!
この作品・・・嫌なシーンばかり、思わず目をそらしてしまう時もありました。
普段、中央線を使って、新宿駅乗換の自分にとってはあのプラットホームの不穏な空気は凄い嫌でした・・・
大根と手を同時に切るシーンや、皮が繋がっているものが表れるシーンは戦慄ものでしたね・・・
「あなたとあなたの関係は?」と子供の声と合間に繰り返される咳払いが心を波立たせます・・・いったいあんたは何物なのだと思っている刑事達と同様に、この映像とトーンにどう対処したら良いか分からなくなってきますね。
中でも印象に残ったのが、あの変な!?アイドルグループの歌の歌詞。非常に嫌な歌詞だったなと思います。年端も行かないグループの滑稽さが語る、異様な歌詞に嫌悪感一杯でした。
しかし、この作品にはそう簡単に命を粗末にしてはいけないという、裏側に隠されたメッセージを感じてしまう力量も持ち合わせていると思います♪

投稿 orange | 2006年10月21日 (土) 16:12

orangeさま
TB&コメントありがとうございます。
orangeさんは、普段から中央線を使っているという事で。トラウマになり兼ねないシーンでしたね...(汗)。
>繰り返される咳払いが心を波立たせます
やっぱり、あの咳払いは意図的な演出だったのでしょうか。ムカムカと嫌悪感が倍増したんですよ。
あと、アイドル・グループの歌。まるで、あの歌を通して『自殺』が伝染していっているようでムカつきました。小さな子供が全てを知り尽くしたような語り口で登場すると、アナログ人間である私としては腹が立つと同時に色々と考えてしまう部分もあり。
orangeさんが仰るように、胸くそ悪い印象でも、裏側には確かにメッセージが込められていたのでしょうね。だからこそ、腹が立っても気になってしまったのかもしれません。

投稿 隣の評論家 | 2006年10月22日 (日) 01:04

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