楽日
「楽日」
<不散>/製作:2003年、台湾 82分
監督、脚本:ツァイ・ミンリャン 出演:チェン・シャンチー、リー・カンション、三田村恭伸、ミャオ・ティエン、シー・チュン、ヤン・クイメイ、チェン・チャオロン
2006.9.18 ミニシアター回数券¥1,330にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★
「映画館という名の宇宙」
「ようこそ、迷宮映画館へ。」
意外な選択かとお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが。
ブログ上で色々と意見を交換させて頂いている『セルロイドの英雄』のKenさんが「現時点で今年のベスト1です」 と静かに力を込めて語っているのを拝見して、とても興味を持ちました。 何と22日までの上映だと言うので、3連休を活用して観に行って参りました。
どしゃぶりの雨の中、ひっそりと佇む映画館があった。この日の上映を最後に、取り壊される巨大な映画館。観客は数える程で、劇場の係員を含めても人影まばらな殺風景な場内が映し出される。
セリフは《無い》に等しいです。劇場内の人々のシーンが紡がれると言うよりは、もうすぐ幕を閉じる【映画館】そのものが主人公といった印象を受けました。
皆さんにとって、【映画】とはどういう認識でしょうか?
コレと言った趣味は特に無い人にとって、【映画鑑賞】とは 「何かのついでの時間潰しにする行為」 であり、「映画鑑賞をメインに出掛けるという事はあり得ない」 らしいですね。「映画は、1年に1~2本観ればいい」 なんて事も度々言われます。また、「一人で映画を観に行くなんて、あり得ないし出来っこない」 行為でもあるらしいです。
隣の評論家にとって【映画】とはライフワーク であり、チョットやソットじゃ切り離せない大切な要素です。映画鑑賞を一番の目的に、一人でもジャンジャン出掛けて行く事は普通の行為だし。 出来れば、年老いても【映画鑑賞】 は続けていきたいと思っているくらいです。
この作品は、映画に殆ど興味が無い人にとっては、『催眠術』でしかないと思います。
けれど、長い間【映画】を愛し続けてきた人にとっては、それぞれの【映画】への想いがフワーッと波のようにうち寄せてくる作品なのではないでしょうか。人によって感じる事も違うとは思いますが。この作品を観てどう思ったかを語り合う事によって、その人が歩んできた【映画道】がチラリと垣間見れるのではないかと思いました。それこそが【映画鑑賞の醍醐味】なのかもしれないですね。
本作で描かれる映画館では、最後の上映が終了してから係員が清掃を済ませて出て行きます。その後、スクリーン側から映し出された《人っ子一人居ないだだっ広い観客席》の映像を長く捉えます。座席の赤い色は鮮やかな筈なのに、何とも言えない寂莫感で一杯になりました。外には『臨時休館』という紙を貼り出しているのですが、果たしてリニューアルするんでしょうか。
実際に今現在の日本でも、『シネコン』が次々と登場していますよね。閉館してリニューアルするのならまだホッとするんですが。閉館しっ放しという場所も少なくないかもしれませんね。本作の映画館を見ていて思い出したのは、隣の評論家の自宅から一番近い区域である上野の映画館です。ロビーやトイレの雰囲気なんか、ソックリなんですよ。
と言っても、どれも閉館してしまいましたが... と、ちょっとノスタルジックな気分になる味わい深い作品でした。
閉館する映画館を描いた作品を、今年リニューアルしたばかりのユーロスペースで上映しているというのも、何だか粋な計らいに思えたりもして。
毎度の事ながら、ユーロスペースで上映される作品は、魅力のあるものが多いです。
人っ子一人居ない観客席の映像も静かにインパクトを残してくれましたが。個人的には、劇場の受付の女性が半分食べていた『巨大桃まん』がとても気になりました。
台湾では普通に販売されているのでしょうか。台湾に行った事がないのですが、もし行く事があったら買ってみたい...!
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» 【映画】楽日 [セルロイドの英雄]
"不散" 2003年台湾監督)ツァイ・ミンリャン出演)チェン・シャンチー リー・カンション 三田村恭伸 ミャオ・ティエン シー・チュン ヤン・クイメイ チェン・シャオロン満足度)★★★★★ (満点は★5つです)ユーロスペースにて 雨のそぼ降る夜、閉館の決まった台北郊外の古い映画館では、その最後の日にひっそりと往年のヒット作『龍門客棧』が掛かっている。映画館で働く切符切りの足の悪い女性(チェン・シャンチー)と映�... [続きを読む]
受信: 2006年9月18日 (月) 20:50
» 『楽日』 -不散- [かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY ]
映画館への思いがとても温かい。
台北の古い映画館「福和大戯院」が閉館しようとしている。最後に上映されているのは 『龍門客桟』という1967年製作の武侠映画。邦題は『残酷ドラゴン・血斗!竜門の宿』、英題は『DRAGON INN』。その武侠映画は、名匠キン・フー監督が台湾で撮影した記録的なヒット作であり、シャオカンの父役でツァイ・ミンリャン作品常連のミャオ・ティエンのデビュー作でもあるという。そして、ミャオ・ティエンは2005年に他界し、この『楽日』は彼の遺作となった。
『龍門客桟』を観てお... [続きを読む]
受信: 2006年9月18日 (月) 22:10
» 「楽日」 [Puff's Cinema Cafe Diary]
公式サイト
チケットは、「シャガール:ロシアとロバとその他のものに」のモーニングの時に購入したので2番でした。
入場者数は、5割弱といったところです。
各回先着30名プレゼントを貰いました(・・・表が赤、裏が緑の... [続きを読む]
受信: 2006年9月18日 (月) 22:15
» 楽日(2003/台湾/ツァイ・ミンリャン) [CINEMANIAX!]
【ユーロスペース@渋谷】
台北の古い映画館“福和大戯院”。閉館となるこの日、巨大なスクリーンにはキン・フー監督の「血闘竜門の宿」が映し出されていた。まばらな観客の中に、真剣にスクリーンを見つめる2人の老人の姿があった。それは、往年の映画スター、シー・チュンとミャオ・ティエン。彼らは「血闘竜門の宿」の主演俳優でもあった。一方、舞台裏では、足の悪い受付の女が、特別な思いを胸に、映写技師のもとへと向かっていた…。...... [続きを読む]
受信: 2006年9月19日 (火) 22:23
» 『西瓜』 [ラムの大通り]
「いやあ、噂には聞いていたけど、
ここまでとは思わなかったね。
監督が台湾の大御所・蔡明亮だけに
いろいろと言いたいことはあるんだろうけど
(プレスには『映画での強烈なセックスシーンは、
今まで語られなかった<性の描写>についての
様々な論議を巻き起こし、
それは台湾だけでなく世界中の政府の開放度を、
皮肉にもこの映画が審査することになった』と書いてあります)、
ぼくみたいな凡人が感じるの�... [続きを読む]
受信: 2006年9月20日 (水) 23:35
» 真・映画日記『楽日』2回目 [CHEAP THRILL]
9月20日(水)
前の深夜0時過ぎのこと。
自宅2階の書斎で『親切なクムジャさん』を見ている最中にある知人から電話があった。
DVDを止め、電話に出る。
知人「おまえ、『楽日』、もう一回見てこい! もしかしたら、違って見えるかもしれないぞ!」
要は『楽日』をいたく気に入った知人のボクに対する電話抗議だ。
正直、まいった。
先週の「ぴあ」でスケジュールを見ると
なんと今週の金曜で終わってしまうではないか!
22日は会社終業後に予定がある。
そうすると、水曜か木曜に見なければなら... [続きを読む]
受信: 2006年9月27日 (水) 21:51
» [ 楽日 ]今日で映画館、閉館しますよぉ〜 [アロハ坊主の日がな一日]
[ 楽日 ]@渋谷で鑑賞
子どもの頃、地元・橿原に2件ほど映画館があった。今
はもうない。休憩時間でもどこか薄暗く、湿っぽい感じ
のするその映画館は、当時の僕にとっては、不思議な異
空間だった。
それは、それは本作に登場する映画館そのものだった。
... [続きを読む]
受信: 2006年10月 8日 (日) 02:17

コメント
隣の評論家さん、どうも!
名前まで出して頂き、これだけはTBをきちんとお返しせねば、といつもより気合をこめてポチッとやったところ、無事届いたようで何よりなのであります。
そうそう、これは映画館の暗闇に至福を覚えるひとだったら何かを感じることが出来ると思える本当に素晴らしい作品でした!
映画を観て泣いた人、笑った人、カップルで来た人、暇つぶしで来た人・・・。
様々な人々の思いを湛えた古くて巨大な映画館の様子が何だか心地良くて。
今でもたまにこの映画館のことを思い出すと幸せなような寂しいよう不思議な気持ちを感じます。
ちなみに明日から3日間台湾出張です。
「巨大桃まん」、探してみます(笑)。
投稿 Ken | 2006年9月18日 (月) 21:08
こんばんや。
ふふふ、ご覧になったのですねー。
通路やトイレの薄暗い古くて汚い映画館がどんどんなくなっていくのは寂しいですよねー。
私は、移転オープンしたてのきれいなユーロスペースでの上映はちょっとムードがそぐわないかなぁと思ったんですが・・・。三百人劇場のクロージング作品などにしてほしかったなぁなんて・・・。でも、椅子の形がちと似てました。
Kenさんのモモマン探しのレポートも楽しみにしていまーす。いーなー。
投稿 かえる | 2006年9月18日 (月) 22:16
TB&コメントありがとうございます。
★Kenさま
早速のお返し、ありがとうございます。
>映画館の暗闇に至福を覚えるひとだったら何かを感じることが出来る
そうですねー。映画はたまーーーにしか観ない人にとっては、『映画』に思えない作品かもしれませんね。でも、コレきっと。ブログを運営する程に映画が好きな人にとっては、各々が色々なシーンで何かを感じ取る事ができる奥の深い作品だという感じがしました。
あらら。連休明け早々ご苦労様ですねー。でも、この作品を観た後だから、仕事とは言え少しばかり楽しみだったりするのかなー。時間が空いたら『巨大桃まん』売ってるかどーかチェックしてみてくださいなー。
★かえるさま
こんばんにゃー。
シネコンって座席指定で先行予約も取れるしで、とても便利だと思うのですが。この作品を見て、こういった昔ながらの『映画館』が姿を消してしまうのは、とても淋しい事だと思いました。
三百人劇場。行った事がないのですが、ひょっとして閉館した映画館ですか?上野の映画館が減っている事は記事でも触れましたが。錦糸町のシネマ楽天地も消えそうで怖い。あー、各地で映画館が減っていきますね...。
投稿 隣の評論家 | 2006年9月18日 (月) 22:29
こんばんは。
横レスで失礼します。
『三百人劇場』は特集上映も多く、
お芝居もやっていました。
映画では、オフィスサンマルサン配給の
とりわけアジア映画で異彩を放っていました。
ツァイ・ミンリャン監督は
この後、上映される『西瓜』が
とんでもなくエロチック。
ということで、そちらにTBさせてください。
この映画も観ていますが、
実はスルーしてしまったのです(汗)。
投稿 えい | 2006年9月19日 (火) 23:12
えいさま
コメントありがとうございます。
『三百人劇場』の情報ありがとうございました。やっぱり知らなかったです...。
えいさんは記事にしていなかったですよね。ご覧にはなっていたのですねー。えいさんが語る『映画道』をサワリだけでも聞いてみたかった気がしますー。
『西瓜』
予告編を見て!!!と思った画がありました。えいさんの記事も読ませて頂いたのですが。エロスは直接的な描写なのかというイメージを持っていますが。あんまり直接的だと妙に冷めてしまうんですよねー、私は。
『迷子』というのは見たのでしょうか。
とにもかくにも『楽日』という作品自体が楽日を迎える22日は、『太陽の傷』に挑む予定でござんすよ。記事にしたら再度伺いますので、どーぞヨロシクです。
投稿 隣の評論家 | 2006年9月20日 (水) 00:30
隣の評論家さん、にいはお!
桃饅頭出張ピッと行ってきましたです。
基本的には空港→お客さんのオフィス→接待メシ→ホテル、という何ら日本と変わらない生活なのですが今回はたまたま自由時間があったので夜の屋台村に出動、桃饅頭探しを決行しましたのです。
結果的には桃饅頭の「も」も見つけることが出来なかったのですが、屋台メシはうまかったなあ、うん。
ちなみに台湾人に「ツァイ・ミンリャンって知ってる?」って聞いたら「あー、あの変な映画作る人?」だそうで、印象は日本と変わらないようです。
昨日は『西瓜』と『サムサッカー』を観てきました。
『西瓜』すげかったです。
投稿 Ken | 2006年9月24日 (日) 22:00
KENさま
コメントありがとうございます。
うぇるかんばーっく。『巨大桃マン』の謎に迫れなかったのは残念~ レギュラーサイズでも見かけないなんて、余り一般的ではないのかしらん。
屋台メシ、美味そうですねー 安くて美味くて、最高って感じですねー
『サムサッカー』は10月に先送りしてしまいましたよ。Kenさんも観るとは、で、親指タイタニックの流れではなかったでしょ(笑)?
『西瓜』やっぱりスゴイのですねー ふふふっ レンタルビデオ屋で言うと、暖簾の向こうってくらいスゴイんでしょーか
『迷子』というのは見ましたか?もう終わってしまったか...。
投稿 隣の評論家 | 2006年9月24日 (日) 23:30