父親たちの星条旗
「父親たちの星条旗」
<FLAGS OF OUR FATHERS>/製作:2006年、アメリカ 132分
監督:クリント・イーストウッド 脚本:ポール・ハギス 出演:ライアン・フィリップ、ジェシー・ブラッドフォード、アダム・ビーチ、ジェイミー・ベル、バリー・ペッパー、ポール・ウォーカー、ジョン・ベンジャミン・ヒッキー、ジョン・スラッテリー
2006.10.28 劇場前売り鑑賞券¥1,300にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★
「戦争を終わらせた一枚の写真。その真実。」
世界が忘れてはいけない島がある。―《アメリカから見た硫黄島》
日米双方の視点から描く【硫黄島】2部作の第1弾。まずは、《日米双方の視点から描く》 という企画に、敬意を表したいと思います。
太平洋戦争末期の真っ只中、1枚の写真が撮影された。山の頂で、星条旗を掲げる6人の兵士の姿。この写真は、アメリカ中で反響を呼ぶ。6人のうち生還できたのはドク(ライアン・フィリップ)、アイラ(アダム・ビーチ)、レイニー(ジェシー・ブラッドフォード)の3人だけだった。彼らは【英雄】として祭り上げられ、戦費調達のための《キャンペーン》に借り出されたり、歓迎パーティーに参加させられたりする日々が続く。そして、彼らは苦悩する。「自分は【英雄】などではない...」と。
【英雄】って何でしょう?そもそも、戦争に【英雄】なんて存在しないような気持ちにさせられた作品でした。彼らが【英雄】か否かではなくて、単に人々が【英雄】を求めていただけのような気がしました。戦時下という辛い時代だからこそ、『信仰』の対象が無ければ生きていけなかったのではないでしょうか。
今の世の中でも、どの分野においても『カリスマ』と称してフィーチャーされる方がいらっしゃいますが。私は特に興味を示さずに自分のペースでいく日陰の女ですが、本作を見て『カリスマ』さんには『カリスマ』さんの苦悩があるのかぁ と、薄っすらと感じました。
すみません【硫黄島】から話題が逸れてしまいました。(どうしてこう、視点がずれるのかしら) 正直、この作品を見て熱く語るまではいきませんでした。と言うのも、第2弾『硫黄島からの手紙』を見終わってから、《2つの視点》を併せてどう感じるのか。そこを熱く語るべき企画なのかと思ったのです。本作上映終了後に『硫黄島からの手紙』の予告編が流れたのですが、とても観たいと思いました。アメリカ人が日本人の視点を日本人キャストで描くという点でも興味深いのですが。ベテランから旬の若手まで、豪華なキャストがオーラを放ちまくっておりました。今から、とても楽しみです。
戦争を描いた作品を観た時に感じる事があります。作品によっては、出演者の区別がつかない時があるのです。戦場では『戦士』とは《モノ》 であって《人間》として扱われる事がないのだという風に捉えてしまうのです。最も強くそう感じたのは、リドリー・スコット監督の『ブラックホーク・ダウン』でした。どの人が誰なのかなんて、全く関係ない展開を見せた印象だったので、とても衝撃的でした。
本作に於いては、帰還する3人は印象的でしたが。戦場のシーンでは、やはり区別をつけられなかったです。キャストを見ると、なかなか有名どころが名を連ねているのに。どこに出ていたのか気がつかなかった方もいました。こんな部分でも戦争の怖さを痛感してしまうのでありました。
それでも印象に残ったキャストもいたので、紹介しておきます。
メインの役どころである帰還兵ドクを演じたライアン・フィリップの真っ直ぐな眼差しは魅力的でした。初めて彼を見た時は嫌な奴を演じていた記憶がありますが(笑)、最近では『クラッシュ』の正義感溢れる警察官も忘れ難いパフォーマンスでした。『クラッシュ』がアカデミー賞作品賞を受賞した時の子供のように満面の笑みを浮かべて大はしゃぎしていた姿は、役どころとは対照的でした。今年の印象深い俳優さんの一人として挙げておきたいです。
旗を掲げた6人の一人で戦死して帰還できなかった軍曹をバリー・ペッパーが演じています。当然、出番は少な目なのですが、個人的には印象深かったです。最初はパッとしない役どころが多い俳優さんだと感じていたのですが、今年は『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』で強烈な役どころを見事に体現してくれました。
2人とも、もうすぐ日本で新作が公開になります。ライアン・フィリップは『カオス』という作品で、バリー・ペッパーは『unknown<アンノウン>』という作品です。ちょっと、どちらも見てみたい気がしております。今後の2人の活躍も楽しみにしております。
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音質(SR-D): A
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受信: 2006年11月 6日 (月) 23:21
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日米決戦の激戦地・硫黄島を日米両方から撮るという趣向。
[続きを読む]
受信: 2006年11月 7日 (火) 04:51
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公式サイト
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254「父親たちの星条旗」(アメリカ)
1945年2月23日、戦争に疲弊していたアメリカ国民を熱狂させた1枚の写真が撮影された。それは硫黄島に星条旗を立てる6人の兵士の姿だった。6人のうち生き残った3人、ドク、アイラ、レイニーは帰国し、硫黄島の英雄として迎えられ、国債買入のため全国への行脚へと駆り出される。どの地でも熱狂的に迎えられる3人。しかし、彼らは戸惑い、苦悩していた。
あの1枚の写真の裏側にある真実。もう一つの星条旗の存在。入れ替った6人目の兵士の存在。そして忘れ得ぬあの戦...... [続きを読む]
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» 『父親たちの星条旗』 [かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY ]
イーストウッドは偉大。
戦場にはヒーローなんていないけど、ハリウッドにはヒーローがいた。
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受信: 2006年12月18日 (月) 12:34
コメント
こんばんは~♪
TBとコメント有難うございました~!
>戦場では『戦士』とは《モノ》 であって《人間》として扱われる事がないのだ
良い所に気が付かれましたねーー!素晴らしいです!
私も私のブログにコメント下さった方が同じような事を仰っていて、目からウロコでした~ 戦場とは一人ひとりの個性や人格なんてない恐ろしい所だということですよね・・。
私も出演者はR・フィリップとアダム・ビーチ以外知らない状態で観たので、有名俳優がゾロゾロ出てきたのでびっくりしましたわ。ターミネーターの溶けちゃう人も出てましたね(^^)v
投稿: マダムS | 2006年10月29日 (日) 20:28
マダムSさま
TB&コメントありがとうございます。
あっ、ターミネーターの人、出てましたね!ロパート・パトリックでしたっけ。かなりの豪華キャストでした。
とにかく『硫黄島からの手紙』が観たいです。コチラの方が、日本人としては見入ってしまいそうな気がしています。渡辺謙さんのオーラたるや、物凄かったです。まだ予告編なのに。本編では、もっと素晴らしい事になっているのでしょう!
投稿: 隣の評論家 | 2006年10月29日 (日) 21:52
隣の評論家さん☆こんばんわ~!
やはり『硫黄島からの手紙』を鑑賞後に併せて感想を書きたい所ですが・・・
登場人物が3人に焦点を当てられていて、僕も誰が誰だか・・・となりました。マイク役のバリー・ペッパーとイギー役のジェイミー・ベルは見分けがついたのですが・・・
確かに、戦争映画にも良く出てくる認識票のごとく顔が見えにくい感じが強かったですね。セリフの中にハンクやハーロンといった名前が出てきますが、誰なのか!?と思って観てしまいました。
あの写真も後姿だから誰が誰なのだろうという事で事実が曲げられたりしていましたね。
>彼らが【英雄】か否かではなくて、単に人々が【英雄】を求めていただけのような気がしました。
この部分は、僕は気づきませんでした。鋭いですね!この当時は、遠い先の島で誰かが戦っているという実感がやはりアメリカ国民としては実感しにくかったのでしょうか・・・戦争の高揚に良いように利用されている感じも受けて、観ていて非常に虚しい気分を覚えてしまいました。
この作品を踏まえて、日本側からの視点の『硫黄島からの手紙』もどう映るか。実に興味深いですね♪
投稿: orange | 2006年10月30日 (月) 23:56
orangeさま
TB&コメントありがとうございます。
おおお!見事なペースでご覧になっていますねぇ。ほぼ毎日、更新されているような印象が...。素晴らしいです。
パリー・ペッパーはわかったのですが、ジェイミー・ベルとポール・ウォーカーはわかりづらかったです(笑)。戦場って、そういうものなのでしょうかね...。
【英雄】視される3人。国民は心の支えが欲しいという気持ちも強かったのかなぁと思ったのですが。その分、彼らは「自分は【英雄】などではない」という気持ちが強まる一方で、実は辛かったのだろうなと思いました。
『硫黄島からの手紙』とても楽しみです。渡辺謙さんのカリスマ溢れる存在感も素敵ですが。二宮和也・加瀬亮・中村獅堂といった若手のオーラも伝わってきた予告編でした。早く観たいです!
投稿: 隣の評論家 | 2006年10月31日 (火) 20:49
コメントありがとうございました!
また、少しづつやる事にしました。
この映画は、皆さんいい評価でした。
隣の評論家さんのように「硫黄島からの手紙」をみて、ひとつの作品として見てみたいという意見も多かったです。
どちらにしても、公開が楽しみです。
また参考にさせてもらうかと思います。
よろしくお願いします。
投稿: ロイ from 週末映画! | 2006年11月 3日 (金) 07:26
ロイさま
TB&コメントありがとうございました。
そうですね。少しずつ無理のないペースで頑張ってくださいませ。
この作品の評判はなかなか良いみたいですが、やはり『硫黄島からの手紙』に期待を寄せるという声も多いみたいですよね。今から公開が楽しみでなりません。
こちらこそ、またヨロシクお願い致します!
投稿: 隣の評論家 | 2006年11月 3日 (金) 18:23
二部作なら両方見ないとなんとも言えませんよね~。
私は無条件にイーストウッドなら太鼓判を押しちゃうのですが。笑
個人的にイーストウッドというお方が好きなのです。
言葉少なに本質を語ってしまうところがすごいなと。
いかにも反戦映画っぽくないところが好きです。
究極の生と死が混戦する場においては誰もが皆ただの人。
豪華キャストであってもエキストラであってもそこは一緒になってしまうところが、例えはおかしいですがロケ現場と戦場が重なりますね。
投稿: charlotte | 2006年11月 3日 (金) 21:25
charlotteさま
TB&コメントありがとうございます。
>無条件にイーストウッドなら太鼓判を押しちゃうのですが。
これは、劇場に足を運ぶ殆どの人が感じているのではないでしょうか。私も、イーストウッド監督には信頼を寄せております。
ロケ現場と重なるというご意見、面白いですね。この映画は作品の内容も戦争ですが、撮影現場も間違いなく戦場だったはずですよね。
『硫黄島からの手紙』本当に楽しみでなりません。前売り券を買いに行かなくちゃ。
投稿: 隣の評論家 | 2006年11月 5日 (日) 12:22
ライアン・フィリップはもっと頑張ってほしい役者さんですね。「クラッシュ」の絶望的な役柄(ここでも苦悩する役柄でしたが)、印象的でした。
映画としては、あえて淡々とかかれてたのが良かったんだと思います。
硫黄島からの手紙・・・イーストウッドがどう描くか気になりますね。
投稿: カオリ | 2006年11月 6日 (月) 23:51
カオリさま
TB&コメントありがとうございました。
ライアン・フィリップ、これからバンバン出てくるのかなぁ なんて期待しております。
そうですね。作品自体は淡々としてましたよね。「いかにもアメリカ映画」という感じがしなかったので、そこは好感を持ちました。
『硫黄島からの手紙』が早く観たいです!
投稿: 隣の評論家 | 2006年11月 7日 (火) 19:59
ドモドモ-♪
感想は皆さんと同じですー
ピュリツァー賞受賞のフォトはあまりに有名ですけど、
このフォトの裏にはこんなエピソードがあったとは・・・
この映画を観て初めて知った次第です。汗
キャストがまたまた良かったですよねー
バリー・ペッパー、好きな俳優さんなので出演していて嬉しかったです。ウフ
出ているだけで存在感があるんですよねー
そうそう、エンドロールで出て来た実在のフォトと映画のキャスト。
皆さん本当にそっくりで、あれにはビックリしました☆
投稿: Puff | 2006年11月21日 (火) 22:42
Puffさま
TB&コメントありがとうございます。
私も、この映画を見て初めてフォトの真実を知りました。
バリー・ペッパーは印象深かったですよね。個人的には、ライアン・フィリップも最近応援しています。2人とも最初は全然気にならなかったのですが、ここ最近少しずつ味が出てきたと感じるようになりました。
何よりも。
『硫黄島からの手紙』の公開が今からとても楽しみでございますー。前売り券を買いに行かなくちゃ!
投稿: 隣の評論家 | 2006年11月22日 (水) 22:56
こちらにもお邪魔します。
「英雄」って結局他人から祭り上げられるものなんですね。
硫黄島のみならず、戦争の英雄ってよく言われますが、
その中では、ただ生きるために、やったという人も多いでしょう。
それにしても、アメリカって戦時中で破産状態っていう割には
派手なイベントをやってましたね。
本作のライアン・フィリップはなかなか精悍で良かったです。
別人かと思いましたよ。
「硫黄島~」が楽しみです。
投稿: CINECHAN | 2006年11月28日 (火) 01:14
CINECHANさま
コメントありがとうございます。
>ただ生きるために
仰る通りですよー。戦争に英雄なんて存在しないんですよね。
そうそう、アメリカが繰り広げたイベントは派手派手しくて、何かバカっぽく映りました(苦笑)。
『硫黄島からの手紙』今からとても楽しみです。どちらを先に見ても問題ない作りなのかと想像しております。
投稿: 隣の評論家 | 2006年11月29日 (水) 21:05
初めて投稿します、Ichibayと申します。私、昨日この映画を見てきて、とてもよく出来ているので感心しました。
めったに映画は見ないのですが、そして俳優・監督などほとんど知らないのですが、この映画は戦争の本質を描いていると思います。
正義の名のもとで行われる戦争が実はいかに非人間的なものであるか。そしてその非人間性を隠すために為政者側は「英雄」を祭り上げ、そのために「英雄」は二重の苦しみにさいなまれる。正義の戦争などこの世に存在しないし、戦争によって苦しめられるのはいつもわれわれ庶民なのだ、ということを。
私は他の方々とは違い、『硫黄島からの手紙』とは独立してこの映画を評価したいと思います。十分完結した作品だと思います。
さらに予告編を見る限り『手紙』にはあまり期待できないのです。アメリカ人が、硫黄島の戦いが決して聖戦ではなかったことをアメリカ人に伝えるために描こうとするとき、結局のところ「故郷や親兄弟・恋人のため」に死んでいった日本兵士の「人間性」を描くことになり、一種の「小英雄」として描かれてしまうのではないかと危惧するからです。本当は、「故郷や親兄弟・恋人」を思いながら人間性を抹殺されて非人間的に殺されていった若者たちの惨めさを、徹底的に描かなくてはならないのに。「小英雄」にされたのでは、この映画の主人公たちと同様、彼らは浮かばれないのではないかと思います。『男たちの大和』がまさにそうだったと思います。
投稿: Ichibay | 2006年12月 9日 (土) 21:25
Ichibayさま
初めまして、こんにちわ。コメントありがとうございました。
素晴らしい作品でしたね。
>正義の戦争などこの世に存在しないし、戦争によって苦しめられるのはいつもわれわれ庶民なのだ
何だか軽い記事を書いている自分が恥かしくなってくる、素晴らしいコメントですね。
映画はあまり見ないという事ですが。映画ファンにとっては、日本側から描く『硫黄島からの手紙』をアメリカ人であるクリント・イーストウッド監督が描くというのは、とても興味深い要素でもあるんですね。巨匠と呼ばれる人の一人ですから。私は、必ずや劇場まで足を運ぶ予定です。
投稿: 隣の評論家 | 2006年12月10日 (日) 17:40