HAZARD/ハザード
「HAZARD/ハザード」
製作:2002年、日本 103分 PG-12指定
監督、脚本:園子温 出演:オダギリジョー、ジェイ・ウエスト、深水元基、池内博之、椋名凛、萩原明子、藤田信弘、安田慎吾
2006.11.11 劇場前売り鑑賞券¥1,500にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★
「飛ぶことだけを考えていた」
眠い国ニッポン でも眠れない国ニッポン 一刻も早く抜け出したかった
「自殺サークル」では嫌悪感で一杯にしておいて、その続編と言われる「紀子の食卓」では私を虜にした園子温監督の作品が登場。しかも、主演はオダギリジョー。舞台挨拶つきだという1回目と2回目の上映は、完全予約制の割増料金だったそうな。園子温監督の話には興味あったのですが。黄色い声援は疲れてしまうので、私は3回目の上映を狙いました。劇場は、もの凄い人で溢れかえっていました。女子の姿が多かったのですが、私みたいに園子温監督のファンだという人は、どのくらい居たのかな。皆さん、「紀子の食卓」はご覧になって頂けたの~?観た人、少ないんだろうな...(涙)。
二十歳の大学生・シン(オダギリジョー)は、日本を捨ててニューヨークは赴く。英語もロクに通じない状態で、荷物を奪われて彷徨う。そんな時、2人の若者と出会う。日本人とのハーフであり日本語も堪能なリー(ジェイ・ウエスト)と、日本人タケダ(深水元基)に窮地を救われるシン。やがて2人と共に生活を始めるのだが、2人はギャングまがいの暴力的な行為を繰り返していた。そして、シンの運命も大きく回り始める。
この作品のナレーションを担当しているのは、幼い少年のような声でした。まさか、また「自殺サークル」の時のように不快にさせるのぉっ?園子温監督、アンタって人は!と、冒頭から不安がよぎりましたが。恐らく、これは子供時代のシンの声なのだと解釈しました。《飛ぶこと》に憧れを抱き、幼い頃から二十歳になった今でも、空港の滑走路を眺めているシン。恋人(ストーカー?)らしき女性の姿が一向に視界に入らないシン。日本にいる時の彼は、とにかく生きているという実感が全く無かったのでしょう。そんな彼の背後で学生達が歌うのは「僕らはみんな生きている」でした。何という描写だ~。
HAZARD=危険 という言葉に惹かれて、ニューヨークに渡ったシン。彼をかくまった2人には、一応良い面も観られます。タケダは、恋した女性に声もかけられない純情野郎だし。リーは、シンが英語を覚えられるようにレッスンしたりと面倒見が良い。そうは言っても、2人は強盗やら窃盗やら犯罪まがいの行為を繰り返しているのです。特に、リーに至っては、存在そのものが鋭利な刃物といった印象を受けました。出来る限り関わりを持ちたくない人物でしたが、シンは2人と出逢った事で覇気が出てきます。この犯罪行為に《飛ぶこと》を重ねたのでしょうか、徐々に生きている実感を得ていくように見えました。やっぱり、仲間は欲しくても暴走は避けて欲しいなと優等生的なコメントをば・・・。シンの選んだ生き方には全く共感できませんでしたが。これは、そういう負のオーラ全開の作品なんだと思います。そういう意味では、興味深く鑑賞できました。
園子温監督の演出にも触れさせて頂きます。私が激しく「悔しいけれど、上手いかも」と思った点は3つありました。
まずは、ナレーションが子供の声という点です。シンの少年時代の声だと捉えなくても、あの舌っ足らずな喋りにはある種の効果があったとでも言いますか。何となく不安な気持ちにさせられました。コレは、きっと意図的なんでしょうね。
それと、ニューヨークのシーンでは、日本語字幕が全く流れません。結構、英語のセリフも多かったのに。観客もシンと同じ目線で作品を体験するように仕組まれたのかしら。
あとは、映像ですね。ざらついた画が、また効果的だったような気がしました。夜の場面も結構ありましたが、暗くなると一層粒子が粗くなり、ちょっと不安な気持ちになりました。技術的な事はよくわからないのですが、チラシに「手持ちのカメラを使用してドキュメンタリータッチの映像を再現」とあります。やっぱり意図的な演出だったのですねぇ。
なかなか魅了されたのですが。この作品が作られたのは2002年なのですね。今頃になって公開されたのは、オダギリジョー主演だからでしょうか。事情はどうあれ、この作品に触れることができて、とても嬉しく思います。
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コメント
え~、こんばんは。
まだこの作品観てないので、レビューは読んでません。
本日(実際は昨日)「テキサス・チェーンソー ビギニング」を観てきました。
「エクステ」というJホラーの予告を観ました。これが園子音監督なんですねぇ。
「そのエクステは死髪(しにがみ)・・それを付けると・・」というものでした。
栗山千明と大杉漣です。大杉漣がかなり怪しい役のようです。
園監督は12月末にも「気球クラブ、その後」という作品も上映のようですね。これは「紀子の食卓」に近いらしいです。
あ、「エクステ」は来年2月のようです。
以上情報でした。
「ハザード」は来週かなぁ・・
投稿: CINECHAN | 2006年11月14日 (火) 01:36
こばは。
ふっふっふ、生オダジョーを拝んで来ましたよ。シオンカントクも。
たぶん舞台挨拶付の回を観た人はほとんどがただのオダギリファンらしいですー。とーぜん、女性だらけ。これってむしろ男の人に観てもらいたい映画なのにねー。
そんな初園監督作鑑賞となりました。演出力、センスはありますよね。
感覚的にはかなり気に入りました。
その他の、痛めな作品も徐々に観てみたいですー。
投稿: かえる | 2006年11月14日 (火) 01:47
CINECHANさま
コメントありがとうございます。
『エクステ』 観ねばっ 観ねばっ
今、予告編を流しているという事は、やがて公開されるという事でよろしいの?そのキャストも素敵ですねー GOGOゆうばり&怪しい大杉漣さん とくればー。それだけでも、かなり惹かれますものねー
何だろう?もしかして『感染』や『予言』なんかのJホラーシリーズみたいなものなのかしら。
CINECHAN 素敵な情報をありがとう。
投稿: 隣の評論家 | 2006年11月14日 (火) 19:04
かえるさま
TB&コメントありがとうございます。
その内、観るのだとは思っていましたが。何と、初日初回での鑑賞でしたかー おおおおお!素晴らしい気合。私は3回目の鑑賞だったので、会えなかったのは残念。
ところで。子温ワールドなかなか気に入って頂けたのですねー それは良き事ですわー。
そうそう。この作品って、寧ろ男性に見て欲しいんですよねー。私の回には、カップルの他に少しだけ男性の方もいらっしゃいました。もしかして、純粋に園子温監督のファンの方かしら~と勝手に妄想して帰って来ましたよーん(笑)。
今後は、客入り、どうなっていくのでしょうかね。
投稿: 隣の評論家 | 2006年11月14日 (火) 19:08
こんばんは。
前言撤回。
いきなり観てきました。平日最終回で観客10人ぐらいっすかね。男女は半々ぐらいでした。
ストーリー展開自体はあまり入り込めなかったですね。いや危険な状況に飛んでみたいというのはありますが、この作品のリーたちの行動は今ひとつ。
ただ、映像やナレーションは確かにいい感じでした。
男として共鳴できる部分がちょっと少な目かなぁ。
投稿: CINECHAN | 2006年11月15日 (水) 01:05
CINECHANさま
TB&コメントありがとうございます。
うーん、やっぱり本作が混み合っていたのは、最初だけだったようですねん。10人くらいって...淋。
ストーリー展開に入り込めなかった。なるほどー、逆に彼らに共感しまくるのは危険かもしれないですよねー
>男として共鳴できる部分がちょっと少な目かなぁ。
おっ、そうでしたかー。逆に、「男だったらよくわかるよなぁ」なんて言われたら、ちょっと構えてしまうので。CINECHANの意見には安堵(笑)。
投稿: 隣の評論家 | 2006年11月16日 (木) 18:56
こんばんは☆
となひょうさんは、この監督さんがお好きだったのですね。
『紀子の食卓』は面白いのでしょうか。・・・
自分的には、この作品、ちょい辛い感じがありました。
「こういう英語がカッコいいなあ」なんて誤解する人がいそうですね。
投稿: とらねこ | 2006年11月19日 (日) 00:57
とらねこさま
TB&コメントありがとうございました。
『紀子の食卓』は、今のところ間違いなく本年度下半期ベスト1です。私が気に入ったからといって必ずやとらねこさんも気に入るとは限りませんが。面白くて大好きな作品。
園子温監督の次回作品『気球クラブ、その後』はレイトショー公開なので。観に行けないかもしれませんが、とても気になっております。
投稿: 隣の評論家 | 2006年11月19日 (日) 17:28