« unknown/アンノウン | トップページ | カオス »

2006年11月 8日 (水)

トンマッコルへようこそ

「トンマッコルへようこそ」 
<WELCOME TO DONGMAKGOL>/製作:2005年、韓国 132分Tonmakkoru       
監督:パク・クァンヒョン 出演:シン・ハギュン、チョン・ジョエン、カン・へジョン、イム・ハリョン、スティーブ・テシュラー、ソ・ジョギュン、リュ・ドックファン
2006.11.8 レディース・デイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★

「笑顔が一番つよいのです。」

争いを知らない村トンマッコルの奇跡  ここから平和がはじまる・・・。

アジア映画で盛り上がるシネマート六本木に観に行って来ました。売店には、香港や韓国やらの若手スターのグッズが並んでおりましたが。当然の如く、私の愛するソン・ガンホ様やトニー・レオン様のグッズは拝めませんでした(爆笑)。

朝鮮戦争が激しさを増していた頃のお話。その村【トンマッコル】の人達は、戦争が起こっている事など全く知らない。《自給自足》で純粋に活き活きと暮らしていた。そんなある日、【トンマッコル】に3組のお客さんが迷い込む。韓国軍の2人、人民軍(北の兵士)の3人、連合軍のアメリカ兵士1人。【トンマッコル】の人達は彼らを温かく迎えるのだが、北VS南の諍いが始まり、手榴弾で村の貯蔵庫を爆破してしまう。1年分の食糧を無駄にしてしまったお詫びに、畑仕事を手伝う兵士達。穏やかに時は流れるが、やがて戦争の《魔の手》は【トンマッコル】にも忍び寄り...。

この世界観に入り込むまでに少し時間を要したし、冷静に振り返ると流れがあっさりしていた印象も否めません。兵士が村を訪れる前にどんな目にあったか、説明がもう少し丁寧だった方が良かった気もしました。【トンマッコル】の人達の《のほほん》エピソードも、もう少し見たかったし。そうは言っても、どうしても魅力を感じる作品でした。

青い空と緑の美しい竹林。フォトを載せていますが、並べられた【トンマッコル】の守り神であるという石像【トンさん】。個人的には、この石像ものすごくツボでした。(チラシに、一つ一つ表情が違う と説明が。並べて見せてよ!) また、やたらと登場する白い蝶の舞も印象的でした。そこへ拍車をかけるように、心地良い音楽が流れます。《ジブリ》作品でお馴染みの久石譲さんが担当していますから、日本人にとっては比較的入り込み易い世界感だと思います。

この作品には、スローモーションが多用されていました。兵士が手榴弾で無駄にしたトウモロコシが弾けて《ポップコーン》が宙を舞うシーン。畑を荒らす猪を兵士達が必然的に力を合わせて退治するシーン。投下された数々のミサイルを兵士が見上げるシーン。ポップコーンのシーンは「わぁー、面白ーい!」で済みますが、ミサイルのシーンはある種の感情が込み上げてきて、何とも言えない気持ちになりました。この演出は最大の見どころなのかもしれません。

この作品のキーワードは【笑顔】なのではないかしら。「笑顔が一番つよいのです。」というキャッチコピーは、作品にピッタリ寄り添っていて効果抜群だと思いました。
【トンマッコル】の人達は、いつも笑顔で穏やかに暮らしています。知恵遅れと思しき女性ヨイル(カン・へジョン)の「わあぁぁぁーーーーいっ!!!」という満面の笑顔と動作も、スローモーションで挿入されるのですが。手榴弾のピンを「指輪だっ」と抜いてしまったり、銃口に指を突っ込んで大喜びしていたり。その純粋さが、とても強く見えるのです。ラストの北の兵士・スファ(チョン・ジェヨン)南の兵士・ヒョンチョル(シン・ハギュン)の笑顔は、忘れようがない程に心に刻まれました。戦争が起きている世の中です。ひょっとして彼らは、何年も笑うことを忘れていたのかもしれません。

やっぱり【笑顔】って見えざる絶大なる力を持っているのかもしれないと思いました。
心にゆとりを持つ事って大切だなぁとも。どんな人にも《癒し》は必要ですからね。
仕事中毒で周りが見えないくらいに頑張っている皆さん、休養も必ず取ってくださいね。

|

« unknown/アンノウン | トップページ | カオス »

コメント

ぼくはこの映画、
いちばん衝撃を受けたのは最後の戦闘シーンでした。
村の中の描き方は、
最初に予想した通りののどかなもの。
それだけに落差が激しかったです。

投稿: えい | 2006年11月10日 (金) 22:36

えいさま
コメントありがとうございます。
そうですね。ラストの戦闘シーンの迫力はもの凄くて、作品のトーンが一変しましたね。何と言うか、辛すぎて泣くこともできない程に衝撃的でした。
私の感想は、製作者の意図から離れているような気もしますです(笑)。よくある事ですがー

投稿: 隣の評論家 | 2006年11月12日 (日) 11:51

こんにちは。
笑顔出てますか?あー、ちょっと渋顔のワタクシですよ・・・むむむ

結構泣き笑いで忙しかった作品でした。笑
スローモーションが効果的でしたね。・・・というより撮影方法がいろんなのがあって飽きませんでした。その辺も退屈させない手なんですかね。CGも多かったし。なんとなくB級の笑いなの?と思えるところもあったり。
映画らしい映画だったのが良かったというところかな。

ところで…。ハザードやっぱり初日鑑賞でしたか!
私、雨が降ってたということと、きっと女子で溢れかえっているだろうと思い、テンションが下がってしまって。苦笑
平日にひっそりと見ることにしました。ちょっと期待してますー

投稿: charlotte | 2006年11月12日 (日) 16:39

charlotteさま
TB&コメントありがとうございます。
笑顔?比較的ニコニコ顔の私なので、「何で顔が笑ってんのぉー」と何となく失礼な言い方される事が多いのですが。「いつも怒った顔してるよりいいでしょ?」と笑顔で返してやるもん。
そうですね、B級と言えばB級作品でしたね。戦闘シーンは、見ていて辛かったのですが。全体的には癒しが一杯という印象でした。猪退治のシーンが大好きです。
『HAZARD』行って来ましたよーん。もう、本当にもの凄い人だかりでしたよ。疲れちまった(汗)。
ご覧になるのですか?おおー、どんな感想になるのか楽しみにしてますよー。

投稿: 隣の評論家 | 2006年11月12日 (日) 22:01

隣の評論家さん☆こんばんわ~!
コメント&TBありがとうございました。
兵士の背景や何かと?の部分もありましたが、トンマッコルという理想郷の雰囲気に心地良くのまれてしまいました。
兵士達は、それぞれに辛い過去を抱えているようですが、やっと笑ったラストシーンは鮮烈でしたね。
同じ言葉や血を分け合っていた彼らは戦わなければならずも、本当の根っこはゆっくりと穏やかに暮らす事を夢見ていたのかもしれませんね。
そんな理想を叶えてくれたトンマッコルという場所に感謝の意味を込めての笑顔だったと思います♪

投稿: orange | 2006年11月16日 (木) 19:08

orangeさま
TB&コメントありがとうございます。
>そんな理想を叶えてくれたトンマッコルという場所に感謝の意味を込めての笑顔だったと思います♪
こんな風に素敵に書いて頂いたら、何だか思い出して今になって泣けてきてしまいます(涙)。
トンマッコルの村人たちの大らかな雰囲気に乗っかって見ていたから、最後の戦闘シーンはもの凄い迫力を帯びているように見えてしまいましたね。印象深い作品でした。

投稿: 隣の評論家 | 2006年11月17日 (金) 20:00

あにょんはせよ。
よい映画でしたね。
こういうかたちの反戦めっせーじがイチバン染みます。
誰も彼もトンマッコルへ送り込んでしまいたいー。
もちろんワタクシも行きます。

ヨイルって、さとう珠緒に似てなかった?

投稿: かえる | 2006年11月26日 (日) 00:59

かえるさま
TB&コメントありがとうございます。
あにょんはせよー
トンマッコルに行ってみたいですね。戻って来れるかなぁ(笑)。
ヨイル、似てるかも、玉緒に。
演じたカン・へジョンはかわいいんですけど、今回はそれ程に魅入られなかった私ですー。

投稿: 隣の評論家 | 2006年11月27日 (月) 20:20

 あけましておめでとうございます。トラックバック、ありがとうございました。観よう観ようと思いながら、なかなか機会を得ることができず、終盤でセーフでした。しかし、いつも的を射た評論で、私はいつも関心しながら読ませてもらっています。本作も丁寧に分析され、評論に引き込まれます。読ませてもらい、ありがとうございました。今年も宜しくお願い致します。  冨田弘嗣

投稿: 冨田弘嗣 | 2007年1月 6日 (土) 23:28

冨田弘嗣さま
TB&コメントありがとうございます。
間に合って良かったですね。
この作品を見て記事をUPして、色々な人の記事にお邪魔してみて。如何に自分の見方が個性的だったのかと思い知らされた感じでした。『笑顔』がどーだこーだと書いている人は殆ど居なかったので(汗)。そんなところへ、とても丁寧にありがたい言葉を頂いて。こちらの方が感謝です。どうもありがとうございました。
こちらこそ、今年もどうぞヨロシクお願い致します。

投稿: 隣の評論家 | 2007年1月 7日 (日) 12:33

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/144633/12491892

この記事へのトラックバック一覧です: トンマッコルへようこそ:

» 映画「トンマッコルへようこそ」 [茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~]
原題:Welcome to Dongmakgol 北から南から空から、死地を求めてトンマッコルへと兵士が集う。山奥のメルヘンチックなその村に一体何があるというの、子供のように純粋な心の住む村・・ 1950年、朝鮮半島を分断する戦いも米韓軍の仁川上陸によって終焉を迎えようとし... [続きを読む]

受信: 2006年11月11日 (土) 01:47

» 映画「トンマッコルへようこそ」 [don't worry!な毎日]
 「なぜそんなに怒っているのですか?」と、 トンマッコル(子どものように純粋な心)という名前の村の村長は言うのだ。  私にこのひと言が突き刺さる。  朝鮮戦争のさなか、国軍、人民軍、連合軍の兵士がそれぞれの事情で迷い込んだ 「トンマッコル」という村。 そこは、争いを知らない笑顔があふれる村。 その村で、村人たちと協力しながら作物を収穫するうちに、 北の兵士と南の兵士との間に心の交流が生まれ、 最後は一緒になってこの村を守るために戦うのだ。  「なぜそんなに怒っている... [続きを読む]

受信: 2006年11月12日 (日) 11:50

» トンマッコルへようこそ [シャーロットの涙]
1950年代、朝鮮戦争が続く中、戦争とはまるで無縁の平和な村が山奥にあった。その名はトンマッコル。 そんな村へまるで導かれるように、アメリカ人パイロットのスミス、韓国軍の2人、それに敵対する人民軍の3人がやってきた。顔を合わすなり、銃を持ってにらみ合う両者だが、銃や手榴弾を見たことがない村人たちは呑気なもの。 偶然から村人たちの食料貯蔵庫を爆破してしまった兵士たちは、ひとまず協力して村人たちの畑仕事を手伝うこ... [続きを読む]

受信: 2006年11月12日 (日) 16:41

» トンマッコルへようこそ [knockin' on heaven's door]
Welcome to Dongmakgol 「子供のように純粋な村」トンマッコルに辿りついた敵同士の兵士たち。のんびり、ほっこりの桃源郷に迷い込んだ彼らの運命は如何に? リアル戦争映画風の出だしから一転、ユーモア溢れるファンタジーへと昇華する。ずっとトンマッコルを観て...... [続きを読む]

受信: 2006年11月13日 (月) 00:12

» 「トンマッコルへようそこ」に政治の原点を見た [映画と出会う・世界が変わる]
オリジナルは舞台劇とのことであるが、映画を見ると宮崎アニメにインスパイアされような内容だ。また、「七人の侍」も連想させる。表面的にはのどかなファンタジーであるが、実はそのイメージを覆すような凄惨なシーンがある。「となりのトトロ」に「ワイルドバンチ」を付...... [続きを読む]

受信: 2006年11月13日 (月) 01:57

» 「トンマッコルへようこそ」見てきました。 [よしなしごと]
 この映画の名前を見ると「マッコリ」を思い出すなぁ~。なんて考えていたら、チケットを買う時に「トンマッコリへようこそ1枚」なんて言ってしまい恥ずかしい思いをしました。と言うわけで、トンマッコルへようこそを見てきました。... [続きを読む]

受信: 2006年11月16日 (木) 03:24

» トンマッコルへようこそ [とにかく、映画好きなもので。]
どこかの山の奥にある村。そこは世間の争いとは無縁のゆったりとした時間が流れる平和な村でした。その名はトンマッコル。  1950年代の朝鮮戦争最中、この村にやってきたのはアメリカ人パイロットのスミス。韓国軍の2人と対立する人民軍の3人。  ....... [続きを読む]

受信: 2006年11月16日 (木) 19:08

» 真・映画日記『トンマッコルへようこそ』 [CHEAP THRILL]
10月31日(火) 朝、通勤〜スタバのコーヒータイムでなんとか日記を更新。 どうもここのところ、日記が尻切れとんぼ気味。 反省したい。 仕事は月末なので多いような少ないような。 午後6時20分に終業。 神谷町駅から六本木へ。 3の出口から出てシネマート六本木へ。 初めて行くところだがなんとかわかる。 「ハードロックカフェ」とは通りを挟んで反対側の裏にある。 周りに高級クラブや洒落た飲食店がある中、そこだけひっそりとしている。 中に入る。 低い天井。 左右にあ... [続きを読む]

受信: 2006年11月17日 (金) 22:41

» 「トンマッコルへようこそ」 [古今東西座]
幾つかのブログで僕も大好きな名作『まぼろしの市街戦』との類似性(悪く言えばパクリ)が書かれていたのを読んで、ならば内容的に優れている作品になっているのではと期待して観に行った。 確かに戦争中に桃源郷とも思える場所に彷徨いこむ設定と知恵遅れの女の子のキャラクターはかなり影響を受けていると思える。さらに言えば村での生活は『刑事ジョン・ブック 目撃者』的だし、村の様子は中央が広場になっている所など『七人の侍』の農村みたいで、同じ黒澤の『夢』や宮崎駿の雰囲気もある(『ドクタースランプ』のペンギン村みたいでさ... [続きを読む]

受信: 2006年11月21日 (火) 02:10

» 「トンマッコルへようこそ」 お腹いっぱい食べられることだけで満足できればいいのに [はらやんの映画徒然草]
久石譲さんの音楽がとても作品の雰囲気にあっていました。 音楽は全然詳しくないので [続きを読む]

受信: 2006年11月25日 (土) 06:45

» 『トンマッコルへようこそ』 [かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY ]
よいお話でした。トンマッコルに行きたーい。 子どものように純粋な村、トンマッコルに敵対する兵士たちが迷い込む。その前に観たのが、イーストウッド作品だったことが影響してしまったのか、カメラワークやカットがいまいちだなーと感じられたり、音楽が主張しすぎーというのがやたら気になりました。あらら、音楽は久石譲で、結構ウリだったのでしょうか? 私にとっては、オーケストラはマイナス効果。せっかくのファンタジー世界なんだから、もっと軽やかに明るい音楽にしてほしかったなぁ。 それから、今年は既に、『クク... [続きを読む]

受信: 2006年11月26日 (日) 00:45

» トンマッコルへようこそ [活動写真評論家人生]
動物園前シネフェスタ  今年は「邦高洋低」だという。なんのことかと聞くと、洋画より邦画の客入りがよ [続きを読む]

受信: 2007年1月 6日 (土) 23:24

« unknown/アンノウン | トップページ | カオス »