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2006年11月 2日 (木)

トリスタンとイゾルデ

「トリスタンとイゾルデ」 
<TRISTAN & ISOLDE>/製作:2005年、アメリカ 126分Tristanisolde  
監督:ケヴィン・レイノルズ 出演:ジェームズ・フランコ、ソフィア・マイルズ、ルーファス・シーウェル、デヴィッド・パトリック・オハラ、ヘンリー・カヴィル、ブロナー・ギャラガー
2006.11.2 レイト・ショー・サービス¥1,200にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★

「愛は死より切なく、そして尊い。」

彼女は父の敵を愛し、彼は恩人の妻を愛した

『ロミオとジュリエット』の原典とも言えるラブストーリーで、『アーサー王伝説』の一部として語り継がれている物語。とは言っても、製作総指揮にリドリー&トニーのスコット兄弟が名を連ねていたので、とても気になっておりました。期待していた通り、なかなか楽しめました。

ローマ帝国崩壊後のイギリスは、事実上アイルランドに制圧されていた。イギリスの若き騎士トリスタン(ジェームズ・フランコ)とアイルランド王の娘・イゾルデ(ソフィア・マイルズ)は、お互いの身分を知らないまま禁断の恋におちる。2人の想いを弄ぶかのように、イギリスとアイルランドは激動の歴史を刻み続けるのだった。

この悲劇のラブストーリーの背景となった激動の日々が、なかなか印象深く映像化されていたように思います。森の中の戦闘シーンでは、罠を仕掛けて待ち伏せしたり。武器も刀と盾と弓矢といったシンプルなものばかり。だからこそ、生身の迫力が伝わる気がしたのです。戦闘から離れて考えても、緑の生い茂った森やイギリスとアイルランドを隔てる海など。『自然』が放つ魅力も嗅ぎ取ってみたりして。
それと、結束しているかのように見えるイギリス各領地の男たちの火花の散りようも興味深かったです。腹の底では功名心や嫉妬が渦巻いていて、そこを逆手に取り罠を仕掛けるアイルランド軍の狡猾さにゾッとしました。裏切り行為の果ての自滅、そして後悔。これぞ【人間模様】という風にも楽しむ事ができました。

トリスタンイゾルデは身分を知らないままに恋におちます。政略結婚でイゾルデがコンウォール領のマーク王(ルーファス・シーウェル)に嫁いた時に初めて、お互いを知る事になるのです。トリスタンにとってマーク王は恩人で、誰よりも信頼を寄せて忠義を尽くしている人物でした。決して結ばれるはずのない2人。「運命には逆らえない」と頭では理解しても、心が納得できずに燃え上がる秘密の恋。この2人の想いは、やがて破滅の一途を辿ることになります。

苦悶の表情を微妙に表現する2人も素敵だったのですが。個人的には、最も印象的だったのはマーク王でした。
トリスタンが幼い頃に、イギリスはアイルランド軍に奇襲攻撃をかけられます。幼いトリスタンの命を救う為に、マーク王は右手を失ってしまうのですが。それを根に持つ事なく、両親を殺されたトリスタンを当たり前のように家族として受け入れます。器の大きな男の中の男ですよ。逞しく忠実な騎士となったトリスタンを見ていたら、マーク王への厚い信頼感も見て取れたのです。また、嫁いできたイゾルデを本気で愛するスウィートな面も魅力的でした。2人の初夜の場面は忘れがたいです。実際には、別の男を愛しているからこそ、戸惑いを見せていたイゾルデですが。彼女の緊張をほぐそうと優しく問いかけるマーク王、外して置かれた右手の義手。何となく、マーク王は右手がないという事が深層心理ではコンプレックスになっているかのように思えて。勝手な解釈ながら、そこに人間味を覚えて感情移入しました。どの場面をとっても印象的で魅力的に映りました。【王】と呼ばれるに相応しい人物であるかのように思えたのです。
トリスタンイゾルデの結ばれるはずのない恋。恋敵が憎々しくない人物であるという点も、悲劇的だと思いました。

個人的には、トリスタンイゾルデの悲恋に身を焦がすというよりも、2人の想いが悲恋にならざるを得なかった激動の時代に酔いしれた作品でした。こういったクラシカルな雰囲気の作品には、たまらない魅力を感じてしまいます。

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コメント

こんばんは。
隣の評論家さんがこの作品を見るとはちょっと意外だーと思ったのですが、「リドリー&トニーのスコット兄弟が名を連ねていたので…」というくだりで納得。
わたくしも男臭さある作品好きです~。ファイトシーンは生々しくとてもリアルでした。
そうそう、それにやっぱりマーク王ですよっ!
アラゴルンは最も好きなキングですがマーク王も負けてませんー。ふふ
同じく恋愛ものとしてより人間ドラマの背景…昔のイギリスという時代背景が好きです。


投稿 charlotte | 2006年11月 3日 (金) 21:07

こんばんは~! 同じ日の鑑賞でしょうか!?
>心が納得できずに燃え上がる秘密の恋
そうでしたね~「アナタは私のもの」なんて言ってましたよねイゾルデ。
若い二人の抑えられない気持ち・・観ているこちらも「わかるけど」おっしゃるように、夫も申し分無く良い人間なので、ちょっと納得出来ない気分で一緒に辛かったですよねぇ・・
正統派ラブ・ストーリーだとつい突っ込みたくなる悪い癖があって、自分の所ではかなり茶化して書いてしまいましたが、決して面白くなかったワケではなくかなり楽しめました。
>緑の生い茂った森やイギリスとアイルランドを隔てる海など。『自然』が放つ魅力
それも見応えありましたよね~映像もですが、音響も素晴らしかったので、シネコンで観れて良かったなと思います。

投稿 マダムS | 2006年11月 3日 (金) 21:09

TB&コメントありがとうございます。

★charlotteさま
スコット兄弟が名を連ねるからには、男臭いかもしれないという予感が的中しておりました。
アラゴルン様、お好きですか~ 私も大好きなんですよぉ 必ず《様》つけで呼んでおります ポッ
でも、マーク王を見ていて思い浮かべたのは。実はセオデン王なのでありました。アラゴルン様には勝てないながらに、セオデン王も大好きなアタクシ。絶命するシーンでの姪エオウェンとのやり取りでは号泣、そして仇をとるべく闘うエオウィン姫の魅力にやられた大作『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』 って、話が逸れてしまってゴメンなさいっ

★マダムSさま
イゾルデは、どうにか運命を受け入れてくれるかと思ったのですがねぇ やっぱり、近くに居るというのはマズイですね。トリスタンはカッチョいいんですけど、「愛に溺れすぎる余り理性をかなぐり捨てる男はカッコ悪いゾッ!!!」と軽く説教モードに入りつつあったアタクシでしたぁ(笑)。やっぱり、若さと勢いには適いませんわ~ でも、最終的にトリスタンが選んだ道は、男らしかったので良しとしたいと思います。
いやぁ、男らしさではマーク王には勝てませんわぁ。フォーリン・ラブ♪なのであります。こんなに立派な男性は、そうそう居ないかもしれませんがね。

投稿 隣の評論家 | 2006年11月 5日 (日) 12:16

→2人の想いが悲恋にならざるを得なかった激動の時代に酔いしれた作品でした。
私も同感です。二人はちゃんと密会して自分達の思いは伝え合っていたからそんなに悲恋だと感じなかったです。ただ親の身勝手に結婚させられるというイゾルテの運命は悲惨ですね。
トリスタンのあの目にすごく刺激を受けたんですが、ジェームス・フランコってなかなかいい俳優さんだったのですね。気付いてなかったです。これからちょっと注目していきたいです。

投稿 ALICE | 2006年11月 6日 (月) 13:15

ALICEさま
TB&コメントありがとうございます。
>二人はちゃんと密会して自分達の思いは伝え合っていたからそんなに悲恋だと感じなかったです。
そうですよね。何だカンだで、かなり密会できてましたもんね。
私は全編を通してマーク王に肩入れしていたのですが(笑)。確かに、ジェームズ・フランコの表情の移り変わりとか、とても上手いと思ったんですよねー。『スパイダーマン』に出て、もっとアイドルになると思ってましたが。結構、着実に作品選びしているような印象を受けています。

投稿 隣の評論家 | 2006年11月 6日 (月) 21:21

はじめまして。
この映画はやっぱりマーク王が一番かっこよくていい男でしたね。
ジェームズ・フランコ自身はセクシーでよかったですけど、トリスタンというキャラはこの映画の設定だと、中身が未成熟な感じ(^^;)
やっぱり男は中身です!

マーク王の右手について神話を交えて考察したエントリーを書きましたのでトラバさせていただきました。

投稿 みん | 2006年11月10日 (金) 16:18

こんばんは。
マークだからこそ、トリスタンもイゾルデも悩んだんでしょうね。王の中の王ですね。
映画の中の、儀式的なものの美しさにも惹かれました。

投稿 カオリ | 2006年11月11日 (土) 01:54

みんさま
初めまして、こんにちわ。
TB&コメントありがとうございました。
マーク王が素敵でしたー。
>やっぱり男は中身です!
そうですね!終始マーク王を追っていた私にとって、トリスタンはルックスは素敵でもお子ちゃまにしか見えませんでしたものー。

投稿 隣の評論家 | 2006年11月12日 (日) 11:26

カオリさま
コメントありがとうございます。
マーク王、王の中の王でしたね。
カオリさんが仰るように、儀式的なものの美しさも素敵でしたね。婚礼のシーンには溜息がもれました。

投稿 隣の評論家 | 2006年11月12日 (日) 12:16

隣の評論家さん、こんばんは。
上映もそろそろ終わりなので、観にいってきました。
過剰な演出の純愛映画を最近観すぎているようで、本作のラストは、ちょっと物足りなさを感じたりして・・(汗)

イゾルデが嫁いでからの、トリスタンの行動がどうにも惨めっぽくて、個人的にはダメでしたねぇ。
まあでも振り返ってみると、それ程飽きることなく観られた作品ではありました。

投稿 CINECHAN | 2006年11月13日 (月) 01:31

CINECHANさま
TB&コメントありがとうございます。
>過剰な演出の純愛映画
私は努めて避けているので、本作は逆に清々しく鑑賞できたかもー
CINECHANは、純愛路線がお好きでしたか?
何だカンだ言って、トリスタン&イゾルデ 2人ともまだまだ若いっていう気がしましたね。マーク王には敵うまいっ。

投稿 隣の評論家 | 2006年11月13日 (月) 21:38

ロケ地、小道具、衣装はもちろん
脚本、構成など、骨太に仕上がったラブストーリーでした。
古い時代なのに共感でき、のめり込むように堪能できました。
単館上映なのが勿体ないです。

投稿 未来 | 2006年11月16日 (木) 00:16

未来さま
TB&コメントありがとうございます。
そうですね、なかなか骨太だった印象でした。そちらでは単館上映なのですか?それは勿体ないですねー 大ヒットはしていなくても、観た人の感想はなかなか好評な印象ですのに。

投稿 隣の評論家 | 2006年11月17日 (金) 19:24

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