ドリームガールズ
「ドリームガールズ」
<DREAMGIRLS>/製作:2006年、アメリカ 130分
監督、脚本:ビル・コンドン 出演:ビヨンセ・ノウルズ、ジェイミー・フォックス、エディ・マーフィー、ジェニファー・ハドソン、アニカ・ノニ・ローズ、ダニー・グローバー、ジョン・リスゴー
2007.2.27 劇場前売り鑑賞券¥1,300にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★
「夢は永遠に生き続ける」
観て来ました。実を言うと、鑑賞前はワンダフルな歌が満載の人間ドラマなのかとイメージしていたのですが。これは、ミュージカルですね。「!!!ココでも歌うの?」と、ビックリしたシーンが多々ありました。途中からは「これはミュージカル」と自分に言い聞かせながらの鑑賞でした。
1962年のデトロイトが舞台。エフィー(ジェニファー・ハドソン)とディーナ(ビヨンセ・ノウルズ)とローレル(アニカ・ノニ・ローズ)。3人は歌で成功しようとオーディションを受け続けていた。けれど、そう簡単に夢は叶わなかった。ある日、カーティス(ジェイミー・フォックス)という男が3人の才能に目をつける。マネージャーとして、3人を売り出そうというのだ。大スターであるジミー・アーリー(エディ・マーフィー)のバックコーラスを皮切りに、3人の晴れ舞台が幕をあける。【ドリームガール】としてデビューを飾り、手にした栄光。その裏に隠された苦悩の日々を、パワフルな歌にのせて鮮やかに紡いていく。
私が観に行った劇場は有楽町マリオンの日劇1でした。公開当初は日劇3での上映だったはずなのに、入れ替えたみたいです。日劇1と言えば、私が知る限りで最も大きなスクリーンなんです。少し出遅れたけど、逆に得をした気分になりました。本作からみなぎる圧倒的なパワーは、是非とも劇場で体感して欲しいと思います。
アカデミー賞で本作にて助演女優賞を受賞したジェニファー・ハドソンの歌唱力は圧倒的な存在感を放っていました。噂には聞いていましたけど、やっぱり凄いですよ。鳥肌が立ちましたもん。受賞は逃したとは言え、エディ・マーフィーのパフォーマンスも素晴らしかったなぁ。彼が演じた大スターのジミーは落ち目になっていきます。やがて、ドラッグに溺れていくのですが、その場面での悲し気で焦点の定まっていない表情は見事でしたよ。改めて芸達者な俳優さんなのだと気づかされました。個人的には、お気に入りであるジェイミー・フォックスの歌声も聞けたのは嬉しかったです。今回はちょっと嫌な奴でもあるんですけど、作品毎に全く違う顔を見せてくれるんですよね。ベテラン・マネージャーのマーティー(ダニー・グローバー)に「この『二流まむし』が!」って罵倒されていた気がするのですが。『二流まむし』って...(汗)。英語ではどんな表現だったのでしょうか。それとも、単なる私の読み違いでしょうか。どなたか真相をご存知でしたら、訂正願います。
本作はミュージカルだと自分に言い聞かせても、結局最後まで人間ドラマとして楽しんでしまいました。栄光の裏にある苦悩とか、題材はとても興味深いと思ったもので。
ジェニファー・ハドソンのパフォーマンスは本当に素晴らしかったのですが、個人的にはエフィーという女性は好きになれませんでした。最後まで自分勝手で周囲を見ようとしていなかった印象が消えなくて。多分、エフィーはコンプレックスがとても強いんですよね。だからこそ、『歌』という才能に固執して生きていたのかもしれません。いやぁ、私も自分の嫌いなところって一杯あるよ。そもそも、コンプレックスのない人間なんていないと思うんだよね。カーティスがディーナをリードにすると決めれば、「♪リードは私よ。さては彼女と寝たのね!♪」とわめき散らしたり。カーティスに「♪愛しているのよ~ 私を見捨てないで~♪」と詰め寄ったり。孤立したエフィーは【ドリームガール】を去り、やがて子供を産んで育てます。少しは変わるのかと思ったら、母になったところで自分勝手な印象は消えなかったなぁ。それでも、マーティーは救いの手を差し伸べてくれた。勿論、エフィーの才能を高く評価しているからこそだとは思うけれど、エフィーはマーティーに感謝しているようにも見えなくて。【ドリームガール】のメインとして栄光を収めたディーナの《大スター》故の苦しさの方がグッときましたよ。色々あってディーナから久し振りにエフィーに連絡を取るシーンがあります。「元気にしてたの?あなた、大丈夫なの?」と、心の底から心配して声をかけるディーナの穏やかな表情に、泣きそうになりました。ディーナは、本当はエフィーと一緒に歌いたかったに違いないんです。わかってるの、エフィー?多分、自分の夢を思い描く事で手一杯だったのでしょう。周囲に目を配っている様子を感じ取れなかったなぁ。身の回りの人が居て、自分が居るんじゃん。感謝の気持ちを失くしたら、どんなに実力があっても駄目だと思うんですけど。
といった具合で。素晴らしい歌曲で満載のミュージカルであるとはわかっていながら、あくまでも人間ドラマとして堪能できたのであります。劇場に足を運ぶべき作品として、おススメできる1本です。
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コメント
こんばんわ。
≫結局最後まで人間ドラマとして楽しんでしまいました。
栄光の裏にある苦悩とか、題材はとても興味深いと思ったもので。
多くの人が音楽とダンスを楽しむ中で、人間ドラマを楽しむ
となひょうさんはさすがの映画好きだと思いました。
この人間ドラマがあったからこそ、華やかなパフォーマンスが
活きたんだろうなあと思います。
投稿: 睦月 | 2007年3月 1日 (木) 20:42
睦月さま
TB&コメントありがとうございます。
やっぱり、歌や踊りのパフォーマンスが印象に残る人が多いんですねぇ。私の視点は違っていて、ドラマ部分がメインでパフォーマンスはあくまでもドラマを盛り上げる演出だったという印象でした。
ジェニファー・ハドソンは素晴らしかったけど、人物としては余り共感できなかったのが本音でしたし。ディーナは、エフィ抜きでスターダムに駆け上がる事なんて望んでいなかったようにも取れるラストは粋でしたし。
エディ・マーフィーの落ちぶれてからのくたびれ感もグッドジョブだったし、ジェイミー・フォックスはやっぱりセクシーだなぁと思ったりしましたー。
投稿: 隣の評論家 | 2007年3月 3日 (土) 18:31
こんにちは。劇中の歌の場面も曲自体もいうことなしですけれども、人間ドラマも成功の裏の光と陰がちゃんと描かれていて、しっかりしたお話しでしたよね。
たしかにエフィーは「あたしさま」だったけど、あの押しの強さというか強がり部分が悲しくもみえたり。最後のステージはとってもきれいにまとまってましたよね。わたしも日劇でもう1回みたいですー。
投稿: mako | 2007年3月 6日 (火) 15:03
makoさま
TB&コメントありがとうございます。
パフォーマンスも勿論、素晴らしかったのですが。私は、成功の裏の光と陰を描いている部分が何よりも面白く鑑賞できました。
>たしかにエフィーは「あたしさま」だったけど
makoさんの表現は、とてもツボにハマる私です。『あたしさま』でしたよー。ある意味、悲しいですね。
もう1度見るのなら、是非とも日劇1で見ることをおススメしたいです。もう、迫力が全然違いました。
投稿: 隣の評論家 | 2007年3月 6日 (火) 20:53
この作品、アメリカであれだけ評判がたったのも 納得の内容でしたよね!
音楽もいいのですが、物語がまたいいですよね!
夢を求めるという物語というので、もっと軽いものを想像していたのですが、思いの他深い内容で大満足でした!
エフィー演じるジェニファー・ハドソン、睦月さんのおっしゃる通り歌も抜群なんですが、一つ間違えばだた煩いだけのわがままな女になるところを、キュートに魅力的に演じていましたよね!
やはり アカデミー賞受賞は当然かなと思ってしまいました。
投稿: コブタです! | 2007年3月 9日 (金) 17:43
こんにちは☆隣の評論家さん。
TBありがとうございました~!
僕も観るまでは、ライトな作風を想像していたのですが・・・ショービス界の光と影、栄光にすがりたい人間のドラマのラインがしっかりしている作品でしたね。
エフィーはどことなくわがままさんでしたが、良くも悪くも彼女の性格付けがあったからこそ物語に起伏が生まれたのかなとも思いました。
歌いたいという気持ち。一緒にステージに立つ喜び、ラストには勝者も敗者も無く適度な余韻を残すところが素敵でした。
しかし、こういう作品は劇場で観てこそですね。最高のパフォーマンスに酔いしれました♪
投稿: orange | 2007年3月10日 (土) 16:43
TB&コメントありがとうございます。
★コブタさま
ジェニファー・ハドソンのパフォーマンスは素晴らしかったですね。
私がこの作品を見て感じたことは、コブタさんが不満に思ったと書いていた部分と重なるんですよね。もう少し、ドラマなのかミュージカルなのかキッパリと仕上げてもらった方がより好みだったと思います。
ところで、コブタさん。
>睦月さんのおっしゃる通り
とあるんですが、睦月さんはそんな風に書いていたかな?ぷぅ
ひょっとして、睦月さんと私を混同しているのかな?ぷぅ
コブタさんの中では、そんなに似ているのかな?ぷぅ
投稿: 隣の評論家 | 2007年3月10日 (土) 19:15
★orangeさま
いやぁ、これは家のテレビ画面で見るのと劇場で見るのとでは大違いですよね。ジェニファー・ハドソンのアカデミー賞獲得は納得できる程の迫力でしたが、モチロン他の方のパフォーマンスも見事だったと思いました。
私は、かなりディーナに肩入れしてドラマ部分を楽しんでいたのですが、ラストはとても心に残る素敵な締めだったと思います。
こういった世界の光と影、申し分ないくらいに面白い題材だったと思います♪
投稿: 隣の評論家 | 2007年3月10日 (土) 21:38
あう、、、すいません 何度も。。。(;;)
投稿: コブタです! | 2007年3月11日 (日) 01:38
コブタさま
プププのプー です。
投稿: 隣の評論家 | 2007年3月12日 (月) 20:37
こんばんは。
コメントありがとうございました。
あの口論シーンまでミュージカルなんて露とも感じませんでしたよ。
それまで楽しいステージ・シーンに、ストーリーが進んでいって、一つの山場が来たか! と思ったらいきなり長々と歌うシーンですからね。
あのあたりでちょっと鈍ってきたかもしれません。
ま、その前に「私たちはファミリー~♪」と歌ってましたけど。
ジェニファー・ハドソンはパワフルな歌声でしたけど、正直ちょっと歌が長すぎてダレたなぁ。ビヨンセの歌の方が適度で良かったですよ。
投稿: CINECHAN | 2007年3月23日 (金) 01:16
CINECHANさま
TB&コメントありがとうございます。
>ま、その前に「私たちはファミリー~♪」と歌ってましたけど。
あ、そう言えば、ありましたっけ。やっぱり、どうせなら全編に渡って歌いまくって欲しかったような気持ちもあるなぁ。
歌のパフォーマンスとしては、ジェニファー・ハドソンの方がメインでしたよね。彼女の歌声は素晴らしかったんですけど、ドラマ部分で考えるとエフィーよりディーナのキャラクターの方が共感できましたです。
ひょっとしたらCINECHANは、ミュージカル大好きってタイプではないのかな?確かに、適度という意味ではディーナの方が良かったかもですね。
投稿: 隣の評論家 | 2007年3月24日 (土) 14:01
初めまして。いつも楽しく読ませて頂いてます。
いきなりで不躾ながら、僕の意見を言いますと、
エフィーのことですが、モータウンの歴史を知るとエフィーのことをもうちょっと理解できるんじゃないかな?と思います。
投稿: 淳平 | 2007年8月31日 (金) 17:18
淳平さま
初めまして、訪問ありがとうございます。
コメント感謝です。
>モータウンの歴史
ですか。うーん、実は全然知りません。
個人的には、『レント』のように全編を歌で埋め尽くしても良かったような気がしています。
人間関係なんか興味深かったので、歌うのはショーの場面だけでも良かった気もするし。
満点とまではいかなかったけれど、なかなか楽しめました。
投稿: 隣の評論家 | 2007年8月31日 (金) 21:10