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2007年2月 7日 (水)

フリーダムランド

「フリーダムランド」
<FREEDOMLAND>/製作:2005年、アメリカ 112分Freedomland  
監督:ジョー・ロス 出演:サミュエル・L・ジャクソン、ジュリアン・ムーア、イーディ・ファルコ、ロン・エルダード、ウィリアム・フォーサイス、アーンジャニュー・エリス、アンソニー・マッキー
2007.2.7 レディース・デイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,300で妥当 / 評価:3.5★/5点満点★

「・・・何かが、違う。」

消えた少年、目撃者ゼロ、痕跡ナシ、唯一の手がかりは母親の証言だけ

レディース・デイの夜だというのに、受付番号は衝撃の〈7番〉だった。一桁かよっっっ。そう言えば、この作品は確かに盛り上がっていない気がする。それどころか、評判もイマイチみたい。この作品を観たという映画ブロガーも殆ど見かけていない気がする。そんな逆風の中、私は自分の感性で自分なりに感じた事を書いてみたいと思います。

舞台はアフリカ系住民が大半を占めるニュー・ジャージー州の低所得者向けの団地。ある晩、団地内の保育施設に勤める白人女性ブレンダ(ジュリアン・ムーア)が、両手を血まみれにして医療センターに現れる。黒人男性に襲われ、車を奪われたと言うブレンダ。だが、話を聞いたロレンゾ刑事(サミュエル・L・ジャクソン)は、彼女が何かを隠していると直感する。     ―――チラシより―――

傑作とは言い難いけど、印象に残るシーンも結構あって、それなりに楽しめました。gooやyahooの映画サイトをチラ見すると、低評価でケチョンケチョンに言われているんですよね(苦笑)。〈黒幕は誰だ?〉的なミステリーを想像してワクワクすると、確かに肩透かしを食らうかもしれません。どちらかと言うと、〈ヒューマン・ドラマ〉の印象を受けました。素人目線ではありますが、もったいぶった宣伝の仕方が逆効果だった気がします。

本作の舞台となる《アームストロング団地》では、ブレンダ&愛息子ファミリー以外は、殆どが黒人ファミリーだったようです。ブレンダが遭遇したのは、単なるカージャックではなく息子を誘拐されたという事件に発展します。ブレンダが「犯人は黒人だった」と証言した為、乗り込んで来た白人警官たちが少々横暴な捜査を始めます。地元の刑事ロレンゾの努力も空しく、やがて団地の黒人たちの怒りが爆発して暴動騒ぎにまで発展します。日本人にはスーッと入ってこないかもしれないけれど、そこには根の深い《人種差別問題が横たわっている訳です。
事件の全貌が明らかになった時、また別の問題を考えさせられたりもしました。ちょっと濁して書きますが、〈家族の絆〉とは、一言では表現しきれない難しさがあるのかもしれないと思いました。「子宮の記憶 ここにあながたいる」ほどではありませんが、親と子の繋がりについて色々と思う部分がありました。

本作を見ようと思ったきっかけは、ミステリアスな雰囲気より何よりもサミュエル・L・ジャクソンでした。昔は脇役として要所要所で魅了してくれる俳優さんでしたが、今ではスッカリ主役級のビッグ・ネームとして存在感を発揮していますよね。今回のサミュエルは、住民たちから頼りにされるカリスマ性と、少々人生への疲弊感を滲ませる瞬間を演じ分けていたような気がします。「肩でもお揉みしましょうか?」と、声を掛けたい衝動に駆られましたが、「必要ない」と強そうな一面を見せられそうです。

本作の一番の見どころは、被害者を演じたジュリアン・ムーアだった気がします。このブレンダという女性は、何とも情緒不安定でハラハラさせられました。息子が失踪した虚無感や苛立ち等、とても危うい表現力はお見事だったと思います。ブレンダの兄が「まさか、まだクスリをやっているのか?」と問うセリフがあったり。団地内では、黒人のファミリーとも親しく過ごしているようでも、移動する時はヘッドフォンで耳を塞いでいたり。とても複雑な思いを秘めて、どうにか生きていたのかもしれないと想像します。心の中には様々な感情が渦巻いていたのかもしれませんが、それをブレンダ自身が把握できずにいたという印象も受けました。

島国ニッポンでは、こういった人種差別問題は丸っきり他人事という構えの人が多いと思うのですが。忘れてはならないのは、私たち日本人も有色人種である事です。白人から見たら、アジア人は【黄色人種】なんですよね。そこを意識した上で、【ガイジン】という言葉を使わなければダメなのかなぁと。そんな事まで考えてしましました。

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コメント

こんばんは。

そうか、評判悪いんですね。
この映画、ずいぶん前に観ていながら
ついに書かないままでした。
やはり書きにくい映画というものはあるものです。
頭の中では、
ジュリアン・ムーアの演技についてなら
書けるかなあ……と、
そこに絞るつもりだったのですが……。

中盤で、林(?)の中に
団体で探しに行く当たりから、
違う映画になっていましたね。
そのあたりを巧くやれば、
逆にスリリングな映画になったのかもしれないのに、
なんとも惜しいです。

投稿: えい | 2007年2月 8日 (木) 20:38

えいさま
コメントありがとうございます。
そうなんですよ、もの凄く評判が悪いようです。自分の感想が人と違うのは一向に構わないのですが、縮小公開していく姿を見るのは少し悲しいです。今日ぴあを買ってチェックしていたら、本作も早くも縮小する事になってしまった模様。
確かに、書き易い作品ではないかもしれませんね。
例の団体ですが、ああいった団体が生まれるという事自体がショッキングだったりしたんですけどね。大袈裟ですけど、《生きていく》ことってパワーが必要だなぁとか考えてしまった私です。排他的な日本人から見ると、この作品でチラチラ見せている事は、所詮《他人事》といった感覚なのかもしれません。って、私も日本人ですけどね。
えいさんが仰るように、中盤からの展開を上手く見せてくれれば、かなりスリリングに仕上がっていたはずだー と思います。傑作とは言えなくても、決して駄作だとは思いませんでした。

わー、長くなっちゃいました(汗)。

投稿: 隣の評論家 | 2007年2月 8日 (木) 21:03

こんばんは。
う~ん、観ている人少ないですね。
確かにとっかかり辛い作品かもしれません。
ミステリーと思ってしまうと、肩透かしでしょうね。
まあ実際原作は様々な問題を含めたものらしく、文庫本でも上下巻あるみたいですね。
ジュリアン・ムーアの演技は見応えありました。
見ているこちらもいらいらさせられました(苦笑)。

投稿: CINECHAN | 2007年2月 8日 (木) 23:54

CINECHANさま
TB&コメントありがとうございます。
肩透かしなのもわかる気がしますけど、描かれている内容としては面白かった気がします。そうですね、きっと原作の方が何倍もズッシリとくる内容かもしれないですね。
ジュリアン・ムーア、すごかったですね。こう、前に前に出てくるパフォーマンスではない分、不安定な様子がリアルでしたね。私もハラハラする以前にちょっとイライラしましたよ(笑)。何か、自分のしている事を理解できていないという無意識な感じも受けて、行く末をドキドキと見守ってしまいました。

投稿: 隣の評論家 | 2007年2月10日 (土) 13:30

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