アルゼンチンババア
「アルゼンチンババア」
製作:2006年、日本 112分
監督、脚本:長尾直樹 原作:よしもとばなな 出演:役所広司、鈴木京香、堀北真希、森下愛子、小林裕吉、手塚理美、田中直樹、きたろう、岸部一徳
2007.3.9 試写会¥0にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,300で妥当 / 評価:3.5★/5点満点★
「しあわせがじんわりと体中にしみわたる」
大好きだった母が死んだ。その日に、父が姿を消した。
半年後、父はアルゼンチンババアの屋敷で見つかった。
私は、原作を読んでいません。それどころか、今だによしもとばななの本を1冊も読んだ事がない女であります。(推理小説ばっかり読んでます 汗) この程度の構えではありますが、この映画を見て感じた事をツラツラと書いていこうと思います。
ある田舎町が舞台。墓石彫りを生業とする職人気質の父(役所広司)と娘のみつこ(堀北真希)は、入院中の母を見舞う日々だった。やがて、母は死んでしまうが、その日に限って父は病院に姿を見せなかった。それどころか、そのまま行方不明になってしまった。叔母(森下愛子)の力を借りて、お葬式も全て父抜きで済ますみつこ。そんなある日、父が発見される。場所は、町でも変わり者で有名な【アルゼンチンババア】と呼ばれるユリ(鈴木京香)の家だった。みつこは、父を取り戻そうとユリの家を訪ねるのだが...。
この映画の話を聞いた時から、特に興味は持っていませんでしたが。試しに見てみて、ちっともノレなかった私です。「しあわせの魔法に心癒され、明日への元気がじんわりと湧き上がる。」 とチラシに書いてあるんだけど。その魔法は、私には効きませんでしたわぁ。元気をもらうどころか、「こんな風だったら好きだったかも」というツッコミしか後には残りませんでした。
本作の父親は、ダメダメ親父という設定だと思ったのですが。どんなに汚い扮装をして見事なパフォーマンスを見せてもらっても、役所さんにはオーラがあり過ぎて、素敵なオジサマにしか見えなかったです。だって、役所さんて本当に素敵なんだもん。名演技では消せないものもあるんですね。ダメ親父が似合う俳優さんは他に幾らでもいたと思うんだよなぁ。
それと、【アルゼンチンババア】ことユリを演じた鈴木京香さんも個人的には憧れの女優さんの一人です。同じ女性から見ても真似したいと憧れが止まらないし、もし私が男だったら癒しのオーラを求めて「膝枕してくれよ~」とお願いしたくなる程に素敵だと思っています。そんな京香さんが、見事なパフォーマンスと奇妙なメイクで勇気を示してくれても、おおおおお!何て素敵なんだぁという思いが強くなる一方でした。「あの年で?」というセリフが何度も出てくるくらいだから、この女性は本当にババアという設定なんですよね?しかも、ちょっと臭いという設定。私には京香さんを《あみだババア》の如く見ることなんて不可能でしたよ。もう少し個性的な女優さんをキャスティングした方が良かったのではありませんか?
本作では、登場人物が複雑な心境を吐露するシーンがあります。何故、父は出て行ったまま家に戻ってこないのか?何故、叔母はそれ程までにユリの元を離れない父に敵意を表すのか? ドラマとしてはなかなか重要な要素だと思うのですが、どちらも本人の言動からではなく他人の口からセリフで説明されました。それじゃあ説得力に欠けると思うし、何よりもドラマとして面白く感じられないと思うんです、私はね。本人の言動で見せる方が、「あっ、成長できたんだね。」と、安堵の涙も込み上げてくるもんだと思うんですけどねぇ。ちょっと、私の目線では印象深い作品ではありませんでした。
ただ、みつこを演じた堀北真希が抜群に良かったです。元々、かわいい子が出てきたなんて気になってはいたんですけど、演技も見事だった!母が死んで父が行方不明というハチャメチャな状況にいながら、普段と余り変わらないように見えるみつこでしたが。一度だけ、父に自分の想いをぶつけるシーンがありました。本人によるものだけに迫力があるという部分もありますが、死が目前の母への複雑な想いと亡くしてからの堪え切れない心の叫び。このシーンだけは、グググーッときてしまい、素敵な役所さんと言えども今すぐ胸ぐら掴んで「コノヤロー」と罵倒したい衝動に駆られました。この映画は、堀北真希主演としか言い様がないです。
アルゼンチンババアの家には、猫が一杯いました。黒い子、白い子、茶色い子。猫好きには素通りできない場面の数々。わぁー、一緒に遊びたいぃぃぃーという堪らない叫びと共に採点も少しオマケです。
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コメント
>こんな風だったら好きだったかも」というツッコミしか後には残りませんでした。
私もそうでしたね・・・。
それにやっぱり、となひょうさんおっしゃるように、鈴木京香が綺麗すぎなんですよねー。
不思議な雰囲気の、妙なメイクも素敵だったなあ。
なんだか愛しい気持ちを起こさせる、いい女優さんですよね。
猫がいっぱいなのはかわいかったですね。あれはたまらなかったです。
投稿: とらねこ | 2007年3月28日 (水) 02:15
とらねこさま
TB&コメントありがとうございます。
余りけなしたくはないのですが、何とも心に残らない作品でした。
例えば、京香さんがもっともっと汚くて年老いていたら。役所さんが、もっともっとダメオーラ全開でどうしようもなかったら。少しはハマれたと思うんですよね。2人とも好きな俳優さんなだけに、残念でなりませんでしたよ。
猫にゃんにゃんが一杯居たので、遊びに行ってみたいとは思いましたけどね(笑)。
投稿: 隣の評論家 | 2007年3月30日 (金) 20:20