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2007年4月 7日 (土)

ブラッド・ダイヤモンド

「ブラッド・ダイヤモンド」 
<BLOOD DIAMOND>/製作:2006年、アメリカ 143分Blood_diamond    
監督:エドワード・ズウィック 出演:レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・コネリー、ジャイモン・フンスー、マイケル・シーン、アーノルド・ボスロー
2007.4.7 劇場前売り鑑賞券¥1,300にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★

「 【自由】 【家族】 【真実】 ――― 彼らはダイヤにそれぞれ違う輝きを見た。」

ダイヤの価値を決める《4つのC》――color 色/cut カット/clarity 透明度/carat カラット
しかし、実は5つめのC<conflict 争い>が存在することを、あなたは知る―――

アカデミー賞にて5部門ノミネートされた話題作。主演男優賞にはレオナルド・ディカプリオ、助演男優賞にはジャイモン・フンスー。共演のジェニファー・コネリーは、『ビューティフル・マインド』で助演女優賞を獲得した経歴を持つ。監督は、『グローリー』 『ラスト・サムライ』のエドワード・ズウィック

1990年代後半のアフリカ・シエラレオネが舞台。内戦は止まず、恐怖と混乱が渦巻いていた。過激な反政府組織《RUF》によって、家族と引き離されダイヤ採掘場に連れて来られた漁師ソロモン(ジャイモン・フンスー)は、巨大な【ピンク・ダイヤ】を発見する。人知れず地中に隠すところを《RUF》の一員に見られたソロモン。そこへ《RUF》を潰そうとする襲撃が入り、ソロモンは生き延びるも監獄へ。そこで、ダイヤの密売人ダニー(レオナルド・ディカプリオ)と遭遇する。ダニーは、ソロモンを利用しようと近づく。《RUF》の資金源である【ブラッド・ダイヤモンド】の真相を暴こうと滞在していたアメリカ人ジャーナリストのマディー(ジェニファー・コネリー)。ダイヤを巡って3人の運命が交錯していく社会派エンタテインメント。

この作品では、様々な《意外な一面》を楽しませてもらいました。エドワード・ズウィック監督作品というと、戦闘などの荒々しいシーンがあっても《予定調和的》な描き方をするイメージが強いです。骨太さは皆無で、ピースフルでソフトな印象。ところが、本作で描かれる《RUF》の姿にはオシッコちびりそうになりました。女子供を問わず、銃をぶっ放す悪鬼たち。冒頭に、少年の腕をちょん切るシーンがあります。全体を通して最終的にはエドワード・ズウィックらしい色合いでしたけど、最初は驚いてしまいました。
俳優陣にも嬉しい驚きを隠せませんでした。今回のレオさんは、ダークなキャラクターです。〈ワイルド〉という表現は、しゃらくさーい!コネは全て利用するズル賢さと頭の回転の早さには、共感しづらかったです。オデコと眉間にググーッと皺を寄せて、新しいキャラクター像を作り上げていました。レオさん、いつのまにこんなに大人になったんでしょうか。「タイタニックの頃がイィ~イ~♪」なんて黄色い声援は、しゃらくせぇよ。ファンなら必見の1本ですよ。
ソロモンを演じたジャイモン・フンスー。しつこく書きますが、私は彼の圧倒的存在感に吸い寄せられてました。『グラディエーター』 『アイランド』 『コンスタンティン』 での輝かしい助演っぷりを鑑みて、本作でもやたらと力強いキャラクターを想像していました。ところが、意外と静かな演技を見せてくれました。「息子はどこにいるんだぁー」と泣き叫ぶ演技は今までと変わりありませんが、《RUF》に見つからないように息を殺して存在を消すかのような表情を見せた時、驚きました。《RUF》に連れて行かれた息子と再会した時のシーンは、本作で一番好きな場面です。息子に静かに歩み寄り、一筋の涙を流して優しく問いかける姿に、私の方が号泣してしまいましたよ。

レオさんも素晴らしかったのですが、私は全編に渡ってソロモン視線でストーリーを追いかけていました。寧ろ、こちらが主役だったような気がします。そこで思ったのですが、ソロモンが向かえる結末は本当に幸せなんでしょうか。ジェニファー・コネリーが演じたマディーが、皮肉たっぷりに「ダイヤモンドは狂気を招く」 みたいな事を言うシーンがありました。裕福である事が必ずしも素晴らしいとは思いきれない私です。同じアフリカの青年を描いた秀作『約束の旅路』を見て更に確信したのは、懐が豊かである事よりも心が豊かである事の方が何百万倍も幸せなのではないかということ。なので、ソロモンが辿った結末は、運命には抗えない部分もあるとは思うのですが本当に良かったのでしょうか。ちょっと気になってしまいました。やっぱり、予定調和的な結末だった感じがします。逆に、悲劇的に見えてもダニーの迎える結末は有りだと思います。チラシや公式サイトでも、ソロモンの人物像に《愚直な男》 という表現を使っているのには反旗を翻したい!ひたすら家族を想うソロモンの心と触れることで、悪意に満ちていたように思えたダニーが人間味を取り戻したかのように見えましたから。

社会派でもあり、誰が見ても楽しめる娯楽作でもありました。もう一度アフリカの現状を真面目に考え直してみるも良し、小難しい事を考えずに楽しむも良し。いわゆる《エンタテインメント》作品に仕上がっていると思います。

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コメント

TBありがとうございます。
そうですね。ハリウッド映画的にはハッピーエンドですが、ソロモン的にはハッピーエンドとは言いがたいのかもしれません。複雑な映画です。

投稿: ジョー | 2007年4月10日 (火) 21:10

こんばんは~
愚直・・・それは誉め言葉だと思いますよ~。
真面目に、確実に地に足付けて生きてきたのは、ソロモンをはじめとする庶民だと思うのですよね。
ダイヤとは無縁な人たち。

ダイヤに価値を見出すのは人間。
価値を見出さなければ、ただの石ころなんですよね・・・

投稿: カオリ | 2007年4月10日 (火) 22:10

ジョーさま
コメントありがとうございます。すみません、TBが調子悪いようで。管理人本人が淋しい限りです(涙)。
スーツで身を包むソロモンの姿を見て、何とも微妙な気持ちになりました。複雑ですよねぇ。取り合えずエンタメ作品として楽しむべきなのかもしれませんね。

投稿: 隣の評論家 | 2007年4月10日 (火) 22:41

カオリさま
TB&コメントありがとうございます。
そうか、愚直 とは褒め言葉として受け取るべきなんですね。
でも何か、個人的には、《愚》という漢字を使わない言葉がいいな~ と言いながらも、じゃあ何て表現すればいいのかわからないんですけどね(笑)。
地に足付けて生きる
って凄いですね。凄いなぁと思いながらも、じゃあやってみろ って言われたら出来ないだろうと思います。ソロモンのように自然に寄り添って生きている人々って、生活が貧しくても心が豊かな気がして。金品よりも心だ!って思ったりもします~。

投稿: 隣の評論家 | 2007年4月12日 (木) 00:00

こんばんは。TBが不調ですが許してね。
んー、見終わってしばらくいろいろ考えてましたけど、どうも私も腑に落ちないラストだったなと思えますよ。
まあハリウッドだからいいのかなあ。
見ると決めてはいたものの、お友達の誘いがなければ大作系は後回しなんですがね;それに私もレオよりジャイモンなんですよ。
グラディエーターは作品も大好きだから彼の印象も深いです。
そうそう今日「約束の旅路」を見ました。
私ってば色んな作品を見ちゃうとまた微妙に感想が変わるんですよ。
きっと今作品よりも先に見ていたら・・・この映画も全く印象が違ったかもしれません。

投稿: シャーロット | 2007年4月13日 (金) 00:13

シャーロットさま
訪問ありがとうございます。TBが不調なのは、多分ココログの方です。このところ、もの凄い調子が悪いんです。それも理由の一つなのか、ブログが全然盛り上がらないので、毎日ガックリしています(涙)。なので、コメントだけでも入れて頂くと、本当に本当に飛び上がるくらいに嬉しいんですよ。どうもありがとうございます。

あ、ラストの部分について意見が合ったようですねぇ。勿論、全編に渡って楽しめたんですけど。冒頭がバリバリの社会派な雰囲気だっただけに、ちょっと腑に落ちない終わり方でした。

ジャイモン・フンスーはいいですよね。モデル経験もあるらしい彼は高身長なので、見た目のインパクトも強いんですよね。
『グラディエーター』で自暴自棄になった彼の命を救ったのはフンスーさんでしたね。しかも、剣闘士としてもなかなかの腕前だったような記憶が。
『コンスタンティン』でも、かなりの存在感を発揮しておりました。ジャンル的に好みかどうか疑問ですが、未見でしたら是非!
あとあと、『トゥームレイダー2』と『サハラに舞う羽』で原住民の助っ人みたいな役どころで存在感を発揮していたんですよ。実は、ハリウッドで脇役でも引っ張りだこですね。嬉しいです♪

投稿: 隣の評論家 | 2007年4月13日 (金) 21:42

こんばんは

隣の評論家様はソロモンびいきのようですね。この作品のなかでは「まともな大人」っつったら彼くらいですもんね

確かにソロモンさんにとっては、また故郷に戻って家族と漁でもやるのが一番の幸せでしょうね。でも彼があえて故国を離れているのは、自分を助けてくれたダニーのため、そして祖国の平和のためなんではないでしょうか。男です。泣かせます

わたしも『グラディエーター』好きです。誰もいないコロシアムに一人たたずむジャイモン=ジュバの姿は、忘れがたい印象を残しました

投稿: SGA屋伍一 | 2007年4月17日 (火) 21:58

こんにちは! しばらくブログお休みしていましたが復帰しましたので、またどうぞよろしくお願いします(^^)/
更新がサクサク行かないと、イライラしますよね~
ココログさんどうしたんでしょう? 私の方もコメントやTBがすぐに反映されない状態がずっと続いているんですよ~せっかく書いても「あらら何処へ?」って感じで訪問して下さった方を驚かせているみたい。

さて、私は「約束の旅路」がちょっと先で後からこれを観ました。
2本とも貧困するアフリカを描きながら、やはり最後に人を救うのは人の愛情・・ってことがテーマなんじゃないかと思います。
確かにダニーのラストはちょっと映画チックでこそばゆいですが(笑)、私はそういうのキライじゃないのよね~わはは。 
ソロモンはとにかくダニーとマディの遣り残した仕事を完遂する為にロンドンに行きましたが、その後はきっと、あの賢さですから有効なお金の使い方をするんじゃないかと・・希望的観測ですが(^^)b
TB送れるかなっ? やってみますね♪

投稿: マダムS | 2007年4月18日 (水) 07:12

TB&コメントありがとうございます。

★SGA屋伍一さま
そうなんです。相当なソロモンびいきです。いえいえ、勿論、ダニーを演じたレオさんも素晴らしかったし。ダニーのラストは、かなりカッコ良くて印象深くもありました。マディーの皮肉なセリフにはびっくらこいたり。「募金したからと言って、この人達が助かる訳ではないの」みたいなセリフには、鈍器で頭を殴られたような衝撃を受けました。

>彼があえて故国を離れているのは、自分を助けてくれたダニーのため、そして祖国の平和のためなんではないでしょうか。

このご意見はですね、他の方からもご指摘いただきました。そうですね、ダニーへの感謝もありましょう。このご指摘で、私がラストに「もんもんもん」となった気持ちが薄まることはありませんでした。後戻りはできない、それは勿論わかるのですが。ソロモンはいいとして、奥さんは、そして子供たちは大都会で生きるという道に馴染んでいけるのか、心配して止まなかったというのが正直なところです。先日見た『約束の旅路』という秀作では、アフリカの少年が養子となる都会での生活に馴染めずに苦しむ姿が鮮明に蘇ってしまったのです。
いえいえ、これはフィクションなんだから。何をそんなに生真面目に語ってるんだ!と自分に突っ込みを入れつつ、そもそも本作は社会派要素をふんだんに詰め込んだエンタメ作品なんだ。だから、楽しめばそれでいいんだよ!と考えて納得することにした次第であります。
こんな真面目に書いてて本当は自分でもちょっと嫌になるんですけど、なかなか自分で嫌いと思う部分って、そう簡単には直せないので。こんな感想を持ってしまいました。

投稿: 隣の評論家 | 2007年4月19日 (木) 20:08

★マダムSさま
こんにちわ~ ご無沙汰しています!しかもTBが上手くのっていますね、何と幸先の良い!ココログさんは色々とバージョンアップしているとの事なんですけど、トラックバックといった基本中の基本はかなりダウンしているという。何ともヤル気の失せる状態が続いておりますよ(涙)。
SGA屋伍一さんへのお返事にも書いているんですけど、私はソロモンは大丈夫でも奥さんや子供達が精神的に不安定にならないか心配してしまいました。『約束の旅路』のシュロモ少年の姿が頭をよぎります。まぁ、全体的には楽しめる作品ではありました。
『約束の旅路』は素晴らしい作品でしたね。こんなに後になっても感動が尾を引くなんて、めったにない事ですからー。そうそう『ツォツィ』でも私の中で同じ現象が起きているんですよ。書きたいことが一杯ある。そんな映画って余り無いと思うので。

投稿: 隣の評論家 | 2007年4月19日 (木) 22:13

こんばんは。
個人的にはディカプリオはそんなに買ってなかったんですよねぇ。
「ギャング・オブ・ニューヨーク」や「アビエイター」の時は眉間に寄せる皺がわざとらしい感じで、こういう役は合わないかなぁと。
しかし、「ディパーテッド」ではそんなに気にならなかったし、本作はなかなかの好演だったかな、なんて思ってます。

作品自体もなかなか緊迫感もあって引き込まれました。
ラストの二人の運命はちょっとドラマ過ぎるような気もしましたが。

投稿: CINECHAN | 2007年5月14日 (月) 00:18

CINECHANさま
訪問ありがとうございます。
レオさんの眉間に寄せる皺は、わざとらしかったですか(笑)。
アイドル視されていた頃から鑑みると、私は随分と大人になったなぁと思います。紆余曲折って大切なんですね。

ラストはドラマティックでしたね。中盤まで、かなりシリアスな印象だったので、正直私は腰砕けという気持ちもありました。

投稿: 隣の評論家 | 2007年5月15日 (火) 13:19

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