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2007年5月27日 (日)

しゃべれども しゃべれども

「しゃべれども しゃべれども」 
製作:2007年、日本 109分Shaberedomo
監督:平山秀幸 出演:国分太一、香里奈、森永悠希、松重豊、八千草薫、伊東四郎、占部房子、外波山文明
2007.5.27 劇場前売り鑑賞券¥1,500にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥2,500で妥当 / 評価:4.5★/5点満点★

「ひょんなことから【話し方教室】をはじめることになりました」

しゃべれども しゃべれども  伝えたいことは ただ一つ
何かを 誰かを 「好き」という想い  ただ それだけ

26日に公開された作品は、気になるものが多かったんですが。その中で、どれよりも最初に見たかったのは本作でした。《海賊さん》のようなド派手な演出は皆無なんだけど、じんわりと心に染み入る温かさに溢れた素敵な作品!心地良い癒しのひと時を過ごす事ができて、上映終了後は自然と笑みが零れてきました。5月に見た作品の中ではベスト1の予感だし、上半期を振り返っても10本の指に入りそうな程に気に入りました。

うだつの上がらない落語家・今昔亭三つ葉(国分太一)は、ひょんなことから【話し方教室】を始める事になる。それぞれ訳ありの個性的な生徒3人が集まる。美人だけれど口下手で無愛想な十河五月(香里奈)、天真爛漫な関西少年・村林優(森永悠希)、強面で口下手な元プロ野球選手・湯河原太一(松重豊)。どうにか自分を変えたいと思っている3人と、【話し方】を教えながら落語への想いを改めて見直していく三つ葉の心温まる触れ合いを優しく穏やかに描いていく。

好きなシーンが一杯あり過ぎて、全部書くととんでもなく長くなってしまいそう。落語についての知識は皆無の私ですけど、会話というコミュニケーションを通して人と向かい合う事の大切さや見えざる力を感じ取れたような気がします。
登場人物は、みんな素晴らしかったです。三つ葉を演じた太一くんが、元々クリっとしている目を更に真ん丸くしてビックリしている表情も良かったし。本来、左利きの太一くんが、蕎麦を食べるワンシーンの為に右利きの特訓をした話。冒頭で「こっちは聞いて欲しくて喋ってんです」なんて言ってた三つ葉が、【話し方教室】を通して「落語が好きで好きでたまらない」と気づいていく変化には、ちょっと感動。TOKIOでは《MCキャラ》になってきてる太一くんにとっても、貴重な体験だったに違いないね。
天真爛漫で喋るのが好きで好きでたまらない関西から越してきた小学生・優くん。その底抜けの明るさが、クラスでは浮いているというのだけど。そんな淋しさは微塵も感じさせない元気一杯の森永くんの演技は見事だし楽しかった。
元プロ野球選手の湯河原は、野球解説者をしているが。口下手すぎて、上手く解説ができない。強面でぶっきらぼうだけど、どこか優しさを滲ませる場面がとても良かった。優くんが学校の体育の授業でライバルと対決すると聞き、真剣に野球のコーチをするシーンのイカツイ表情にはほっこりとしたし。優くんのことを「アイツはああ見えてプライドが高いから」と、下手したら優くんの両親よりも優くんを理解している様子が嬉しい。「好きなモノから逃げると一生後悔する」という湯河原のセリフ、とても深く心に刻まれたのだけど。それは、三つ葉にとっても同じだったようです。数々の映画やドラマに脇役で顔を出している松重豊、迫力の中にユーモアを滲ませる間合いが最高でした。

どのキャストも素敵だったんだけど、私が本作で最も印象深かったのは、五月を演じた香里奈です。美人だけれど、どうしようもないくらいに口下手で不器用。そして、素直さは皆無。笑顔が苦手なので、いつも怒っているように見られる五月。でも、本当はそんな自分を変えたいと心から願っている。人と上手く接したいと思っているのに、器用にできない自分に腹を立てている。その想いが切実に伝わってきた。こういう人って実際にいるのよね。私は「女の色気はメリハリ・ナイスボディよりも、まずは笑顔から」が信条なので、そんな人に「明るく楽しくね!」なんて気軽に言ってしまった事がある。そうしたくても、どうしても出来ないというその人の切実な想いを理解しようとしていなかった自分に、ちょっと反省してしまった。その五月が【話し方教室】で仲間と触れ合う事で少しずつ変わっていく。まだまだ固いものだけど、チラッと笑顔を覗かせる場面が嬉しかった。

三つ葉の祖母・春子(祖母としては若々しい)を八千草薫が演じている。結構チャキチャキしているけれど、とにかく温かいオーラを発していて安堵してしまった。サザエさんのお母さん・フネさんのような包容力があったと思う。五月が浴衣を縫うのを手伝うシーンがある。針で指を刺した五月に「あらあら、不器用だねぇ」と微笑みかけると、無愛想な五月がニッコリと笑うシーンがある。本編の中で、五月が最も女性らしい愛らしさを見せた場面で、ほんの一瞬だけれど私は大好き。皆を呼び寄せるくらいの温かさを放つ肝っ玉母さんは、意外と落語が上手いという設定で、そんなところも面白かった。
主なロケ地は、情緒豊かで人情味溢れる浅草界隈。三つ葉は都電荒川線で移動していたし、浅草寺やほうずき市の場面が楽しい。浅草・上野には勝てないけれど、下町育ちの私にとって、素通りできない風景が続くので癒された。浴衣、ほうずき、おみくじ、風鈴、そして日本の伝統文化の一つである落語。日本人だからこそ癒される優しい風景と、地味ながらに心温まるストーリーに劇場を満面の笑みで後にした。5月公開作品の中でもダントツのおススメ映画!!!

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コメント

こんにちは♪

ボクも落語に関しては門外漢ですが、素直に耳に入ってきて
かなり楽しめました。
パンチに欠けた感はあったけれど三つ葉をはじめとする連中
の成長記も温かみがあってイイ作品でした。
村林の存在は群を抜いてましたね♪ (゚▽゚)v

投稿 風情♪ | 2007年5月28日 (月) 14:42

風情♪さま
TB&コメントありがとうございました。
そうそう、村林少年のツッコミがところどころ爆笑を誘っていましたね。際立って目立っていた気もするけど、大人たちの成長記にはじんわりと心が温かくなりました。
落語に興味を持ったことはありませんけど、一度聴いてみたい気もしてきました♪

投稿 隣の評論家 | 2007年5月28日 (月) 19:19

コメントありがとうございました。

ほんとに結構マイナーな作品だとは思うんですが、たくさんの人が見て、感想を書いてくれていました。
やっぱり評判がよかったんでしょうか。

国分君はTVのバラエティーではよく見かけるんですが、映画ではほとんど見かけませんねー。
でも、評判がいいのはさすがです。
器用なんですね、きっと。

また、よろしくお願いします。

投稿 ロイ from 週末映画! | 2007年6月11日 (月) 00:39

ロイさま
TB&コメントありがとうございます。
地味な印象ながらに評判は上々なようで、とても嬉しく思います。
太一くんは、もうすっかりバラエティー色が強いから。映画で単独主演は今回が初めてだと聞いて「あっ、そうだったかー」とビックリしました。普段は太陽みたいに明るいイメージだから、落語家という役柄は新鮮でしたね。

投稿 隣の評論家 | 2007年6月11日 (月) 19:51

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