« 6月に観たい映画メモ・メモ | トップページ | 毛皮のエロス/ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト »

2007年6月 1日 (金)

ザ・シューター 極大射程

「ザ・シューター 極大射程」
<SHOOTER>/製作:2007年、アメリカ 125分Shooter  
監督:アントワーン・フークア 原作:スティーヴン・ハンター 出演:マーク・ウォールバーグ、マイケル・ペーニャ、ダニー・グローバー、ケイト・マーラ
2007.6.1 映画サービス・デイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★

「合衆国 VS 孤高の狙撃手<シューター>」

2キロ先の標的を1発で射抜くスナイパー 
プロだからこそアメリカに必要とされた男が、なぜ、アメリカに狙われたのか?

「このミステリーがすごい!」 (2000年海外部門)で第1位に輝いたベストセラー小説の待望の映画化。

元海兵隊員のボブ・リー・スワガー(マーク・ウォールバーグ)は、凄腕のスナイパー。一線を退き広大な自然に囲まれ穏やかに暮らす彼の元に、退役したジョンソン大佐(ダニー・グローバー)が訪ねて来る。大統領暗殺の陰謀説が浮上し、その暗殺者を止めて欲しいというものだった。大統領の遊説当日、スワガーが違和感を覚えたのも束の間、大統領の隣に居た大司教が撃たれた。スワガー自身も攻撃を受けて、命からがら逃げ出すも大司教暗殺の容疑者として追われる身となってしまう。FBIでも捜査が始まり、全ての動きがスワガー逮捕に向けられている中、新米捜査官のメンフィス(マイケル・ペーニャ)だけが事件に不信感を抱く。罠に嵌められたスワガーが真実に向かって追撃する姿を、アクションシーン満載で描いていく。

新聞や雑誌で、「原作には及ばない」という厳しいプロのご意見を見かけました。私の場合は、この原作の存在すらも知らなかったので、一切の予備知識が無い状態での鑑賞でした。全体的に展開が早いような印象もあり、悪者どものバックボーンや狙いを上手いこと把握できなかったりもしました。それでも楽しむことができました。きっと原作をキッチリまとめて映画化するのは難しいいんじゃないでしょうか。

映画大好きな私としては、よく知っている俳優さん達の頼もしいパフォーマンスを存分に堪能できました。マーク・ウォールバーグを『ブギーナイツ』で初めて見た時、ワイルドで好奇心旺盛な悪ガキっぷりが魅力的でかなり興味を持ちました。でも、以降は脇キャラばかりに目が目がいってしまい、うーむと思っていたのですが。『ディパーテッド』で登場した彼は強烈でした。悪ガキが大人の男に変身した印象を受けたのですが、本作の彼も野性味溢れる大人寄りの色気を放出していたような気がします。狙撃の確かな腕前、過酷な状況でも生き延びるサバイバル術、それだけではない強い生命力。どれを取っても逞しくて頼もしい人物ではありますが。対照的な《孤独》も滲ませていて興味深かったです。引退後のスワガーは、愛犬サムと自然に囲まれて暮らしていました。女ではなく犬なの?と最初は思ったのですが。努めて人と関わることを避けていたのだと想像します。初対面の人と会話する時のスワガーが、眉間にギューーーッと皺を寄せて険しい表情をしていたのも、容易に人を信用しないという習慣が身についているからではないかと想像します。その分、愛犬サムに傾ける愛情と信頼は、見ていて気持ちが良かったです。スワガーと同じくらいに体格の良いワンちゃんでしたけど、ビールを一緒に飲んだり(!)と仲睦まじい雰囲気に和みました。射撃の練習をしているスワガーの横におとなしくピッタリと寄り添い、クゥ~ン スワガーを見守る姿が愛らしくて!「犬を殺したら、お前を殺す!」というスワガーの迫力あるセリフ、忘れられないです。後のアクションシーンも楽しめるけれど、私、スワガーとワンちゃんの場面が大好きでした。

誰よりも早く事件に不信感を抱く新米FBIメンフィスに扮するのは、『クラッシュ』 『ワールド・トレード・センター』マイケル・ペーニャ。(『バベル』にもチラッと出演してました) 昨年、彼の温かい存在感に一目惚れしたのですが(関連記事はこちら)、今回もその温かさは健在でした。メンフィスは新米という事もあり、夢と希望と好奇心に溢れているという印象を受けます。穏やかで聡明で、人を疑う事を知らないといったキャラクター。そこがまたスワガーとは対照的で興味深かったです。ヒスパニック系の俳優さんと言うと、触れてはいけないくらいにワイルドなイメージが強いのですが。彼はルックスはヒスパニック系でも、溢れるオーラは常に温かい。最近では、ガツガツと攻撃的な男性よりも、こういう穏やかで懐の深い男性の方に魅力を感じてしまう私です。誰よりも早く真実に近づいたメンフィスが拉致されて拷問を受けるシーンがありました。正義感の強いメンフィスが「絶対に自殺なんかしないぞ」と言い放った後、【自殺装置】という訳のわからない器具を無理矢理に装着されます。この器具がホラー映画『ソウ』シリーズに登場しそうなくらいに異様な存在感を発揮していて苦笑しました。(実在するの?)

長くなってしまったので手短に加えると。ジョンソン大佐を演じたダニー・グローバーの存在感も私的には見事です。しゃがれ声でボソボソッと会話に参加する彼に、地味な印象を受けるのが普通なのかもしれませんが。数々の出演作で前に出過ぎずに若手をサポートし、穏やかで懐深いキャラクターが多い印象です。(『ドリームガールズ』での彼も、私的には重要なキャラクターでした) モーガン・フリーマンとはまた少し違いましょうが、ハリウッドの重鎮の一人としてリスペクトしています。

|

« 6月に観たい映画メモ・メモ | トップページ | 毛皮のエロス/ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト »

コメント

ドモドモ-♪
自分も初日にいそいそと観て来ましたですよー!
巷では結構厳しい感想が多いようですね。汗
確かに惜しいなあと思うところは多々あったけれど、
全体的にみると緊張感もあったし、なかなか面白かったですよね。
特にあのサバイバル術には関心しました。
あと、スナイパーのディテールもしっかり描いてあったので、あれも見所ありましたよねん。

マーク・ウォールバーグは、日本ではあまりパッとしないみたいですけど、自分的には好きな俳優さんなんですー
腕や肩の筋肉がマッチョでしたよねー
前からあんなにモリモリしてましたっけ・・・?うふふ
そそ、山小屋でのワンちゃんとの生活、自分も良いなあーと思いましたですヨ。
後でワンちゃんが・・・と聞いた時は、ギラリと殺意を覚えましたッス。

投稿: Puff | 2007年6月 3日 (日) 01:59

Puffさま
TB&コメントありがとうございます。
そうですか、結構厳しい意見が多いみたいなんですねぇ
私は、楽しめました。壮大なスケールの小説が原作だと、キッチリ映像化するのは難しかったりしますもんね。そこは大目に見ましたデス。
そうそう、サバイバル術やスナイパーのディテールは、とても興味深かったですよね。
マーク・ウォールバーグ、私は昔っかたら筋肉モリモリの印象ですけど。今回はもしかしたらわざわざ鍛え直して挑んだかもしれないですねん。
ロン毛は似合ってなかったけれど、ワンちゃんとのシーンは大好きです。私も、ワンちゃんのくだりは殺意を抱きましたっ!!!だからこそ、「犬を殺したら、お前を殺す!」のセリフは、とても印象に残っていマス。

投稿: 隣の評論家 | 2007年6月 3日 (日) 21:19

お邪魔します

こちらの監督さんは『トレーニング・デイ』とか撮ってたそうですね
実はあらすじしか知らないんですけど、マイケル・ペーニャが自分勝手な(男としての)教官に振り回されて、酷い目にあう・・・という点は一緒でしょうか

>ダニー・グローバー

は『リーサル・ウェポン』の「よき相棒」のイメージが強いですね。だからこの人にああいう風に言われたら、コロッとだまされちゃうだろうなー、と思いました

あと公式にも役者の名前が出てない、車椅子の謎めいた爺さん。結局何考えてたのかよくわからなかったんですが、それだけに何か印象に残りました

銃の限界を感じ法で決着をつけるのかと思ったら・・・・アレ?みたいな終り方でしたね。やっぱりアクションを最後に持って来ないと、ということでああいう終り方になったんでしょうか

投稿: SGA屋伍一 | 2007年6月 6日 (水) 21:34

SGA屋伍一さま
訪問ありがとうございます。
1日映画サービスデイの公開の割には、少々話題になっていない感じかなぁ。何か残念ですがー、私は原作の存在すら知らなかった身なので、素直に楽しめました。

今回のダニー・グローバーは・・・・・
>『リーサル・ウェポン』の「よき相棒」
4での悪役は確かジェット・リーだったと記憶してますが。勝てる訳がないですよね(苦笑)。メル・ギブソンなら、まだ筋肉隆々だから言いとして。決して若くないんだから無理しないでよ、と心配しながら見てました。

>車椅子の謎めいた爺さん

あの辺りも、少々説明不足だった印象は否めないですよねん。まぁ、いいや。って感じでした。

投稿: 隣の評論家 | 2007年6月 7日 (木) 22:48

こんばんは~
「300」に続いて鑑賞したせいか、またまた戦う男に惹かれてしまいました。
孤高の戦士とはちょっとイメージが違うかもしれませんが、不利な状況下で大きな組織に挑む、というのは面白いですねぇ。
ちょっとやたらと人を殺してしまうところは疑念ですが。
ラストももう少し捻って欲しかった気もします。
マイケル・ペーニャが出てるとは知りませんでしたが、彼はなかなかいい役でした。彼って、人のいい感じの役多いですねぇ。

投稿: CINECHAN | 2007年6月21日 (木) 00:44

CINECHANさま
TB&コメントありがとうございます。
もう少し盛り上がるのかと思っていましたけど、そんなにヒットしていない印象を受けています。まぁ、ラストは捻りも何も無かったですけどねぇ 私もなかなか面白く鑑賞できましたよ♪ 原作にも興味が湧きました。
マイケル・ペーニャって、『クラッシュ』以降、何気に大作に顔を出していますよね。私は、彼の温かいオーラがとても好きです。

投稿: 隣の評論家 | 2007年6月22日 (金) 20:56

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/144633/15246555

この記事へのトラックバック一覧です: ザ・シューター 極大射程:

» 「ザ・シューター 極大射程」:佐賀一丁目バス停付近の会話 [【映画がはねたら、都バスに乗って】]
{/hiyo_en2/}この風景、ブレてない? {/kaeru_en4/}夜景を狙って撮ったんだけど、うーん、俺もこんな腕前じゃ狙撃手には、なれないかな。 {/hiyo_en2/}なに、狙撃手になんてなりたいの?初耳だわ。「ザ・シューター」なんていう映画を観たせいね。 {/kaeru_en4/}だって、かっこいいじゃないか。 {/hiyo_en2/}「ロッキー」観るとボクサーになりたいっていうし、「アポロ13」観ると宇宙飛行士になりたいっていうし、「ダイハード」観ると警官になりたいっていうし、ほん... [続きを読む]

受信: 2007年6月 2日 (土) 23:45

» 「ザ・シューター 極大射程(SHOOTER)」 [Wilderlandwandar]
「この 邦題のタイトルが ”おかしい”」映画部門上位にに選ばれそうな作品。「ザ・ [続きを読む]

受信: 2007年6月 3日 (日) 01:18

» 「ザ・シューター/極大射程」 [Puff's Cinema Cafe Diary]
公式サイト シネマイクスピアリ、公開初日初回です。 シアター11(204席)、10:50開始、今日は映画サービスデー1000円なので用心して先に予約しておきました♪ でも、そんなに混んで無かったであるヨ。 男一人者、女性も... [続きを読む]

受信: 2007年6月 3日 (日) 01:49

» 【2007-74】ザ・シューター/極大射程(SHOOTER) [ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!!]
合衆国VS孤高の狙撃手 [続きを読む]

受信: 2007年6月 4日 (月) 20:45

» それでもボブはやっていない アントワーン・フークア 『シューター』 [SGA屋物語紹介所]
いきなりあらすじから。 ボブは米軍でも随一と噂されたほどの腕を持つ名スナイパー。 [続きを読む]

受信: 2007年6月 8日 (金) 07:57

» 映画「ザ・シューター/極大射程」 [映画専用トラックバックセンター]
映画「ザ・シューター/極大射程」に関するトラックバックを募集しています。 [続きを読む]

受信: 2007年6月 8日 (金) 23:51

» 「ザ・シューター / 極大射程」観ました。 [Cinema Chips ブログ版]
6月1日公開の「ザ・シューター / 極大射程」を観て来ました。 ザ・シューター (6月1日公開) 出演≫マーク・ウォールバーグ / マイケル・ペーニャ / ダニー・グローバー 内容≫☆“このミステリーがすごい!”の2000年海外部門で第1位に輝いたスティーヴン・ハンターのベストセラー小説「極大射程」を映画化。監督は『キング・アーサー』のアントワーン・フークワ。【ストーリー】海兵隊の特殊部隊の敏腕スナイパー、ボブ・リー・スワガー(マーク・ウォールバーグ)は、アフリカでの任務を最後に... [続きを読む]

受信: 2007年6月 9日 (土) 11:34

» 「ザ・シューター 極大射程」久々の娯楽大作、何も考えずに楽しめる [soramove]
「ザ・シューター 極大射程」★★★★オススメ  マーク・ウォルバーグ主演 アントワーン・フークア 監督、2007年、アメリカ(125分) 退役して山荘でのんびり暮らす主人公は 元海兵隊の名狙撃手。 政府の仕事を頼まれ、重い腰をあげるが、 それが政府内の...... [続きを読む]

受信: 2007年6月12日 (火) 21:23

» 映画「ザ・シューター/極大射程」 [しょうちゃんの映画ブログ]
■感想: 2007年42本目の劇場鑑賞です。レイトショーで観ました。「トレーニング デイ」「ティアーズ・オブ・ザ・サン」のアントワーン・フークア監督作品。元アメリカ海兵隊の凄腕スナイパーがライフルを手に国家的陰謀へ立ち向かう迫力のアクション・サスペンス。原作...... [続きを読む]

受信: 2007年6月13日 (水) 00:14

» 祖国を愛し、裏切られた男 [CINECHANの映画感想]
153「ザ・シューター 極大射程」(アメリカ)  海兵隊の特殊部隊員であり、狙撃の名手ボブ・リー・スワガー。アフリカの小国エリトリアで任務遂行中に敵の襲撃に遭う。敵の攻撃の激しさが増す中相棒の観測手ドニーが倒される・・  その後ワイオミングの山中に愛犬サムとひっそりと暮らしていたスワガー。しかし、彼の元に退役したアイザック大佐とその部下がやって来る。大統領暗殺の動きがあり、狙撃距離も長いことが想定されており、阻止するためにスワガーに手を貸してほしいと言う。  愛国心から仕事を引き受け...... [続きを読む]

受信: 2007年6月21日 (木) 00:40

» No.055 「ザ・シューター/極大射程」 (2007年 米 125分 シネスコ) [MOVIE KINGDOM ?]
監督 アントワーン・フークア 出演 マーク・ウォールバーグ     マイケル・ペーニャ     ダニー・グローヴァー 連日今週は映画を見に行ってますが、今度は堺浜にある今年は何度も足を運んでるMOVIX堺での鑑賞。 今年は何度も足を運んでるので鑑賞ポイントが貯まって二回は無料で見れるので此処へ来ました。 鑑賞するのが「ザ・シューター/極大射程」 マーク・ウォールバーグ主演のアクションサスペンスで原作は有名見たいですが私は知らなかったですね。 (あらすじ) 元海兵隊のスナイパー、ボブ・... [続きを読む]

受信: 2007年6月21日 (木) 14:51

» 「ザ・シューター 極大射程」 [Tokyo Sea Side]
合衆国VS孤高の狙撃手!というコトで、マーク・ウォルバーグ演じるスワガーはとにかくすごい。体力だけじゃなく、頭の回転が速く知識も豊富、集中力はずば抜けている。…どことなく「ボーン・アイデンティティ」シリーズのマット・デイモンと被っている印象を受けました。 ストーリーは少々ありがちな気もしますが、ハデさは半端ない!銃撃戦はもちろん、爆発シーンもものすごいです。ラストのどんでん返しも「そうこなくっちゃ☆」ってカンジで気持ちよかったです。... [続きを読む]

受信: 2007年6月29日 (金) 13:18

« 6月に観たい映画メモ・メモ | トップページ | 毛皮のエロス/ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト »