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2007年10月31日 (水)

10月に鑑賞した映画たち

劇場公開で鑑賞した作品 合計12本でした。
10月に鑑賞した作品の中でベスト1は「パンズ・ラビリンス」でございます。映画ブロガーさんの間でも、かなり話題になっていますし。スマステーションの『月一ゴロー』でも、「10年に1本の秀作だっ」と稲垣吾郎ちゃんが熱弁していたのが嬉しかったです。
全体的に、豊作な1ヶ月となりました。

「ブレイブ ワン」   3.8★/5.0★

「クローズ ZERO」   4.3★/5.0★

「インベージョン」   3.8★/5.0★

「オリヲン座からの招待状」   3.5★/5.0★

「ヘアスプレー」   4.0★/5.0★

「キングダム 見えざる敵」   4.3★/5.0★

「大統領暗殺」   3.3★/5.0★

「エディット・ピアフ 愛の讃歌」   3.8★/5.0★

「カタコンベ」   3.5★/5.0★

「パンズ・ラビリンス」   4.3★/5.0★

「幸せのレシピ」   4.0★/5.0★

「ローグ・アサシン」   3.5★/5.0★

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ブレイブ ワン

「ブレイブ ワン」
<THE BRAVE ONE>/製作:2007年、アメリカ 122分 R-15指定 Breve_one  
監督:ニール・ジョーダン 出演:ジョディ・フォスター、テレンス・ハワード、ナビーン・アンドリュース、ニッキー・カット、メアリー・スティーンバージェン
2007.10.31 レディース・デイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★

「許せますか、彼女の【選択】」

許せるか 許せないか  これが彼女の答え

想像以上にズッシリと重たい作品でした。私は、お昼休みに仕事を忘れて優雅に読書を楽しんでいるのですが。本作を観た翌日のお昼は、本のページをめくる気分になれませんでした。色々と考える部分があったのですが、何をどうまとめて良いのやら・・・。既にご覧になったブロガーさんのレビューは、一切読んでいません。公開1週目の丸の内〈レディースデイ・ナイト〉だったにも関わらず、客入りが半分程度だったのはどうして?確かに、人によっては好きになれないテイストかもしれません。敢えてマッサラな状態で、私自身に湧き起こった思いなどを書いていこうと思います。

ニューヨークが舞台。ラジオのDJをしているエリカ・ベイン(ジョディー・フォスター)は、医師をしている婚約者のデイビッド(ナビーン・アンドリュース)と幸せな日々を送っていた。ある日、デイビッド愛犬カーティスと夜の散歩に出ると、強盗に遭い酷い暴行を受ける。瀕死の状態で病院に運ばれるが、3週間後に目を覚ますとデイビッドは亡くなっていた。築いてきた幸せを全て奪われたエリカは、1挺の銃を手に入れる。 そして、コンビニ強盗に遭遇してしまい身を守る為に発砲してしまう。それ以来、居合わせた【悪】に対して銃を向けるエリカだったが・・・。

「勇気ある者」といったタイトルですが、本作で掲げる【勇気】とは何でしょう。「許せますか、彼女の【選択】」というキャッチコピーが、重くのしかかります。エリカの取った行動が正しいとはコレっぽっちも思いませんが。「許す」とか「許さない」とか一言で片付けられる話ではないと思いました。本作の流れで少し残念に感じたのは、生命の危機から生還した後のエリカが行動を起こすのが早かったこと。もう少し【絶望】【虚無感】といった空白の時間があったのではないかと思ってしまって。とにかく、ジッとしていられない性分なんでしょうが。私は、銃を手に入れた時点でエリカの選択は正しいと思えませんでした。病院で昏睡状態の時、大怪我をして血まみれになったエリカの服を、治療の為に医師たちが切り裂く場面があります。薄れゆく意識の中で、エリカは婚約者の愛撫を思い出しているようでしたが。私は、婚約者の魂がエリカ「生き抜いてくれ」 と語りかけているのかと思いました。スピリチュアルで清らかな場面だと受け取ったので、生還したエリカの取った行動は受け入れ難かったです。

銃を手に【制裁】を加えていくエリカ。彼女の中では、どんな思いが戦い続けていたのでしょうか。前半は殆どノーメイクだったように見えたエリカが、2度目の【制裁】が終わった後に化粧を施すシーンは印象的でした。アイラインと口紅を薄っすらと引いて、自分に「生まれ変わった」と言い聞かせているように見えました。生まれ変わったエリカは、【制裁】の標的を見かける度に嫌悪感で一杯の表情を浮かべていました。ちょっと恐ろしい変化に感じられました。いいヤツも居れば、悪いヤツも居る。人間性の差があるのは当たり前だけれど、命の重さに差は無いはずです。エリカの職業はDJでした。世間で知られているのは〈声〉だけという点も興味深いのですが。世間が謎の【制裁者】を男性だと決めつけている点も面白いと思いました。実際の【制裁者】は、小柄な女性だった訳で。それを演じるのがジョディ・フォスターという点も、小柄な身体から強い意志が溢れ出ているようで、本作の魅力を強めているような気がしました。

本作で印象的だったキャラクターを挙げます。事件の後に、温かく声を掛けてくる隣人の女性がいました。出番は少ないのですが、とても包容力があるように感じました。身寄りもない上に愛犬まで奪われてしまったエリカにとって、唯一の《ウォッチャー》 だったような気がします。Breve_one2エリカと知り合い、徐々にエリカを疑っていくマーサー刑事(テレンス・ハワード)も重要な存在だったと思います。どの段階でエリカに疑惑を抱いたのかハッキリとわからない展開だったようにも思いますが。自分に近い人物の【悪】を見逃さずに捕らえられるのか、彼もまた【勇気】を試されるという展開は意味深だと思いました。個人的には、2人がどんな選択をするとしても、マーサー刑事エリカを導く《ガイド》 となる運命だったように感じました。今回のテレンス・ハワードは、圧倒的な存在感と言うよりは、どこか懐の深い感じがするキャラクターで印象的でした。

さて、問題のラストに触れたいと思います。未見の方は、ご注意を!!!
本当にこれで良かったのでしょうか。私には幾らか疑問が湧いてしまいました。だからと言って、どうするべきだったとは断言できません。過去は変えられないから、これからどうするかを考えないといけませんね。どんなラストを迎えるにしても、エリカ《十字架》 を背負って生きていかなければなりません。どんなに辛くても生き続けること、それがエリカに課せられた使命なのではないかしら。とても重苦しい余韻が残りますが。個人的には、1つ小さな希望を持ちたいと思いました。奪われた愛犬カーティスが、エリカのことをシッカリ覚えていました。開放された途端にエリカを追いかけて一目散に駆け出すワンちゃんの姿を見て、彼女はこれから決して一人ぼっちではないんだと思ったのです。動物好きとしては、ワンちゃんに明るい光を見出したいと思いました。 ―以上―

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2007年10月29日 (月)

クローズ ZERO

「クローズ ZERO」
製作:2007年、日本 128分 PG-12指定Crowszero  
監督:三池崇史 原作:高橋ヒロシ 出演:小栗旬、やべきょうすけ、山田孝之、黒木メイサ、桐谷健太、高岡蒼甫、高橋努、渡辺大、深水元基、塩見三省、遠藤憲一、松重豊、岸谷五朗
2007.10.29 MOVIXオータム・キャンペーン¥1,300にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥2,300で妥当 / 評価:4.3★/5点満点★

「ぜんぶ壊して、ゼロになれ。」

誰も知らない、始まりの物語が始まる。

毎月、楽しみにしている『スマステーション』の映画コーナー【月一ゴロー】。毎回殆ど意見の合わない稲垣吾郎ちゃんが「女の子は見ないでしょ?」と言っていました。うーん・・・実は私、以前からとても楽しみにしていました。10/27公開の作品群の中で、どれよりも早く見たいと思っていたのですが。そんなことは人前(特に男子の前)では口にしない方がいいのかなぁ(笑)。

高橋ヒロシの人気コミック『クローズ』を、オリジナルストーリーで映画化。
不良学生が集結している鈴蘭男子高等学校が舞台。幾つもの集団が殴り合いで権力を争っているが、いまだかつて制覇した者はいない。そんなある日、3年生の滝谷源治(小栗旬)が転入してくる。「鈴蘭のてっぺんは俺が取る」と、最大勢力である芹沢集団のリーダー格である多摩雄(山田孝之)に闘いを挑もうとする。源治と運命的な出逢いを果たす鈴蘭OBの片桐拳(やべきょうすけ)や、他の強豪たちとの闘いを通じて源治は《てっぺん》目指して突進していく。

吾郎ちゃん、私はこの作品、とても気に入りました。決闘シーンの迫力たるやもの凄く、「いやぁーん」と目を逸らすのが女の子っぽいとは思いますけど。私は、コイツら青春を謳歌していやがる!と彼らが輝かしく見えました。窃盗、殺人、そこまでいっちゃうとドン引きレビューになったかもしれないけど。殴り合いの《勢力争い》、そこには《社会の基礎》が一杯詰まっていたようにも思えました。だって〈暴力〉を除いて考えたら、そこはまるで企業戦士と何ら変わりはないんだもん。ライバルを出し抜く戦略や、上下左右に走る人間関係など。リーダーには〈統率力〉を求められ、腕力だけではどうにもならない部分があったり。舞台が違うだけで、男はみんなサムライなのねーと思った次第。それに、彼らに芽生える信頼関係と絆。取っ組み合いの喧嘩をした後は、敗者が勝者を敬うといった男性ならではの想いなど。女性が口にする「友情」や「絆」という言葉とは、意味が大きく違うようにも感じられました。私には、何だか羨ましく思えたくらいです。そのくらい、この世界観には魅せられました。

何よりも、本作は登場人物が多彩で楽しかったです。全部挙げるにはスペースが足りませんので、特に印象深かったキャラクターについて触れてみましょう。この物語のスターターとなる源治を演じた小栗くんは、若くしてカメレオンっぷりが素晴らしくて言うことナシ。鈴蘭のOBにして組合【劉生会】の組長である父・英雄(岸谷五朗)に「鈴蘭を制覇したら跡目を継がせる」と約束される。父も成し得なかった鈴蘭統一を果たすことに闘志を燃やす目線は真っ直ぐだけど、無鉄砲で危なっかしくもある。やがて同士となる3年生・牧瀬(高橋努)は、猪突猛進な源治を頼もしくフォローします。出番は少な目ながらに、3年生・井崎を演じた高岡蒼甫の存在感も光ってました。冷静に状況や相手をジックリと観察してから戦略を練るクールな井崎は、社会に出たら出世していくタイプにも思えて。《百獣の王》 と恐れられる芹沢を演じた山田孝之の余裕タップリな目線も良かったなぁ。今までは、好青年なんだけど少々頼りないキャラクターが多かった印象だけど、本作での眼孔鋭いナイフのような存在感は山田くんのベストアクトと言えるのでは?鈴蘭OBのチンピラを演じたやべきょうすけも印象深かったです。高校は中退してるし、組に入っても舎弟から舐められている。一見ハイテンションなようだけど、実はそんな自分に苛立ちを覚えているようにも見えました。だからこそ、夢に向かって一直線の源治に目を奪われ、応援しようと思ったのでしょう。の所属する【矢崎組】【劉生会】と敵対している組です。やがて源治【劉生会】の組長の息子であることを知り、の〈ドラマ〉も回り始めます。

私らしく渋いキャラクターにも目を向けると、【劉生会】の組長を演じた岸谷五朗の存在感もさすがですが。【矢崎組】の組長を演じた遠藤憲一のパフォーマンスが光っていました。どこからどう見ても子供が大泣きしそうな異彩を放っていましたが、実は優しさを秘めているように感じられる場面もありまして。それは見てのお楽しみなんですが。大杉蓮さんにも負けないくらいに出演本数が多いと思われるエンケンは、お気に入りのサポーティブな名バイプレーヤーの一人です。
それと、殴り合い以外で好きだった場面も挙げてみたいと思います。一匹狼だった源治が、修羅場の末に3年生・牧瀬井崎と同盟を組むことになります。新しい勢力の誕生を、学校のプールと思しき汚い水面に手作りの《旗》を張って整列している場面。神聖な儀式といった場面だと思いますが、一瞬でしたが男らしくて惚れ惚れしました。
もう1つ。ヴォーカリストのルカ(黒木メイサ)が「さんて面白いね」と言うと、源治が答えます。「最高だよ」 源治に夢を託すでしたが、源治もまたに絶大なる信頼を寄せていたのかと思うと、男の子っていいなと羨ましがらずにはいられませんでした。

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2007年10月24日 (水)

インベージョン

「インベージョン」
<THE INVASION>/製作:2007年、アメリカ 94分Invasion  
監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル 出演:ニコール・キッドマン、ダニエル・クレイグ、ジェレミー・ノーザム、ジェフリー・ライト、ジャクソン・ボンド、ヴェロニカ・カートライト、ロジャー・リース
2007.10.24 レディース・デイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★

「ある朝突然、あなたの家族が、別人になっている。」

すべての人間から感情が失われていくこの街で、私が愛せなくなる前に、
息子をきっと見つけ出す。

原作は、ジャック・フィニイのSF古典小説『盗まれた街』で、映画化されるのは今回が4度目だそうです。私は『SF/ボディ・スナッチャー』('78)だったら、レンタルビデオで鑑賞したのですが。実は、余り覚えていなかったりします(恥)。どうやら、本作の評判はイマイチのようですね。そうは言っても、公開1週目のレディース・デイの夜だし。多少は混むだろうと予想して、小走りで劇場に向かいました。そしてロビーに入ったら、余りにも閑散とした風景にズッコケてしまいましたよー。ガラガラのスッカスカじゃないかー。この映画、そんなにダメ?アッと言う間に場面が切り替わる早い展開に、物足りなさを感じる人も多いのかなぁ。アッサリし過ぎて訳がわからず、余韻も何も残らないといった感じでしょうか。私は、コレはコレで楽しめました。何を書こうかと振り返っている内に色々なことを考えてしまい、鑑賞直後よりもお気に入り度が上がった気がしたので。点数も少々高めにしてみました。

ワシントンが舞台。スペースシャトルの墜落事故が起こり、その残骸に付着していた生命体により伝染病が発生する。感染した人は、《レム睡眠》に至ると発症する。外見は変わらなくても、今までと別人格になってしまうのだ。機械のように冷たい視線で行き交う感染者の群れ。人間として生き続ける為には、眠らないようにしなければいけないのか。愛する息子と生き抜く為に、精神科医のキャロル(ニコール・キッドマン)は奔走するが・・・。

バンという大音響と共に、恐怖の展開が待ち受けていたり。感染者の無表情も不気味で、何だかムンクの『叫び』を思い浮かべました。生き延びるには、眠らずに感染した振りをすること。汗を掻いたり感情を剥き出しにすると、奴らに見つかってしまう。表情を隠してやり過ごさなければならないという部分では、ニコール・キッドマンのクール・ビューティっぷりが見事にはまっている気もしました。何かのインタビューで「精神科医の役は初めてですよね?」と聞かれて「初めてだけど、今回は精神科医であることよりも母親であることが何よりも重要なの」と答えていたニコール。息子への無償の愛情を奪われない為にも、人間であろうと奔走する女性が主人公ですからね。本作では、カーチェイスの場面なんかもあったりして、ニコール好きとしては新鮮に映りました。

私が特に印象に残ったのは、ベン・ドリスコル医師を演じたダニエル・クレイグです。品が良くて、ジョークも知的で、とっても素敵でした!キャロルに求愛するも、小さく拒まれるシーンがあります。その後の気まずい空気の立て直し方が何とも紳士的で、ちょっと感動を覚えてしまったくらい(笑)。さすがは【英国紳士】 です、もうコレは異文化ですね。日本人男性が頑張って取り入れても、幾分無理があるような気すらしてしまいました。バラエティ番組で、自称《カリスマ・ホスト》だという若者が、女性のハートを掴むテクニックとやらをツラツラと披露しているのを見ましたが。ダニエルさんと比べたら、アンタなんか小僧でしかないじゃんと罵倒したくなってしまいましたもの。あくまでも脇役でしたけど、私は目がハートになっておりました。
ドリスコル医師の同僚と思しきガレアーノ医師を演じたジェフリー・ライトも、僅かな出番ながらに印象的でした。目立った場面がある訳ではありませんが、こういうサポーティブな俳優さんを見ていると何とも嬉しくなります。次の出演作品も楽しみです。

さて、何よりも印象的だったのはラストです。という訳で、ここからは核心に触れます。これから鑑賞予定の方は、ご覧になってから読んで頂いた方がいいかもしれません。
大勢の人が感染してしまった後に、テレビでは信じられないくらいに平和なニュースが流れていました。対立していた国同士が和平を結んだり、蔓延しているエイズの脅威が収束していったり。どうにか感染せずに生き延びている人の手によって、伝染病のワクチンが開発されます。一応は生き残っている感染者が、元の人間に戻るという展開になりますが。その後にテレビで流れるニュースは、紛争といった【平和】という2文字からは程遠いものばかりでした。ある人物の「人間から残虐性は切り離せない」といった言葉を思い出して苦い表情をするキャロル、そこで映画は終わります。【残虐性】もまた人間味の一つであるというメッセージが込められているのでしょうか。ラストのキャロルの苦々しい表情は余韻が残りました。【平和】というシンプルな言葉を形にするには、人間が人間でなくなるしかないのでしょうか。私は、この考え方は好きになれませんし。人間が人間であり続けた上で、少しずつ平和が訪れて欲しいと思います。そんなの甘いし青臭いと受け取られるのが現実なのかもしれませんけど。人間のままで平和を実感する方が幸せだと思います。とまぁ、こんな風に真面目なことを考えてしまいました。珍しい捉え方なのかもしれませんけど、こんな風に後になっても色々と考えさせられる映画は、単純に好きです。――以上。

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2007年10月23日 (火)

オリヲン座からの招待状

「オリヲン座からの招待状」
製作:2007年、日本 116分Orionza    
監督:三枝健起 原作:浅田次郎 出演:宮沢りえ、加瀬亮、宇崎竜童、豊原功輔、鈴木砂羽、田口トモロヲ、樋口可南子、中原ひとみ、原田芳雄
2007.10.23 試写会¥0にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,300で妥当 / 評価:3.5★/5点満点★

「時代に翻弄されながらも、映画館を守り続けたふたりの愛と、優しい奇跡の物語」

僕ずっとオリヲン座を守るさかい―― ここでいつまでも、一緒に映画<シャシン>かけてもらえますか。

――(goo映画よりストーリーを紹介)――
昭和30年代、小さな映画館【オリヲン座】の館主・豊田松蔵(宇崎竜童)が病に倒れ、その弟子であった留吉(加瀬亮)が、その志を受け継ぎ館主の妻・トヨ(宮沢りえ)と映画館を守ることとなった。古い時代、周囲からの陰口を叩かれたりもした。さらには映画産業が斜陽になり始め、貧乏をしながらも映画を愛し、一緒に【オリヲン座】を守り続けた2人。そして何よりも純粋にお互いを思いやり、愛し続けたのだった。

原作は、『鉄道員<ぽっぽや>』と同じ浅田次郎の短編小説だそうです。舞台となるのは、歴史の深い映画館【オリオン座】。長い間、人々に愛され続けてきた映画館が閉鎖するという便りから始まります。『鉄道員<ぽっぽや>』と併せて原作を読んだことはありませんが、〈映画狂〉の一人として物語の設定に興味津々でした。色々と惹き込まれるポイントが多いのではないかと期待していたのです。それで、実際に見た感想はと言うと。どこで入り込んでいいのかわからないままにエンディングを迎えてしまいました。色々なことが起こっているのに、何も起きていないと勘違いしてしまうくらいに起伏が感じられなかったんですよね。淡々と進んでいくからこそ、感動的だと思わせる演出だったのかもしれませんが。私の場合は、もう少し過剰な演出にしてもらった方がグーッと惹き込まれたのではないかと思ってしまいましたわ。話そのものは、ノスタルジー溢れる素敵なものだと思います。原作を読むと、また印象が変わるかもしれませんけれど。この映画に関しては、最後まで入り込むポイントが見つけられませんでした。私としては、少々残念な感想になってしまいました。

余りお気に入りではありませんでしたけど、それなりに印象的だった部分もあることはあります。その辺を、ちょっと振り返ってみたいと思います。
この映画を見ていて色々と思い出したこと。まずは、長年続いた映画館が閉鎖するという話は、昨年見た台湾映画『楽日』を思い出しました。自分が映画を鑑賞する時は、ひたすらスクリーンしか見ていませんけど。私達にひと時の〈現実から離れた時間〉を味あわせてくれる《映写技師》の視点というのは、イタリア映画の傑作『ニュー・シネマ・パラダイス』を連想させました。映写室に小さい子供が入り浸っている場面なんかも似ていますよね。オリオン座で上映されていた『二十四の瞳』 『君の名は』 『無法松の一生』 といった名作は、その存在を知ってはいるけど未見であります。こういう不朽の名作と呼ばれる作品は、国籍を問わずに手を出さずに終わってしまう私でありますが。映画にも深い歴史があるということは、感慨深いものがあります。

それと、キャストも印象的でした。個人的な好みで言うと、松蔵を演じた宇崎竜童さんがいぶし銀の魅力で素敵でしたが(笑)。妻のトヨを演じた宮沢りえ《大和撫子》 オーラ全開の佇まいが素敵でした。子供に話しかける時の優しい口調や、可愛らしくて奥ゆかしい仕草が艶っぽくて。私が男だったら、エロかっこいいだか何だか知らない現在増殖中の露出好きなガールズよりも、こういったシットリとした仕草の女性に間違いなく惚れると思います。どうにか真似してきたいところです。
本作で一番印象的だったのは、留吉を演じた加瀬亮でした。純朴で真っ直ぐな青年を好演していたと思います。彼のさり気ない存在感があったからこそ、最後まで居眠りしないで鑑賞することができたのだと思います。私が一番好きなシーンは、松蔵トヨ留吉の3人が記念写真を撮る場面です。着慣れないスーツに身を包み、一見ぎこちない感じのする留吉ですが。少年みたいに嬉しそうな表情が印象的でした。松蔵が他界しても、力をあわせてオリオン座を経営していくトヨ留吉でしたが。周囲では、2人の関係が不貞であるという陰口が囁かれ始めます。酔っ払った男が、2人の悪口を言っているのを見てしまった留吉が取った行動。殴りかかるのではなくて、その男にしがみついて「自分は何を言われてもいいけど、アネさんのことだけは悪く言わないでください」と懇願するのです。殴られても飛ばされても、ひたすら男にしがみついてお願いする留吉。《腰抜け》と捉える人もいるかもしれませんけど、私は違いました。優しさこそが留吉の武器に思えたりもしたのです。トヨを大切に想うからこそ、絶対に喧嘩はしない。その思いやりこそが、留吉の強さだったとしか思えませんでした。その部分は、印象に残っております。

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2007年10月20日 (土)

ヘアスプレー

「ヘアスプレー」
<HAIRSPRAY>/製作:2007年、アメリカ 116分Hair_spray    
監督:アダム・シャンクマン 出演:ジョン・トラボルタ、ニッキー・ブロンスキー、ミシェル・ファイファー、クリストファー・ウォーケン、アマンダ・バインズ、ジェームズ・マーズデン、ザック・エフロン、イライジャ・ケリー、クィーン・ラティファ
2007.10.20 MOVIX10周年ありがとうキャンペーン¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥2,000で妥当 / 評価:4.0★/5点満点★

「BIGな女の子がBIGな夢をつかむシンデレラストーリー」

ハマる!ハジケる!ハチキレる!?

キャッチコピーはイマイチだけど、いやぁ~楽しかったーーー。ミュージカル作品にも色々あるけれど、この作品は王道をいくミュージカルといった感じで。誰が見ても楽しめるような安心感と、差別を失くそうというメッセージが込められた歌と踊りの躍動感。この心地良いテンションに身を任せて楽しんじゃいましょう!

ボルチモアが舞台。トレーシー(ニッキー・ブロンスキー)は、明るく陽気な女子高生。ヘアスプレー企業が贈る大人気TV番組『コーニー・コリンズ・ショー』に夢中な日々。番組のメンバー・オーディションが開催されることになり、トレーシーは出場を決意。ちょっぴりおデブなトレーシーが受かるはずがないと猛反対する巨漢の母エドナ(ジョン・トラボルタ)トレーシーの夢を応援する〈ガリガリ君〉の父ウィルバー(クリストファー・ウォーケン)トレーシーと周囲の人達が明るく人種差別撤廃を歌い上げ、軽やかに踊る楽しいミュージカル作品。

この『ヘアスプレー』というミュージカルは、映画になったり舞台化したりしてたそうです。1度も見たことがなく、今回初めて体感しました。ミュージカルにも色々あって、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』という絶望に満ちた感じの作品もありますが(私は好きですよ)。本作は女子高生を中心に明るく楽しく展開していき、とても見易いと思います。その上、「差別を失くそう!」というストレートなメッセージが印象的でした。
歩み寄ろうという意識が浸透してきている時代に見えましたが、トレーシーの高校でも『コーニー・コリンズ・ショー』でも、まだまだ黒人への差別が当たり前のように残っていました。トレーシーの宿敵アンバーの母ベルマ(ミシェル・ファイファー)の差別意識は強烈で、メイベル(クィーン・ラティファ)率いる『ブラック・デー』という黒人枠のコーナーを消し去ろうとします。番組の司会者コーニー・コリンズ(ジェームズ・マーズデン)は、枠を別にしないで「ミックスしよう」と白い歯が覗く笑顔で差別撤廃を掲げます。世界が友好的になるまであと一歩という感じでしたが、ベルマのように古いタイプの人間の意識は簡単には消えないようでした。

そうは言っても、本作には押し付けがましい生真面目さは皆無です。豪華なキャストの歌と踊りが本当に楽しい!細部まで書けませんけど、特に印象的だったキャストに触れてみたいと思います。今回、1,000人のオーディションから選ばれたトレーシー役のニッキー・ブロンスキーがキュート。陽気でポジティブで、いつも笑顔を絶やさない。トレーシーの辞書には「落胆」「ひがみ」といったネクラな言葉は無いのかもしれません。嫌な事があって少し落ち込んだって、とにかく切り替えが早いです。そんなトレーシーは輝いて見えるし、何よりもパワーを分けてもらえます。私も自分ではポジティブなつもりですけど、トレーシーには適わないぃー。コンプレックスまみれで外出しない母エドナを外の世界へ連れ出したのもトレーシーメイベル達に人種差別に立ち向かわせる勇気を与えたのもトレーシー。親友のペニー(アマンダ・バインズ めっちゃ可愛い!!!も、そんなトレーシーが大好きみたいだったし。番組にも出演しているリンク(ザック・エフロン)トレーシーに惹かれていくのも思わず納得しました。こんな言い方は大袈裟かもしれないけれど、トレーシーは時代を変える愛らしき革命家みたいでした。「こうなればいい」と心の中では思っても、なかなか行動に移せないのが人間だと思ってたけど。トレーシーのポジティブさが、たくさんの人を変えていくのが心地良かったです。

それと、今回いわゆる悪役に扮したミシェル・ファイファーが素敵だったな。悪い女なんだけど嬉々として楽しんでいるので、憎むどころか愛らしくって。作品全体の雰囲気がコミカルというのもあると思うけど、ノリノリで憎まれ役を楽しむという懐の深さが嬉しかったです。かなりオシャレで、髪留めやリボンのカチューシャも可愛かった(笑)。彼女の好演も本作を盛り上げていたと思います。今度公開される『スターダスト』でも悪女を演じているので楽しみ~。
勿論、あのジョン・トラボルタが特殊メイクで巨漢女に扮して歌い踊る場面も大好きだけど。一番触れておきたいのは、父親役のクリストファー・ウォーケン。どちらかと言うとシリアスな役どころとかマフィアの親分とか、コワモテならではの役が多い印象だったから。今回、歌って踊る姿を見ただけでも儲けモンだーと大喜びしていたのに。1箇所、女装するシーンがあったね。ふんぞり返って大笑いしてしまったじゃないのー!一人で観て良かった、連れがいたら嫌がられていたかも(一人で大爆笑してたから)。

もっともっと色んなキャストについて触れたいんだけど、スペースの都合上泣く泣くカットします。私が鑑賞前に最も楽しみにしていたのは、メイベル役のクィーン・ラティファ。ラッパーとしてのキャリアも持つ彼女なら『シカゴ』の時のような魅力と存在感を残すと思ってたけど。今回も、肝っ玉母さんを好演していました。公式HPに入ると、彼女のパワフルな歌声が聴けるもんだから。HPを開いた状態で書いていますー。
最後に、メイベルの息子で番組にも出演している高校生シーウィードを演じたイライジャ・ケリーが良かったと強調しておこう。恐らく、どの媒体もリンクを演じたザック・エフロンばかりに触れると思うけど。私の目線では、リンクも良かったけどシーウィードが更に良かったです。どちらかと言うとテノールっぽい高い声は好みだし、踊りでも高い跳躍力を披露して見事でしたわ!

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キングダム 見えざる敵

「キングダム 見えざる敵」
<THE KINGDOM>/製作:2007年、アメリカ 110分 PG-12指定Kingdom    
監督:ピーター・バーグ 製作:マイケル・マン 出演:ジェイミー・フォックス、クリス・クーパー、ジェニファー・ガーナー、ジェイソン・ベイトマン、アシュラフ・バルフム、ジェレミー・ピヴェン、ダニー・ヒューストン
2007.10.20 MOVIX10周年ありがとうキャンペーン¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥2,300で妥当 / 評価:4.3★/5点満点★

「【9.11】―あの日以降、今も続く見えない敵との終わらない戦い」

4人のFBIスペシャリスト  5日間のタイムリミット
テロの首謀者に迫るべく 今、最も危険な領域に潜入する!

【9.11】の悲劇がまだ記憶に新しい気もするのですが、最近では間接的にでもあの悲劇を謳いあげる作品が増えてきた気がします。本編は、結構ストレートに描いている方だと思いました。骨太でスリリングで目が離せない仕上がりになっています。今日は風邪気味で仕方なく薬を服用していましたが、後半は眠気も吹っ飛ぶ展開に釘付けとなっておりました。

石油原産国世界一のサウジアラビアと、石油消費量世界一のアメリカ。サウジアラビアは、アメリカが中東で同盟を結んでいる唯一の国でもある。ある日、首都リヤドの外国人居住区で《自爆テロ》が勃発する。犠牲者は、300人を超えていた。首謀者として【アルカイダ】アブ・ハムザという謎の人物の名前が挙がる。両国が穏便にことを済まそうとする中、同僚が犠牲になってしまったFBIのフルーリー捜査官(ジェイミー・フォックス)は事件の解決を望む。そして、爆発物の専門家サイクス捜査官(クリス・クーパー)、法医学に長けたメイズ捜査官(ジェニファー・ガーナー)、情報分析の専門家レビット捜査官(ジェイソン・ベイトマン)と共に、4人でリヤドに乗り込むのだが・・・。

中東では上映禁止になるのではないか。そう邪推してしまう程に、情け容赦ないテロリストの場面がショッキングでした。発端となった外国人居住区での自爆テロの場面も、それはそれは壮絶なものでした。テロ行為の標的は、女も子供も関係なくて。テロリストらしき人物が血縁と思しき幼い少年に、テロ行為の一部始終を無理矢理見せている描写も衝撃的でした。目を逸らして涙を流しているこの少年も、追々【テロリスト】としての英才教育を受けていくのかと思うとゾッとしました。テレビCMで煽っているラストのセリフも背筋が凍ります。世界平和への道のりは遠いのでしょうか。嗚呼、私の感想なんて何の意味も成しません。本作は、評判なんか気にしないでまず見るべきです。(因みに、評判はすこぶる良いようです) 見た人同士で、色々と語り合って欲しいと思います。

さて、本作を見てまず浮かんだのは平和への祈りといった感じでしたが。そういった作り手の意図とは違うかもしれない部分で、個人的に印象深かったことを書いてみたいと思います。喧嘩の終わらない世界への哀悼とか、テロの恐怖とか、そういった社会派テイストに浸るのと同時に。本作の男たちに、【男の色気】を感じて目がハートになった状態での鑑賞でした。

本作の赤レンジャー的存在であるフルーリー捜査官を演じたジェイミー・フォックスがクールでセクシーなのはいつものことですけど。子供達と接する時の温かい父性にも惚れ惚れしました。まずは愛息子が素直で愛らしい。ボクのパパは悪い人をやっつけているスゴイ人なんだ!とばかりに尊敬の眼差しを注いでいるように見えたんですよね。亡くなった同僚の息子にも、温かく接していました。カチッとスーツを着込んでいても、〈オトナ〉ではなく《友達目線》で話しかける場面が印象的でした。アクション場面での強靭な振る舞いと、子供に優しい男らしさにメロメロに・・・。
一見、完璧に見えるフルーリー捜査官ですが。サイクス捜査官が、誰もいないところでコッソリとフルーリーを支えているように見えました。実際には緊張の糸で張り詰めているフルーリーの胸を、サイクスがポンと叩く場面が印象的でした。サイクスを演じているのは、『アダプテーション』でアカデミー助演男優賞を獲得したクリス・クーパーです。一見コワモテの彼が、受賞スピーチではガチガチに緊張して手がプルプルと振るえ、感動の余り言葉に詰まって涙ぐんでいた姿が鮮明に蘇りました。数々の作品で脇役でも強烈に残す存在感は素晴らしいと思います。
今回、〈男の中に女が一人〉状態のメイズ捜査官でしたが。雄々しく大活躍していました。リヤドに到着した後、送迎車がスピードを上げて疾走する場面があります。本作の中では幾分フェミニンなレビット捜査官は、長旅で疲労困憊してヘロヘロになっていましたが。メイズは平然としていました。この時の嫌な予感が的中して、レビットがテロリストに誘拐されてしまうのですが。誰よりも勇敢に猛々しくレビットの命を守ったのはメイズでした。演じたジェニファー・ガーナーのインタビューをWOWOWで見たんですが、とても愛らしくて女性らしい素敵な笑顔で思わず「わぁっ、かわいい!」と叫んでしまったんですよ。このギャップに女優魂を感じ、今更ですがファンになりました。
さて、本作で私が一番魅せられたのはサウジアラビア国家警察のガージー大佐(アシュラフ・バルフム)でした。FBIと共に、テロリストに立ち向かう役どころなのですが。一つ忘れ難い場面があります。フルーリーと共に、犠牲者の遺族を訪ねるのですが。遺族の怒りは抑え切れないものでした。目の前でメッタ撃ちにされた母の大きな傷を何とかしようと必死で絆創膏を貼った息子のエピソードは辛いです。遺族である父親の怒りはもの凄く、サウジアラビア人というだけでガージーに向かって猛撃に罵倒を浴びせるのですが。ガージーは決して目を逸らさずにその場から立ち去ることなく遺族の怒りを黙って受けとめるのです。遺族の怒りを心から理解していたに違いありません。銃撃戦の激しさよりも、こんな場面に男らしさを感じてウットリしておりました。

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2007年10月17日 (水)

大統領暗殺

「大統領暗殺」
<DEATH OF A PRESIDENT>/製作:2006年、イギリス 93分 PG-12指定Daitoryoansatsu  
監督、脚本:ガブリエル・レンジ 脚本:サイモン・フィンチ 音楽:リチャード・ハーヴェイ 出演:ジョージ・W・ブッシュ 他
2007.10.17 レディース・デイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,000で妥当 / 評価:3.3★/5点満点★

「その時、世界は試される。」

2007年10月19日、ブッシュ大統領暗殺。
映画史上空前の【モキュメンタリー】が、そのベールを脱ぐ。

当ブログが3年目に突入し、その記念すべきオープニング作品となったんですけど。余りにも好みではなかったので、「記念すべき」という捉え方は今すぐに忘れることに決めました。「ブッシュ大統領暗殺、その時世界はどう変わるのか」といったインパクトある予告編の宣伝文句にスッカリ騙されてしまいましたよ。予告編の煽りって、時々とても疑わしく感じる場合がありますが。今回は、ちょっと楽しみにしていたんですよね。やっぱり、作品を見てみるまではわからないもんですね。今回は、そこそこ期待していたんですけど、見事に裏切られました。という訳で、すみません〈辛口記事〉となってしまいます。

2007年10月19日、ブッシュ大統領が演説で訪れた地シカゴで銃弾を浴び死亡。というフィクションを、ドキュメンタリー形式で描いていく【モキュメンタリー】。やがて、容疑者として捕らえられた男は中東の人で。僅かばかりの証拠から《テロリスト》として扱われて、事件の背後には《アルカイダ》が暗躍していると片付けられいく。そして、一人のアフリカ系アメリカ人の若者が、犯人は別にいると語りだし・・・。

とまぁ、かなり過激で見応えのありそうな内容のはずなんですけれども。とにかく本作からは何の問題提起も感じ取れなかった私です。私自身が日頃のニュースをしっかりと学び取れていないだけかもしれませんけど。「世界はどう変わる」と宣伝している割には、ワールドワイドな展開は皆無だったように思えてしまったし。何のインパクトも感じられなかったんですよねぇ。こういう社会派作品を鑑賞するからには、作り手の意図とは違ったものであっても、何らかのメッセージを受け取りたい私です。本作では、何がやりたいのかサッパリわかりませんでしたわ。無罪の中東系の人がテロリスト扱いされていく悲劇を描いているんだとしたら、『グアンタナモ、僕達が見た真実』に込められたパワーの足許にも及ばない印象だったし。《人種のるつぼ》であるアメリカ人に人種差別や偏見を失くすべきだと訴えるにしても、何とも魅力不足に感じられました。とにもかくにも堪能できませんでしたよ。この日は、私を含めて6人のお客さんがお台場シネマ・メディアージュに集まっていました。どうやら、全ての方が一人で観に来ていたようでしたが。私の前の列に座っていたオジサンなんかは、上映の途中で帰ってしまったようでしたし。きっと、私みたいに退屈していたのかもしれません。私の知識不足が祟っているだけかもしれないんですけど。こういうこともありますよね・・・。残念ではありますが、次なる社会派ムービー『キングダム 見えざる敵』で、お口直しができると嬉しいです。

ダメ出しばかりでも何ですから、本作でも少しは印象に残ったところを挙げてみましょうか。「経済大国アメリカのブッシュ大統領が暗殺される」という大胆な設定のモキュメンタリーというアイディアは興味深いと思いました。私だったら、まずは思いつきませんもの。
それと、内容はともかく一枚の画として割と好きな部分もあったので、一応書いてみたいと思います。街を上空から映した画は楽しかったです。住宅街が並んでいる画は、海外旅行で目的地に着陸する寸前の興奮をほんのちょっとだけ思い出しました。
もう1つ、ブッシュ大統領の操り人形を映し出したのは面白かったです。誰が持っているのかもわからずじまいだし、「寧ろブッシュ大統領が操られている」という深い意味が込められていたようにも思えませんでしたけど。画としては、まぁまぁ好きでした。

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2007年10月15日 (月)

おおおおお~っ、祝2周年♪

Photo 突然ですが、筆休め。
このブログを始めてから、無事に2周年を迎えることができました。とうとう3年目に突入です、きゃあ~嘘みたい。それもこれも、ブログを通して交流させて頂いている皆様という存在があるからこそ!でございます。本当にありがとうございます!!!
てな訳で、1年を振り返りつつ、今後の展望など書いてみたいと思います。

★★2年目を振り返る★★

2周年を迎えた時に書いた記事を読み直してみました。(記事はコチラ
自分なりに抱負を語っていますけど、未だに実現できていないこともありますねー
旧作のレビューにもトライしたいと思いつつ、DVDを見直す時間が取れなくてー。
『キル・ビル』(Vol.1Vol.2)のレビューを書いた頃、『レザボア・ドッグス』と『パルプ・フィクション』にもトライしたかったんだけど。何となくタランティーノ特集組みたくなって。うひゃあ、書けなかったでござるよー。んー、諦めずに、時間が取れたらDVD見直してみるっす。

1年目の間にも、何度か辞めてしまおうと思う瞬間があったのですが。2年目の間にも、何度かその瞬間が訪れていました。たくさんの人がコケおろしている作品を「面白いじゃ~ん」と大喜びしていたり、逆にたくさんの人が喜んでいる作品を「ノレなかったー」と嘆いていたり。それと、作品を受けとめる感性が大多数からズレまくっていたり。別に狙ったわけではなくて、自然体でマイノリティであることに疑問を覚えたこともありました。でも、そんな風にドヨーンとしている時にも励ましてくれたのはお世話になっているブロガーさんでした。一部メアドを知っている方から、コメント欄にではなく温かいメールを頂いた時は感激しまくりでしたし。(本当にどうもありがとうございます) 最近では、映画の感想は多数決ではないとキッパリ思えるようになったので。「変わってるねー」と言われても気にせずにいられるようになりました。今後も気にすることなく、私の感性で私が感じたことを書いていこうと思います。

長くやっていると、ブログ上でやり取りをするお得意さんも存在するようになりますが。気がつくと辞めてしまった方とか結構います。継続困難になってしまったのですね、とても淋しく思います。ブログってあくまでも趣味の一環だから(私は)、自分のペースを崩すことなく継続するのが大事だと思うし。今でも、その方たちは映画を観れているのかなぁ。皆様の元気を思い描きつつ、映画館に足を運んでおります。皆様、無理せず楽しく映画を堪能しましょうね!

割と最近の話なのですが、ブログをやっていて気になる言葉に出会ってしまいました。それは【ブログ炎上】というフレーズ。詳しくは知らないのですが、気がつくと消えてしまったブログの話。そこでは、見た映画をメタクソに悪く書くのが売りだったと聞いたのですが。それって、道徳的にどうかと言う前に、もの凄い淋しいことだなぁと思いました。映画の感想よりも、そのブログの管理人そのものの人生が淋しいと。《言葉の暴力》って、腕力よりも鋭い牙を持っているものだと考えているので。そう言えば、他人のブログで知らない同士がコメント欄で議論しているのを見たことがありますけど。議論を超えて《口論》になっている印象だったんですよねぇ・・・。インターネットって怖い部分があるとゾッとしてしまいました。インターネットで自分の言葉を披露する機会があるからには、自分の言葉に責任を持たないと駄目なんですよね。私も、ノレない作品のレビューは辛口になる場合が多々あります。どこかで誰かを傷つけている可能性もあるんだな・・・。そのことを気に留めつつ、思いやりのある言葉を忘れずにブログを続けていきたいと思います。

★★今後の抱負★★

昨年とは違い、余り大きなことを掲げ過ぎないようにしたいと思っております。
以前、何となしに書いて見た『HERO30傑』が楽しかったので。今度は『アンチ・ヒーロー』を挙げるという宿題を自分に突きつけたものの、思うように進んでおりません。秋は気になる新作が多いから、そちらにばかり気を取られてしまって。『アンチ・ヒーロー』を挙げる方が、楽しい作業だったりして。メモ書き出したら止まらない~、でもまとまらない~。旧作レビューも全然書けないっす。そんな感じだから、変なプレッシャーを覚えずにノンビリいきたいと思ってます。

パソコンが壊れたとか、引越ししただとか。物理的に困難な事情が出てこない限りは、まだまだ続けていきたいと思っております。「疲れた」とか「ちょっと嫌気がさした」とかいった感情的な理由だけでは辞めないぞ。そこは仕事と一緒だで~。映画鑑賞で楽しんだからこそ、仕事を元気に頑張れて。仕事の辛さがあるからこそ、映画鑑賞のひと時を2倍3倍にも楽しめて。仕事と趣味の相互関係が心地良いと感じれるようになりました。もうちょっと頑張ってみるぞ。

という訳で、ブログを通じてたくさんの方にお世話になっております。本当にどうもありがとうございます。
今後もどうぞヨロシクお願い致します!!!

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2007年10月14日 (日)

エディット・ピアフ 愛の讃歌

「エディット・ピアフ 愛の讃歌」
<LA VIE EN ROSE>/製作:2007年、フランス 140分Edith_piaf