べオウルフ/呪われし勇者
「べオウルフ/呪われし勇者」
<BEOWULF>/製作:2007年、アメリカ 114分
監督:ロバート・ゼメキス 出演:レイ・ウィンストン、アンソニー・ホプキンス、ジョン・マルコビッチ、ロビン・ライト・ペン、ブレンダン・グリーソン、クリスピン・グローバー、アンジェリーナ・ジョリー
2007.12.8 MOVIXポイント還元¥0にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,300で妥当 / 評価:3.5★/5点満点★![]()
「この誘惑が、世界をもてあそぶ。」
世界を巻き込む《呪いの連鎖》は、一人の女の誘惑から始まる。
英国文学最古の英雄叙事詩を、『フォレスト・ガンプ 一期一会』でアカデミー賞に輝いたロバート・ゼメキス監督が脅威のフルCGを駆使して映像化。この技術は、『ポーラー・エクスプレス』でも実証済みだそうですが私は未見です。ついでに言うと、お恥かしながらこの物語も全然知りませんでした。欧米では、教科書の題材としても扱う程に有名な英雄伝だそうです。知らないことだらけなので、勉強も兼ねて観に行って来ました。
6世紀のデンマーク。フローズガール王(アンソニー・ホプキンス)が人々と酒宴を設ける度に、グレンデル(クリスピン・グローバー)という怪物が襲撃してくる。過剰な殺戮が繰り広げられて困り果てている頃、勇者べオウルフ(レイ・ウィンストン)が噂を聞きつけ現われる。世界最強を誇るべオウルフは、グレンデルを倒すが。息子の死に嘆き悲しんだグレンデルの母(アンジェリーナ・ジョリー)が人々を襲った。今度は、グレンデルの母の息の根を止める為にべオウルフは立ち上がるのだが・・・。
本作を見た感想として真っ先に私の頭に浮かんだのは、どうしてCGなんか使うんだということでした。グレンデルやその母など、CGを多用すると面白い部分は使えばいいと思うけど。やっぱり、人間は生身の人間に演じさせてナンボだと思うんだよなぁ。ゼメキス監督、生意気言ってゴメンなさい。でも、私は心からそう思います。べオウルフは強靭でありながらも慢心し、見栄を張り、嘘で塗り固めるという愚かな一面がありました。フローズガール王も、どことなく愚かで弱々しく見えたし。フローズガール王の家臣アンファース(ジョン・マルコビッチ)は、賢さと狡猾さを併せ持つような面白いキャラクターでした。べオウルフの家臣ウィグラーフ(ブレンダン・グリーソン)の生真面目で頼もしい部分と、べオウルフの愚かな部分も含めて全面的に信頼して忠誠を尽くす姿も素晴らしいし。女王ウィールソー(ロビン・ライト・ペン)のクールな美しさに秘めた強さも印象的だったり。各キャラクターの溢れる人間味こそが、この作品の肝に感じられた私としては。CGではなくて、俳優さんの生身の演技を楽しみたかったんですよー。どの俳優さんも、確かなキャリアと実力を兼ね備えた素晴らしい方たちばかりなのに。声だけしか堪能できないなんて、残念で仕方ありませんでした。確かにCGは見事に仕上がっていると思うんです。でも、CGで一番残念だったのはアンファースを演じたジョン・マルコビッチ。敵なのか見方なのか、油断できない不敵なキャラクター。マルコビッチなら、誰よりも見事に演じきること間違いないのに。声はマルコビッチでも姿は明らかにCGだったりするのは、何となく悲しくなってしまいました。
仕方がないので、声だけでのパフォーマンスを堪能するしかありません。キャラクターが際立っていたのは、贔屓目かもしれないけれどアンジェリーナ・ジョリーではないでしょうか。グレンデルの前で見せる母性、人間の前に姿を現した時の妖艶な佇まい。何というハマリ役!アンジェリーナ以外に考えられないと感じるくらいにピッタリでした。もう1人、私が敢えて触れておきたいのは。グレンデルを演じたクリスピン・グローバーです。皮膚は爬虫類の如くザラザラで、歯並びはガタガタ。おまけに、終始ヨダレを垂らしているという醜悪な姿に加えて人間の命を脅かす完全悪ではありますが。母に甘える時の赤ん坊のような振る舞いにはギャップを感じました。声だけとは言え、私にとっては強烈なパフォーマンスだったんですよね。クリスピン・グローバーと言えば、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のひ弱なお父さん役が感動的でしたが。最近では『チャーリーズ・エンジェル』で髪フェチの暗殺者を気持ち悪く怪演していました(笑)。有名な作品はこれくらいかもしれないけれど、フィルモグラフィーを覗いてみると、結構コンスタントに映画に出演しているんですね。日本では未公開のクラシック・ホラーのリメイク『ウィラード』で、ネズミと友達になるオタク青年で主演を飾っているんですなぁ。コレ、見てみたいです。
色々と生意気を書いてしまいましたが、映像はともかく作品の内容はかなりツボでした。中でもお気に入りのキャラクターがいます。強さと愚かさを併せ持つカリスマティックなべオウルフよりも、縁の下の力持ちとしてべオウルフを信じて支え続けたウィグラーフは魅力的なキャラクターでした。ラストに映るのは、ウィグラーフでしたが。その後はどうなるのか気になって仕方ありませんでした。
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コメント
あー『ポーラーエクスプレス』方式かあ…。
観てはいないんですが、身体中(特に顔いっぱい)にセンサーを貼りつけて「演技をデジタル記録」するやり方のようです。役者を(声だけでなく)本当にアニメキャラとして演技させるわけですね。
ピーター・ジャクソンもお気に入りで『指輪』『コング』で使ってます(というかコングはそれ以外の方法じゃ演技できんでしょうなあ)。
しかしこりゃ、実写よりアニメの方に雰囲気が近そうな感じだなあ…微妙に興味が消えてきたっす…。
投稿: エスねこ | 2007年12月 9日 (日) 11:35
エスねこさま
コメントありがとうございます。
うーん、話そのものは面白いと思うんですけど。
人もCGというのは、何となく不満が残った気がします。
キング・コングとかゴラムがCGなのは納得できるんですけどねぇ。
この作品、想像していた程には話題になっていない気がするのは気のせいなんでしょうか
フルCGだと知らないで見てガッカリしたという人も、結構いるのかなぁと勝手に思っております。
投稿: 隣の評論家 | 2007年12月 9日 (日) 20:34
TB有難うございました。
なんでCGで作ったんでしょうねぇ?
実写でもいいと思うのですが、主役はそのままだと出来なかったからかな?よくわかりません。
顔だけリアルでした。動きとかちょっとぎこちなかったですし、ベクシル-アップルシード以上実写以下、まだまだ過渡期ということでしょうか?
ウィグラーフ(ウィーイラーフ)はですね、原作ではもっともっとカッコイイんですけど、ってあんまり原作にこだわるのは宜しくないですね。反省。
投稿: くまんちゅう | 2007年12月10日 (月) 20:57
くまんちゅうさま
TB&コメントありがとうございます。
わぁ、すみません、わざわざ。
>顔だけリアルでした。
そうなんですよねー
べオウルフのCGは相当力を入れていたのでしょうけど。
脇キャラに関しては、それ程でもなかったと言うか。
ウィグラーフ(ウィーイラーフ)は、原作ではもっとカッコいいんですか?それは気になる~・・・
投稿: 隣の評論家 | 2007年12月10日 (月) 22:55
この映画の見所は、進化の途上の技術、
パフォーマンス・キャプチャーであるらしいです。
ファンタジーの世界に通ずる人間と非人間の“間”の
妖しい存在を監督は狙ったのではと思いました。
ストーリーそのものは、チョッとショボかったですね。
続編があるのか気になる終わり方でした。
投稿: twilightkuma | 2007年12月12日 (水) 21:27
twilightkumaさま
TB&コメントありがとうございます。
技術が見どころ、なるほどです。
私は、監督の狙いにイマイチのれなかった感じですけど。
まぁ、確かに素晴らしく出来たCGでした。
ラストは完結していない感じでしたよね。
そして、時代は繰り返すみたいな終わり方なのでしょうか・・・
投稿: 隣の評論家 | 2007年12月12日 (水) 22:57
コメント・TBありがとうございました
なぜCGなのか?
・・・それはぶっちゃけ「ポロリ」と見えてしまう心配がないからでは・・・ でもそれだったら無理に裸にならなきゃいい話で。謎は深まるばかりです。品がなくてすいません(^^;)
グレンデルはゴラムを腐らせてぬかに漬けたら、こんな風になるんじゃないかな、と思いました
>その後はどうなるのか気になって仕方ありませんでした。
彼、けっこうストイックだったから大丈夫だと思うんですけど、あそこで切るあたり、意味ありげですよね
投稿: SGA屋伍一 | 2007年12月13日 (木) 08:24
SGA屋伍一さま
TB&コメントありがとうございます。
>なぜCGなのか?
・・・それはぶっちゃけ「ポロリ」と見えてしまう心配がないからでは・・・
わはは、なるほどっ
道理で、見事なまでに不自然に大事なところが隠れていた訳ですねー
>彼、けっこうストイックだったから大丈夫だと思うんですけど
そうなんですけど、ラストはあんなにブチッと終わるから。悶々としてしまいましたわ。
投稿: 隣の評論家 | 2007年12月14日 (金) 19:05