ゼロ時間の謎
「ゼロ時間の謎」
<L'HUERE ZERO>/製作:2007年、フランス 108分
監督:パスカル・トマ 原作:アガサ・クリスティー 出演:メルヴィル・プポー、キアラ・マストロヤンニ、ローラ・スメット、ダニエル・ダリュー、フランソワ・モレル、アレサンドラ・マルチネス、クレマン・トマ、ジャック・セレイ、グザヴィエ・ティアム
2008.1.12 劇場前売り鑑賞券¥1,500にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★
「ふたりの妻は多すぎる」
避暑地を訪れた若きテニスプレーヤーとその新妻、そして前妻。
嫉妬と欲望、莫大な遺産が在る夜、殺人事件を引き起こす・・・・・
私は、ミステリー小説が大好き。今も途絶えることなく、お気に入りの作家の小説を順番に読み続けています。1冊読み終えて次に読む本を選ぶ時も、ジャンルを変えてみようと思いながらもミステリー小説を買ってしまいます。そんな私が一番最初にハマったミステリー作家はアガサ・クリスティー。何冊読んだかわかりません。という訳で、本作も気になっていました。同じくパスカル・トマ監督によるアガサ・クリスティー作品『親指のうずき』の映画化『奥さまは名探偵』も見ましたが。何ともコミカルでミステリー色が薄まっている印象を受けて辛辣な感想になってしまいました。ですので、本作は観に行くかどうか迷っていたんですよねぇ。うーん、でも結局観に行って来ました。前作よりはミステリー色が強くて、なかなか楽しめましたよ。
===(チラシよりストーリー紹介)===
ギョーム(メルヴィル・プポー)は若く美しい新妻キャロリーヌ(ローラ・スメット)と知的な前妻オード(キアラ・マストロヤンニ)を伴って、大金持ちの叔母カミーラ(ダニエル・ダリュー)の住む海辺の別荘に避暑に出掛ける。しかし、2人の妻に恋する若い友人の男たち2人が現われる。事態は益々悪化し、別荘は緊張に包まれ、狡猾な犯人の計画通りに殺人の瞬間【ゼロ時間】へと進んでいく。 「誰かが殺される!」 しかし、ある朝、死体で発見されたのはギョームの叔母であった・・・・・ 事件の解決に颯爽と身を乗り出したのは、名探偵バタイユ警視とその甥レカの名コンビ。巧妙な殺人計画の快刀乱麻の推理で解き明かしてゆく。
謎解きものですので、核心に触れないように感想を書いていこうと思います。冷や汗が出そうなくらいに、グチャグチャの人間関係。不躾で奔放でワガママな新妻に辟易していると思しきギョームは、オードに復縁を迫り。その場面をキャロリーヌに目撃されて大声で詰め寄られていました。キャロリーヌは、オードに敵意を剥き出しにしているし。愛人だか幼なじみだかハッキリしない謎の男フレッドと良からぬ計画でも立てている風だし。長い間オードに恋心を抱いていたトマがベトナムから帰国して訪れたり。更には、長年カミーラの付き人をしているマリはトマに恋心を抱いているみたいだったし。見た目にはわからなくても、心の底では危険な思いを秘めている人物もいるのかもしれない。ミステリーにはピッタリの状況ではありませんか。愛憎劇の始まり、始まり~。
カミーラの住む豪華な《カモメ荘》は、海辺というか断崖絶壁の近くに位置していました。目で見る分には、素晴らしい風景です。青い海と青い空、カモメ荘そのものも立派な建物ですしね。寒気がするような人間関係に加えて、カミーラの遺産相続の問題も横たわっていたようです。始まりは、カモメ荘で開かれた晩餐会でした。カミーラの友人である弁護士のトレヴォースが、翌朝亡くなります。それが事件の幕開けでもありました。戸惑いと混乱、緊張と疑惑が渦巻く中でついに殺人事件が起こってしまいます。現場に残った証拠から、最初に容疑者として挙げられてしまうのはギョームでした。カミーラの血がベッタリついたギョームの上着、凶器と思しきギョームのゴルフクラブ。ゴルフクラブには、ギョームの指紋しか残っていません。そして誰もが「ギョームが犯人のはずがない」と口にするのです。やがて、ある証言からギョームの容疑は晴れますが。捜査は困難を極めていくのでした。
ここまでにしておこうっと。後は、核心に触れない程度に気になった点を挙げてみたいと思います。ギョームの新妻キャロリーヌのキャラクター、あれは何?「奔放」なんて一言で片付けてはいけないくらいに、最低の女なんだけどっ。何でこんなのと再婚しちゃったのかな。大体ねぇ、私は女がヒステリックに喚き散らしている姿って嫌いなんだよ。相手に喋る間も与えないくらいに、まくしたてる。「私の勝ち、アンタの負けなんだよ」みたいな高圧的な態度は許せないんですよ。特に、相手が男の場合。アンタより私の方が強いのよと思い込んでいるかもしれないけれど、実際には言い返さない男の方が何倍も冷静沈着で一枚も二枚もウワテなんだっつーの。私だって日常で腹が立つことってあるけれど、キャロリーヌみたいに発狂するのだけは絶対に止めようと思った次第です。ある意味、勉強になったかも。感情を表に出さずに妻を気遣うギョームは印象的でした。お坊ちゃんだし、幼い頃から「紳士然」と振舞うように教育されてたのかな。個人的な話になってしまうけど、私の働く業界ではメルヴィル・プポーのようにイケメンさんではなくとも、ギョームのような雰囲気の男性を多く見かけるかも。キャロリーヌみたいな奥さんだと可哀相だな。腹の底では色んな疲れが溜まっている男性も多かったりするのかな。毎日お疲れ様です・・・。
もう1つ気になったのは、チラッと登場する《音楽隊》みたいな人達の演奏。演奏しているだけなら気にならないんだけど、何か乗り物に乗った状態で演奏してたから気になってしまって。ああいう光景って、本作の舞台となった地では普通の光景なんでしょうか。ちょっとユーモラスにも受け取れたりして、楽しませて頂きました。
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「アガサ・クリスティーの奥様は名探偵/2005」に続く、同じくクリスティの推理小説「ゼロ時間へ/Towards Zero」のフランス版。
主人公ギョームに「ぼくを葬る/2005」のメルヴィル・プヴォー。
ギョームの叔母カミーラに「8人の女たち/2002」のダニエル・ダリュー。
ギョームの元妻オードに「ラクダと針の穴/2003」のキアラ・マストラヤンニ。
そしてギョームの若き妻カロリーヌにローラ・スメ... [続きを読む]
受信: 2008年1月21日 (月) 00:49
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豪華な格調高さの中に漂うあやしさが魅力。
大金持ちの叔母カミーラの別荘に、甥であるテニスプレーヤーのギョームと再婚した妻キャロリーヌ、前妻のオードらが集う。ミステリーの女王アガサ・クリスティーが自作のベスト10の一本と認める傑作小説が原作なんだって。それだけのことはあって、ミステリーとして大いに見ごたえのあるおもしろい作品だった。原作ストーリーが卓越しているのだから、よほど下手な腕前じゃない限り、おもしろい映画にはなるのかもしれないけど、たぶんそれが意外に難しいのだと思う。場面を読者が想像しな... [続きを読む]
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17「ゼロ時間の謎」(フランス)
富豪の老婦人カミーラの別荘〝カモメ荘〟で夏の休暇を過ごす甥のギョーム。新妻で再婚相手のキャロリーヌと前妻のオードを伴っていた。彼らのは他には、カミーラを世話するマリ、オードに思いを寄せるトマ、キャロリーヌの友人フレッドも〝カモメ荘〟に集まる。彼らの間にはただならぬ不穏な空気が渦巻いていた。
ある日の晩餐に高名な老弁護士トレヴォースが招かれ、かつて殺人を犯しながら罪を免れた子どもの話をする。翌朝、心臓発作で急逝する老弁護士。事態は益々悪化していき、緊...... [続きを読む]
受信: 2008年1月27日 (日) 00:53

コメント
こんばんは。
TB・コメントありがとうございます。
犯人探しに関する展開ですが、なかなか上手く持っていたなと実は思ってます。
クリスティーは読まないけど、さすがクリスティーだなと。
キャロリーヌはいかにも最初に殺されるんではないかというくらいの設定キャラでしたが。確かに何故ギョームは彼女と結婚したんですかね。80万円のラケット破壊されたら、私は発狂しますよ(苦笑)。
投稿 CINECHAN | 2008年1月27日 (日) 00:56
CINECHANさま
TB&コメントありがとうございます。
そうですね、なかなか上手くミステリーしてましたね。
その内、原作も読んでみたい気がします。
私も、イラつきながらもキャロリーヌが殺されるのかとハラハラしました(笑)。いや、意外とこういう悪玉が生き残るのかな。先が読めないところが、ミステリーの魅力の一つかもしれないですね。
投稿 隣の評論家 | 2008年1月27日 (日) 20:39