魍魎の匣
「魍魎の匣」
製作:2007年、日本 133分
監督、脚本:原田眞人 原作:京極夏彦 出演:堤真一、阿部寛、椎名桔平、宮迫博之、田中麗奈、黒木瞳、マギー、堀部圭亮、荒川良々、笹野高史、大森博史、大沢樹生、右近健一、寺島咲、谷村美月、清水美砂、篠原涼子、宮藤官九郎、柄本明
2008.1.2 レディース・デイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,300で妥当 / 評価:3.5★/5点満点★
「ハコの中には何がある?」
それは決してあけてはいけない匣<はこ>
あのハコには手を出さないほうがいい。
2008年の映画始め2本目は、前作とうって変わって感想をまとめにくい作品となりました。困ったなぁ、何をどう言葉にすればいいんだろ。えーと、まずはですね・・・。私は、原作を先に読んでいます。京極夏彦のベストセラー『姑獲鳥<うぶめ>の夏』に続く【京極堂シリーズ】の第二弾『魍魎の匣』<もうりょうのはこ>。更に続く『狂骨の夢』 『鉄鼠の檻』<てっそのおり> 『絡新婦の理』<じょろうぐものことわり> 『塗仏の宴』<ぬりぼとけのうたげ> までは読破いたしましたが、その先は未読です。コアな京極堂ファンとは言い難い、中途半端なファンです。それと、私は原作を先に読んでいて後から映画を見ると、乗り切れない場合がヒジョーに多いです。そんな自分をわかっている状態で鑑賞しました。幾分、中途半端なレビューになってしまうと思いますので。そこのところ大目に見てやっておくんなまし。
===(チラシよりストーリー紹介)===
戦後間もない東京、美少女連続殺人事件が世間を騒がせている。引退した元女優・陽子(黒木瞳)の娘も姿を消し、探偵・榎木津(阿部寛)は行方を追う。一方、作家・関口(椎名桔平)と記者・敦子(田中麗奈)は、不幸をハコに封じ込める教団の謎に迫る。さらに巨大なハコ型見物の謎を追う刑事・木場(宮迫博之)も登場、皆が事件に関わり、古書【京極堂】店主・中善寺(堤真一)の元へ集まってくる。3つの事件に関わるハコに隠された恐るべき謎を、果たして京極堂(=中善寺)は解き明かせるのか?!
原作を全く知らない人にとっては、上手く解釈できない作品かもしれないけれど。そもそも【京極堂シリーズ】は、どの作品を取っても実写映画化が難しい世界観だと思います。本屋で並んでいるものをチラ見して欲しいのですが。あの壮大なるストーリーを1本の映画にまとめるのも一苦労だと思うんですよ。それだけは最初に言っておきたいです。この作品が映画化されるまでに水面下ではどんな苦労があったのか、実際にこの目で見て知っている訳ではありません。でも、前作『姑獲鳥<うぶめ>の夏』を撮った実相寺昭雄監督は他界されたので。急遽、原田眞人監督がメガホンを取ることになったのかもしれないし。(よく知らずに書いてたらゴメンなさい)それなら、あの壮大なるストーリーを133分の映画にまとめるのは大変だったと思うんです。脚本もご自身で担当していらっしゃるし。まずは、お疲れ様でしたと言いたいです。
133分にしては、なかなかテンポ良い展開だったと思います。私が本作で一番惹かれたのは、美術かな。この時代の街並みとか、撮影所で揺らめく赤い布とか。教団の広い和室に、ポツンと奉ってある謎のハコ。謎解きに現われた中善寺が、そのハコに近づいてくるショットも何故かツボでした。ハコみたいな建物の中身よりも外観が妙にツボだったり。原作や前作と比べると、魍魎という難しい漢字からイメージする古風な和のテイストという感じは無かったけれど。そんなにダメでもありませんでした。
キャストのパフォーマンスも安心して見ていられました。ファンが多いと思うけど、私の一番のお気に入りは不思議な探偵・榎木津礼二郎。演じた阿部寛の怪演?もいつもの如く光っていたし。人の記憶が見えてしまうという榎さん。面長でクッキリ二重の阿部ちんが眉間にギュウッと皺を寄せる表情が、何が見えたんだろうとワクワクさせてくれます。堤さん&椎名さん&阿部ちんの3人は同い年だそうですね。アドリブなんだろうなと思わせる息のピッタリ合った会話が、とても楽しかったです。原作ではもっと印象的だった木場修(木場修太郎刑事)の出番が少な目だったのが残念。原作のイメージよりは小柄でスタイリッシュに思えるけど、宮迫博之がお笑いバラエティ番組とは違う顔を見せてくれるのが楽しくて。他には、木場修の同僚・青木刑事を演じた堀部圭亮が結構良かったです。全員については書けないので、私が一番印象的だった人を挙げます。失踪する陽子の娘・加奈子の親友・頼子を演じた谷村美月ちゃん!彼女の存在に引き寄せられたのは、『カナリア』を見た時だったけど。あの時の輝きは色褪せるどころか増してるじゃありませんかー。出番は僅かだけれど、とても印象に残りました。ちょいと壮絶な映像もあり、撮影は大変だったんじゃないかと想像してしまうけど。ひとまず、今後がとても楽しみな女優さんです。
最後に一つ付け加えさせて頂きたいのですが。本作の事件のキーとも言える謎の作家・久保竣公を演じた宮藤官九郎。何故、クドカン?・・・原作で抱いた久保のイメージは、謎めいて狡猾でダーティーで決して近寄りたくない人物でした。今までのイメージを払拭するかの如く、熱演しているクドカンでしたが。ユーモアに長けた温かい存在感は消えることがなく、一度お話をしてみたい親近感の湧く久保竣公でした。そこはちょいと残念に思いました。
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» 【2007-192】魍魎の匣(もうりょうのはこ) [ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!!]
人気ブログランキングの順位は?
匣の中の少女
匣だらけの
匣みたいな家
匣に取り憑かれていた
それは決して開けてはいけない匣
ハコの中には
何がある?
[続きを読む]
受信: 2008年1月 3日 (木) 20:46
» ●魍魎の匣 [コブタの視線]
正月ということで、初詣代わりに観てきたのがコチラの「魍魎の匣」、、。
京極夏彦さんの執筆されたコチラの原作、コブタもついつい引き込ま... [続きを読む]
受信: 2008年1月 4日 (金) 00:53
» 『魍魎の匣』 [ラムの大通り]
----これって京極夏彦の原作でしょ?
このシリーズ、『姑獲鳥の夏』も映画化されたよね。
監督が実相寺昭雄から原田真人か…。
まったく違うタイプの感じ。
「うん。ただ、主要キャストは関口役が
永瀬正敏から椎名桔平に交代した以外は、ほとんど同じ。
“京極堂”シリーズを、こういう感じで映画化していくとしたら、
これはこれで楽しいかもね」
----『姑獲鳥の夏』のときとは違って
原作は読んでいないんだよね?
あの長ゼリフについていけたの?
「それが、あんまり使われていないんだ。
中禅寺秋彦、京極堂が寺田衛... [続きを読む]
受信: 2008年1月 4日 (金) 18:44
» 「魍魎の匣」:豊洲駅前バス停付近の会話 [【映画がはねたら、都バスに乗って】]
{/hiyo_en2/}遠くのほうにぼんやりと浮かび上るあの建物は何かしら?
{/kaeru_en4/}うーん、魍魎の匣かな。
{/hiyo_en2/}そんな縁起の悪いこと、言わないでよ。「魍魎の匣」は映画だけでたくさんよ。
{/kaeru_en4/}でも、意外におもしろかったぜ、原田真人の「魍魎の匣」。
{/hiyo_en2/}まあ、人は好き好きだから、ああいう猟奇的な世界に魅力を感じる人もいるんだろうけどね。
{/kaeru_en4/}いや、そういう意味じゃなくて、観ている間中、いろんな映画を... [続きを読む]
受信: 2008年1月 6日 (日) 12:40
» 揺らぐ感想「魍魎の匣」ジャパンプレミア [あしのおみやげ帖]
よみうりホールにて、「魍魎の匣」ジャパンプレミア試写会に行ってきた。
初めてのジャパンプレミアについては後半に書くとして、「魍魎の匣」。
原作は京極夏彦。
10年ぐらい前、確か面白くて一気読みだった。
筋はうろ覚えだけれど、”箱にみっしり”、”四角い箱のような建物”、”箱の中の少女が「ほう」(怖いよぉ)”という怪しさだけは、頭にこびりついていた。... [続きを読む]
受信: 2008年1月 7日 (月) 19:32
» この結末を君は知ることができない [CINECHANの映画感想]
3「魍魎の匣 もうりょうのはこ」(日本)
戦後間もなくの東京。美少女連続殺人事件が世間を騒がしている。そして元・女優、陽子の娘が行方不明になり、探偵・榎木津が捜査を依頼される。一方、作家・関口と記者・敦子は、不幸を匣(はこ)に封じ込める謎の教団の陰謀を掴むべく調査していた。更に巨大なはこ型の建物の謎を追う刑事・木場。全ての事件は、複雑に絡まり、一つに繋がっていた。それぞれの謎を解くため、彼らは古書店・京極堂の店主、中尊寺のもとに集まった。... [続きを読む]
受信: 2008年1月14日 (月) 23:15

コメント
コメントありがとうございました~
この作品、とにかくキャスティングが最高でしたよね!
原作イメージとはかなりかけ離れているのですが、これはこれで新しい京極堂ワールドをつくっていて楽しめたと思います!全体てきに原作イメージよりもキャラがみんな濃くアクが強くなっていたように感んじるのですが、逆にキャラをしっかり立てたところが映画を観やすくしていましたよね!
久保竣公を演じた宮藤官九郎、私はつかみ所のない感じは面白かったかなとは思っていたのですが、こういう原作つきのものってどうしてもそれぞれの中の登場人物とのギャップに苦しむことになりますよね~
投稿 コブタです | 2008年1月 4日 (金) 01:26
こんにちは。
『魍魎の匣』、ラインナップに入れ忘れていました。
教えていただきありがとうございました。
この作品、匣が出てくるまではオモシロかったのですが、
あとはボイラー室で何やっているか分からない柄本明って感じでした。
投稿 えい | 2008年1月 4日 (金) 18:45
TB&コメントありがとうございます。
★コブタさま
そうですね、原作と比較してしまうと、イメージとは違いますけど。豪華なキャストは、とても楽しめますよね。確かに、アクが強いと言うか、キャラが際立ってました・・・。
クドカンは、好きなんですよ。
好きだからこそ、久保竣公にえぇぇーっとなってしまいました。私にとって、久保竣公って完全悪だから・・・。
原作を先に読んでいる場合、原作のイメージを忘れて鑑賞するのは難しいですよね。
★えいさま
>ボイラー室で何やっているか分からない柄本明
私から見てですけど、終盤の説明は畳み掛け過ぎて何だか乱暴にも見えてしまいました。
やっぱり、あれ程に壮大なスケールの小説を完全映画化するのは難しい気がしてなりませぬー。
投稿 隣の評論家 | 2008年1月 5日 (土) 21:24
こんばんは。
こちらもTB・コメントありがとうございます。
あの原作の厚さ! 見ただけで読む気が失せます(苦笑)。
それをよく一本の映画にまとめたとは思いますが、
やっぱり分かりづらかったかな。
キャラクター陣は良かっただけに、ちょっと残念な感じですが、個人的にはもっと憑き物というものを出して欲しいですね。続編があるなら。
投稿 CINECHAN | 2008年1月14日 (月) 23:18
CINECHANさま
TB&コメントありがとうございます。
読む気が失せちゃいますか(笑)
私も最初はそうでしたよ。
でも、読み出したらハマっていきました。
まだ未読のものもあるので、その内ジックリと読みたいところです。
本作は本作でまぁまぁなんですけども。
>憑き物というものを出して欲しいですね。
そうそう、足りなかったですよねー
続編はあるので、そこはどうなうかな
不安ではありますが、追い続けていきたいところです。
投稿 隣の評論家 | 2008年1月15日 (火) 21:01