テラビシアにかける橋
「テラビシアにかける橋」
<BRIDGE TO TERABITHIA>/製作:2007年、アメリカ 95分
監督:ガボア・クスポ 原作:キャサリン・パターソン 出演:ジョシュ・ハッチャーソン、アナ・ソフィア・ロブ、ロバート・パトリック、ズーイー・デシャネル、ベイリー・マディソン、ケイト・バトラー、デヴォン・ウッド、エマ・フェントン
2008.1.20 試写会¥0にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★
「この橋を渡れば、またきみに会える。」
空想の王国<テラビシア>で、僕たちはかけがえのない時間を過ごした
昨年末から今年にかけて、ファンタジー映画がたくさん登場していますね。あくまでも鑑賞前の印象ですが。3月に公開される『ライラの冒険 黄金の羅針盤』が最大級のバジェットで、あとは平均的に地味な雰囲気が漂っている気がします。本作にも、そんなに派手なイメージを抱いていませんでした。確かに決して派手なファンタジー映像ではなかったけれど、静かに心に染み入る部分もありました。
===(チラシよりストーリー紹介)===
いじめられっ子のジェシー(ジョシュ・ハッチャーソン)の通う学校に風変わりな転校生レスリー(アナ・ソフィア・ロブ)がやってきた。現実社会にうまく溶け込めない同士はすぐに親友になり、【テラビシア】という空想の秘密の国を創り上げる。彼らにとって家や学校には問題が山積みだが、【テラビシア】では王と王女となって国を取り仕切ることができるのだ。そんな2人に、ある日突然悲劇が降りかかる・・・。
原作は、児童文学界のノーベル賞と言われる国際アンデルセン賞など、数々の児童文学賞を受賞しているそうです。そんなことも知らず、初めて触れる作品でした。ファンタジーということで、CG映像も登場するし。主人公がいじめられっ子という設定もあります。おまけに、ある悲劇的な展開が待っているのですが。全体的に穏やかで心温まる作品だったと思います。ファンタジー作品というと尺が長そうなイメージも湧きますが、本作は95分にギュッと凝縮されています。無駄に引っ張らないのも好感が持てました。
私が本作に惹かれたのは、ファンタジー描写よりも子供達が少しずつ大人になっていく様子を丁寧に描いているように感じられたところです。ジェシーは、2人の姉と2人の妹がいる5人兄妹の真ん中です。決して裕福ではなく、両親も忙しそうです。お姉ちゃんのお下がりのスニーカーのピンクの紐を黒く塗りつぶしたり、誕生日プレゼントが不良品でも大喜びして見せたり。普段から自然と我慢を強いられているジェシーは、クラスメイトの嫌がらせも無視していました。嫌がらせ返しをするのではなく、学校の徒競走に勝つことでいじめっ子を負かそうとするのです。いじめっ子達がガキっぽいので、何だか大人びて見えました。レスリーの両親は共に作家だったようです。一人っ子で幾分裕福だったようですが、学校で変わり者扱いを受けます。意気投合した2人の最初の会話で、レスリーの粋なセリフがありました。「いじめられるのも楽しまなくちゃ」というもの。何事も捉え方次第という部分はありますが、子供の頃からそんな風に考えられるものではないと思ってしまって。レスリーは独創性に満ち溢れていたようですが、そのオリジナリティで前向きに進んでいくところが立派だと思いました。ジェシーとレスリーは、架空の王国【テラビシア】への侵略者をいじめっ子に見立てて走り回っていました。2人だけの軽やかなストレス発散です。
学校には、やたらと威張っている上級生の女の子がいました。体格もいいので、圧倒的な存在感です。スクールバスでは後部席を陣取り、ジェシーに「ランチを恵んでやる」とパンを投げつけたり。おまけに、学校の公衆トイレの前を陣取り、下級生が入ろうとすると「1ドルよこしな」と通せんぼ。ブサイク度が増すから止めなさい!と心で怒っていたら、この少女にも淋しい一面があることがわかってきます。家庭内暴力に悩み、ふとした誤解から学校で女帝の座を引きずりおろされてしまうのです。トイレで彼女が泣きじゃくっていると知り、ジェシーはレスリーに慰めに行くように促します。今まで【テラビシア】を襲う巨人としてこの上級生をイメージしていた2人ですが。この何気ない思いやりの後、巨人は王国を守る存在へと変わっていくのでした。【テラビシア】という空想の世界に浸りながらも、少しずつ成長していく2人という感じが温かかったです。
私が見たのは公開前ですし、最後の展開については書かずにおこうと思います。ラストの切ない展開があり、ジェシーの心はグチャグチャに掻き乱されます。いつもはどちらかと言うと厳しいジェシーのお父さんが、ジェシーをギュッと抱きしめる場面には思わず涙が零れてしまいました。ジェシーの葛藤を理解して受けとめる父。父と娘には無い、男同士の絆という感じがしました。最後に、ジェシーの妹がおしゃまで可愛かったです。どこかで見たことがあるような気がするのですが、チラシや公式HPでは調べられませんでした。『ナルニア』の4兄妹の末っ子とは違うのかしら・・・。
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コメント
となひょうさん こんにちは!
コチラ本当に素敵な物語ですよね!
凄い悲しい物語なのですが、癒されて心がなんとも暖かい気持ちになれる作品でした!
かなり泣いてしまったのですが、最後は幸せな涙をながせたように感じました。
終わって涙で崩れた化粧を直そうと化粧室にいったら、すでに先に劇場を出ていたと思われる人たちが鏡を占拠してて化粧を一生懸命なおしていました。
メイベル役の子供 私も思ったのですがネットで調べたら違ったみたいですね~!
ジャニス役の子をギャフンという目にあわせた後の嬉しそうな顔とか、ちょっとした表情が絶妙で、その素晴らしい演技がジェスとレスリー二人の物語を見事に盛り上げていましたよね!
投稿: コブタです | 2008年1月31日 (木) 18:19
こんにちは。TB送ってみたけど、つくかしら。
この作品、私は原作を読んでいたのですが、原作よりイメージが鮮明で感動しました。
>『ナルニア』の4兄妹の末っ子とは違うのかしら・・・。
Bailee Madisonちゃん、鼻が小さくて可愛かったですね!確かにちょっとルーシー役の子に似てましたよね。
以前はLonely Hearts とかにでていて、この映画後、いろんな映画に出ているみたい。
楽しみですよね♪
投稿: jester | 2008年1月31日 (木) 19:36
訪問ありがとうございます。
TBの不具合、申し訳ありません・・・
★コブタさま
おおお、お手洗いは化粧直ししている人で溢れていましたか。私も泣きましたけど、何と言うか清々しい涙だった感じです。悲しいけれど、素敵な終わり方だったような気がします。
おおお、メイベル役の子の情報ありがとうございます。
そうか、違うんですね。何かどこかで見たことがあるような気がしてしまって・・・。
>ジャニス役の子をギャフンという目にあわせた後の嬉しそうな顔
この場面の上手さは、ビックリしてしまいましたよ。
今後、グーッと活躍してくれるんですかね。
★jesterさま
>原作よりイメージが鮮明
そうなんですねー。原作を先に読んでいるとツッコミを入れることが多くなりがちですから、それはそれは何よりでしたわ。
>Bailee Madisonちゃん、鼻が小さくて可愛かったですね!
可愛いし、上手いしで。これからが楽しみとか思ったら、やっぱり活躍してるんですね。楽しみだ~
投稿: 隣の評論家 | 2008年2月 1日 (金) 22:50
こんばんは。
泣ける映画が一番とは言いませんが、
この映画は
あとからあとから涙が流れてくる…
そんな映画でした。
抱きしめたいくらい好きです。
投稿: えい | 2008年2月 3日 (日) 19:54
えいさま
TB&コメントありがとうございます。
この作品の予告編は、ネタばれしていてプンプンでしたけど。わかっていても泣いてしまいましたね。
素敵だし、愛おしいし。
ファンタジー映画として構えると物足りなく感じてしまう人もいるかもしれないけれど、温かくて素敵な作品でしたね。
投稿: 隣の評論家 | 2008年2月 3日 (日) 21:25
えいさま
TB&コメントありがとうございました。
この作品の予告編はネタバレしてましたけど。
わかっていても泣けてしまいましたよね。
ファンタジー度を期待すると物足りなく感じる人がいるかもしれないけれど、本当に温かくて素敵な作品でした。
投稿: 隣の評論家 | 2008年2月 3日 (日) 21:28
こんばんは。チラシの文「そんな2人に、ある日突然悲劇が降りかかる・・・。」
ここまで書くなっつーの、と思いました(^^;) 予告編はもっとひどかったみたいですが・・・
やっぱり「泣けるかわいそうな話」とした方が映画会社としては売りやすいんでしょうかね。でも決して単なる「かわいそうな」だけの話ではないと思います
となひょうさんはジェスの親父が「なんであんなにえこひいきするんだろう?」とは思いませんでした? ウチも実は似たような環境だったんですが、『ロード・オブ・パーディション』の「お前はおれに似てたんで扱いづらかった」というセリフを聞いた時、「ああ!」となんか合点がいったのでした(笑)
投稿: SGA屋伍一 | 2008年2月 4日 (月) 21:58
SGA屋伍一さま
TB&コメントありがとうございます。
そーなんですよ。
チラシも予告編も、ネタばれしすぎじゃ、こりゃーっ
って感じでした。
でも、先は読めても、グーッと心掴まれた作品でもありました。知っても泣けちゃいました・・・
ジェスのお父さん。
ジェスには冷たいようにも見えたけど、最後にギューッと抱きしめる場面では涙が込み上げてきちゃいましたよ。
4人兄妹の中で男1人だと、むむむーっとくることもあるんでしょうね。
SGA屋さんが挙げている『ロード・トゥ・パーディション』(トム・ハンクスが殺し屋に扮した作品ですよね?)のセリフも、父と息子の男同士ならではって感じがします。
ちょっと憧れます。
投稿: 隣の評論家 | 2008年2月 4日 (月) 23:22
こんにちは。
TB、コメントありがとうございます。
こういう空想の国ってよく子供の頃考えますよね。
レスリーの両親が作家というのも、レスリーに影響を与えていたのかも。
ファンタジー系ではありましたが、ちょっと最後は悲しすぎる感じがしました。
最後にはジェスが強くなっているのがわかりましたね。
投稿: CINECHAN | 2008年2月10日 (日) 15:09
CINECHANさま
TB&コメントありがとうございます。
レスリーは、両親の影響とDNAの強さでクリエイティブだったんでしょうね。
確かに、ファンタジー色は薄かった気がしますね。
でも、これはファンタジーではなくて感動のドラマなのかもしれないですね。
仰るように、ジェスの成長物語って感じでした。
悲しすぎるラストでしたが、どこが心洗われるような気がいたしましたー
投稿: 隣の評論家 | 2008年2月11日 (月) 09:43