L change the WorLd
「L change the WorLd」
製作:2008年、日本 128分
監督:中田秀夫 出演:松山ケンイチ、工藤夕貴、福田麻由子、南原清隆、平泉成、福田響志、正名僕蔵、金井勇太、佐藤めぐみ、石橋蓮司、藤村俊二、鶴見辰吾、高嶋政伸
2008.2.13 レディース・デイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★
「L、最後の23日間。」
Lに何が起こるのか、そして何が変わるのか。
L本人にさえ予測できない展開が待ち受ける激動の23日間。
注意:『デスノート』すら見ていない方は、まだ読まない方がいいかもしれません。
話題作『デスノート』から、Lを主役に据えたスピンオフ・ムービー解禁。まずは『デスノート』<全編>→<後編>→本作と、順番に見ることをおススメします。もう1つは、本編が終了してエンディグに変わっても、最後まで席を立たずに見届けるようにしてください。アッと驚く内容でもないけれど、エンディングの後にも映像があります。そこまで見届けて、静かに余韻に浸ることをおススメします。![]()
デスノートを巧みに操り世間を脅かした【キラ】こと夜神月(藤原竜也)との熾烈な闘いが最終局面を迎えようとしていた。究極の選択をしたL(松山ケンイチ)に残された時間は、あと23日間。その頃、タイの小さな村で謎のウィルスが猛威を奮っていた。モニター越しにあらゆる事件を追っていたLの元にも、その事件は忍び寄る。ワタリ(藤村俊二)亡き後、たった一人で事件に立ち向かわなければならないL。頭脳明晰でも人と触れ合うのが苦手な彼が、事件の鍵となる少女・真希(福田麻由子)とタイの村の生き残りの少年(福田響志)と行動を共にし守らなければいけなくなり・・・。
今回メガホンを取るのは、『リング』で貞子を映像化した中田秀夫監督です。ウィルスに侵された人間の姿は、ちょっとゾンビみたいでした。
こういったホラーの要素や、Lが事件を解明していくミステリーの要素よりも。地味に散りばめられたコミカルな要素こそが、本作の最大の吸引力だったような気がします。
爆笑の渦は起こらなかったけど、私にはユーモラスで愛らしかったお気に入りのシーンが幾つもありました。
見たことがないくらいに超《甘党》のL。ドーナツ、マシュマロ、バームクーヘンといった甘いお菓子を串刺しにして食べていました。《スイーツおでん》の出来上がりです。
スイーツ・バイキングみたいで面白かったです。更なる「甘党ネタ」としては、Lの緊急避難用の車には「Angel Crape」 というロゴが入っていました。クレープ屋さんを装ったピンク色のバンです。ワタリ亡き後、Lの元にFBIの駿河(南原清隆)が現われますが。共に逃亡中、囮として長々と1人で運転させられていました。
(しかも、途中でクレープを焼いて食べてた)「苦手分野」なのに、2人の子供を守らなければならなくなったL。えーん
と泣き出した2人を見て硬直していたり。逃走途中に休んでいる時、並んで座っていた真希がLの肩に寄りかかってきます。
鳩が豆鉄砲を食らったようなLの顔ったら!
リアクションは決して大きくないのですが、モニター越しではあり得ないコミュニケーションに戸惑うLの姿が印象的でした。甘党で猫背のLに、「直した方がいいよ」と突っ込みをいれる真希。Lなりの愛敬なのか、ポキポキという音と共にゆっくりと姿勢を伸ばす場面も面白かったです。2人の子供を連れて、ウィルス学の研究者・松戸(平泉成)を探すL。電車で移動をしている時に、小さな子供みたいに座席に上ってつり革を弄ぶ姿も可笑しいけど。
ウィルスを操作しようとする女性研究員・九條(工藤夕貴)の差し金で、真希がウィルスに感染した危険な少女だと報道されてしまいます。電車内ではパニックが起こり、Lの頭脳が瞬時に反応します。「もう公共の乗り物は使えませんね」と冷静に口走った後にLが取った行動。揺らめく陽炎の中から、自転車に乗った3人が登場します。
しかも、Lはママチャリの大きな籠に少年を乗せていました。
対面した松戸とのやり取りも好きでした。昔ながらの頑固親父といった雰囲気の松戸が、事情を知ってLを叱責します。「何考えてんだ、この馬鹿!」とバシバシLを叩く松戸、しかしLは至ってマイペース。とにかく、Lの一挙手一投足が気になる作品でした。猫背という姿勢だけではなく、ソファーに素足でひょいと飛び乗ったり。
物を持つ時は、常につまむだけのL。
親指と人差し指にしか力を加えない生活習慣ってどうなのよ?
話し方もひじょうに特徴的です。殆ど感情を表に出さない上に、句読点とは関係ない箇所で区切って話すL。これは、松山ケンイチなりの解釈と表現なのかな。私には、強烈な印象を残しました。![]()
本作を語るには、とにかく松山ケンイチなのですが。脇を固めた俳優陣も印象的でした。全員について書くにはスペースが足りないので、絞り込んで。真希を演じた福田麻由子ちゃん。
満面の笑顔も愛らしいけど、それより孤独に耐えられない淋しそうな表情が忘れがたいです。特に、九條への眼差しの変化を見事に演じ分けていたと思います。最初は、九條を母親のように慕っていましたが。目の前で父を殺され裏切られてしまう。人間の汚い部分を見せつけられるには、まだ若すぎますよ。
以降、「九條」と聞いただけで憎悪と殺意
を顕わにする強烈な視線には鳥肌が立ちました。もう1人、どうしても挙げたいのがワタリ。結局、Lが所属する組織について詳細はわからず仕舞いでしたが。Lがどれ程ワタリに信頼を寄せて心を開いていたのか痛切に伝わってきました。冒頭、「お前がいるだけで幸せだ」とワタリに語りかけていました。感情が込められているようには見えなくても、あれは100%Lの本心なんだと思いました。ワタリの死体を見つめるLの姿も印象的です。実は、九條は【K】としてLのように行動していたようです。Lは九條を信頼していないようでしたが、ワタリはKに一目置いていたそうです。
自分の感情よりもワタリの思いを尊重しようとしたLの言動に、ちょっと感動してしまいました。
ワタリはLに忠実でしたが、Lもまたワタリを大切に思っていたに違いありません。そんな2人の絆が、とても素敵に映りました。
ワタリのようなキャラクターは重要だと思います。『ちびまるこちゃん』の花輪君の執事ひでじいや、『バットマン』ことブルース・ウェインの忠実なる執事アルフレッドの如く。主人公を陰でシッカリと支えて見守る眼差しが素敵です。![]()
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コメント
トラバどうもでした。

Lを楽しまれたようですね
ストーリーがイマイチで乗れなかったですが、松ケンは相変わらず面白かったです、福田麻由子ちゃんも成る程上手かったですし、ワタリが「アルフレッド」というのは同感です。
上手い事言うなぁ~
しかも早速ココログの絵文字を駆使してますね。
投稿: くまんちゅう | 2008年2月17日 (日) 12:59
くまんちゅうさま

TB&コメントありがとうございます。
何だか賛否両論と分かれているみたいですねー
私も、何でナンチャン?って、ちょっと思いましたけどねぇぇぇ
福田麻由子ちゃんは、上手かったですね。
>ワタリが「アルフレッド」というのは同感です。
上手い事言うなぁ~
あっ、ココに反応して頂いてありがとうございます。
嬉しいです。
おひょいさんって、紳士な雰囲気ですもんね。
投稿: 隣の評論家 | 2008年2月17日 (日) 21:04
となひょうさんはこの映画のために未見だった『デスノート』をごらんになったんでしたっけ? そちらの方は楽しめましたか?
自分は前からL派だったんですが、どうして彼にひかれるのか最近わかりました。彼、なんとなく猫に似てるんですよ。猫背だし(笑)
福田麻由子ちゃんは少女の持つ純真な面と激しい面を上手に演じ分けてましたね。金子監督が女性を愛らしくとるのに対し、中田監督の撮る女性はやっぱりどっかおっかないですね(笑)。きれいではあるんだけど
投稿: SGA屋伍一 | 2008年2月19日 (火) 21:38
SGA屋伍一さま




TB&コメントありがとうございます。
お返事がこんなに遅くなってしまってゴメンなさい。
『デスノート』は前半はそれ程でもなかったのですが、後半は楽しめました。正直、終盤の早く細かい展開はキッチリと追えてませんでしたけどね。
Lは色んな部分で猫っぽいですね。
人懐っこくないところが犬とは大違いで。
でも、人懐っこい猫もいますね。ニャンコ先生はそうでもない感じでしょうか。こんなこと書いてて、ニャンコ先生はご立腹かもしれないですけど(スンマセン)
福田麻由子ちゃんは、これからも映画出演が目白押しみいで楽しみです。
投稿: 隣の評論家 | 2008年2月22日 (金) 18:46
となひょうさん、こんにちは。
おおお~L、L、L
Lの魅力満載の記事ですね。
私はどっちかと言えば、
福田麻由子の方が気になって仕方なかったです。
彼女にそろそろ主演を張ってもらいたいかな、
なんて思ってます。
投稿: CINECHAN | 2008年2月23日 (土) 12:53
CINECHANさま
TB&コメントありがとうございます。
>福田麻由子の方が気になって仕方なかったです。
CINECHANがこんな風に仰るのって、余り見かけない気がします。

でも、福田麻由子ちゃん良かったですよね。
これからも出演作が目白押しみたいなので。
アッと言う間に、日本映画を引っ張る女優の仲間入りをしそうな気がします。
投稿: 隣の評論家 | 2008年2月24日 (日) 19:06