君のためなら千回でも
「君のためなら千回でも」
<The Kite Runner>/製作:2007年、アメリカ 129分
監督:マーク・フォースター 出演:ハリド・アブダラ、ゼキリア・イブラヒミ、アフムド・ハーン・マフムードザダ、ホマユーン・エルシャディ、ショーン・トーブ、アトッサ・レオーニ、アリ・ダネシュ・バクティアリ
2008.2.16 劇場前売り鑑賞券¥1,500にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★
「この誓いは今、君に届くだろうか。」
人はなぜ、大切なものが見えなくなるのか?
人はなぜ、時が経たないとそのことに気づかないのか?
失ってからしか、その重みは量ることが出来ない。
今だからこそ、君に伝えたいことがある。
===(チラシよりストーリー紹介)===
まだ平和だったアフガニスタン。少年時代のアミール(ゼキリア・イブラヒミ)とハッサン(アフムド・ハーン・マフムードザダ)は強い絆で結ばれていた。アミール12歳の冬。恒例の凧揚げ合戦で優勝したアミールは、凧を追っていた途中、ハッサンが街の不良から暴行を受けているのを見てしまう。だが、勇気がなく助ける事ができなかった。以来、気まずさを感じ、アミールはハッサンを遠ざけるようになる。時を同じくしてソ連軍が侵攻、アミールは後悔の念を抱いたままアメリカへ亡命し、二人が再び会うことはなかった。20年の歳月が流れ、平穏に暮らすアミール(ハリド・アブダラ)の元にアフガニスタンの恩人から一本の電話が入る。「まだ、やり直す道はある」アミールは、意を決してタリバン独裁政権下の故郷へと向かう。あの時のハッサンの言葉に応えるため、そして今、君への誓いを伝えるために。しかし、そこに待ち受けていたのは、思いもかけない衝撃の真実だった・・・。
チラシを何気なく読んで、予告編を見かけたことがあるくらいで。余り予備知識を入れずに観に行きました。〈アメリカ映画〉という括りだったし、ひたすら感動できる作品なのかと思い込んでいました。実際には、アフガニスタンでの場面が多く、〈社会派〉の色合いが濃かったような気もしました。
しかも、よく考えてみると【タリバン政権】という言葉だけは耳慣れているけれど、きちんと理解できていなかった節がありまして。
タリバン政権下の閉塞的な世界に、緊迫の余り背筋がゾッとなった描写もありました。
この作品は、アミール青年の【贖罪の物語】だとは思いますが。私にとっては、アミール青年よりもアミールの父親(ホマユーン・エルシャディ)の方が印象的だったりしました。
アミールは裕福な家庭に育ちます。ハッサンは、召使の息子です。アミールとハッサンは、仲の良い少年時代を過ごしています。ハッサンの凧揚げの腕前はかなりのもので、アミールの凧をアミールの為に揚げていました。
ある事件から2人の中に亀裂が入ります。
ハッサンが、街の不良に「殴る蹴る」だけではなく性的暴行も受けてしまうのです。
ハッサンを探しに行ったアミールは、その現場を目撃してしまいます。自ら止めに入るどころか、助けを呼びに行くことも出来ずに、途中で逃げ出してしまいます。その日以来、アミールはハッサンと今まで通りに接することができなくなってしまいます。それどころか、ハッサンを遠ざける為に自分の腕時計
をわざとハッサンの部屋に隠して、ハッサンを泥棒扱いさせます。直視することすらできなくなってしまったハッサンを、家から追い出そうとしたのです。卑怯な行為かもしれないけれど、アミールは怖くて仕方なかったのかもしれません。しかし、その後の展開は更にアミールの心に深く刻まれたことでしょう。アミールの父に罪を問われたハッサンは、やってもいないことを自分がやったと認めてしまいます。そして、父はハッサンを許すと言うのです。許すから、この家から出て行かなくても良いと。「何故、ハッサンは嘘をついたのか?」 「何故、父はハッサンを守ろうとしたのか?」 自分の取った卑怯な行動が、予想もしなかった展開を招きました。アミール少年の心は、大きく揺らいだと思います。一生忘れる事のできない出来事となってしまったのではないかしら。
そして、アミール少年の心に大きく焼きついたであろう出来事がもう1つありました。ソ連軍が侵攻した事により、アフガニスタンの平和は揺らいでいきます。父は、アミールを連れて亡命する決意をします。亡命者を隠密に乗せたトラックが、1人のソ連兵に見つかってしまいます。「奥の女性と相手をさせてくれたら通してやる」と、銃を向ける兵士。誰もが恐怖で固まってしまう中、アミールの父が立ち上がります。そんなことは許さないと、命よりも正義を貫こうとします。正義感が強く、勇気溢れる凛々しい父の姿。
映画を鑑賞しているだけの私にも、強烈な印象を残したのですから。アミール少年には、そんな父の姿が衝撃的に映ったのではないかしら。
やがて、亡命に成功してアメリカで暮らす2人がいました。アミール青年は、大学を卒業しました。そして、ソラヤ(アトッサ・レオーニ)という女性と運命的な出逢いをします。
ソラヤにプロポーズすると決断した辺りから、アミールが少しずつ変わっていくように見えましたが。大なり小なり、父の影響があったのではないかと想像します。それが小さいものであっても、勇気を持って一歩ずつ踏み出していくアミール。
少年時代の衝撃的な思い出が、少しずつ彼を変えていったのは理解できるのですが。ハッサンもまたアミールのことを大切に思い続けていたというのは、正直なところ少し意外に感じてしまう私がいました。ハッサンがアミールに向かって「君のためなら千回でも」 と言う素敵な言葉が、余り印象に残らなかったのかもしれないです。(バカ、バカ私のバカ![]()
)ハッサンの死を知らされて、危険度
が高まる一方のアフガニスタンへ再び向かうアミール。そして知らされる、衝撃の事実。
過剰な演出はなかったけれど、アミールは少しずつ逞しく生まれ変わっていったのだと信じたいです。
これは余談になりますが。情勢は不安定であっても、アフガニスタンの抜けるような青い空![]()
と美しい山並み
は深く心に刻まれました。こんなに素晴らしい自然の中で、凧揚げをしている子供達の元気な姿が眩しく映りました。![]()
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コメント
>アミールは少しずつ逞しく生まれ変わっていったのだと信じたいです
絶対逞しくなってますよ!!
最後、タヘリ将軍にソーラブのことについてきっぱり言い切ってたのが
その表れやと思います
僕なんかはあの場面に泣きました…
あとお父さんもカッコよかったですね~
気位が高いというか
投稿: doBlog! | 2008年2月29日 (金) 22:58
こんばんは☆なーんか絵文字がたくさんの記事だわー。
なんとなーく、となひょうさんって人のイメージが変わりました。わはは
少年時代の描写は好きです♪
凧を追っかけるところとか好きでした。
アミールのパパもいいキャラクターではありましたね。
本当はもっとアメリカでは苦労したらしい?ですが;
原作を読んでみたくなりました。
投稿: シャーロット | 2008年2月29日 (金) 23:14
TB&コメントありがとうございます。
★doBlog!さま
>最後、タヘリ将軍にソーラブのことについてきっぱり言い切ってたのが
その表れやと思います
あの場面も印象的でしたね~
アミールって激情型とは違うし、どちらかと言うと内向的な印象を受けたので。あれは、大きな変化だと思いました。
お父さんの凛々しさ、素敵でしたね。
doBlog!さんも書いてたけど、病気なのに息子の結婚の為にピシッと着替えて出かける場面も好きでした。
★シャーロットさま
ひゃあぁぁぁ、TB貼り逃げしてきちゃいました。
コメントありがとうございます。
そうそう、ココログでも2月から絵文字を入れられるようになったんですよ。
私、gooの躍動的な絵文字が大好きなんですけど。
ココログの絵文字も結構面白いです。
>なんとなーく、となひょうさんって人のイメージが変わりました。わはは
へへっ、文章が雄々しいから絵文字のイメージないすかね。
なので、知っていても「わかりません」と答えて逃げてしまうこともしょっちゅうなんです。
gooの方へコメントする時は特に、絵文字だらけでっす。
見た目も「お人好し」フェイスらしく、通りすがりの人にもよく道を聞かれます。実は方向オンチなので、道の説明とか苦手なんですよね
話が映画から逸れまくってしまいましたが。
少年時代のパートは印象的でしたね。
最近の子供って、凧揚げとかするのかしら~。
投稿: 隣の評論家 | 2008年3月 1日 (土) 20:20
こんにちは~
コチラ私も観てきました
私は逆にタリバンが出てくるということで社会派を危惧していったら、人間ドラマだったのでホッとしてみることができました。
今の時代だけに中東の様子を社会がどうだというのではなく、そこで暮らす人間を描いているところが嬉しかったです
この映画ね、、私もとなひょうさんのようにね、アミールとハッサンの友情よち、お父さんの格好よさに痺れていました!ああいう渋いオヤジに最近弱いコブタです、、
(*ーωー*)
投稿: コブタです | 2008年3月 3日 (月) 19:23
コブタさま
訪問ありがとうございます。
そうですね、この作品はやっぱりアミールのお父さんですよね。
凛々しくて、とても印象的でした。
>ああいう渋いオヤジに最近弱いコブタです、、
(*ーωー*)
おおおおお~っ、コブタさんも「オヤジ好き」の仲間入り~




私も渋いオジサマは大好きです。
オジサマというか、おじい様だったりするケースが増えてきましたが。自分も年をとっているので仕方ありません。
またオヤジ話をしたくなったら、いつでもお好きなようにコメントしにきてくださいね(笑)
投稿: 隣の評論家 | 2008年3月 4日 (火) 21:12
アミールのヘタレっぷりには、まったくイライラしました。あの立派なオヤジの優秀な血は、ハッサンにもっていかれてしまったのでしょう。
まさに愚兄賢弟という奴です。
最後に、オヤジの血が目覚めて覚醒したんでしょうが、すこし唐突かなーと。
投稿: バラサ☆バラサ | 2008年3月13日 (木) 17:41
バラサ☆バラサさま
TB&コメントありがとうございます。
お父さんが印象的でしたね。
アミールは、余りお父さんに似てなかったですよね。
その分、堂々とした父の態度は、強烈に映ったかもしれないですね。
投稿: 隣の評論家 | 2008年3月13日 (木) 23:07