バンテージ・ポイント
「バンテージ・ポイント」
<VANTAGE POINT>/製作:2008年、アメリカ 90分
監督:ピート・トラヴィス 出演:デニス・クエイド、マシュー・フォックス、フォレスト・ウィテカー、エドガー・ラミレス、アイェレット・ゾラー、エドゥアルド・ノリエガ、サイード・ダグマウイ、シガーニー・ウィーヴァー、ウィリアム・ハート
2008.3.20 MOVIX10周年ありがとうキャンペーン¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点
「目を凝らせ――。」
演説中の大統領を撃ち抜いた1発の銃弾。
目撃者は8人。8つの異なる視点から、見たものは食い違う。
真実はいったい何なのか――?!
スペインのサラマンカが舞台。テロ撲滅の国際サミットに出席したアメリカのアシュトン大統領(ウィリアム・ハート)が壇上に上がったその時。1発の銃弾が大統領を襲った。続いて、仕掛けられた爆弾が会場に惨劇をもたらした。この場にいた異なる人物が辿った瞬間を紡ぎながら、事件の真相が明らかにされていく。
「1つの真実を8つの視点から描いていく」といった具合に、やたらと8という数字を強調している宣伝なんだけれども。ぶっちゃけ、目撃者となる登場人物は8人以上いるように思えちゃった。『七人のマッハ』というタイ映画を見た時も、《マッハ》が7人以上いる気がしたんだよねぇ。
思うんだけど、全米公開時には特に8という数字にこだわっていなかったのでは
8という数字に力を入れているのは、日本独自の宣伝方法だったりしないの
まぁ、それは別にいいですわ。
本作を見て思い出すのは、日本の巨匠・黒澤明監督の『羅生門』という作品です。(原作は芥川龍之介『藪の中』)各キャラクターによって視点が違うというのは『羅生門スタイル』と呼んだりしてるんでしたっけ。欧米の映画人の間では、黒澤さんがいかにお手本と崇められているのかを垣間見た気がしました。
この「羅生門スタイル」は、決して目新しいものではないと思いますが。個人的には、新しければそれでいいということもないと思います。本作も、8人ではない気がしても期待していた以上に楽しめました。![]()
各キャラクターの証言をツラツラと書いてしまうとネタバレになるので、それだけは止めておきます。この作品は、特に予備知識を入れずにいきなり見る方が楽しめるかもしれないです。シークレット・サービスのトーマス・バーンズ(デニス・クエイド)とケント・テイラー(マシュー・フォックス)、偶然居合わせたアメリカ人旅行者ハワード(フォレスト・ウィテカー)、大統領のスピーチをテレビで中継しようとしていた敏腕プロデューサー(シガーニー・ウィーヴァー)等。アメリカ人のキャラクターも、どちらかと言うと地味な俳優さんが演じています。
私は、こういった地味で達者な俳優さんが競演する作品は好きです。
テレビのプロデューサーから始まり、それぞれのキャラクターが事件が起こるまでに辿った場面を描きます。描き終わると、その映像が高速逆回転をして、次のキャラクター目線に突入していくというスタイルです。この演出は、面白いですね。
しつこく感じる人もいるのかな?私は、いちいち復習ができて楽しかったです。
でも、この手法はアメリカ人のキャラクターのみでした。
後半に語られるアメリカ人以外のキャラクターの部分は、どんどん真相に踏み込んでいくけれど逆回転はなし。その替わりと言っては何だけど、激しいアクション・シーンが展開していきます。
銃撃戦は勿論のこと、猛スピードで駆け抜けるカー・チェイスもあって。
アメリカの大統領がテロ撲滅サミットに出席するだなんて、一見、社会派タッチかと思いきや。これは、ハリウッド発のエンタテインメント作品ですね。春休みに何かハリウッド大作を1本見るのなら、『ジャンパー』よりも本作をおススメしたいと思います。![]()
さて、真相については触れずにおきますが。私が気に入ったキャラクターについては、書いていこうと思います。テレビのプロデューサーを演じたシガーニー・ウィーヴァーは、恐らくスッピンで演じていると思います。仕事の鬼である敏腕っぷりを表現しようと思ったのかな。
私は、仕事より家庭に生きる女を目指しているとは言え。シガーニーは、好きな女優さんの一人なので。とてもカッコ良く見えました。出番は少なくて淋しかったのですが、現場にいないとは言えモニターに映し出された驚愕の映像に驚いた表情には迫力がありました。嫌な興奮を抑えて、冷静に仕事をこなす姿も素敵でした。偶然の旅行者ハワードを演じたフォレスト・ウィテカーは、『ラストキング・オブ・スコットランド』のアミン大統領とは別人で。本来の「鶴瓶さんに似ている」と言われる穏やかな存在感を発揮していました。
意外と活躍を見せてくれますし。サラマンカの建物といった美しい風景のみならず、世界から集まったと思われる人々の姿までビデオに録画しています。
どんな小さな事でも全て感激するという構えは、海外旅行では必要不可欠だと思います。
地味なようでも温かくて心の広い男性に見えました。そして、一番印象的だったのはアシュトン大統領を演じたウィリアム・ハートです。物腰が柔らかくて、紳士的な態度だけではない魅力を感じました。
真実を見抜く聡明さを持っているように見えたんですよ。大統領の参謀達は、100%味方という訳でもないという気がしました。
テロ撲滅には、軍の力を奮えばいいという意味合いで "Act strong." と詰め寄る参謀に、 "Be strong." 武器で力を誇示するのではなく心を強くしなければという風に答える場面が素敵すぎてメロメロになりました。![]()
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コメント
おやようございます
日本で8という数字にこだわってるのは縁起担いでるでしょうかね?
「八」って「末広がりで縁起がいい」とかよく言われますから。映画の内容はとても「縁起がいい」とはいえないものでしたが・・・
『羅生門』はまだ見たことないですが、いろんな人物の視点から意外な事実を明らかにしていく、というスタイルは去年の『キサラギ』とも少し似てるな、と思いました
大統領役の人は○○○を容認してるところはいただけませんでしたが、「報復はしない」ときっぱり言ってるところはかっこよかったですね。現実の大統領もこうあってほしいものですが・・・
投稿: SGA屋伍一 | 2008年3月21日 (金) 08:50
こんにちは。
ウィリアム・カット、どうしてるんでしょう?
(謎)
ご指摘、ありがとうございました。
すみやかに修正しました。
凡ミスが多いので、
これからもよろしくお願いします。
投稿: えい | 2008年3月21日 (金) 10:29
TB&コメントありがとうございました。
★SGA屋伍一さま
>「八」って「末広がりで縁起がいい」
本当にその理由で8にこだわったのかもしれないですね。

日本でどう宣伝するかが、原題からかけ離れていることってよくあるですし。
『羅生門』って随分前にビデオで見たんですけど。
そろそろ忘れてきちゃってるので、時間があったら再度ジックリと見たいところです。
そう言えば『キサラギ』も羅生門スタイルでしたわー
大統領の○○○
実際に世界では行われているのかもですねー
やっぱり、大統領という存在は重いっ
★えいさま
ウィリアム・カットというと、通常は『ビッグ・ウェンズデー』なんかを挙げるのでしょうが。
私は、『ゴブリン』っていうB級ホラー(?ファンタジー?)作品を思い出します。
あっ、でもやっぱりカットさんのお顔が思い浮かびませんわ
投稿: 隣の評論家 | 2008年3月21日 (金) 20:22
となひょうさん、こんにちは。
なかなか面白い娯楽作品でした。
一応8人ぐらいの登場でしたけど、
巻き戻しは8回もなかったですよね。
ちょっと巻き戻しが何度も来ると
まどろっこしさを感じなくもなかったけど、
その度少しづつ明らかにされることもあり、
飽きずに観ることができました。
投稿: CINECHAN | 2008年3月22日 (土) 13:18
こんにちは~~
この映画は期待してなかった分、得した感じでした。
3回ぐらいのまき戻しで、「またそこにもどるの?」と思ったけど、あとは視点が攻撃する側に変わってきたので、はらはらしました。
>物腰が柔らかくて、紳士的な態度だけではない魅力を感じました。
ほんと、大統領にしたいようでしたよね!
しかしあんなにいい人では大国の大統領は務まらないのであろうか・・・
でもテロリストを殴ってたし、結構強そうでしたね。
投稿: jester | 2008年3月22日 (土) 15:03
TB&コメントありがとうございます。
★CINECHANさま
ひぃぃぃぃ、ちょいとご無沙汰しちまいましたー
>巻き戻しは8回もなかったですよね。
私なんかは、巻き戻しはアメリカ人だけなの
と思ってしまったのですが。

巻き戻りにイラついた方もいたようで。
そういう意味では、半々でバランス良かったのかもしれません。
私も飽きることなく楽しめました。
尺も短いし、もう少し引っ張ったバージョンでもOKでしたっす。
★jesterさま
うふ、jesterさんも巻き戻しに「ん?」と思った派でしたかー
半々というくらいで、まぁ丁度良かったんですかねー
この作品は、テロとか登場して社会派っぽい雰囲気もありますが。
私には、全体的にはアメリカ人視点のハリウッド大作だなぁと思いました。
とにかく楽しめましたです。
そして、やっぱりウィリアム・ハートですよねん。
>テロリストを殴ってたし、結構強そうでしたね。
そうそうそう。ハラハラしたけど、結構反撃してたので安心しました。髪の毛はクチャクチャになってましたけど、そこもまたお茶目で
投稿: 隣の評論家 | 2008年3月22日 (土) 23:27