ジャンパー
「ジャンパー」
<JUMPER>/製作:2008年、アメリカ 88分
監督:ダグ・リーマン 出演:ヘイデン・クリステンセン、サミュエル・L・ジャクソン、ジェイミー・ベル、ダイアン・レイン、レイチェル・ビルソン
2008.3.14 TOHOシネマズ・デイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点
「行き先、無制限」
彼はいつでもどこへでも、一瞬のうちに行ける【ジャンパー】
究極の自由と、果てしない可能性。その先に待ち受けるのは、選ばれし者の宿命―。
===(チラシより)===
【ジャンパー】とは:古代から密かに存在している、瞬間移動の能力を持つ人々。その能力やジャンプによる影響は、深い謎に包まれている。未熟な状態や感情的に不安定な時にジャンプを行うと、地球に損傷や破壊をもたらす可能性があるらしい。
【パラディン】とは:【ジャンパー】を悪と見なし、その抹殺を使命とするスペシャリストの集団。【ジャンパー】の誕生から間もなく結成された。磨き抜かれたスキルによって【ジャンパー】の存在を嗅ぎ分け、様々な武器を用いて彼を仕留める。
超拡大公開されている作品ということで、とにかくお金のかかった娯楽作なんだと思ってました。頭を空っぽにして、主人公がジャンプする映像を見ながら海外旅行に繰り出した気分を味わえるのかなぁと。
とても軽い気持ちで観に行きました。でも、意外と世界各地の映像にはそんなに魅せられませんでしたね。(何故だろう)
珍しい見方かもしれないけれど、私はドラマ部分にグイグイと引き込まれていきました。
どんなところが気になったのか、振り返ってみたいと思います。
弁護士 VS 検事の闘いじゃないけれど、本作は【パラディン】目線で描いていくこともできますよね。
今回はあくまでも【ジャンパー】という宿命を背負ったデヴィッド(ヘイデン・クリステンセン)を主役に据えて展開していきますが。実は私、デヴィッドには全くもって感情移入できませんでした。
彼こそが《悪》に見えてしまったんですよ。
自分の能力に気づいたデヴィッドは、徐々に慢心していきます。「I'm King of the World, fu-fu-fu!」 という『タイタニック』ちっくなセリフが、邪心と共に増幅していったに違いない。最初は「いつかは返します」と呟きながらも、長年に渡って銀行強盗を繰り返していたり。
(銀行
を舐めるなよ)
ビッグ・ベンやスフィンクスの天辺に足を運ぶくらいなら可愛いけれど。想い続けた女性ミリー(レイチェル・ビルソン)の前でいいところを見せたいからって、入ってはいけない所へ侵入したり。
15歳の時に嫌がらせをされた同級生?を罠に嵌めたり。自分の都合のいい様にだけ、能力を使いまくっていました。
大体、ミリーの最初の反応をよく考えろって。「仕事は銀行関係」だと言う曖昧なデヴィッドの言葉を信用せず、粋なアプローチに喜ぶというより戸惑い気味だったじゃないか。
やがて、ローラン(サミュエル・L・ジャクソン)という【パラディン】に執拗に追われるようになりますが。残念ながら上手いことピンチを切り抜けていくんだよな。
ミリーも危険な目に遭うけれど、父親(マイケル・ルーカー)をあんなに酷い目に遭わせたことは絶対に許せませんでした。
偶然にもデヴィッドの能力に気づいた【ジャンパー】のグリフィン(ジェイミー・ベル)は、今までに幾つも危機を乗り越えてきたようです。
密かに【パラディン】への逆襲を図っていたのですが。デヴィッドとの出会いによって、グリフィンの慎重な計画は乱れていくように見えました。![]()
デヴィッドって、何でこんなに腹が立つのかしら。
冷静に考えてみると、不幸な生い立ちでもあるんですよ。5歳の時に、突然母親(ダイアン・レイン)が姿を消してしまいます。その原因は父親にあると決めつけて、失意の底から酒に逃げる父に背を向けます。
幼なじみのミリーには、恐らく母親の面影を求めていたのでしょう。強い愛情を抱き続けます。
18年にも渡ってミリーを想い続けるなんてスウィートですけど。同時に、母親が居なくなってしまってからデヴィッドの心は成長することを止めてしまったようにも思えました。愛のムチで叱られた経験の薄いデヴィッドは、23歳になっても世間知らずです。後先を考えず浅はかで、自分基準で思いやりに欠けるように見えてしまいました。
個人的には、最終的にも成長できたように見えませんでした。
聞かれないのに自分の過去の不幸をツラツラと語るデヴィッドとは対照的に、グリフィンは決して過去を語ろうとしていませんでした。ローランのセリフから、どうやら5歳の時に母親を亡くしてしまったとわかります。そして、多分【パラディン】の手による事故だったのではないかと想像します。デヴィッドが無茶ばかりしても、怒るどころかフッと余裕の笑みを見せるグリフィン。彼の方が、淋しい人生を歩んできたのではないかと思えてなりませんでした。![]()
こんな感じで、デヴィッドを好きになれない88分間ではありましたけど。演じたヘイデン君の存在感は光っていました。
私にとって、デヴィッドはまるで《暗黒卿》の誕生だったんですが。ヘイデン君が演じてるだけあって、どうしてもダースベーダーの存在感を思い浮かべて妙に納得してしまいました。
ヘイデン君は、『ニュースの天才』という作品でもどことなくデヴィッドに通じるキャラクターを演じていた気がするし。俳優としては、今後が楽しみな若手のホープであることだけは確かです。
18年ぶりにミリーに会いに行った場面で、陰から彼女のことをジーッと見つめる目線とか。![]()
ミリーを守る為に無理矢理に空港へ連れて行った時に「説明して」と詰め寄られて、目が泳いでいたり。それと、父親には嫌悪感を抱いているように見せながらも、心のどこかでは父親を愛していたのかもしれないと思わせる場面が1つだけありました。あそこは胸が締め付けられました。![]()
最後までデヴィッドの話に終始してしまいましたけど。グリフィンを演じたジェイミー・ベル君も、とても印象的でしたし。デヴィッドを執拗に追いつめるローランを演じたサミュエル・L・ジャクソンも、異様な存在感を発揮していました。あそこまで【ジャンパー】を憎むローランの過去には、何かとんでもない出来事でもあったのではないかと気になってしまいました。
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「うん。もともとは
スティーヴン・グールドによる
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いわゆるテレポートの超能力を持った青年のお話だね」
----ヘイデン・クリステンセンが主人公やるんでしょ。
「うん。それに加えて
なんと『リトル・ダンサー』のジェイミー・ベルが出演。
そして彼ら、ジャンパーを発見して抹殺しようとする
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----それって『... [続きを読む]
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公式サイト
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受信: 2008年3月28日 (金) 00:34

コメント
こんにちは


TBありがとうございました
この映画のデヴィッドは、本当にダメでしたよね…
同じように高校生の時、特殊な能力を手にした
「スパイダーマン」のピーターとは大違いです
「スパイダーマン」のピーターも、
能力を発揮した当初は、
それを使って、お金を手に入れようとしましたが、
彼は、その後の事故により、
自分の考えの幼さや愚かさを痛感していましたよね
でも、今回のデヴィッドは、過去の悪事の清算
もないまま、

突然、正義のような行為に出たりして、
全く共感出来ませんでした
おっしゃられている通り、
グリフィンの事は、あまり説明されていませんでしたが、
彼の事の方が気になりますよね
そんな彼も途中でフェイドアウトしてしまったので、
それも残念な事ではありますが…
投稿 テクテク | 2008年3月16日 (日) 11:42
製作中から期待はしてたんですが…こうなりそうな予感があったので観てないっす。うわさを拾う限りではまあ予想通りっぽいな…。
多分、原作の文体の凄さは映像では出せないんじゃないかと思います。
ただ本作はサイドストーリー(家族を連れて、世界中を逃げ回るグリフィンの少年時代)があるんです。こっちの方はいかにもハリウッドサスペンスに向いてそう(未読)。
続編は期待できるかもですよん。
投稿 エスねこ | 2008年3月16日 (日) 13:38
テクテクさま
って思いました。

TB&コメントありがとうございます。
もう本当にダメ男でしたねー
ラストも、結局甘やかされて終わりかい
お父さんの扱いが、どうにも許せなかったのですが。
何だカンだ言って、お母さんも身勝手とも取れるかなぁと思ったり。
よく似た母子なのかなぁなんて。
>「スパイダーマン」のピーターとは大違いです
そうですね
ピーター君は、行き詰まっては持ち直したりして。人間味溢れるヒーローですよね。
叔父さんと叔母さんとの絆の部分も、とても印象的だし。
本作は、デヴィッドの浅はかさに腹を立てたりして。

そういう部分も楽しめたかなという感じです。
グリフィンの話を濃く描いていれば、もっと楽しめたかもしれないと思いました。
投稿 隣の評論家 | 2008年3月16日 (日) 19:31
エスねこさま
コメントありがとうございます。
わぁっ、これって原作あっての映画なんですねー
端折り過ぎてるのかもしれないですけど。
原作にはあったというグリフィンのエピソードをもう少しくわえていれば、冷ややかな声も出てこなかったのかもしれないのに・・・
続編は、あの後の話ではなくて。
グリフィンのスピンオフにした方が面白そうです。
投稿 隣の評論家 | 2008年3月16日 (日) 19:56
いや本としては別物ですので、誤解なく。
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/11651.html
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/11653.html
絶対にこの『ジャンパー グリフィンの物語』を製作する布石として今回は気を持たせたんだと思います。
投稿 エスねこ | 2008年3月16日 (日) 20:44
エスねこさま
コメントありがとうございます。
わぁぁ、わざわざすみません。
ちっとも知りませんでした。
どうもありがとうございます。
投稿 隣の評論家 | 2008年3月17日 (月) 20:10
となひょうさん、おじゃまします!
私はこの映画、結構期待してたんですよね~
しかし単純に「ジャンプ感覚」を喜ぶには年とりすぎてたかも・・・(殴
>彼こそが《悪》に見えてしまったんですよ
なんかおバカにみえちゃいましたよ~
これじゃすっごいハンサムだからと女の子にちやほやされて「世界はオレのもんだ~」と思ってるおばかさんと変わりないじゃないですか?(←よほどハンサムに恨みがあるらしく(爆))
彼のキャラに、(たとえおばかであっても)共感できないと、はらはらどきどきもあまり感じられなくて・・・
ヘイデン君も楽しそうだったけど、演技としてはやっていてつまらなかったのではとか思ってしまいます。
「SW」も「ニュースの天才」も「海辺の家」も苦悩する演技は上手ですもんね。
>ローランの過去には、何かとんでもない出来事でもあったのではないかと気になってしまいました。
なんかターミネイターみたいでしたね~
やはり「ダースベイダー」をやっつけようと・・・(爆)
投稿 jester | 2008年3月18日 (火) 07:52
こんにちは♪
ボクも世界の彼方此方にテレポートしても
旅行している気分にはなれませんでしたね。
パラディンもドラえもんのタイムパトロール
隊のように悪徳タイムトラベラーとの取り締
りごっこの方がオモシロかったかなとも思え
ちゃえました♪ (゚▽゚)v
投稿 風情♪ | 2008年3月18日 (火) 18:58
jesterさま



TB&コメントありがとうございました。
デヴィッド君のキャラクター、もう少しどうにかならなかったんでしょうか
アンチヒーローとして見るにも、魅力不足。
最後にちょっとくらい反省してくれたら、もう少し可愛かったんだけど。
私も、ハンサムに恨みはないけど、中身が伴わないイケメンさんは視界にすら入りませぬ。
>ヘイデン君も楽しそうだったけど、演技としてはやっていてつまらなかったのではとか思ってしまいます。
あああ、これは何かわかる気が。
ちょっと勿体ない感じがしました。
あと私としては、これだけ世界各地のスポットが登場しているのに。何か魅せられませんでした。
一瞬で行けるから達成感がないのかなぁぁぁ。
そちらにも書いたけど、『ノーカントリー』のテキサスの映像の方が百倍も美しく映りました。老いも若きもカーボーイ・ハットでキメていて、リアリティを感じたのかしら。
投稿 隣の評論家 | 2008年3月18日 (火) 21:48
風情♪さま
訪問ありがとうございます。
>ボクも世界の彼方此方にテレポートしても
旅行している気分にはなれませんでしたね。
おおおおお、同士~~~

上にも書きましたけど、一瞬で行けるから逆につまらなかったのかもしれません。
映像だけを堪能するんだったら、「世界不思議発見」とかテレビ番組でも十分だなぁと思って。
まぁ、細かいツッコミを入れずに楽しむべき作品なんでしょうけども。
投稿 隣の評論家 | 2008年3月18日 (火) 21:51
トラバどうもでした
グリフィン君にもパラディン達にも感情移入出来ない見るのに難しい映画でした。
能力は凄いけどやってることは大したことないし、敵もやたらと好戦的で説明がないので良く判らない組織でした。どっちも応援できないまま、あっけなく終わってしまいました。
SWEP3の時とは大違いでした。あちらはアナキンにもジェダイの皆にも、共感出来ましたから
投稿 くまんちゅう | 2008年3月18日 (火) 22:21
こんばんは
わたしはけっこうデビッドくんに感情移入できちゃったクチです。きっと根が小学生と大差ないからでしょう
ローランの「ジャンパーは必ず悪に陥る」と言うセリフはデビッドがイタズラしまくっただけに説得力がありましたね
ただ大義や正当防衛のためとはいえ、「殺りまくり」なグリフィン・パラディンに比べると、どうしてもその一線を越えられないデビッドの方が自分には一番身近に感じられました
ま、そんな「悪の対比」が面白い作品でした(正義は?)
投稿 SGA屋伍一 | 2008年3月19日 (水) 21:55
TB&コメントありがとうございます。
★くまんちゅうさま

わぁぁぁぁ、TB貼り逃げ2連発しちゃいましたぁぁぁ
コメントを頂きまして、ありがとうございます。
>SWEP3の時とは大違いでした。
そうですねー、悪のキャラクターでも感情移入できることもありますもんね。
本作は、続編を作ることを念頭に置いて仕上がったといった感じなのでしょうか。
それが返って、観客には受け入れ難いものもあった感じになってしまいましたね。
投稿 隣の評論家 | 2008年3月20日 (木) 20:41
★SGA屋伍一さま

わぁぁぁぁ、デヴィッドに感情移入できちゃったですとぉぉぉ
悪さばっかりしちゃったら、後で必ずしっぺ返しがくるし。
何よりも、自分の中で密かに自己嫌悪が進行しないともいいきれないので止めておいてね。
>ローランの「ジャンパーは必ず悪に陥る」と言うセリフはデビッドがイタズラしまくっただけに説得力がありましたね
ローランは、何であそこまでジャンパーを憎んでいたんでしょうか。

そんなサイドストーリーは無いんですかね
投稿 隣の評論家 | 2008年3月20日 (木) 22:48
となひょうさん、こんにちは。
確かに、必ずしもデヴィッドに肩入れできるような感じではなかったですよね。
そう考えると、デヴィッドVSローランドの構図も、どう見ればいいのか難しかったです。
私はドラマ部分よりも、視覚的な方に興味引かれました。
女性陣も含めて(苦笑)。
アナソフィア・ロブやクリステン・スチュワートなどの出番少な目の女性の方が気になりましたね。
投稿 CINECHAN | 2008年3月23日 (日) 15:47
CINECHANさま
TB&コメントありがとうございます。
>デヴィッドVSローランドの構図も、どう見ればいいのか難しかったです。
短くまとまっているのは嬉しいことなんですが、本作はもう少し色々と掘り下げてくれても良かったかもですねー



アナ・ソフィアちゃん、たったあれだけの出番で光ってましたねー
私は少年時代のデヴィッド君は、ヘイデン君とよく似ていてすんなり受け入れられました。
その辺いかがでしょう?男子のキャラはどうでもいい
投稿 隣の評論家 | 2008年3月23日 (日) 21:30