アメリカを売った男
「アメリカを売った男」
<BREACH>/製作:2007年、アメリカ 110分
監督、脚本:ビリー・レイ 特別顧問:エリック・オニール 出演:クリス・クーパー、ライアン・フィリップ、ローラ・リニー、デニス・へイスバート、カロリン・ダヴァーナ、ゲイリー・コール、キャスリーン・クインラン、ブルース・デイヴィソン
2008.3.12 レディース・デイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥2,000で妥当 / 評価:4.0★/5点満点★
「史上最悪の裏切り者、逮捕までの二ヶ月間。」
犯罪に手を染めた捜査官と、彼を追う若き捜査官。手に汗握る心理戦が導く、あまりにも切ない結末。世界を震撼させた史上最大のスパイ事件が待望の映画化!
★ロバート・ハンセン事件とは★ (チラシより)
「米国史上最大の情報災害」と呼ばれる大事件。ロバート・ハンセンはFBI捜査官でありながら祖国を裏切り、FBIのみならずCIA、ホワイトハウス、国防総省、国家安全保障局の極秘文書をKGBに売り続けていた。彼が売った情報の被害額は10億ドルを超えるとされ、その中にはKGBに送り込んだアメリカのスパイの名前なども含まれており、50人以上の同胞を死に追いやったとされている。彼は現在コロラド州連邦刑務所に服役中である。
2001年2月18日、ロバート・ハンセン(クリス・クーパー)は逮捕された。それまでの2ヶ月間を映画化。25年に渡ってスパイ行為を続けてきたハンセンには、表面上は一点の曇りもなかった。若きFBI捜査官エリック・オニール(ライアン・フィリップ)は、上司のケイト・バロウズ(ローラ・リニー)に新しい任務を言い渡される。それは、ハンセンの部下となり彼を監視すること。狡猾で隙のないハンセンを相手に、オニールの長い2ヶ月間が始まった。
私は、中央でバリバリに目立って活躍するキャラクターには目がいきません。さり気なく主役を支える脇役とか、僅かな出番で主役よりも強烈な印象を残すキャラクターとか。
彗星の如く現れた見目麗しい大型新人さんよりも、長い下積みを経てようやく花開いたベテラン俳優さんとか。
そんな方ばかりに目がいってしまいます。ですから、私のお気に入りの俳優さん達は、共演することが非常に多いです。本作も、贔屓にしている俳優さんが勢揃いしています。全体的には、とても地味で渋い作品ですけど。私は、かなり好きでした。![]()
ハンセンを演じたクリス・クーパーは、実際のハンセンとは余り似ていないのですが。上手く体現していたと思います。昨年の『キングダム 見えざる敵』では脇に徹していましたが、今回は主役です。
定年間際に逮捕されてしまったハンセン。一見、いかつくて強面で無表情にも見えますが。逮捕された瞬間のハンセンは、25年分の疲労がドッと湧いて出てきているように見えました。私が本作で最高に気に入ったのは、ラストシーンです。一人でも多くの人に興味を持ってもらいたいので、敢えて具体的には書かないでおきますが。「ここで終わるんだ![]()
」と、強烈に心に刻まれました。ラストシーンが印象的な作品て幾つかある気がするんですが、即座に羅列できません。もしも聞かれることがあったら、真っ先に本作を挙げたいと思っています。
目の下にタップリと隈を刻んで憔悴しきっているハンセンの姿は、かなりインパクトがありました。それと、ハンセンのファッションが気になりました。オフの時は、普段着の上からチェック柄のマフラーを首に巻いていましたが。スーツ姿の時は、上着の下に隠していたんです。首に巻かないと余り温かくないかもしれないけれど、その《チラ見せ》ファッションがツボでした。こういう着こなし方が流行なの?とてもオシャレに見えたんですよ。![]()
オニールを演じたライアン・フィリップも、純粋な熱血漢にハマっていたと思います。ワンパターンだという声も見掛けましたが、それもまたいいじゃない。
この際、同じようなキャラクターを追求し続けてもらって。いつかガラリと違うキャラクターを演じた時に、大化けするんじゃないかと思うと楽しみです。
オニールは、この2ヶ月間で少しだけ成長していったようにも見えました。こんな風に、ある事件を通して成長していく若者というと『L.A.コンフィデンシャル』でガイ・ピアースが演じた青年を思い出します。思わず「頑張れ![]()
」と、応援したくなるんです。
オニールの上司バロウズを演じたローラ・リニーも、とても印象的でした。『エミリー・ローズ』に引き続き、本当に知的で頼もしい雰囲気を静かに醸し出しているなぁと思いました。(「静かに」というところがポイントなの
)そんなにガツガツしていないようで、シッカリと手腕を発揮しているというか。身体は細いのに、太くて冷静な声が頼もしくて。相変わらず安定した存在感があると思います。本当に素敵な女優さん。
女優には厳しい目線だと言われる私ですが、
ローラ・リニーは大好きな女優さんの一人です。![]()
最後にもう1人。プリザック捜査官を演じたデニス・へイスバートも、僅かな出番ながらに印象的でした。体格の良さ、声の太さだけではない、内から滲み出る確かな存在感。人気ドラマ『24』のパーマー大統領 のイメージが強かったのですが。これから公開される『マンデラの名もなき看守』で、ネルソン・マンデラを演じているとのこと。こちらも、是非観に行きたいと思いました。![]()
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コメント
ぼくにとってクリス・クーパーと言えば、
『アメリカン・ビューティー』での
ナチスを信奉する元軍人の父親。
またローラ・リニーは
『トゥルーマン・ショー』での
主人公(ジム・キャリー)の妻の役が
印象に残っています。
人によって、それぞれ違うところが
また、映画のオモシロさですね。
投稿: えい | 2008年3月15日 (土) 23:33
えいさま



TB&コメントありがとうございます。
あっ、クリス・クーパーと言えば『キングダム 見えざる敵』っていう訳でもないんですけど。
やっぱり、『アメビュー』のキャラは衝撃的でしたよね。
『アダプテーション』は勿論のこと、私は『ボーン・アイデンティティー』のクーパーさんも好きだったりします。
ローラ・リニーって、日本では地味な女優扱いかもしれないけれど。アカデミー賞にも2~3度ノミネートされてるんですよね。
『ミスティック・リバー』からのノミネートは、マーシャ・ゲイ・ハーデンでしたけど。私は、ローラ・リニーが演じたマクベス夫人みたいな強さが好きでした。
投稿: 隣の評論家 | 2008年3月16日 (日) 11:16
となひょうさん、お久しぶり。
TBありがとうございます。
この作品ではクリス・クーパーの演技が光ってましたね。
おそらくこの2ヶ月は、ある程度覚悟してたんでしょうね。
>ワンパターンだという声も見掛けましたが
まあそうかもしれませんが、ライアン・フィリップも良かったですけどね。
彼の最新作がアメリカで公開されているみたいですが、
イラク戦争に行っていた青年ということで、やっぱり似たような役みたいですけどね。
TBが貼れているのかわかりません。貼れてなかったら、
またトライします。
投稿: CINECHAN | 2008年4月20日 (日) 14:57
CINECHANさま
TB&コメントありがとうございます。
かなり渋い作品で、見ている人も余りいない印象を受けましたけど。
地味ながらに、なかなか面白かったですよね。
>おそらくこの2ヶ月は、ある程度覚悟してたんでしょうね。
ちょっと切なくもありますね・・・

ライアン・フィリップも、ある若者の成長物語という感じがして良かったと思いました。
暫くは同じイメージの役でも、私は応援したいと思います。
新作も楽しみです
投稿: となひょう | 2008年4月21日 (月) 20:52