あの空をおぼえてる
「あの空をおぼえてる」
製作:2008年、日本 115分
監督:冨樫森 出演:竹野内豊、水野美紀、広田亮平、吉田理琴、小池栄子、中嶋朋子、品川祐、小日向文世
2008.3.26 試写会¥0にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,300で妥当 / 評価:3.5★/5点満点★
「君は僕を、強くも弱くもする」
子どもが思うほど、親は強くなく――。 親が思うほど、子どもは弱くない――。
みんな泣いて、強くなる。
地方都市で写真館を営む雅仁(竹野内豊)は妻・慶子(水野美紀)と小学生の息子・英治(広田亮平)、幼稚園に通う娘・絵里奈(吉田里琴)と幸せに暮らしていた。だがある日、子どもたちが交通事故に遭い、息子は無事生還するが、娘は亡くなってしまう。雅仁は娘を守れなかったことで自分を責め、生き残った息子は何とかして両親をなぐさめようとする。===(シネマトゥデイよりストーリー紹介)===
私はもともと竹野内豊のファンなので、それだけの理由で試写会に応募しました。そんなミーハー魂と、映画をこよなく愛する気持ちは必ずしもイコールではありません。当選しておきながら何ですけど、実は余り乗り気ではありませんでした。
今〈年度末〉という時期なので、普段以上にピリピリと張り詰めている中で仕事しています。実際にはそんなに大忙しでもなくても、何となく精神的に疲労が溜まりつつあります。
試写会場は〈中野サンプラザ〉、職場から決して近くないロケーションでした。ピュッと定時退社する為に、いつも以上に気合を入れて仕事をしたり。お昼休みの間に軽い夕食を先に買っておいたりと。普通に映画を見に行く時よりも、いっぱい気を遣ってしまいました。
レディース・デイ鑑賞の機会を潰してまで観たい映画なの
と、何となく消極的な気分になってしまいまして。そんな言い訳を入れるなんて格好悪い気がするのですが。正直なところ本作には、いま一つ吸引力が感じられませんでした。話そのものは良いと思うのですが、魅せられるポイントを余り見つけられない映画でした。![]()
まずは、本作の中心人物と思われた夫婦に共感できませんでした。竹野内豊と水野美紀の演技は良いんですけど。奥様が3人目の命を宿しているという夫婦にしては、生活感が漂ってこないし美しすぎるんです。
旦那様のバックボーンがなかなか見えてこないのも違和感が募りました。なかなか立派な一軒家にお住まいだし、
長男・英治は制服を着て通学していたし。
私立の小学校なのかと理解したら、この一家がもの凄く裕福に見えてきました。
旦那様が何の仕事をしているのか、すぐには伝わりませんでした。スーツ姿や制服姿を見せることで《働くお父さん》と伝わることもなく、割と家に常駐している印象でした。解説には「写真館を営む」とありますが、カメラマンなのかと思わせる場面が少しあります。
《仕事の虫》という雰囲気は皆無なのに、《高所得》という印象が強くて。実際に、そういう方っているとは思うけど。竹野内豊と同い年の私としては、何ともリアリティに欠ける夫婦像だなぁと強く思いました。
同級生の子育て奮闘記をたくさん聞かされて、時には感動することすらあるから。本作の夫婦は、まるで絵空事のようで共感できませんでした。
何よりも、本作の主人公は英治くんだという印象を受けました。仲の良い妹を目の前で亡くして以来、どこにいても妹の姿を思い浮かべてしまう。繊細で優しい少年の【ひと夏の出来事】 といったところでしょうか。素人目線ながらに、カメラのアングルが気になる映像が多かったです。
冒頭はカメラがグーッと上昇していき、青空を飛ぶような映像でした。
雲間には、キャッキャとはしゃぐ絵里奈の姿があります。
交通事故に遭った兄妹の魂が、抜けるような青空をビュンビュンと駆け抜けるのです。
死の淵を彷徨いながらも一命を取り留めた英治は、薄れゆく意識の中で妹が天国へ行く姿を見ていたという描写なのでしょう。この場面は、なかなか素敵だと思いました。突然の事故で愛娘を失った夫婦が、手にしていた紙コップを落としてしまう場面があります。
落下する紙コップを下から捉えたショットが印象的です。カメラの位置が低い映像が印象的なので、本作の主役は大人ではなくて子供なのだと思いました。退院した英治は、家の中で妹の色々な姿を思い出していました。食事の時に元気一杯に歌ったり、
部屋の窓をパチンコで割ってしまったり。はたまた、廊下で泣き崩れていたり。どこに居ても妹の姿が見える英治。まるで絵里奈の魂が《座敷わらし》の如く家を守っているようにも見えました。その存在に気づくのは英治だけ、両親には全く見えないのです。
好きな場面はあるものの、全体的にはいま一つな印象となってしまいました。愛娘を亡くして塞ぎ込む夫婦の姿も、もう少し丁寧に描いて欲しかったです。慶子は、妊娠中であることも忘れて食欲が無くなってしまいます。産婦人科医に「生む気はあるの?」と、叱責される場面があります。雅仁は、妻と息子との会話を避け、「絵里奈」という名前を口にしなくなってしまいます。その辺もセリフだけでの説明ではなくて、2人の演技で伝える演出にして欲しかったな。終盤は、周囲から鼻をすする音も聞こえてきました。泣いてる人が多かったのか、花粉症で辛い人が多かったのか。私は、涙を零すどころか睡魔に襲われてしまいましたよ。
本編とは関係ありませんが、英治の担任の先生を演じた小池栄子は左利きなんですね。
それと、スクール・カウンセラーとして英治の小学校に勤める先生を演じた小日向文世も僅かな出番ながらに印象的でした。「あんな事させるなんて許せない」という自虐ネタもあるんだけど、
演じてくれてありがとう。
「こんな聞き上手は、そういないだろ?」と、英治の心を開こうとする先生。穏やかな口調が素敵でした。
雅仁といる時よりも、この先生といる時の英治君の方が自然体に見えました。これって、最近の私の理想のタイプが竹野内くんみたいなイケメンさんよりも小日向さんのような癒しキャラに移行しているというだけの話かも・・・。
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いつか、心が壊れても
製作年度 2008年
上映時間 115分
原作 ジャネット・リー・ケアリー
脚本 山田耕大
監督 冨樫森
音楽 中野雄太
出演 竹野内豊/水野美紀/広田亮平/吉田里琴/小池栄子/中嶋朋子/小日向文世
{/book_mov/}地方都市で写真館を営む雅仁(竹野内豊)は妻(水野美紀)と小学生の息子(広田亮平)、幼稚園に通う娘(吉田里琴)と幸せに暮らしていた。だがある日、子どもたちが交通事故に遭い、息子は無事生還するが、娘は亡くなってしまう。雅仁は娘を守れなかったことで自分を責め... [続きを読む]
受信: 2008年5月 4日 (日) 00:50

コメント
こんばんは。
あの小日向文世の自虐ネタにはビックリ。
いま、「チーム・バチスタの栄光」の原作を読んでいますが、
そこでも、こういうカウンセラーというのは、
ただ、黙って相手の言葉に耳を傾けるということが強調されていました。
さて、肝心のこの映画については、結局、
書き方が見つからないまま、今に至っています。
投稿 えい | 2008年3月27日 (木) 21:22
えいさま


コメントありがとうございます。
ご覧になってたんですねぇぇぇ
書き方が見つからないというのも、何となくわかる気がします。
私も、どうでもいいような事から書き出してしまいました。
それにしても、小日向さんにあそこまでやらせるなんて・・・
『それでもボクはやってない』の時のキャラクターとは全然違いましたね。
小日向さんの自虐ネタよりも、英治くんのクラスにいた女子にキャーキャー騒がれている子には笑ってしまいました。

「ちびまるこちゃん」の花輪くんみたいなキャラにしたかったのでしょうか。
投稿 隣の評論家 | 2008年3月27日 (木) 22:12
こんにちは!
こういうテーマはちょっと卑怯な気もしますが
狙い通りに泣かされてきました(笑)
人のことは分かるけど、
その渦中にいれば、自分を失う。
みんな泣いて強くなる―全くその通りですね。
見つけて駆け寄った竹野内くんが、なりきってましたよね!
怒れない、ただ安堵する姿が良かったです!
TBさせて下さい~
投稿 kira | 2008年5月 2日 (金) 18:20
kiraさま
こんにちは!
訪問ありがとうございます。
おっとっと、TBが不調だったみたいですね・・・
恐縮です。
あっ、実は
みんな泣いて強くなる
って、チラシからの引用でした。


いつもキャッチコピーから載せていたりするのでした。
竹野内くんの久し振りの映画ということで、気になっていました。
ドラマにも出てないし、俳優業はもう興味がないのかしらと少し淋しく思っていたもので。
また意欲的に活動してくれたら嬉しいけど、どうなんでしょうね。
投稿 となひょう | 2008年5月 3日 (土) 23:27
観たい!と思ったときにはもうあまりやってなくて・・・
でもやっと今日一人でみてきました。
同じようなことやはり感じました。生活感がない というのと 全てがきれいすぎる(服にしろ物にしろ) あんな田舎?の写真館であんなにいい生活ができるの? とか。
憧れますよね。あんな生活。あんな家族・・・
いや、別にけなしたくて書いているわけではないのですが(笑)本当はすごく泣きたくて観ました。
私も何年か前に同じような経験があり、どんなふうに感情の表現をするんだろうと思ってました。親の気持ちは痛いほどわかります。でも子供はもっと傷つきいろんな想いがあるのだとしみじみ感じさせられました。我が家の上の娘もこんな想いをしたんだと思ったら胸が締め付けられました。
投稿 なあなあ | 2008年5月11日 (日) 19:44
なあなあさま
初めまして!
ようこそ、いらっしゃいました
コメントも頂きまして、ありがとうございます。
心より感謝いたします。
そうですか、なあなあさんにとっては特別な意味を持つ作品だったのですね・・・
今振り返ってみると、ちょっと恥かしい感想です
>子どもが思うほど、親は強くなく――。 親が思うほど、子どもは弱くない――。
これは、チラシに載っていたキャッチコピーなのですが。
とても深い一文だなぁと思います。
>子供はもっと傷つきいろんな想いがあるのだとしみじみ感じさせられました。
なあなあさんが仰るように、この作品は子供の心情を思ってシミジミとさせられる部分があったような気がします。
上映スケジュールを余りチェックできていないのですが。
あらら、上映劇場が少なくなってきているのですね。
それは、ちょっと淋しい気もしますね・・・
こんなブログですが、また語りたい映画なんかありましたら、いつでも遊びにきてくださいね。

今後もマイペースで展開していこうと思っています。
投稿 となひょう | 2008年5月11日 (日) 22:36
僕は中学3年生なのですが・・・
とても「あの空をおぼえてる」には感動しました!!
前から広田亮平君の演技には感動させられてきましたが今回のこの映画でも感動 感動 感動 でした!!
回想シーンがたくさんあってわかりやすかった?
と思いましたしストーリーがとてもよかったです!!
是非たくさんの人が見たほうがいい映画じゃないかなぁと思いました!!
投稿 ryo | 2008年5月12日 (月) 20:13
僕は妹が死んでしまうなんて予想もしていなかったので見たときびっくりしました・・・
投稿 ryo | 2008年5月12日 (月) 20:16
ryoさま

初めまして!ようこそ、いらっしゃいました。
コメントありがとうございます
実は、広田亮平君は初めて見ました。
やっぱり上手いんですね。
この作品は、竹野内豊主演という宣伝をしていますけど。
この少年が主役という感じがしました。
妹だけ死んでしまうというストーリー、私は鑑賞前にチラシ等を読んで知っていたのですが。
知らないで見ると、驚きますよね・・・
その分、感動も大きくなるのかもしれないですね。
投稿 となひょう | 2008年5月12日 (月) 23:16
広田亮平君のこと初めて見たんですか?(驚)
結構いろんな映画やドラマに出てますよ!!
いつ見ても素晴らしい演技してますよ♪
これからでもいいですから見てみたらいいんではないでしょうか?
たしかに今回の映画広田亮平君が主役でもおかしくありませんよね!!
投稿 ryo | 2008年5月13日 (火) 19:46
ryoさま
コメントありがとうござます。
そうなんですよー、知りませんでした。
きっと、これからも活躍していくかと思うので。
広田亮平君の出演作がきたら、気にかけていこうかと思います。
次は、主演ですかね・・・
投稿 となひょう | 2008年5月13日 (火) 22:09
今度出演する映画「山のあなた」に出演しますよ!!
投稿 ryo | 2008年5月14日 (水) 19:23
ryoさま
そうでしたかー
オジサマばっかりに興味があるので、気づきませんでした。
あっ、草なぎ君や加瀬さんはオジサンではないですよ。
チェックしてみますねー
投稿 となひょう | 2008年5月15日 (木) 22:54