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2008年5月31日 (土)

5月に鑑賞した映画たち

劇場公開で鑑賞した作品 合計14本でした。
ゴールデン・ウィークに旅行もせんと映画三昧してたし、体調を崩すこともなかったし。今月はたくさん観に行きました。突き抜けて気に入ったという作品はなく、平均的なお気に入り度で埋まりましたが。強いて挙げるなら、5月に鑑賞した作品の中でベスト1は「ミスト」ですかね。賛否両論のラストに、映画ファンの間でも随分と盛り上がっているみたいです。私のブログでも、ここ暫くアクセス数がダントツに多いです。

「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」   3.8★/5.0★

「幻影師アイゼンハイム」   3.8★/5.0★

「マンデラの名もなき看守」   3.8★/5.0★

「P2」   3.5★/5.0★

「最高の人生の見つけ方」   3.5★/5.0★

「光州5・18」   3.8★/5.0★

「JOHNEN 定の愛」   3.5★/5.0★

「ハンティング・パーティ」   3.8★/5.0★

「ミスト」   3.8★/5.0★

「僕の彼女はサイボーグ」   3.5★/5.0★

「ブレス」   3.8★/5.0★

「大いなる陰謀」   3.8★/5.0★

「軍鶏 Shamo」   3.8★/5.0★

「アイム・ノット・ゼア」   3.5★/5.0★ (レビューはお休みします)
(一口メモ:意欲的な作品なのかもしれないけれど、私、コレ駄目でしたぁぁぁcrying

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チャーリー・ウィルソンズ・ウォー

「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」
<CHARLIE WILSON'S WAR>/製作:2007年、アメリカ 112分Charlie_wilsons_war    
監督:マイク・ニコルズ 出演:トム・ハンクス、ジュリア・ロバーツ、フィリップ・シーモア・ホフマン、エイミー・アダムス、ネッド・ビーティ、オム・プリ、エミリー・ブラント、ケン・ストット、ジョン・スラッテリー
2008.5.31 TOHOシネマズ・ポイント還元¥0にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★

「信じられない物語。でも真実。」

ひとりのお気楽議員の活躍が、世界を劇的に変えた!!

===(チラシよりストーリー紹介)===
チャーリー・ウィルソン(トム・ハンクス)は、テキサス出身の国会議員。秘書には《チャーリーズ・エンジェル》と呼ばれる美女軍団を従え、お酒が大好き。再選を果たしたくらいで、目立った功績もなく、政治家のイメージとは程遠い。しかし、持ち前の大らかな人柄でみんなから愛されていた。そんなお気楽議員な彼に、ちょっとした良心がきっかけで、その後の彼の人生と世界をも大きく変える転機が訪れる!

想像はしてたけど、政治色の強い作品でした。「『プリティ・ウーマン』のジュリア・ロバーツが出てるなら」と軽い仕上がりを期待して観ると、置いてきぼり感アリアリかも。sweat01 舞台は1980年代のアメリカで、《米ソ冷戦》がキーポイント。この年代なら、多少の雰囲気はわかっていたのでスーッと入っていけました。このところ、社会派作品を積極的に見て、ちょっとお勉強するように心がけているのですが。school でも結局は、何か思う部分があっても、理論武装して立派な感想を述べることができないんだな。coldsweats01 今回も、それなりのレビューしか書けないけど、まぁいいや、それなりにいってみよー。run

実話がベースになっているそうです。100%全部が本当にあった話かどうかはわからないけれど、チャーリー・ウィルソンは実在の人物みたいです。冒頭のウィルソンは、それでいいのかいsign01ってくらいにお気楽に見えます。catface パーティに参加して、ジャグジーにストリッパーと浸かって、コカインも少々たしなむ。〈お持ち帰り〉ありで、割と何人もの女性と楽しい夜を過ごしている様子。heartcatface 最初のセリフの一部で、離婚したことを促すものがあったけど。左手の薬指には派手な指輪をしてました。ring 再婚して所帯を持っているようには見えなかったけど、もしかして女性と真面目に付き合うのは面倒臭いからカムフラージュで嵌めてるのかな。catface とか、本編とは関係ない部分を色々と想像してしまいました。冒頭のウィルソンは、半分は冗談みたいな雰囲気だったので真相はわかりませんが。国会議員ともなると、交友関係も一般人とはかなり違うようです。故郷テキサスで6番目にお金持ちのセレブであるジョアン(ジュリア・ロバーツ)が「アフガニスタンを救って欲しい」と言い出してから、ウィルソンの闘いは始まります。闘いといっても、作品はあくまでも軽妙に流れていきました。tulip ウィルソンを演じるのがトム・ハンクスという点も、作品の雰囲気に大きく影響しているのでしょう。懐が大きく、親近感の湧く優しくて愛らしい彼だからこそ、普通だったら重たくなりがちなテーマを明るく描き通すことができるのではないかと思いました。sun

CIAのはみ出し者ガスト(フィリップ・シーモア・ホフマン)とも組み、アフガニスタンの人々を救おうと一大作戦を決行するウィルソン。米ソ冷戦時代を鑑みても、個人的には酔狂できる作戦ではありませんでした。gawk 「目には目を、歯には歯を」っていう考え方には、余り賛同できない部分もあるもので。だからと言って、じゃあどうするべきかと聞かれたら答えられないのですが。sweat02 人間が2人以上いる限り、何かしらの争いは避けられないというのもまた事実。でも、やはり人の命を何とも思わないうような戦争は摘み取って然るべきだとも思います。punch 軽いノリで本作を見た人も、何となく色々と考えさせられたのなら素敵。note 日本でも、昔に比べたら若い人も政治に関心を持ち易い雰囲気になってきてると思うので。この作品がキッカケとなって世界を見つめ直す人が増えたら、意味のある作品ですよね。good

さて、私が本作を見ようと思った一番のキッカケは、フィリップ・シーモア・ホフマンです。今、ハリウッドの俳優の中で一番好きなのがホフマンさんlovely 今回は大きなサングラスが怖かったけど、トム・ハンクスと息もピッタリ合っていて何か楽しそうでした。chick 本作からアカデミー賞の助演男優賞にノミネートされました。考えてみると、もの凄い豪華なキャスティングですよね。shine ウィルソンガストジョアンが、バーでテーブルを囲む場面があります。bar 3人ともアカデミー賞の主演賞を受賞している名優です。互いに力演が邪魔し合うこともなく、余裕すら見せながら噛み合う会話。内容は政治色の強いものなのに、何とも軽妙で惹きつけられました。一番印象に残ったのは、ウィルソンが秘書のボニー(エイミー・アダムス)を伴ってアフガニスタンを訪れる場面。airplane 馴染めない地に「早く終わらせて帰りましょう」とボニーが漏らした後、2人は難民キャンプに足を運びます。foot 飢えと戦い、苦しむ人々の姿。地雷の餌食となり、身体の一部がない小さな子供たち。ウィルソンボニーの表情が徐々に変わっていく様子が印象に残りました。eye 特にボニー。子供たちと触れ合うことで、視野が広がったに違いないです。重要なキャラじゃないけど、ウィルソンの事務所で飼っているらしい茶トラの猫が可愛かった。(かなり大きいけど和みました)cat こちらも拾うべき場面ではないけど、ウィルソンジョアンとセックスしたと思われる場面の後。お化粧を直しているジョアンの所作が気になったー。wobbly 窪んだ目に引いたアイラインは、眉毛が二重にあるみたいで変だったけど(IKKOさん、あれはどうなの)、安全ピンの先でまつ毛を整えるのは危ないので止めましょう!と強く思いました。impact

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2008年5月28日 (水)

幻影師アイゼンハイム

「幻影師アイゼンハイム」
<THE ILLUSIONIST>/製作:2006年、アメリカ=チェコ 109分Geneish       
監督、脚本:ニール・バーカー 出演エドワード・ノートン、ポール・ジアマッティ、ジェシカ・ビール、ルーファス・シーウェル、エドワード・マーサン、ジェイク・ウッド、トム・フィッシャー、カール・ジョンソン
2008.5.28 レディース・デイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★

「すべてを欺いても手に入れたいもの、それは君。」

封印された幼き日の純愛。公爵令嬢の謎の死・・・
天才幻影師の命を賭けた最後の舞台がいま、幕を開ける。

===(チラシよりストーリー紹介)===
19世紀末ウィーン。ハプスブルク帝国末期の芸術文化の都では、大掛かりな奇術=イリュージョンが一世を風靡していた。中でも絶大な人気を誇っていたのは、アイゼンハイム(エドワード・ノートン)という名の幻影師。ある日彼は舞台の上で、幼なじみのソフィ(ジェシカ・ビール)と再会する。今では、皇太子(ルーファス・シーウェル)の婚約者として注目を集める彼女はは、その後ほどなく皇太子邸で謎の死を遂げてしまう。謀殺の噂も沸き立つ一大スキャンダルの最中アイゼンハイムは、ソフィの幻影を甦らせる前代未聞のイリュージョンを発表するのだが・・・。

アメリカ映画とはいえ、チェコと合作というところがポイントです。舞台はウィーンということで、どこか格調高い雰囲気が素敵だったし。shine オーケストラで壮大に奏でている感じの音楽が、《イリュージョン》というキーポイントとマッチしていたと思います。notes アイゼンハイムが繰り広げるイリュージョンの数々、道具1つで見せる簡単なマジックであってもワクワクさせられました。happy02 マジシャンにとっては、その手が何よりも重要な小道具ではないかと思っているのですが。paper 幻影を甦らせる為に手をかざしている姿が好きでした。前に炎を灯した舞台も、惹かれるものがありました。全体を通して、とにかく雰囲気に魅せられた作品でした。

キャストについても触れてみたいと思います。私は、エドワード・ノートンって大好きな俳優の一人です。lovely 「この人が出ているんだったら絶対に見たい」と思わせてくれる俳優さん達の中で、一番の若手が彼です。ノートン君の作品を見るのは久し振りだったので、とても楽しみでした。で、アイゼンハイムですが。確かに、ノートン君は上手いです。「本格的ラブストーリーは今回が初めて」という触れ込みですが。私はやっぱり、一癖も二癖もあるノートン君の怪演が好き。heart04 ソフィを一途に思うアイゼンハイムの表情も、腹の底では何か企んでいるに違いないという気持ちで見つめてしまった。coldsweats01 狡猾で挑発的な裏の顔、正体を現すのはいつなのよ?と期待してしまった。catface 本作の次は『インクレディブル・ハルク』で主役のヒーローでしょ。今までとは違う役柄に挑戦する姿勢は応援したいけれど。私はまだまだ「実はとんでもない男」を演じきる個性派俳優の顔を拝ませて欲しいんだな。catface ソフィは公爵令嬢という設定なんだけど。ribbon 演じたジェシカ・ビールは《令嬢》に見えなかったです。coldsweats01 『テキサス・チェーンソー』では殺人鬼の魔の手から逃げ回り、『ブレイド3』ではバンパイアを勇ましくなぎ倒していた彼女。タンクトップにローライズのジーンズが、とても良く似合っていて。denim 「隣のお姉さん」的な親近感の湧く美人というイメージが強い為、ミスキャストのような気がしてしまいました。catface
イメージチェンジに成功したのは、皇太子レオポルドを演じたルーファス・シーウェルだけじゃないかしら。『トリスタンとイゾルデ』では、器の大きい男の中の男といった雰囲気の王を好演していました。crown 今回の彼は、傲慢で無慈悲で人望も薄い嫌味な皇太子。pout とても同じ俳優さんが演じているとは思えませんでした。皇太子の館の廊下も印象的です。字幕が「狩りの館」とかだった気がするのですが、壁には立派な角をした鹿の剥製の頭がギッシリと飾ってあります。leo 何とも趣味が悪くて不気味でした。一番入り込めたのは、ウール警部を演じたポール・ジアマッティです。私はこの人の高い声が好きです。見事な腹式呼吸の発声と大きな瞳が、存在感を発揮していました。アイゼンハイムのイリュージョンに素直に魅せられるも、皇太子の命令には逆らえない立場のウール。皇太子は幻影を生み出すイリュージョンを繰り返すアイゼンハイムを逮捕しろと命じます。「あのイリュージョンは止めてくれ。俺に逮捕させないでくれ。」と、アイゼンハイムに懇願するウールの姿が印象的でした。eye

===以下、ラストについて少し触れます。未見の方はご注意ください。===
映画としては、とても面白く鑑賞できたのですが。個人的には、あのラストがどうしても腑に落ちません。純愛だの、感動だの、爽快なラストだの。瞳を潤ませて涙を零すべきラストなのかもしれませんが。私は宣伝文句には流されませんでした。あのハッピーエンドには疑問です。見ず知らずの人物が令嬢殺しの犯人として捕まり。アイゼンハイム皇太子が破滅を迎えるように少しずつ誘導する。皇太子の《悪魔ぶり》を考えると、放っておいても自滅したかもしれません。でも、アイゼンハイムのした事も正当化できない気がしました。結局は自分の事しか考えていないように受け取れました。他人を不幸にして得た幸せなんて、そう長くは続かないんじゃないのと思ってしまいました。私としては、アイゼンハイム令嬢ソフィが別のキャストで演じられていたら、もう少し違った捉え方をしたかもしれません。

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2008年5月24日 (土)

マンデラの名もなき看守

「マンデラの名もなき看守」 
<GOODBYE BAFANA>/製作:2006年、フランス=ドイツ=ベルギー=イタリア=南アフリカ 117分Mandela  
監督:ビレ・アウグスト 出演:ジョセフ・ファインズ、デニス・へイスバード、ダイアン・クルーガー、シロー・ヘンダーソン、タイロン・キオー、ミーガン・スミス、ジェシカ・マニュエル、フェイス・ドゥクワナ
2008.5.24 ミニシアター回数券¥1,330にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★

「あなたに逢って、知った。世界は間違いだらけだと――」

27年間囚われた、後の南アフリカ発の黒人大統領。
今、秘められた感動の実話が明かされる。

===(チラシよりストーリー紹介)===
1968年アパルトヘイト政権下の南アフリカ共和国。刑務所の下士官ジェームズ・グレゴリー(ジョセフ・ファインズ)は、最悪のテロリストとされるマンデラ(デニス・へイスバード)の担当に抜擢される。マンデラの生まれ故郷の近くで育った為に彼らの言語がわかるグレゴリーに秘密の文書や会話を監視し報告しろというのだ。任務に忠実なグレゴリーだったが、マンデラという人物に触れ、彼が自由の為に払っている犠牲を知るにつれ、次第にマンデラに魅了され、彼が目指す平等な社会に憧れていく。しかし、そんな想いが周囲に知られれば、自分の立場も妻子の安全さえも脅かされる。家族、国、仕事、理想、良心・・・葛藤の中、それでも正しい歴史の一部でありたいと願ったある看守とマンデラの数十年にも渡る魂の交流を描く感動作。

史実に基づく映画には、かなり興味があります。学生時代に、どうしてもっと真剣に授業を聞いていなかったのかしらと後悔することが多くて。coldsweats01 最近は、歴史モノは積極的に見るようにしています。【アパルトヘイト】について習ったのは中1の時だったかしら。今振り返ると、あれでは習ったとは言えないよなぁ。ただ言葉を覚えさせらえただけでした。中1の私には、歴史を深く学ぶ器がなかったという部分もあるけど・・・。最近見た歴史モノは『光州5・18』です。アチラは、少しでも多くの人の涙腺を刺激するように作られていたという感じで。全体的に、過剰な演出だった印象です。本作は、同じ感動を呼ぶ狙いがあったとしても、演出は意外とアッサリ目だった気がします。中には、期待し過ぎたと感じる人もいたりして・・・。sweat01 私はそうなりませんでしたが、ウトウトと瞼が下りてきて字幕を読み損ねた場面もありましたsleepy・・・。bearing 全体的に、派手さのない作品という感じではありましたが。それでも、印象に残った場面もあります。

導入部分、舞台となる刑務所があるロベン島へ船で渡る場面が美しくて。ship それだけで、本作にスーッと引き込まれていきました。船酔いしそうだけど、空気は美味しそうだなぁなんて。dog しかし、刑務所では想像通りに好ましくない場面が繰り広げられます。《ホロコースト》を連想する場面ばかりですが、囚人を罵倒する看守の姿を見ていたら、ドイツ映画『es[エス]』を思い出しました。「看守」という役割を与えられると、人は「囚人」に対して高圧的な態度を取ってしまう。そんな恐ろしい実験結果があるそうです。shock 島に住む刑務所で働く男の妻たちのおしゃべりや、グレゴリーの幼い息子の発言まで。黒人が囚われた刑務所を、まるで《悪の巣窟》であるかのように囁いています。kissmark どちらかと言うと、島が《人種差別主義者の巣窟》であった印象を受けました。その目で確かめた訳でもなく、噂に火をつけて盛り上がっていたようです。【アパルトヘイト】は、真実を覆い隠していたという時代背景も窺えます。
私が一番印象に残った場面。子供を連れて妻の母に会いに行くグレゴリー。ケープタウンでは、白人の警官(だと思う)が黒人を捕まえて身分証明を求めていました。と、キレイな表現でまとめてしまいましたが。その現場は、とても暴力的なものでした。punch グレゴリーの幼い娘が、その危険な迫力にショックを受けます。shock 驚愕と戦慄で目を丸くして、言葉を失い小さな手で口を塞ぐ表情。大好きな祖母を訪れても、混乱して落胆してしまいます。「おまわりさんは、どうしてあんなに酷いことをするの?」 「どうして、こんなに不公平なの?」と、真っ直ぐにパパに質問をぶつけます。幼い娘の問いに「これが【アパルトヘイト】なんだよ」と、答えるグレゴリー。彼の中で何かが変わってきたのは、この瞬間からだったのではないでしょうか。

キャストも素晴らしかったです。グレゴリーを演じたジョセフ・ファインズは、レイフ兄さんとは余り似ていませんが。存在感も違った味わいという感じです。現代劇よりも、こういう歴史モノや『恋におちたシェイクスピア』のようなコスプレがよく似合います。特筆すべきは、ネルソン・マンデラを演じたデニス・へイスバードの独特の存在感です。あの特徴的な太い声が印象深いけど、独房に佇む後ろ姿だけでも存分にオーラを発揮していた気がします。shine 淋しそうだけど意志の強そうな背中。信念を持ち続ける逞しさに感動しました。crying 例え一人になっても、闘い続ける覚悟があったのかもしれません。
原題は<GOODBYE BAFANA>グレゴリーが幼い頃に一緒に過ごした少年の名前が BAFANA です。成長したグレゴリーは、人種差別主義者となりますが。別れ際にバファナからもらったアクセサリーを大事に隠し持っていました。マンデラとの別れ際に、そのアクセサリーを託すグレゴリー【アパルトヘイト】が集結へと向かう時代と共に、グレゴリー自身も差別主義である部分を切り捨てることができたのかもしれません。原題には、深い意味が込められているような気がしました。confident

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2008年5月21日 (水)

P2

「P2」
<P2>/製作:2007年、アメリカ 97分 R-18指定P2       
監督:フランク・カルフーン 製作:アレクサンドル・アジャ 脚本:フランク・カルフーン、アレクサンドル・アジャ 出演レイチェル・ニコルズ、ウェス・ベントリー、サイモン・レイノルズ、フィリップ・エイキン、グレーズ・リン・カン
2008.5.21 レディース・デイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,300で妥当 / 評価:3.5★/5点満点★

「【狂気】はあなたのすぐとなりに存在する――。」

一人だけの残業、深夜の地下駐車場、大都会の死角――。

===(チラシよりストーリー紹介)===
冬、真夜中のNY。オフィスでひとり残業をしていたアンジェラ(レイチェル・ニコルズ)は、ようやく仕事を片付け、車で家族とのディナーに向かうため地下2階駐車場【P2】に降り立った。しかしなぜか車のエンジンがかからない。その時、何者かが彼女に近づき、背後から麻酔薬を嗅がせた。意識を取り戻したアンジェラは、手錠・足枷を嵌められ、警備員室の中で監禁されていることを知った。携帯電話も圏外、叫び声も届かない深夜の密室で、恐怖のドラマが今幕を開ける。

本作は《R-18指定》ですが。そう聞いてイメージしていたものよりは、控え目なホラー描写だった印象です。gawk 後半、1箇所だけビックリした場面がありましたが。ホラー映画ファンには物足りなく感じる人もいたりして・・・。catface 結局は、映倫の担当者の個人的な感性に基づくのかな。本作のレビューとは関係ないけど、独り言をブツブツ・・・。cloud
コレ、面白かったです。ストーカー男と狙われた女の追跡劇というシンプルなストーリーですが。run 真っ暗になった駐車場に、ストーカー男を演じたウェス・ベントレーの端正な顔が不気味に浮かび上がる場面の緊張感。shock アメリカの《クリスマス休暇》って、日本で言ったら〈大晦日と正月〉みたいなものでしょ。オフィス街は、電気も人の気配も消えて閑散とする。駐車場の警備員ともなると、人間よりも車に囲まれた日常が続くのではないかしら。car rvcar bus クリスマスは家族で食卓を囲んで過ごす人が多いのに、自分は静まり返った街の駐車場で過ごさなければならない。ストーカー男トム(ウェス・ベントレー)の淋しさは、憧れの女性アンジェラへと歪んだまま向けられる。down 「クリスマスは仕事だけど、世間では大勢の人が働いている時期に休暇を取って格安旅行にでも繰り出してみよう。」トムには、そんな風に考える余裕を持って欲しかったけれど。人と接する機会の少ない淋しい日常では、そんな風に前向きになれなかったようです。coldsweats02 アンジェラを拉致して運び込んだ警備員室は、クリスマスの煌びやかな装飾で一杯でした。真っ暗な駐車場に浮かび上がる事務所の明るさが、空しく映りました。flair

1本のホラー映画として楽しめましたが。私が印象に残ったのは、主演の2人です。アンジェラを演じたレイチェル・ニコルズの余りにも見事なプロポーションに魅せられました。冒頭は、OLらしくカチッとした着こなしなのですが。拉致された後は、白いドレスに身を包んでいます。boutique 恐らく、自然体であの美しいバスト・ラインを見せているのだと思います。横になってもバストの山が崩れませんでした。fuji 先日バラエティ番組で、計算尽くしのグラビア・アイドルの腹黒さにゲンナリしてしまったのですが。tv レイチェルは、実は「脱いだらスゴイ」というところが魅力的でした。(まぁ、作り手の計算はあるだろうけども)『X-MEN ファイナル ディシジョン』でファムケ・ヤンセンが横たわっている場面では、胸をギュウギュウと無理矢理に寄せて上げているように見えました。その美への執着心が切なかったです。bearing レイチェルは、ペネロペ・クルスを思い出させるような美しいバスト・ラインが素敵でした。今後の活躍も楽しみです。shine

本作の要は、ストーカー男トムを演じたウェス・ベントレーだと思いました。『アメリカン・ビューティー』では、何となく気になる存在感でした。その後は、そんなに活躍していない印象でしたが。ニコラス・ケイジがアメコミ・ヒーローに扮した『ゴーストライダー』では、悪玉として久し振りに顔を見せてくれました。shadow 個人的には、なかなかのハンサムさんだと思っていたから。たて続けに悪玉として登場されて、一瞬戸惑いました。coldsweats02 いえ、そのチャレンジングなアプローチは応援したいと思います。good 印象に残ったトムの場面は2つ。失神したアンジェラの服を脱がせて、自分の好みの衣装を無理矢理に着せていたようです。しかも、その様子をビデオ録画していやがって。movie pout 本人が「乱暴はしない」と繰り返している通り、性的虐待は加えていないと思うのですが。「君は何てキレイなんだ」と呟きながら触っていました。sad トムにとって、アンジェラは汚してはならない存在だったのでしょうか。crown それ程に恋焦がれていたというか。それはそれで気持ち悪かったです。お近づきになりたい気持ちは本物で、自己紹介も済ませていました。酔ったアンジェラの上司が、エレベーターの中でアンジェラに襲い掛かろうとしました。正気に戻った上司は謝罪し、アンジェラは受け入れて終わりのはずでしたが。監視カメラで一部始終を見ていたトムは、その上司に制裁を加えようとします。wrench トムを落ち着かせるようと説得を続けるアンジェラが、何度も「トム」と名前で呼びかけるのですが。「名前を呼ぶんじゃないannoy」と激怒して、頑なに耳を傾けようとしないトムの姿が印象的でした。名前を呼ばれると、心が開いていく。それが怖かったのでしょうか。バイオレンス描写よりも、その心情の方が気になりました。eye

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2008年5月20日 (火)

最高の人生の見つけ方

「最高の人生の見つけ方」
Saikojinsei<THE BUCKET LIST>/製作:2007年、アメリカ 97分    
監督:ロブ・ライナー 出演:ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマン、ショーン・ヘイズ、ロブ・モロー、ビヴァリー・トッド
2008.5.20 MOVIXデイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,300で妥当 / 評価:3.5★/5点満点★

「余命6ヶ月、一生分 笑う。」

余命6ヶ月―― 2人の輝かしい人生は、そこから始まった。
残された時間が長くても、短くても。最高の人生を生きるのはあなた自身。

あれぇぇぇ、どうしたんだろう・・・。typhoon実は、余り引き込まれませんでした。catface ジンワリと感動する準備は万端だったはずなのに、涙するどころか失神してしまった場面まであったりして・・・。sweat01 《鬼》と呼ばれても文句は言えないのですが、イマイチだったなりに振り返ってみようと思います。enter 「レビュー」というよりは、個人的な単なる「覚え書き」となってしまいますので。せっかく遊びにきて頂いても、殆ど参考にならない記事となってしまうことが予想されます。coldsweats01その辺はご理解いただき、広い心で流して頂ければ嬉しく思います。tulip

97分という尺は、コンパクトにまとまっていて好感を持つのが常ですが。今回は、展開が早くて追いきれないという印象でした。次の展開までの経過を、もう少し丁寧に描いてもらった方がグッときたかもしれません。予定調和的すぎやしないかねsign02という気持ちがチラつきました。catface 延々と無駄な描写が続いても、それはそれで乗れませんが。本作の場合は、もう少しだけ細かく描いて欲しかったというのが正直な感想でした。bleah

【死】という現実に直面せざるを得なくなって初めて、人生を振り返るというストーリーはとても魅力的だと思います。shine 2人が「死ぬまでにしたいこと」を書き連ねた【バケット・リスト】(=棺おけリスト)。2人が挙げた事柄は、似ても似つかないというところが興味深かったし。相手の挙げた事柄をどう解釈するかも、多少は違っているように見えたし。【バケット・リスト】に挙げたことを実践したら書き潰していく。pencil 後半の実践具合がとても粋で、この辺は展開が早いことがポイントのような気もしました。毒のあるエドワードを愛敬たっぷりに演じたジャック・ニコルソンと、落ち着いた雰囲気で懐の深いカーターを体現したモーガン・フリーマン。2人の息がピッタリ合っている雰囲気が素敵で。gemini その辺は、やっぱり魅了されました。notes

という具合に、好きだった点もありますが。私が期待した程には引き込まれなかった理由は。本作を観ずとも、元気一杯のおじいちゃん&おばあちゃん達をよく見掛けるからかもしれません。近所の公園で、朝早くから集合してゲートボールを楽しむ方達。golf 試合用のコートなど、全て自分たちで準備している様子です。お弁当を持ち寄り、のんびりと談笑しながら楽しんでいました。restaurant 焦らずに自分のペースで老後を謳歌している姿が、眩しくもあり愛らしくもあります。aries snail chick 老人と呼ぶにはまだ若い私の両親も、趣味の時間を持つことを重要視している様子です。「自分の時間は作るもの」というモットーがあるみたいです。clock 「暇がある・ない」ではなくて「暇を作ろうとするか・しないか」の違いだと捉えているようでして。私は、この考え方には大賛成です。paper

そして、ここ最近。私に元気を与えてくれる高齢の方が2人います。「高齢」なんて言葉は使うべきではないかもしれません。『インデ・ィジョーンズ』シリーズの4作目を引っさげたハリソン・フォードと、『ランボー』最新作で再び闘いに身を投じるシルベスター・スタローンです。snowboard 2人も還暦を過ぎているのに、まだまだ元気一杯なようで。rock 4作目がやって来ると聞いたばかりの頃は「2人とも老体に鞭打って大丈夫かしらsign02」とか「何が彼らをそうさせるのかしらsign02」とか。coldsweats02 ちょっと心配になったりもしましたが。そんなの余計なお世話だったようで何よりです。happy02 happy02 happy02 予告編を見る限り、年齢なんて全く関係なかったようで。punch 2人とも、1人の俳優としてアクション映画に出演した、ただそれだけの事でした。2人とも《アクション俳優》というイメージが強いと思います。一時期は、定着したイメージを払拭しようと躍起になっているように思えた作品もありましたが。興行面での失敗と成功、たくさんの経験を積んだ後に定着したイメージのキャラクターに帰って来た2人。run シンプルに《映画》という世界に携わることを楽しんでいるようにも見えます。movie 電車の車内の床や駅のホームにヘナヘナと座り込んでいる若い人を見掛ける事のある今日この頃。私自身、職場の若い子に「楽しそうでいいですねぇ」なんて言い方をされる事がありますが。人生の先輩たちは、私なんかより百倍もエネルギッシュです。sun sun sun 活力溢れる先輩たちの姿を目にすると、自然と力が湧いてくる気がして楽しく思う今日この頃でもあります。fuji

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2008年5月17日 (土)

光州5・18

「光州5・18」 
製作:2007年、韓国 121分 PG-12指定Koshu518          
監督:キム・ジフン 出演:キム・サンギョン、イ・ヨウォン、イ・ジュンギ、アン・ソンギ、ソン・ジェホ、ナ・ムニ、パク・チョルミン、パク・ウォンサン
2008.5.17 劇場前売り鑑賞券¥1,300にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★

「今日、弟が殺された。オレの目の前で――」

世界は知らなかった。光州で散った愛の数を・・・。
1980年、韓国で起きた【光州の悲劇】を完全映画化。

【光州事件】・・・1980年5月18日、韓国・光州市。25,000余名の韓国軍と民主化を求める学生らとの間に武力衝突が起こる。軍と市民の間に起きた争いにより、数多くの人の命が奪われる。

お恥かしながら、私はこの映画がキッカケで韓国に光州という町があることを知りました。coldsweats01当時はまだ幼かったので、隣の国どころが自分の世界が中心でした。punch当然の如く、この出来事の知識は皆無です。catface catface catface 歴史の授業で習った記憶もありませんし、勉強を兼ねて本作を鑑賞することにしました。pencil何もわかっちゃいないレビューになっているかもしれませんが、そこのところは大きな心で流して頂ければ幸いです。

===(シネマトゥデイよりストーリー紹介)===
純朴で心優しいタクシー運転手のミヌ(キム・サンギョン)は、高校生の弟ジヌ(イ・ジュンギ)のために家事の一切を担って、弟を名門のソウル大学に合格させるために尽力していた。ある日、ミヌは思いを寄せる看護師のシネ(イ・ヨウォン)、そしてジヌと映画館でコメディー映画を楽しんでいると、映画館の外では悪夢の事件が起きていた。

今回は、私目線では好きじゃなかった部分を先に記します。かなり号泣してしまった本作ですが、感情論は置いておきまして。1本の映画としてはバランスが悪いと感じました。メインで描き出すことは、悲劇的でかなりシリアスな内容。だからでしょうか、冒頭はとにかくコミカルな場面を多々挿入しているんですよね。gawk ミヌジヌが仲の良い兄弟ゲンカをしているような場面はまぁいいとして。ミヌの同僚であるおっちゃん・インボン(パク・チョルミン)と、チンピラ風の若者ヨンデ(パク・ウォンサン)のコンビが、まるでお笑い芸人のようでした。gemini happy02 演じた2人は、他の作品で見た覚えがあるし、お笑いは大好きなので魅力を感じましたが。余りにもコミカルな味を濃くしようとし過ぎていて、ちょっと鬱陶しかったです。sad 後の展開を考慮して《緊張と緩和》でバランスを取るつもりだったのは理解できるのですが。そこまで緩めなくても大丈夫でしょ。catface catface catface 私だったら、ミヌの天然っぷりだけで存分に緩和できたと思います。このミヌという男性を見ていたら、トム・ハンクスの名演技が光っていた『フォレスト・ガンプ』を思い出しました。純朴そのもので、それこそが生きる活力となっている。rockボーっとしているようで、実は逞しくて男らしいんですよね。憧れの女性シヌへのアプローチも意外と積極的だったし。heart04ミヌの存在感は、かなりツボでした。tulip

それでも、最終的には好きな場面が幾つもあり、知らなかった事実を教えてもらえたので好意的な感想となりました。shineお隣の国の歴史を知ることができて良かったという感想が一番なのですが。他に印象的だった場面などを振り返ってみたいと思います。
シヌに銃を向けた兵士に、ミヌが襲い掛かる場面があります。丸腰のミヌは、逆に殺されそうになりますが。シヌが咄嗟に、背後から兵士を撃ってしまいます。これって正当防衛と言えると思いますが。看護師であるシヌは、人の命を奪ってしまったことに衝撃を受けてしまいます。ガクガクと震える両手で「・・・ゴメンなさい・・・」と、か細く呟きます。白い服を返り血で真っ赤に染めたシヌの姿が、強烈に印象に残りました。coldsweats02 予告とチラシから想像がつく通り、ジヌは銃撃を浴びて命を落としてしまいます。shock成績も優秀で、かなりのシッカリ者という印象です。school 正義感も人一倍強かったようで、親友が殺された怒りそのままに。学校の生徒の中心に立って、軍に対抗しようとします。当然、教師たちは止めますが。ジヌの決意が揺らぐことはありませんでした。ミヌの目の前で銃弾に倒れるジヌ。駆け寄ったミヌの胸の中で「お腹の辺りがすごく痛いよ・・・」と呟くジヌは、幼い少年そのものでした。〈若さ〉という武器が思いもよらない結末を招いてしまったのだと、何とも痛々しく感じました。weep
ミヌ以上に印象的だったのは、シヌの父親フンスを演じたアン・ソンギさんです。lovely偶然にも、ミヌが勤めるタクシー会社の社長でした。chair フンスは、軍を引退してタクシー会社を営んでいました。訪ねてきた昔の部下が現・将軍の独裁者っぷりをぼやいた時、「上司を悪く言うもんじゃないぞ」と、それはそれは優しい口調で諭していました。japanesetea きっと、軍でも優秀だったに違いありません。セリフは少な目でも、アン・ソンギさんが語るといちいち重みがあって目が離せませんでした。eye かなり遅れて光州の悲劇が海外のメディアで取り上げられた時、市民は「これで我々の勝利は決まった」と大喜びしていましたが。フンスは、「この勝利は、冷静に考えると孤立でもある」と呟いていました。despair フンスだけが冷静に状況を判断していたようです。恐らく、暴動が起きた直後には既に。sweat01 早くから全てを見通して、達観した感じのあるフンスが、市民兵を率いる役割を買って出る。この辺は、正直なところ共感はできませんでしたが。早くから死ぬ覚悟はできていたのかもしれないですね。
そして、ラストに映し出される1枚の写真。とても意味深なものでした。映っている面々が満面の笑みを浮かべているのに対して、1人だけ表情が曇っています。この抽象的な表現こそが、本作で一番上手いと唸った場面でした。どうか、お見逃しなくsign03

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2008年5月16日 (金)

【感動秘話】

本来の「感動秘話」という言葉の意味に沿わない