JOHNEN 定の愛
「JOHNEN 定の愛」
製作:2008年、日本 108分 R-18指定
監督:望月六郎 原作、脚本:武知鎮典 出演:杉本彩、中山一也、阿藤快、斉藤暁、村松利史、菅田俊、高瀬春菜、山下徹大、本宮泰風、風間トオル、江守徹、内田裕也
2008.5.15 試写会¥0にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,300で妥当 / 評価:3.5★/5点満点★
「ただ惚れた男を愛しただけ・・・」
愛と罪。激しい愛の情念が女を狂わす。
===本作は「R-18指定」です。18歳未満の方は、ご覧になれない作品のレビューであることを最初に提示しておきます。===
===(シネマトゥデイよりストーリー紹介)===
カメラマンのイシダ(中山一也)は、白髪の老人オオミヤ(内田裕也)の異様な雰囲気に興味を覚え、後をついていく。そこで妻サダ(杉本彩)を紹介されたイシダは、そのなまめかしい美しさに心を奪われてしまう。やがてイシダとサダは激しくお互いを求め合い……。
愛する男の性器を切り取った阿部定を、少し違った角度から描いている作品という感じです。今回、阿部定を演じるのは杉本彩姐さんです。
鑑賞直後には、感想が湧いてこない作品でした。少なくとも、1日は置かないと・・・。
【パラレル・ワールド】といった感じだし、【タイム・トラベル】的な要素も入っていると思います。
カメラマンのイシダとヌードモデルの女の子は現代の人物だと思いますが。彩姐さん演じるサダは勿論のこと、内田裕也が演じた老人も昭和初期の人間だと思われ。現代と昭和初期の場面が入り混じっているのか、殆どが昭和初期の場面なのか。
ハッキリと区別できなくて混乱します。
物語の解釈は放棄して、摩訶不思議な映像を楽しむ方がいいとすら思いました。何となく、デヴィッド・リンチ監督の『インランド・エンパイア』を思い出します。理解の追いつかない作風の中に、極端なエロスをたっぷりと加わっているという感じ。
でも、暫くしてから自分なりに考えてみました。石田吉蔵を愛し過ぎる余り成仏できない阿部定の魂が、吉蔵の生まれ変わりであるイシダを迎えに来たという話なのではないかと。【情念】という表現には相応しい流れですが、個人的には「ストーキング」としか受け取れません。なんて言ったら、姐さんに怒られちゃうかな。
![]()
印象的だった点を振り返ってみます。衣装も美術も、強烈に真っ赤でした。
赤い色をワンポイントでたくさん挿入するのではなくて、赤い世界に俳優たちが入り込んでいるという感じ。イシダとサダが情事に耽っている場面を、ヌードモデルの子が携帯電話でパシャパシャ撮る場面のロケーションが最高でした。
海の色はともかく、砂浜と浸食された岩壁が絶景で。ここは何処なのかと気になりました。
モデルの少女が両手に携帯電話を持っているというのが、二丁拳銃みたいで滑稽だし。
携帯電話は現代の象徴なのかと思ったけれど、それを頼りに場面毎の時代背景を追いきれず・・・。
中盤、サダが裁判にかけられる展開になります。この裁判の場面がまた風変わりで、一つの見せ場と言えると思います。
当然の如く真っ赤な法廷だし、裁判官や検事の衣装も凝っていました。学生服に白塗りで赤いバラを咥えた奇妙な一団に気を取られて、素通りしそうになりましたが。
この裁判には、弁護人が存在しませんでした。昭和初期の裁判についての知識は皆無ですが、弁護する人間がいないというのは何か深い意味を込めているのかしらと邪推しました。
裁判官を演じた江守徹がメガネをかけていないのは新鮮だったし。検事を演じた村松利史が意外と印象的でした。それでも、本作で最も存在感を放っていたのは謎の老人を演じた内田裕也だと思います。
最初はセリフ回しが淡々としているように見えたのですが。やっぱり、エキセントリックなオーラが凄くて
「女体は沼だ」 という短いセリフの中に、奥の深い不思議なイメージが湧いてしまいましたもの。『不思議の国のアリス』でいったら、アリスがついていくウサギのような役どころかと思いますが。私としては、本作の要だった気がします。![]()
想像していた以上に、性描写が強烈なので。大勢で静かに見るのは、ちょっと恥かしかったです。知っている人同士で見るのは、更に恥かしい・・・。
なんてことを言うと、姐さんに失笑されちゃうかしら。
私は、杉本彩さんと言えば何を置いてもまず『ウリナリ芸能人社交ダンス部』です。
テレビ放映と海外旅行が重なった時も、タイマー録画をして必ずチェックしていました。
負傷してドクターストップがかかっても、痛み止めの注射を打って何事も無かったかのように闘いに挑んだ姐さんの勇姿。
彩さんには、やっぱり《ラテンの情熱》というイメージが強くあるので。サダという女性像が、お岩やお菊やお七のような日本人女性とはかけ離れて見えました。どちらかと言うと《西洋の魔女》という感じがしました。行為のみならずセリフまで直接的に卑猥だったので、ある意味ショッキングでしたが。
サダを演じることに全身全霊をかけていることは伝わりました。
裁判のシーンの学生服の一団のみならず、老人宅の使用人の姿も黒ずくめで白塗りだったのは気持ち悪くて印象的でした。カモメのような眉のラインも気味悪かったです。それと、イシダという男ですが。たくさんある濡れ場のシーンよりも、カメラマンとして登場した冒頭の場面が強烈でした。ヌード・モデルの撮影。
普通にヌードだけ撮ればいいのに、何であんなショッキングな撮影をしていたのでしょうか。
キャラクター設定として意味を込めていたとしても、私は好きになれない描写でした。![]()
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阿部定という素材は映画にするのに向いている?一足お先に『JOHNEN 定の愛』鑑賞させていただきました。公式サイトの総天然色ポルノグラフィーの文字と予告編だけでチェックしての鑑賞です。かつて定という女がおりました。狂おしいほど愛した男は妻子持ちの石田吉蔵愛して... [続きを読む]
受信: 2008年5月22日 (木) 23:13
» JOHNEN 定の愛 [シャーロットの涙]
アベサダが杉本彩で蘇るポルノ;?!? [続きを読む]
受信: 2008年5月24日 (土) 18:20
» 『JOHNEN 定の愛』 [ラムの大通り]
----この映画、観たのって
確かずいぶん前だよね。
「うん。最初に噂を聞いたのは
確か去年の末だったかな。
その時の情報では、
望月六郎監督が時空を超えて現れる阿部定を映画化---というもの。
それを聞いてなぜかパゾリーニの幻の遺作が頭に浮かんだんだ」
----それってどういうの?
「第二次世界大戦中にキリストが連合軍側とドイツそれぞれの前に現れて聖書の中の言葉を喋る。
そしてその言葉を聞いた各陣営が奮い立つというもの」
----いかにも反キリスト教のパゾリーニらしい内容だね。
「そう。しかも反道... [続きを読む]
受信: 2008年5月25日 (日) 00:41
» 阿部定の名言 [サブカル雑食手帳]
「体や首を持って逃げるわけにはいかないので、一番思い出 の多いところを切り取っていったのです。」(阿部定) 先日、何かブログのネタに使えそうな本はないかと物置き小 屋を物色していると一風変わった「名言集」が出てきた。それ は犯罪心理研究所編「20世紀名言..... [続きを読む]
受信: 2008年6月 1日 (日) 07:45
» JOHNEN 定の愛 [単館系]
18禁
花と蛇の杉本彩さん主演の映画、見てきました。
昭和の初期と現代が行き来していてどういう世界なのか正直よくわかりませんでした。
... [続きを読む]
受信: 2008年6月 2日 (月) 22:31
» 『JOHNEN 定の愛』2008・6・1に観ました [映画と秋葉原と日記]
『JOHNEN 定の愛』
公式HPはこちら
←クリック
●あらすじ
定と吉蔵の情事の顛末が、現代と過去を舞台に時空を越えていく(但しSF的VFXは一切無いと言って良い))
(18禁映画)
●コラム
先ずこの手の映画はスルーしてきましたし観るつもりは有りません... [続きを読む]
受信: 2008年6月 7日 (土) 20:17
» あたしゃ、ただ溶け合いたかっただけさ [CINECHANの映画感想]
142「JOHNEN 定の愛」(日本)
カメラマンのイシダは、海岸でヌード・モデルの撮影中に謎の老紳士オオミヤと出会う。彼に招かれた屋敷で、その妻サダと出会う。彼女のその妖艶な美しさにすぐに心を奪われてしまうイシダ。
「やっと逢えたのね、吉蔵さん・・・」
イシダと出逢い、そうつぶやくサダ。オオミヤにサダの撮影を頼まれるイシダだったが、彼女の射すくめるような視線に、撮影さえ忘れ、やがて彼女の開いた下肢へと引き込まれていく。
激しくお互いを貪り合うサダとイシダ。やがてそれは時空を...... [続きを読む]
受信: 2008年6月12日 (木) 00:47

コメント
おや、一緒の日に鑑賞してましたぁ。
なんだ、お話できたかもしれなかったのねっ。
それにしても、かなり描写が際どいところがたくさんありましたが結構面白かったわ。笑いたくても笑っていいのか迷いましたけど。わはは
シュールで最高に面白かったです。
あの場に女性がいただけで私は結構ホッとしたのでした。最後まで見た自分をほめてあげようと思いまーす。
投稿 シャーロット | 2008年5月24日 (土) 18:19
再び。
どうも禁止ワードにひっかかったらしくスパム扱いになっちゃって、なかなかコメントを入れられなかったのだけど(どんどん短くなってしまったわ。ごめんなさいー)、TBは出来た!
嬉しくってまたきちゃった。笑
投稿 シャーロット | 2008年5月24日 (土) 21:22
シャーロットさま






TB&コメントありがとうございます。
わぁぁぁぁ、接近してたんですねぇぇぇ
確か『エコール』の時にも、同じ空気を吸っていたことがわかったんでしたよね。
きゃあぁぁぁぁぁ、ワクワクどきどき。
私は勝手がわからないというか、状況を余り理解できていなくて。
えいさんにもアホな質問してしまったりしました。
だって、名刺持ってないしー
受付でも「媒体名って何ですか?ブログの名前を書けばいいのですか?」とアホな質問をしてしまったとです。
天然素材。
そんでもって、一番ノリで会場入りしたとです。
そうそう、女性は少なかったですよね。
その少ない女性の中にシャーロットさんがいたなんて
彩姐さんは、和服姿よりも黒いレースのドレス(あれってドレス???)の方が似合っているなぁと思ったのですが。



同時に、実写版のドロンジョ様は彩姐さんでお願いしますって思いました。もう遅いけど。
13日には、舞台挨拶つきの一般試写会があったそうですね。
彩姐さんは、どういうコメントをしたんだろう。
もの凄く興味があります。
投稿 となひょう | 2008年5月24日 (土) 21:48
こんばんは。
かなり恥ずかしい思いをさせてしまったみたいですね。
マスコミ試写会なので大丈夫かと思ったのですが、
やはり甘かったかな。申しわけないです。(汗)
当初、女性の方をお誘いするのはどうかなとも
考えたのですが、
それこそ「えいや〜っ」って感じでした。
普段から、いろんな映画を分け隔てなくご覧になっている方たちには大丈夫かと…。
そういう意味では、睦月さんやトラネコさん、migさんにも観てほしかったなあ。
時間があわず残念でした。
さて、日本映画、
たまにこういう映画にであったりすると嬉しくなってしまいます。
天願大介監督の『世界で一番美しい夜』なんかもオススメ。
父・今村昌平ほどの重量感はさすがにないのですが、
野心的な映画でした。
投稿 えい | 2008年5月25日 (日) 00:41
えいさま



TB&コメントありがとうございます。
この度は、声を掛けて頂きましてありがとうございます。
私は、一人でこっそり見たいタイプのむっつり君なので恥かしかったけど。
あの場にシャーロットさんが居たなんて、今更ながらホッとしています。
隣にいた2人組の女性が途中退出していました。
女性にはキツイとお考えのようですが、男性も1人途中退出してましたよ。
男性でも苦手な人は苦手なんでしょうか・・・
さて、私はえいさんの解説を拝見してピンとくるところまで達していないみたいです。

って感じです。

そちらには書きましたが、知らない言葉もありました。
書き漏れましたが、「ATG」もわからなかったのでした
やっぱり映画って奥が深いんですね。
表面的なことのみならず、色々な解釈やメッセージがある。
芸術は爆発だ
ここ10年くらいは「1+1=絶対に2だ!」って雰囲気の中で仕事しているので、今回の試写会はとても貴重な体験でした。思わぬところで幾らか視野を広げられたような錯覚に陥っています。
こんな風に「ブログ続けてて良かったなぁ」と思える瞬間がくるとは想像していなかったです。
また色々と教えてくださいね、師匠。
投稿 となひょう | 2008年5月25日 (日) 20:55
となひょうさん
こんばんは
先にTBお返ししてコメント今頃失礼します^^;;;
実はこちらも一足お先の鑑賞は、えいさんにお声かけていただいた
おかげの鑑賞なのでした。
猫の観た時は、女性の方は少数派でしたが、退席された方は
いらっしゃらなかったように覚えています。
(あ、でも勝手に映画にのめりこんでただけ?(笑)
投稿 にゃんこ | 2008年5月26日 (月) 00:06
にゃんこさま


こちらこそ、TB貼り逃げしちゃいました
失礼いたしました~
にゃんこさんは、7日に見たのですねー

私は15日に何と一番ノリで会場入りしてしまいましたわ。
私が見た時は、結構早い段階で退席した方がいました。
私も恥かしがりながらも、結構飽きずに見れましたー
意味とか考えちゃうと、今だによくわかりませんけど。
世界観は、なかなか興味深かったかなぁなんて。
投稿 となひょう | 2008年5月26日 (月) 21:07
はじめまして。TB返し、ありがとうございます。
この映画、私の地元ではまだ公開されていないため観ることができないのですが、となひょう様のエントリーといい、えい様のエントリーといい、教えられるところが多くて感謝しています。てっきり例の阿部定事件の忠実な映画化だとばかり思ってたのですが、かなりシュールな作品に仕上がっているようですね。でもそれはそれでまた楽しみです。
>行為のみならずセリフまで直接的に卑猥だったので
どんなセリフなのか大いに気になりますな~
投稿 下等遊民 | 2008年6月 3日 (火) 02:08
下等遊民さま
初めまして、こんにちは。
TB&コメントありがとうございます。
そうですか、そちらでは公開されていないのですね。
まぁ、全国津々浦々で見れるタイプの作品とは違いますが。
私は、東京の1館でレイトショー上映のみくらいの扱いになるのではないかと思っていました。
恐らく、『花と蛇』が単館ながらに人気があったので、杉本彩さんの功績は大きいかと思うのですが。
>阿部定事件の忠実な映画化
私は、こういう感じの方が興味を持てたと思います。
今回は、何となく難しく感じました。
昔の映画で見ていないものもたくさんあるし、映画の技法とかは、まだまだ勉強不足という感じです。
えいさんのレビューのように参考になるとは思えませんが、お越し頂きましてありがとうございました。
>どんなセリフなのか大いに気になりますな~
テレビでは放映できないと思うけど、まぁ割とシンプルな表現ですので思わず笑ってしまうかもしれません。
投稿 となひょう | 2008年6月 3日 (火) 21:14