ブレス
「ブレス」
<BREATH>/製作:2007年、韓国 84分 R-15指定
監督、脚本:キム・ギドク 出演:チャン・チェン、チア、ハ・ジョンウ、カン・イニョン、キム・ギドク
2008.5.6 劇場前売り鑑賞券¥1,500にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★
「愛は、天国と地獄。だから輝く――」
自殺志願の死刑囚を突然、訪ねてきた孤独な女。
白い面会室で彼女がプレゼントしたのは、極彩色の四つの季節。
それは、叶うことのない【断末魔の恋】の始まり――
映倫さん、《R-15指定》なの?
===(チラシよりストーリー紹介)===
「ハンソン刑務所に収監中の死刑囚チャン・ジンが今朝7時頃、再び自殺を図りました」死刑執行まで残された時間はあと僅か。にも関わらず自殺を企て失敗する死刑囚チャン・ジン(チャン・チェン)の元に、見知らぬ女が白い面会室を訪ねて来る。女は、夫の浮気発覚から深い孤独の闇に落ちた平凡な主婦ヨン(チア)。余命僅かの彼に彼女がプレゼントしたのは、原色に満ちた眩しい四季の風景と歌だった。戸惑うチャン・ジンだが、彼女の存在によって《天国》の温もり、「人を愛していきたい」という強い願望が目覚めていく。
えーと、キム・ギドク監督作品というとだけで鑑賞必須なのでありますが。今回は、ヨンのプレゼントした四季の色合いには目を奪われつつも。
物語に心が奪われる鑑賞とはなりませんでした。
チラシにある数々の大絶賛のコメントを読んで、「わぁぁぁ、どうしよう・・・
」と汗が止まらないのですが。
いいんだ、少数意見でも。私なりに理解しづらかった部分も含めて、振り返ってみたいと思います。終盤の方についても少し述べてしまうので、これから鑑賞予定の方は、観てから読んで頂く方が良いかもしれません。
私は映画を見る際、登場人物の心に寄り添ってストーリーに入り込むのが好きみたい。主役でなくても気になるキャラクターが居れば、その心情をジックリと考えてみるのです。この作品には、心寄り添えるキャラクターが居ませんでした。とにかく、このヨンという女性の行動がエキセントリック過ぎて失笑気味。
先日、「昨年結婚しました」と唐突に発表した女芸人さん並に《引き潮モード》。もの凄い遠くに後ずさってしまいました。
夫の浮気に悩まされながら、子育てと家事に追われる日々。そんなこんなで抜け殻みたいになってしまうのは幾らか理解できる気もするのですが。その後に取った行動がエキセントリック過ぎて「うーむむむ」。
自殺未遂を繰り返す死刑囚を訪ね、白い面会室を四季折々の極彩色で染めていく。
ファンタジックで、まぁいいとしようか。春には春の、夏には夏の、それぞれの季節を思わせるファッションに身を包む。
大した行動力だー
と認めることにしようか。でもね、四季を伝えたいとは言え、カセットデッキまで持参して大声で歌を歌う必要があるの
私がその場にいたら、絶対に吹き出していたに違いない。【春】のパフォーマンスなんて、子供の頃に見たアニメ『花の子ルンルン』を思い出してニヤニヤしちゃったのよ。
監視カメラや監視員の存在を知りつつ、貪るように激しいキスを交わす。
しまいには、死刑囚に馬乗りになって・・・。
説明のつかない描写ばかりだけど、それでも頑張って解釈してみようとする私。「子供の頃に5分間だけ死んだことがあるの」というヨン。死の淵から戻れた彼女だからこそ、自殺未遂を繰り返すチャン・ジンを気にかけていったのでしょうか。日頃の虚無感を、彼に〈生きるエネルギー〉を与えることで、自分にも〈生きる力〉を蓄えたい。
ちょっと感動的とも受け取れる《慈愛》にも似た心情だったかと想像してみたのですが。ヨンがチャン・ジンと身体を重ねた時、その考えは消えました。
ヨンは死に掛けた時、ある種の恍惚としたエクスタシーを感じたのかもしれません。
その歓びをチャン・ジン与えようとしたのかもしれないと思いました。貪るようにチャン・ジンの唇に吸いつきながら、彼の鼻をつまむヨン。チャン・ジンの呼吸を止めようとします。そして『ブレス』というタイトルが活きてきます。浮気をしていた夫も身勝手だけれど、ヨンがチャン・ジンに求めた関係も私には少し傲慢に映りました。
理解に苦しむし、自分で実行してみようとは欠片も思いません。更に言うと、本当は禁じられていた面会を許可した刑務所の所長らしき人物の意図も全くわかりません。演技というものではないけれど、演じていたのはキム・ギドク監督自身だそうで。所長というキャラクターの心情を分析する作品ではないと思うけど。意味を込めたにしても、私には好みの演出ではなかったです。![]()
本作を絶賛できない、ロマンも色気もない私。
でも、ノレないものはノレないもん。
『絶対の愛』は、かなり好きだったんですけどねぇ。ヨンの娘がお父さんと雪だるまを3つ作ってる場面に切なくなっちゃって。
子供心に、パパとママがちょっと仲良くないことを感じ取っていたのかと。3つの雪だるまは、パパとママと私。![]()
![]()
そんな思いを込めているのかと想像してしまいました。100%本心じゃなくてもいいから、娘の気持ちを考えて家庭に戻ってはくれませんか、エキセントリックお母さん。![]()
何だか突っ込みばかりになってしまいましたが。勿論、好きだった点もあります。先にも述べたように、ヨンがプレゼントした【春夏秋冬】には目を奪われました。歌はさておき、四季折々の風景が描かれた壁紙。【四季】というものを重んじる日本人にとっては、目を奪われるポイントだと言えるのでは。
それと、死刑囚チャン・ジンにはセリフが一つもないところもツボでした。振り返ってみると、『悪い男』 『弓』 でも主人公は黙ったままでしたね。セリフがない役どころというのも、役者としてはチャレンジングなのではないかと想像します。チャン・チェンの美しい瞳が、場面によっては違う表情を見せてくれるので引き込まれました。ヨンの夫が「彼女はもう来ない」と言いに面会する場面の鋭い視線。同じ部屋の囚人を睨みながら四つん這いになっている場面などは、しなやかな豹に見えました。
それと、終盤のチャン・ジン。同じ部屋には、他に3人の囚人が居ましたが。横たわるチャン・ジンに折り重なっている3人の姿が、同性愛っぽい雰囲気とかではなく、1枚の画として何とも惹かれるものがありました。![]()
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» 『ブレス』 [ラムの大通り]
(原題:Breath)
----キム・ギドクって監督、
韓国ではあんまり人気がないって聞いたけど?
「そういう話もあるね。
『自分の映画を国内で公開しない』という
彼自身の発言も人々の耳目を集めている。
しかし、これだけ作家性が強いというか
個性的な監督も、そうそうはいないと思うけどね」
-----今回は、台湾のチャン・チェンを
主人公に起用しているよね。
言葉の壁とかは大丈夫だったの?
「まあ、今回は彼のセリフが一切ないからね。
チャン・チェンが演じる主人公チャン・ジンは
獄中で自殺未遂を繰り返... [続きを読む]
受信: 2008年5月 6日 (火) 21:56
» 「ブレス」 [Puff's Cinema Cafe Diary]
公式サイト
シネマート六本木、公開7日目初回、スクリーン1(165席)
**********************************************************************
評価:★★★☆
... [続きを読む]
受信: 2008年5月11日 (日) 08:04
» かりそめの季節を巡り、現実の冬へ [CINECHANの映画感想]
116「ブレス」(韓国)
ハンソン刑務所に収監中の死刑囚チャン・ジンがある朝錐で喉を突き、自殺を図る。彼が自殺を図るのは何度目かのことだったが、彼の願い空しく、全て失敗に終わり、刑務所に送り返される。
そのニュースを偶然知った主婦のヨン。満たされた日々を送っていたはずの彼女の生活は、夫の浮気の発覚で狂い始めていた。彼女はチャン・ジンに不思議な同情を覚え、衝動的に刑務所へ向かう。チャンの昔の恋人だと偽って面会を果たすヨン。そしてチャン・ジンに何かしてあげたいと思ったヨンは、彼に四季を...... [続きを読む]
受信: 2008年5月11日 (日) 14:27
» 『ブレス』(試写会) [たーくん'sシネマカフェ]
楽天ブログ&ウォーカー友の駄々猫(岩飛)さんが私がキム・ギドク監督のファンだということと彼の作品を初めに薦めたこともあり試写会の同伴におよばれされちゃいました〜♪しかも試写開始時間帯が19:30と比較的遅く間に合いました☆東京FMホールでの上映。(C)2007...... [続きを読む]
受信: 2008年5月28日 (水) 21:16

コメント
こんばんは。
あのラストは、なんとも皮肉たっぷりでしたね。
夫に裏切られた妻が、あることをなしとげ、
でもその後は…。
ある意味、自分の中で折り合いをつけたということでしょうか?
ぼくは、キム・ギドクの映画はいつも後味が悪いです。
投稿 えい | 2008年5月 6日 (火) 21:55
えいさま


TB&コメントありがとうございます。
そうなんですよねー、今回は私も後味が余りよろしくありませんでした。
ヨンという女性が、何だカンだで身勝手に見えてしまって。
【冬】の歌は「ゆーきーはー ふるー、あなたはこーなーいー」なんですね。
『ユゴ』の時も日本の演歌が出てきてましたよね。
投稿 となひょう | 2008年5月 6日 (火) 23:13
やー、どもー!
連休中はあれやこれやと帰省したりしてさっぱり映画とはご無沙汰していました。なので帰って来て一番最初に観た映画がこれです・・・!
宣伝などでチラリと見た「四季のプレゼント」って何なんだろう?と思っていたんですよー、ああいうこととは、さすがギドクですね、ビックリしました!

>四季折々の風景が描かれた壁紙。【四季】というものを重んじる日本人にとっては
そうなんですよねー・・・、彼の作品「春夏秋冬そして春」では外に向いた四季を感じ、この映画ではまたまた違った空間で四季を感じさせてくれました。花や果物などの小物の演出も可愛かったですネ。
ところで、ヨンの夫(ハ・ジョンウ)、素敵な方ですが、この映画ではパッと見何だか「やくみつる」に見えました。笑
あと、刑務所の課長(キム・ギドク)は、モニターにチラリと映り込んだ姿が北の将軍様に見えたりしました。フハハ
ど、どうでせうか・・・?
投稿 Puff | 2008年5月11日 (日) 08:02
となひょうさん、こんにちは~
う~ん、私もこれは理解し辛い作品でした。
キム・ギドク作品は2本目だったんですが、
次はどうしようかなぁ?
でもオダジョーが出るらしいし、
予告の映像で惹かれれば、観てしまうかも。
そう言えば、この作品も予告でちょっと気になったんですけどね。
それとチャン・チェンかな。言葉を発しない役柄に引き込まれましたね。
投稿 CINECHAN | 2008年5月11日 (日) 14:30
TB&コメントありがとうございます
★Puffさま
どもどもー!お帰りなさいましー
>花や果物などの小物の演出も可愛かったですネ。
そう言えば、壁紙と音楽のみならず。



小物にも凝ってましたよねん。
夏には浮き輪も使ってたっけ
サングラスもインパクト大な感じで
ハ・ジョンウがやくみつるですかー
ふふふふふ、気づきませんでしたわ。
最近、よくテレビで見かけていると言うのに
>刑務所の課長(キム・ギドク)は、モニターにチラリと映り込んだ姿が北の将軍様に見えたりしました
これは凄いっすねー

Puffさんらしい、見事な例えっす
私は、チラリと映り込んだ姿をイマイチ識別できなかったので、何とも言えないのですが。
まぁ、何てったって監督ですもんね。
将軍様ですよねん。
投稿 となひょう | 2008年5月11日 (日) 19:00
★CINECHANさま


キム・ギドク監督の作品って、私もファンと言いながらも全部がお気に入りという感じではないです。
かなり独特ですもんね。
次は、オダジョー。
これまた楽しみです。
オダジョーだったら、ギドク・ワールドがお好きだと思うから。
かなり気合の入った演技をするんじゃないですかね。
日本でも意外と話題になるかもしれないし。
投稿 となひょう | 2008年5月11日 (日) 19:27
こんにちはー。
私はずっと以前に見ておりましたが・・・
なんとなく私もはまれなかったですぅ;
ミュージカルと思えばいいのかなあーなんて;爆
それに私はその囚人に恋する?同部屋の男が不憫というか滑稽で;キャラはみんなキョウレツに個性的でしたねー。
チャン・チェンは何気に隠れファンなの。ぷぷぷ
あ、花の子ルンルン♪私も見てましたー笑
なんとなくですが、もっと違ったラストを期待してしまったかもなあ。。。ちょっと私には普通の終り方だったかな;
投稿 シャーロット | 2008年5月12日 (月) 16:55
シャーロットさま
訪問ありがとうございます。
あら、ご覧になってましたかー
>ミュージカルと思えばいいのかなあーなんて;爆
そ、そうか、ミュージカルね

囚人の部屋の面々も、なかなかキャラが際立っていたと言うか。
ミュージカル場面よりも、興味深かった気もしました。
私がたまたま見た映画サイトでは、プロの方々が本作を絶賛していたんですよね。

私は、それ程でもなかったですが。
そうですね、まぁ普通という感じかな。
投稿 となひょう | 2008年5月12日 (月) 23:11
またまたこんばんは。
先日もTBが入らず;;失礼してしまいました;
リンクを勝手に貼らせていきます;邪魔でしたら削除してくださーい。すみません;
http://blog.goo.ne.jp/charlotte26/e/671a956b7657bfe6760a1f40498ad07d
投稿 シャーロット | 2008年5月14日 (水) 01:17
シャーロットさま
昨年、既にご覧になっていたとは・・・ 素早いですね。

おおおおお~っ
邪魔な訳ないじゃないですか。
もちろん残させて頂きまっす。
投稿 となひょう | 2008年5月15日 (木) 22:52
こんばんは、となひょうさん。となひょうさんもこれGW中にご覧になったのですね。
これ、もし「ギドクだよ」と言われずに見ていたとしても、すぐにギドクって分かったと思いますw
もう、あちこちにギドク印でいっぱいな作品でした。
夫役の人は、『絶対の愛』で見た時と全く違った顔を見せてくれましたね。
あの雪だるまは切ない、というか意地悪な映し方をしていたと思います。
投稿 とらねこ | 2008年5月29日 (木) 22:46
とらねこさま

TB&コメントありがとうございます。
何かご無沙汰しちゃいましたー
元気にしてたかな
時々チラチラと覗いていたのですが、足跡は残してなかったですわ
そうそう、知らずに見てもギドク作品だと気づきそうですよね。ギドクらしさが一杯でした。

雪だるまの場面は、ほんのちょこっとでしたが。
とらねこさんが仰るように、何か意地悪でしたね。
印象的な場面でしたー
投稿 となひょう | 2008年5月30日 (金) 20:42