JUNO ジュノ
「JUNO ジュノ」
<JUNO>/製作:2007年、アメリカ 96分
監督:ジェイソン・ライトマン 脚本:ディアブロ・コディ 出演:エレン・ペイジ、マイケル・セラ、ジェニファー・ガーナー、ジェイソン・ベイトマン、アリソン・ジャネイ、J・K・シモンズ、オリヴィア・サールビー
2008.6.14 TOHOシネマズ・デイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥2,500で妥当 / 評価:4.5★/5点満点★
「すべてはピンクの+から始まった」
彼女はちょっと変わった高校生。
16歳の秋、それは突然のちょっとしたアクシデントだった――。
===(チラシよりストーリー紹介)===
ジュノ(エレン・ペイジ)は、友達以上恋人未満のポーリー(マイケル・セラ)と興味本位でした1度きりのセックスで妊娠する。両親にどう伝えよう?ポーリーの反応は?親友のリア(オリヴィア・サールビー)に相談する。産むべきか産まざるべきか、それとも・・・。ちょっとクールで超マイペースなジュノが導き出した答えは?
アカデミー賞脚本賞を受賞した話題作。他にも3部門でノミネートを始め、数々の映画賞を受賞しています。脚本を担当したディアブロ・コディは、ストリッパーをしていた頃に書いた自叙伝を出版し話題を集めたそう。
本作の面白さには、キャリアをオープンにしている彼女のパワフルな生き方が反映されているような気がしました。![]()
16歳の妊娠というテーマを、軽快なコメディ・タッチで描いていますが。私は、心を鷲掴みにされました。ホロリどころではない、シクシクと泣いてしまいました。
印象的だった場面が幾つもあります。女性の描き方が抜群に良く、感情移入し易かったのかもしれないです。男性だったら気づかないであろう女性の本質に、何となくパワーを分けてもらった気分です。![]()
ジュノの妊娠という出来事を描く中で、考え込む男性に対して切り替えの早い現実的な女性の姿が対照的でした。相手であるポーリーは言葉を失くすし、ジュノの父マック(J・K・シモンズ)は複雑な思いが湧いて出てます。
ジュノとリアの会話も、とても印象的でした。言葉遣いは、いかにも若者という感じなのですが。クヨクヨしないで先の先を見据える現実的な内容でした。父マックは再婚しているので、母ブレン(アリソン・ジャネイ)とは血の繋がりはありませんが。ブレンの目線も冷静でした。どこかオロオロしているマックに「ポーリーの考えではないでしょう」と一言。ふふっ、全てお見通しなんですね。
ジュノ自身も、中絶はやめて産んで養子縁組をすると思いつくなんて凄いな。
「悩み一つない」ということもないだろうけと。タフでドライな姿に、ちょっと感動を覚えてしまうのでした。![]()
とにかく、3人の母の姿が心に響きました。養子に出すといっても、妊娠を通して逞しく成長していくジュノの言動に注目せずにはいられないし。何よりも、ジュノをサポートする継母ブレンの逞しさが最高に格好良かったです。
ジュノはママと呼ばずに「ブレン」 とファーストネームで呼んでいました。最初は、実の母親じゃないということで何らかの壁でもあるのかと思ったけれど。単に、ジュノの個性だったような気がします。
ジュノのジーンズを妊婦でも穿けるように縫い直したり、ここぞという時に端的にアドバイスしたり。
病院で超音波の検診を受ける場面も印象的。
16歳で妊娠したジュノに対して、失礼な発言をしてしまった医療スタッフに啖呵をきるブレンが最高に格好良かったです。
人生経験、愛情、母性、どれを取ってもブレンはジュノの母親なんですね。
私の一番好きな場面でした。
実は、一番共鳴できたのは里親になる女性ヴァネッサ(ジェニファー・ガーナー)だったかも。豪邸で暮らすヴァネッサとマーク(ジェイソン・ベイトマン)の夫婦は、理想的な里親に見えます。
ヴァネッサの身なりも態度も、良家のお嬢様という感じがしますが。几帳面を通り越して、完璧主義者のようでした。仕事も愛情も家庭でも、全ての幸せを手に入れたいタイプで。マニュアル本通りに振舞っていれば、全て手に入れることができると勘違いしているみたい。
それでも笑顔がチャーミングで、嫌味に見えるというよりは人間味溢れる印象。
でも、どこかで妥協しないとね。
作曲家をしているマークは、大らかでマイペース。
だからヴァネッサと巡り合えたのかもしれないけれど。養子縁組に向けて、ヴァネッサはどんどん暴走していきます。
マークを支配するばかりで、男のメンツなんてこれっぽっちも考えていない様子。
ヴァネッサは彼女なりに、女の幸せの1つである《母》になるべく躍起になっていたのでしょう。子供が欲しくても、なかなか子宝に恵まれなかったのかもしれません。大らかなマークも息苦しそうで同情してしまいましたが。
それでも、ヴァネッサの印象的な姿も幾つかあります。ショッピング・モールで他人の子供と楽しそうにはしゃいでいたり。ジュノのお腹を触って、赤ん坊が動いていると感じた時の少女のような笑顔とか。
無事に出産したジュノの赤ん坊を抱き上げるシーンも素敵。この世の奇跡に触れたような表情と、そんな母として初々しいヴァネッサを見守るブレンの温かい眼差しに涙が溢れてしまいました。![]()
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コメント
TB間違えて失礼しました!(恥)数少ない鷹の爪団にこのような不義、切腹します。(嘘)
最初のタイトルバックでキューンとやられてしまいました。非常に素敵な映画でした。
投稿: ぷくちゃん | 2008年6月16日 (月) 21:15
ぷくちゃんさま
早速、TBありがとうございました。
素敵な映画でしたよね。
>数少ない鷹の爪団にこのような不義、切腹します。(嘘)
ふふふふふー、こんな風に書いて頂けると、嬉しくて楽しくてどうしましょうー



遅ればせながら、私も前作のDVDを購入しましたよ
前回見つけた時よりも、数が減っていました。
割と売れているんじゃないでしょうか
大家さんの大活躍にハマリました。
投稿: となひょう | 2008年6月16日 (月) 22:44
こんにちは。
この映画、出てくる人、出てくる人、
いずれもこれまでの定型的なキャラクターから
少しずつ外してあって、
そこがオモシロかったです。
人と人の関係って、
その「人」が別の「人」に変わるだけで、
全然違うドラマが生まれてくる。
そんなことを感じました。
投稿: えい | 2008年6月17日 (火) 10:48
えいさま

TB&コメントありがとうございます。
確かに、どの登場人物も少し外してあった感じですね。
でも、自然だったというか。
もの凄く狙ってそうしたという感じがしなかったところが素敵だと思いました。
えいさんに頂いたコメントを拝見して、やっぱり人と人との関わりは面白いし大切だと思いなおしてみたりして。
自分に置き換えると、ブログを通して普段は知り合えないような方とも気軽に映画の話をすることができて、本当に嬉しいなと思います。
何か逸れている気がしますが。

とても素敵な作品でした。
投稿: となひょう | 2008年6月17日 (火) 21:01
コメディだと思いきや、かなり泣ける作品でしたよねー。
超音波技師?に立ち向かうブレンの毒舌な勇姿には私もとっても感動ー。
そして、ジュノの明るさにもホントに清々しい気持ちになれました。
個性派なのに、地に足のついたよい映画でしたねー。
投稿: かえる | 2008年6月18日 (水) 01:36
こんばんは。
湿っぽくなりがちな題材なのに、観終わったときの清清しさは何?ジュノの明るさや周りの人の自然な接し方&お父さんの人間性かな?
こんなふうに乗り越えていければ、これからもうまくいきかも?音楽もステキ!
投稿: cinema_61 | 2008年6月18日 (水) 22:05
こんにちは。
全ては+から始まったのでしたね。椅子もw
私は+を見て歓喜したクチなんで、あちゃーっていう気持ちは微妙にわからなかったりするかもですけど、でもこんな陽気な姿…アメリカならではのカラッとした感じがいいですね。
そうそう、義母がジーンズを作り直しているシーンはなんかとっても好きです。母親が子供の為に何かを繕う姿とか針と糸を使う姿はなんだかジーンときますねえ;;よなべー。
ヴァネッサは…彼女こそ妊婦か?と思うほど繊細すぎに見えてちょっとヒヤヒヤするほどでしたが。ママとして赤ちゃんをダッコする姿はなんか結構本当に産んだ母親の姿にも見えました。ジュノもいつか本物のファンキーなママになるんだろうなあ・・・
投稿: シャーロット | 2008年6月18日 (水) 22:14
見終わった後、何か気分良くなる映画でした
すぐに「本によれば」って言ったりするヴァネッサは
ちょっとキツイなぁって思ってました、男目線で。。。
なので、マークとの間が悪くなるのも仕方なかったですね
けども、2人を完璧やと思っていたジュノの落胆は大きかったですが
それを乗り越えたことでより成長したんかなって思いました
話変わりますが、「リボルバー」見はったんですねー
京都じゃ公開がまだまだ先みたいなんです…
投稿: doBlog! | 2008年6月19日 (木) 21:49
かえるさま



コメディだと思い込んでいた。
荒々しい映画ばかり絶賛している私が泣いた。

TB&コメントありがとうございます。
本当に愛らしくて感動的でしたー。
コメディだと思っていたら、感動できた。
しかも押しつけがましくない爽やかな感動。
って辺りが、ジーンと響きましたです。
ブレンの「毒舌な勇姿」は、本作で一番好きなシーンです。
今日、妊娠している同僚に本作の話をしました。
「感動して泣いちゃったーーー」と言ったら。
以上の2点から、かなり興味を持ってくれました。
必ず観に行くと宣言していただきました。
この調子で、もっとおススメしていこうかな
投稿: となひょう | 2008年6月20日 (金) 19:14
cinema_61 さま

コメントありがとうございます。
こんにちは。
そうなんですよね。見終わった後に、とても清々しい気持ちになりました。
ジュノとは違った状況で、人生につまづくことがあっても。
この作品を思い出して、明るく前に進んでいけたらいいなと思いました。
この作品は、女性キャラばかりに目がいってしまいましたけど。
ジュノのお父さんのセリフも、とても印象に残りましたね。
投稿: となひょう | 2008年6月20日 (金) 19:25
TB&コメントありがとうございます
★シャーロットさま
」と感謝を込めて抱きつくのがあって。
と思わせる場面も多かった気がするけど。
本当に、湿っぽくないところが良かったですね。
嗚呼、ブレンがジーンズを縫い直している場面に呼応して頂けて嬉しいですぅーーー
「夜なべ」って、感動的です。
随分前になるけど、ちびまる子ちゃんのエピソードで。
お母さんが夜なべして雑巾だかゼッケンだかを縫っていたと知り、まる子が「お母さんーーー
それでも、ボロボロ泣いてしまったのですー
ヴァネッサは大丈夫か
赤ん坊を抱き上げた時の笑顔が、とても印象的で。
それを後ろで見守るブレンの姿が、また感動的で。
血の繋がりなんか関係なく、しっかりとジュノの母しているブレンの温かい眼差しを見ていたら。
ヴァネッサも、きっと頑張れるんじゃないかなって思いました。
投稿: となひょう | 2008年6月20日 (金) 19:52
お久しぶりです!すいません 最近忙しくて自分のブログを更新するのが精一杯でヘイコラしています(><)
一見 ポップでキュートな物語なのですが、大切な事がキチンと描かれているところもいいなぁと思いました!
それぞれの登場人物がリアルでしたよね!
だからこそ、説得力をもって物語に入ることができたように感じました(^^)
投稿: コブタです | 2008年6月20日 (金) 20:11
★doBlog!さま

こんにちは。
本当に清々しくなる作品でしたねー
押しつけがましくない、さり気ない感動が押し寄せましたー
ヴァネッサは、口を開けば「本によれば~」ばっかりで。
ちょっとイラッときちゃいました。
やっぱり、男性から見てもゲンナリしちゃう描写だったんですね。
でも、きっと。ジュノが乗り越えたように、ヴァネッサも少しずつわかっていくんだろうなと思いました。
『リボルバー』公開しました

平日に見たからでしょうけど、何だか空いてましたよ。
そちらでも公開するといいですね。
投稿: となひょう | 2008年6月20日 (金) 22:43
★コブタさま



すみません、お返事が遅くなってしまって
いやぁ、私も営業回り全然できてないんですよねー
お忙しいところ、いつもお越し頂きましてありがとうございます。次こそ、私の方からお邪魔しようと思いながらも、モタモタしてたらゴメンなさい
でも、また色々とお話させてくれると嬉しいです。
そうなんですよね、一見、軽く見える作品だけど。

とても大事なところを突いてたし、深く残る作品でしたね。
ブロガーさんの間でも、とても評判がいいみたいだし。
私の他にも泣いてしまったという方がいるので、何か嬉しいです。
投稿: となひょう | 2008年6月22日 (日) 11:36
となひょうさん、こんばんは。
この作品、イマイチスワロのこころには響きませんでしたが、
それでもいくつか印象的なシーンがあります。
それはとなひょうさんと同じようで、
>何よりも、ジュノをサポートする継母ブレンの逞しさが最高に格好良かったです
モニターを見て感動的な表情を浮かべるブレンは
まるでジュノの生みの親のようにジュノとその子を慈しんでいるし、
検査技師への対応もジュノきちんと守ってあげていて素敵でした。
ああいう素敵な母親っていいですよね。
逆にヴァネッさは共感できませんでしたね~
でも、彼女の気持ちは理解できます。
子どもが欲しくて欲しくて仕方がないんですよね。
夫の存在よりも子ども。
きっと夫のマークはそういう妻についていけなくなったのでしょうね・・・
投稿: swallow tail | 2008年6月26日 (木) 19:33
swallow tailさま

訪問ありがとうございます。
すみませんー、お返事が遅くなってしまって。
そうなんですよねー、ブレンが最高でした。


ブレンを見ていると、血の繋がりなんて関係ないと本気で思いました。
ヴァネッサは、いけませんでしたよねー
私が男だったら、マークよりも早い段階で縁を切ろうと試みること間違いなしです。
本作を見ていて、マークもよく一緒にいるよなぁと感じたくらい。最近、大らかな男の人が好みです。
まぁでも、最後にブレンがヴァネッサを温かく見守っている場面を見てホッとしました。
投稿: となひょう | 2008年6月28日 (土) 21:10