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2008年6月25日 (水)

休暇

「休暇」
製作:2008年、日本 115分Kyuka       
監督:門井肇 原作:吉村昭 出演:小林薫、西島秀俊、大塚寧々、大杉漣、柏原収史、菅田俊、利重剛、谷本一、宇都秀星、今宿麻美、滝沢涼子、榊英雄、りりィ
2008.6.25 レディース・デイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,300で妥当 / 評価:3.5★/5点満点★

「生きることにした。人の命とひきかえに。」

「死刑執行の際、支え役を務めれば一週間の休暇を与える」
生と死の間でゆれ動くひとりの人間が、やがてたどり着く場所とは――

===(チラシよりストーリー紹介)===
死刑囚を収容する拘置所に勤務する刑務官たち。彼らは常に死と隣り合わせの生活を余儀なくされる。ベテラン刑務官、平井(小林薫)もそのひとり。心の平穏を乱すことには背を向け、決まりきった毎日を淡々とやり過ごす男。そんな平井がシングルマザーの美香(大塚寧々)と結婚することになった。なかなか打ち解けない連れ子との関係を築く間もないまま挙式を目前に控えたある日、死刑囚・金田(西島秀俊)の執行命令が下る。執行の際、支え役<死刑執行補佐>を務めれば1週間の休暇を与えられると知った平井は、新しい家族と生きるため、究極の決断をするのだった。

大変申し訳ありません。(土下座)weep 不覚にも、前半に失神してしまいました。sleepy そう言えば、前の晩は寝つきが悪くて。普段より少ない睡眠時間だったのですよねぇ。と、言い訳するのも何ですけど・・・。punch punch punch 全編を通して、丁寧に淡々と描かれていく本作。音楽と言えば、拘置所の起床時間に流れる中途半端な放送だけでした。生活音だけで物語は進行していき、抑揚は感じられません。でも、そこがまた本作の良いところなのかもしれません。例えば、死刑執行の場面の大きな《物音》には驚愕してしまいました。coldsweats02 とは言え、どうしても金田が犯罪者に見えなくて。shadow どうして死刑を宣告されたのか気になって仕方ありませんでした。日本の死刑制度では、死刑囚には死刑執行の詳細は隠し通したままなのかしら。chick 私が見逃しただけかもしれないけれど、その辺は説明が欲しくて。いまいち納得のいかない演出と感じてしまいました。catface

大まかな流れは〈新婚旅行に繰り出す平井(死刑執行後)〉→〈死刑執行までの金田〉→〈再び旅行中の平井〉といった具合に時間軸が交錯しています。平井の場面と金田の場面を、淡々と対比させているように感じられる演出が3点ありました。gemini
one金田は独房で黙々と画を描き続けています。art スケッチブックは、色を塗らない白黒の風景画で埋められていきました。平井の結婚相手・美香には幼い息子がいました。人見知りで俯いたままの息子は、平井と口をきくどころか目を合わせようともしません。この子も絵を描くのが大好きだったようです。
two眠ってしまった子供を平井が抱き上げる場面があります。なかなか打ち解けられないという気持ちもあってか、その手つきはおぼつかないという雰囲気でした。しかし、平井には幼い子供よりも重たい金田の身体を支えるという役目が待ち構えているのです。sweat01
three冒頭、金田が独房で1匹の蟻を見つける場面があります。その蟻の姿をカメラはじっくりと映し出します。snail 平井が旅行を終えて明日には帰るという時に、旅館の仲居さんが部屋で蟻を見つける場面がありました。
意図的な演出だったと断言はできませんが。私は、気がつくと平井金田の心情を比較して見ていたのです。eye

淡々と進行していく作品ながらも、特に印象に残った場面が2つあります。scissors
死刑が執行されるその朝、担当の刑務官が金田を迎えに行きます。いつも通りに目覚めた金田が、〈その時〉を迎えたことで激しく動揺します。それまでは抑えた演技を見せていた西島秀俊が、カッと目を大きく見開きました。あの表情が強烈に印象に残りました。impact
休暇がもらえたとは言え、《支え役》という務めは衝撃的だったようで。結婚したという環境の変化への戸惑いもあったと思いますが、平井は旅行先でなかなか眠れないようでした。朝方、布団から出てボンヤリと佇んでいると。息子がムクリと起き上がります。おねしょをしてしまったようです。その息子を「ゴメンな」と呟きながら抱きしめると、今まで視線すら合わせなかった息子が「うん」と小さく返事をするのです。初めて打ち解けた平井と息子の姿は、少しだけ荷物が軽くなったようでホッとさせられました。tulip

全体的には演出が余り好みではありませんでしたが。『歓喜の歌』ではお気楽な男をポワ~ンと演じていた小林薫が、本作ではシリアスな表情と抑えた演技を見せたり。敢えて存在感を消しているかのような西島秀俊の表現力や。大塚寧々の穏やかな語り口など。キャストの安定したパフォーマンスには、静かに魅せられました。shine

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コメント

となひょうさん、こんにちは。

何とも重苦しい雰囲気の作品でしたね。
こういう作品だろうな、とは思っていたので、ある程度覚悟はしていたんですが、ちょっと辛かったかな。

それよりも日本の死刑執行って囚人には知らせないんですね。ある意味サドンデスです。
そうそう死刑もないようですが、やっぱり死刑に立ち会う看守というのは辛いでしょうね。
そういう刑務所の実情が見れたところは良かったかな。

投稿: CINECHAN | 2008年6月28日 (土) 14:22

CINECHANさま
TB&コメントありがとうございます。
覚悟していても重苦しかったですかsign02
確かに、淡々としているところがまた息苦しかったです。despair

死刑制度、余り深く考えていませんでしたが。
この作品を見て、改めて感じる部分もありました。
終身刑の方が辛いという意見も聞いたことがあるし。
そんな感じで、興味深い作品ではありました。

投稿: となひょう | 2008年6月29日 (日) 22:41

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