グーグーだって猫である
「グーグーだって猫である」
製作:2008年、日本 116分
監督、脚本:犬童一心 出演:小泉今日子、上野樹里、加瀬亮、大島美幸、村上知子、黒沢かずこ、林直次郎、伊阪達也、マーティン・フリードマン、大後寿々花、小林亜星、松原智恵子
2008.9.10 映画サービス・デイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★
「あなたに逢えて本当に良かった」
天才漫画家、麻子さんの家に新しい仲間がやって来ました
===(シネマトゥデイよりストーリー紹介)===
吉祥寺在住の漫画家、麻子(小泉今日子)が締め切りに追われる中、愛猫のサバが静かに息を引き取る。そのショックで漫画が書けなくなった麻子を、アシスタントのナオミ(上野樹里)たちは心配しながら見守っていた。そんなある日、麻子はペットショップでアメリカンショートヘアの子猫と出会い、グーグーと名付けて一緒に暮らし始める。
号泣してしまいました。
泣ける映画だと思い込んでいても全然泣けない映画ってあるけど。まさか泣くとは思っていなかったのに、見てみたら涙が止まらない映画もあるんですね。
私は、後者の方が好きです。本作は、個人的には正にそんなタイプの作品でした。『アイ・アム・レジェンド』の犬のエピソードでも、一人で号泣していた私です。
本作を見て泣いてしまったという人は少ないかもしれません。涙が込み上げてくる時は、堪えずに流すのが一番。という訳で、思う存分泣いてきました。どの部分に涙したのか、ちょっと振り返ってみたいと思います。
一番のポイントは、小泉今日子が演じた麻子さんに共感する部分が多かったという点だと思います。職業も全然違うし、年齢だって下の私ではありますが。猫が大好きという点では、全く一緒です。
また、独身であることで母親が気を揉んでいるという点でも一緒でした。意外と積極的そうな母親(松原智恵子)に比べて、麻子さんはとても内向的な印象でした。
そんな部分にも共感したようです。以前見た『あるスキャンダルの覚え書き』という衝撃的な作品で、ジュディ・デンチが演じる独身女性が「猫はオールド・ミスの必需品」と言って飼っていました。あの女性は、更に年齢も上で〈ひねくれ者〉だったので。猫好き女としては、切ない描写だったりしたけど。
本作で猫と暮らす麻子さんは、おっとりとしています。猫さんが側にいる穏やかな時の流れって素敵だなぁ。
実は猫を飼っていない私は、更に猫が大好きだという感情を再認識するばかりでした。
まず、冒頭から涙が止まりませんでした。グーグーと出逢う前の麻子さんは、サバという名のメス猫さんと暮らしていました。かなりのおばあちゃん猫でした。「鏡の上で寝るのが好きなナルシスト」と言われるだけあって、なかなかの美人さん。
サバが亡くなる前の晩、麻子さんは仕事に追われていました。
アシスタントの4人(上野樹里&森三中)と共に、三日間一睡もせずに漫画を描き続けていました。
集中力全開の飼い主の背中を見つめるサバの視線。
そのサバの姿が映し出されただけで、涙が込み上げてきてしまいました。内容をよく知らなくても、この後に亡くなるんだろうなと予想がついたのです。翌朝、動かなくなったサバの姿。猫は、自分の死の瞬間を予知すると姿を消すと聞きます。誰もいない場所で死のうとする本能があるとか。(というのは、私が子供の頃から聞かせれている話で。本当かどうかはよくわかりません。)その話を思い出してしまいました。サバは外に出ず、麻子さんの元を離れませんでした。ここは、特に意図した演出ではなかったかもしれませんが。私には、サバはまるで麻子さんの《守り神》のように思えて、涙が止まりませんでした。サバの死後、アシスタント達はオイオイ泣いていたけど。麻子さんは、一度も涙を見せなかったそうです。
それでも、ペットショップの前で茫然と立ち尽くす麻子さんの姿には胸が締め付けられました。
涙も出ないくらいに悲しかったのか、サバの死を簡単には現実と受け入れることができなかったのか。タイトルになるくらいだから、本作の中心となる猫さんはグーグーだと知りつつも。麻子さんとサバの絆の深さに感動している私がいました。
=ここからはネタバレ気味です。これから鑑賞予定の方は、ご注意ください。=
アシスタントを演じた上野樹里と森三中の4人が元気一杯なので和みましたが。
麻子さんの物語は結構シリアスだったと思います。やがて、麻子さんは卵巣ガンを発症して子宮を摘出する手術を受けます。抗がん剤の副作用で鬱病を発症する麻子さんは、グーグーの愛らしさに少しずつ癒されていきます。何てことない流れかもしれないけれど、猫大好き独身女性という点で麻子さんと一緒の私としては。完全に自分に投影して、本作の後半に入り込んでいました。十代の頃までは、自分の人生を軽く思い描いていました。普通に結婚して、家庭に入って、子育てに奮闘するのが当たり前だと決めつけていたのだけど。ある時点から未来を思い描くことをやめました。描いた理想が絶対の幸せかどうかなんてわからないし。人には人の《幸せ》があるものなんですよね。
明日どうなるのかは誰にもわからないのが人生なんだと思っています。今は健康でも、いつ大病を患うかもわかりません。もし、自分も子宮を摘出しなければいけなくなったら、私は時間をかけてでも前進していけるのかな。
麻子さんの人生を自分に置き換えて、色々なことを考えている私がいました。鑑賞前は、もっと軽いタッチの作品なのだとイメージしていたのですが。蓋を開けてみると、深く心に残る作品でした。![]()
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コメント
こんばんは。
ブログ復活、おめでとうございます。
>猫は、自分の死の瞬間を予知すると姿を消すと聞きます。誰もいない場所で死のうとする本能があるとか。
これはどうやら違うみたいですよ。
猫が、死の直前に姿を消すというのは、
実は自分が体を休めることで元気になろうと、
静かな場所、
あるいはふだんから慣れた場所にいっているということのようです。
それでもぼくの従兄の猫は
ずっと体を休めていながら、
亡くなる前夜に階段を上がってきて
彼の寝床で一声鳴いたそうです。
ぼくの前に飼っていた猫も、
亡くなる数日前、
動物病院でまったく餌を食べなかったのに、
家人が行ったら、手から餌を食べて
お医者さんがビックリしていました。
やはり、最後の力を振り絞って
生きようとしているのでしょう。
このあたりは
『ドッグ☆スター』にも似たようなシーンが出てきます。
犬を演じているのは豊川悦司。
オススメです。
投稿: えい | 2008年9月11日 (木) 22:02
えいさま

TB&コメントありがとうございます。
さすがに猫のこととなると、話したいことが止まらないみたいですね。
さすが、えいさん。
>最後の力を振り絞って
生きようとしているのでしょう。
もう、泣いちゃいそうです。



猫に限らず、動物さんのこういう話には堪え切れないものがあります。
生命力って、凄いものなんですね。
まさか、この映画から、そんなに深い話ができるとは思っていませんでした。
原作を知っていると、納得のいかない部分もあるのでしょうが。
私みたいに、大島弓子の世界を覗いたこともないのに見ると、色々と好きなポイントを見つけることができました。
goo映画での採点も、平均点は低いものでした。
満足のいかない人も結構いるみたいですね。
それでも、劇場は満員御礼状態でした。
結構早く受付したのにも関わらず、残り席僅かでした。
話題にはなっているんですね。
投稿: となひょう | 2008年9月12日 (金) 20:14
こんにちは♪
>泣ける映画だと思い込んでいても全然泣けない映画ってあるけど。まさか泣くとは思っていなかったのに、見てみたら涙が止まらない映画もあるんですね。
全く同感です。
でもこの映画は漫画を読んでいたので、最初にサバが窓の外を見ていて、締め切りに追われる麻子さんたちを見ているシーンでもうじわ~~っと来ちゃいました。
漫画と映画はちょっと違うのですが、猫好きなら漫画もお好きだとおもいます。
今4巻まで見てますが、大島さん13匹も猫かっていて、毎日26個のうん○と50個以上のおしっ○を片付けてるそうです。
4巻、かなり泣けます。
グーグー以外にもサバについての漫画も何冊かでております。
投稿: jester | 2008年9月29日 (月) 12:23
jesterさま


TB&コメントありがとうございます。
『おくりびと』のように、誰がみてもドーっと感涙が押し寄せる作品ではありませんけど。
猫好きには、堪らない描写もありましたよね。
私も、最初の場面でもう泣いてました。
大島弓子さんて、そんなにたくさんの猫さんと暮らしているのですかー

世話は大変だろうけど、癒されまくりなんだろうな
>グーグー以外にもサバについての漫画も何冊かでております。
わぁっ、本当ですか
これは気になります。要チェックですね。
投稿: となひょう | 2008年9月29日 (月) 19:57
となひょうさん、こんばんは。
へぇ~ てっきりとなひょうさんは猫飼ってると思ってました。猫好き公言してたんで・・(汗)
私は愛猫家でもないんですが、映像で可愛らしい姿を見るのは好きです。
それからいくと、ちょっと本作は物足りなかったかな。
猫ではなく人がれっきとした主役の作品だったんですね。
麻子さんのちょっとおっとりした優しい感じの話し方はこの作品に合ってたなぁ。
投稿: CINECHAN | 2008年11月10日 (月) 02:04
CINECHANさま


訪問ありがとうございます。
そうなんですよー、猫は飼っていません。(´;ω;`)ウウ・・・
でも、愛猫家であることだけは、絶対の自信があります。
部屋は、映画のポスターよりも猫のカレンダーで一杯です。
確かに、猫の姿を求めて見ると、ガッカリするくらいに登場シーンが少ないですよね。

でも、ドラマ部分は結構ひきこまれました。
麻子さんの話し方、何かホッとすると言うか。
いいですよね。(。・w・。 )
投稿: となひょう | 2008年11月11日 (火) 19:28