英国王 給仕人に乾杯!
「英国王 給仕人に乾杯!」
<OBSLUHOVAL JSEM ANGLICKEHO KRALE>/製作:2007年、チェコ=スロヴァキア 120分
監督、脚本:イジー・メンツェル 出演:イヴァン・バルネフ、オルドジフ・カイゼル、ユリア・イェンチ、マリアン・ラブダ、マルチン・フバ、ミラン・ラシツァ、ズザナ・フィアロヴァー、イジー・ラブス、ペトラ・フシェビーチコヴァー、ルドルフ・フルシーンスキー・Jr.
2009.1.7 レディース・デイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥2,500で妥当 / 評価:4.5★/5点満点★
「小は大より美しい・・・」
小さな国の給仕人が生きぬいた愛と笑いの20世紀チェコ現代史
愛と死、ドンデンがえしの人生が見たものは?
===(goo映画よりストーリー紹介)===
ヤン(オルドジフ・カイゼル/イヴァン・バルネフ)は、1963年ごろ、共産主義体制下のプラハで出獄し、ズデーテン地方の山中に向かい、廃屋でビールのジョッキを発見する…。ヤンの人生は給仕人の人生だった。田舎町のホテルのレストランでのビール注ぎの見習いから、高級娼館“チホタ荘”に、そしてプラハ最高の美しさを誇るホテル・パリで給仕の修行をする、古き良き時代。しかし1938年、ヒトラーのズデーテン侵攻でチェコスロヴァキアはドイツに占領され、その時、ヤンは自分よりも小さいズデーテンのドイツ人女性リーザ(ユリア・イェンチ)に恋をしてしまう…。
最高でした。
とても面白かったです。かなり、おススメできる作品でした。(*^ω^*)ノ彡![]()
チェコスロヴァキア帝国が、建国から20年で解体し。第二次世界大戦へと突入していく、怒涛の時代を描いていました。
ドイツ人と聞いただけで嫌悪感を表すプラハの人々、迫害されるユダヤ人、敬礼しながら闊歩するドイツ人など。時代の重みを感じさせるインパクトのある描写もありました。
「ナチス」とか「ヒトラー」とか、言葉は知っていても。第二次世界大戦の背景や影響など、本当は何も理解できていなかったのだなぁと実感。(゚ー゚;
余り予備知識を入れずに鑑賞したものだから、想像以上に歴史が勉強できて大満足でした。![]()
とは言え、タッチはあくまでもユーモラスです。映画を通じて歴史の勉強ができたと実感するのは、シリアスな社会派作品を鑑賞した時が殆どですが。この作品は、ちょっと違いました。滑稽で、愛らしくて、とても温かい。
思わず抱きしめたくなりました。なかなか、お目にかかれないタイプの作品だと思いました。今、思いつくのは、イタリア映画『ライフ・イズ・ビューティフル』くらいでしょうか。クスクスと笑わせられたと思ったら、歴史の重みに真剣な面持ちにさせられ。笑いあり、感動ありと、とても充実した120分でございました。
映画の醍醐味がバランス良くナチュラルに散りばめられた秀作です。
観に行くことにして、本当に良かったと思いました。これからも、進んでヨーロッパ映画を鑑賞したいなぁとも。![]()
主人公は、小柄な男ヤン。ちなみに、彼の姓はジーチェといい、「子供」という意味だそうです。
初老のヤン(オルドジフ・カイゼル)が、若い頃の自分(イヴァン・バルネフ)を思い返すという流れで、2人のヤンが交錯します。初老のヤンを演じたカイゼルさんも良かったのですが。とにかく私は、バルネフが演じた若い頃のヤンの場面が楽しくて愛おしくて。
ヤンの一挙手一投足から目が離せませんでした。一つ白状しますと。初めて本作のチラシを手にした時、てっきり男装した女性が奮闘する話なのかと勘違いしました。
そのくらい、バルネフは小柄で愛らしいのです。中盤から、口髭を生やしていますが。ちょっと無理があると感じつつも、その違和感がいい具合に愛嬌に変化している気がしました。
小柄だからなのか、給仕服も「着ている」というより「着せられている」という印象を受けました。
とにかく、母性本能をくすぐる佇まいなのですが。ヤンは、自分が小柄であることを上手く利用して、少しずつ成功を収めていきます。
「生きる力」と言っては大袈裟かもしれませんが、ある意味、逞しく見えました。
飄々として、真剣そうに見えなくても。実は、好奇心旺盛で向上心がとても高いようです。
こっそりと成功を手にしていく姿が痛快でした。もちろん、成功ばかりではなく不運にも遭遇します。
「幸運には不運が、不運には幸運が、いつもドンデン返しで待っていた。」
これは、HPの解説からの引用です。初老のヤンは、「人生はどんでん返し」という言葉を繰り返していたっけ。そうですよね、何が起きるかわからないのが人生ってもんですよね。
辛い出来事があると、重々しく捉えてしまいがちですが。ヤンの足取りは、あくまでも軽快です。
挫けるということを知らないのですね。この軽やかさが心地良くて、寧ろ元気を分けてもらえた気分になりました。(* ̄ー ̄*)![]()
歴史の重み、人生の深み。それでも、空気は軽やかで爽快。色んな部分で感銘を受けた作品ですが。もう1点、凄いと思った部分がありました。本作では、女性がポンポンと服を脱ぎます。露出度は高く、乳房が顕わになっても。どういう訳か、エロスが皆無なんです。
エロイどころか、全てが笑いに転化していた印象でした。
映画を鑑賞する時は、映倫の指定に振り回されないように努めていますが。これ程に女性の裸体や男性の全裸が映し出されているのに、映倫が何も指定を付けないなんて凄いと思いました。
「PG-12指定」くらい付けられても不思議じゃないと思ったけれど。ユーモア溢れる温かい空気感に包まれているから、それ程にエロスは感じないということですかね。そもそも、裸がエロイというのが思い込みなのだろうな。そんなところにも、この作品の力を感じたりなんかしました。![]()
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