アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン
「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」
<I COME WITH THE RAIN>/製作:2009年、フランス 114分 PG‐12指定
監督、脚本:トラン・アン・ユン 出演:ジョシュ・ハートネット、木村拓哉、イ・ビョンホン、トラン・ヌー・イェン・ケー、ショーン・ユー、サム・リー、イライアス・コティーズ
2009.7.1 映画サービス・デイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★
「男たちの運命は、美しく、そして切ない・・・」
殺人を犯した元刑事、クライン。人の傷を癒す謎の青年、シタオ。愛に狂うマフィアのボス、ドンポ。
それぞれにいた身を抱えた男たちが、美しく、そして激しく傷つけあう。
彼らがその果てに見たものとは―。
===(シネマトゥデイよりストーリー紹介)===
他人の痛みを身代わりとなって引き受ける特殊能力を持つ男シタオ(木村拓哉)が失踪。元刑事の探偵クライン(ジョシュ・ハートネット)は彼の行方を追って、ロサンゼルスからフィリピン、そして香港へとたどり着く。そこでシタオがある女性リリ(トラン・ヌー・イェン・ケー)と一緒にいて、彼女を愛する香港マフィアのボス、ス・ドンポ(イ・ビョンホン)もシタオを探していることが判明する。
全体的に、抽象的でアート色が濃い印象です。とは言え、これでもか!とばかりに裸のオンパレードでした。女体アリだけど、基本的には美しい男の《饗宴》という感じで。メインの俳優さんがシャツを脱ぎまくります。
「腹筋」率が高いのは、イ・ビョンホンだけど。(私は、十等分くらいに割れた美しい腹筋よりも、横になった時に岩山のようにポコポコと突出した腹筋が印象的でした。)「上半身裸」率が高いのは、ジョシュでした。アジア系の俳優さんの上半身裸が映し出される中、ジョシュの白い肌は際立って見えました。体調が悪く見えるとかではなく、象徴的なのかしらと勘ぐってしまい。だって、シャツとかシーツとか、白い色が印象強く視界に入ってくるんですもの。シタオが身を潜める草地の緑も好きだけど。全体的に、白い色の使い方が興味深かったです。![]()
リリが麻薬中毒の禁断症状で悶え苦しんでいる場面は、かなりエロティックでした。
音声だけだと、色々と妄想してしまう人もいるのではないかしら。
私としては、何よりもその風変わりな服装はどうしたの?って感じで。ふんどしみたいなおパンツは、水着なの?茶髪にケバケバしいアイメイク、さらにはジャンボなサングラスをかけて、露出度強。
何だか、叶姉妹のペチャパイ版みたいだな。まぁ、それはそれで男性の欲望をコチョコチョと刺激するのかしら。
美とエロスがテンコ盛りな一方で、グロさも全開でした。本作は「PG-12指定」では生温いのでは?
リリ奪還に失敗した子分を、ドンボがいたぶる場面は強烈です。寝袋(死体袋?)のような白いシートに子分を入れて、金槌でジワジワと殴り続ける。しかも、実際に殴っている動作は挿入しない。白いシートは真っ赤に変貌し、ドンボが足を滑らせる程に血の海ができあがる。余りの残虐性に、一瞬『オールド・ボーイ』の1シーンが頭をよぎります。エロティックでグロテスク、抽象的で難解な印象を受けつつも。何だか好きな世界観でした。タッチは違えど、デヴィッド・リンチの作品を思い出しました。
私は、作り手の意図に素直に反応できていない部分が多そうです。![]()
クラインが刑事を辞めるキッカケとも言える、ある殺人鬼(イライアス・コティーズ)。人を殺めては、人体で芸術品を作り上げる奇人変人。首と手足を切断されたと思しき女体の映像は強烈ですが、左と右の乳房の形が激しく違うことばかりに注目してしまいました。
この殺人鬼、最初はレクター・ハンニバルを彷彿とさせるキャラクターなのかと期待したけど。彼が完成させるオブジェには、人間の面影が全く感じられません。『パンズ・ラビリンス』のペイルマンが更に湾曲したみたいで。『ヘルボーイ』の新しいキャラクターになってしまうよと、ギレルモ・デル・トロの世界観を思い浮かべて。寧ろ、小さく楽しんでしまいました。
人体でアートを作り上げるという嗜好よりも、クラインに襲い掛かる場面の方が気持ち悪かったです。
クラインのシャツを引き裂き、左の腋の下あたりにガブリと噛みつく。噛み付いたのか、舐めてるのか、それとも両方か。わぁぁぁ、アブナイ趣味ねとゾッとしました。![]()
ファンの方には申し訳ないけれど、キムタクさんが浮いて見えてしまったのが残念。重要な役どころを日本人が演じるのは嬉しいけれど。キリストの受難を再現するのがキムタクさんというのは、何か違う気が・・・。
内容が内容だけに、メル・ギブソン監督の『パッション』を思い浮かべてしまって。キリストを演じたジム・カヴィーゼルが上手くハマっていた事を思い出すと。キムタクさんへの違和感が膨らみっ放しで。私にとって、キムタクさんて俳優というよりはSMAPなんだよねぇ。
バラエティ番組にCMにドラマと、大活躍してるからさ。シタオには、もう少しストイックな雰囲気がないと、私は引き込まれないです。シタオの力を求めて、たくさんの人が集まってくる姿も何かなぁ。どうしても、ゾンビ映画を思い出してしまう。
ラスト、クラインにお姫様だっこされたシタオは、何処へ向かうのか。なんて事は、もう気にならなくなってしまい。キムタクさんよりも、クラインの相棒を演じたショーン・ユーの方が印象的だったりしました。(サム・リーも出演してましたね)本作で興味深いのは、シタオの物語よりもクラインの物語でした。
ツッコミ部分もありましたが、抽象的で腑に落ちない展開に引き込まれて鑑賞できました。珍品映画でイマイチだという噂を耳にしていたので、無意識にハードルが下がっていたのかな。
私は、割と好きな作品です。最後に、クラインが魚の内臓を食べさせられて苦悶の表情を浮かべる場面が好きだったのと。
個人的に、疑問が残って妙な後味を残した点を振り返ってみます。
①「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」って、どういう意味?慣用句か何か?歌の歌詞?
②何故、今「キリストの受難」を描くのか
③シタオの父親って、何者なのだろうか
ご覧になった皆様は、どんな余韻が残りましたか。好き嫌いが分かれるテイストだとは思いますが。よくわからないながらに、結構楽しめた作品でした。
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コメント
ああ、私はあの人体彫刻はH・R・ギーガーを思い出してました。どっちにしてもグロいことこの上ないですが。^^; ここのエピソード自体は良くできていると思うのです、特にジョシュのエピソードなんて。犯人を捕らえるために犯人と同化する、そして戻れなくなってしまった刑事…結構それで一本作れそうなぐらいです。ただ、全体として作り手が何を言いたいのかが良く解らない作品でした。
①はキムタクが当初撃たれて能力が覚醒したのかなと思ってました。その時雨が降ってましたよね。蛆のシーンです。それでかなぁ?
②作り手の言いたいことがサッパリだったので解りません。(笑)
③ああ、そういえば殆ど描かれてないですよね。どういう人なんだろう?
投稿: KLY | 2009年7月 2日 (木) 23:52
KLYさま


TB&コメントありがとうございます。
あああ、なるほどー
①の解説、ありがとうございます。
やっぱり、シタオのパートがメインなんでしょうかね。
私は、クラインのパートの方が楽しめました。
シタオのお父ちゃんは声だけの出演だったので。
それって何か意味があるに違いないと思ったんですよね。
シタオの正体が正体だけに。
でも、結局よくわからずじまいでしたー
>H・R・ギーガー
わぁぁぁ、この名前って、もしかして「エイリアン」のクリーチャーとか作った方でしたっけ?
違うかな、でも何か知ってる気がします。
きっと、ホラー映画なんかでも活躍してるんではないかと。
それはトム・サビーニさんだったかな・・・
投稿: となひょう | 2009年7月 4日 (土) 21:03