2008年7月 5日 (土)

奇跡のシンフォニー

「奇跡のシンフォニー」
<AUGUST RUSH>/製作:2007年、アメリカ 114分Kisekino     
監督:カーステン・シェリダン 出演:フレディ・ハイモア、ジョナサン・リース=マイヤーズ、ケリー・ラッセル、ロビン・ウィリアムズ、テレンス・ハワード、レオン・トマス・3世、ジャマイア・シモーヌ・ナッシュ、ウィリアム・サドラー
2008.7.5 TOHOシネマズ・ポイント還元¥0にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★

「きっと会える。この音の先に、愛が聞こえるから。」

11年と16日・・・施設で育った孤独な少年。
でも彼は信じていた。この世界のどこかで、まだ見ぬ両親が待っていることを。

===(シネマトゥデイよりストーリー紹介)===
孤児院で育ったエヴァン(フレディ・ハイモア)には豊かな音楽の才能が備わっていた。ある晩、エヴァンは不思議な音を追い、施設からマンハッタンへと導かれる。さまざまな出会いにより、エヴァンの音楽の才能は開花。同じころ、離ればなれとなっていた両親も、それぞれの思いを胸にニューヨークへと赴いていた。

私が日頃から参考にしている映画サイトでプロの方のレビューを先に読んでいました。pc 「フレディ君が魅力を発揮するのは〈普通の少年〉であって、天才少年ではない」というような、べた褒めとは違う内容でした。この作品の感動は、予定調和的でファンタジックな感じがしました。この作品で泣かないと鬼扱いされそうな予感もしますけど。sweat01 私は、泣きませんでした。何か込み上げてくるものがあるけれど、そこはファンタジックな感動で。やっぱり、これは映画だなぁと、ウルッときても後で冷静な気持ちになったりしました。

私が読んだプロのご意見、何となくわかる気がするのです。「パパとママに会いたい」というエヴァンの真っ直ぐで純粋な気持ち。shine 感動のラストへと導いたのは、エヴァンの天賦の才能よりも、その純粋さが奇跡を生んだという感じがします。彼のピュアな気持ちが周囲を少しずつ動かしていく。どんな人にも、困った人を助けたいという思いやりが大なり小なりあるものだなと思いました。happy01 人との関わりがあったからこそ、感動のラストを迎えることができたという気がして。エヴァンの音楽の才能がフルに発揮されたのは、あくまでもサブストーリーで。notes パパとママに出逢うことこそが、エヴァンの一番の幸せなんだと思いました。心が清らかなエヴァンは、アレもコレも欲しがる子には見えなかったので。これからは、パパとママと一緒にいる幸せを何よりも大切にしていくんだろうなと思いました。tulip

エヴァンを演じたフレディ・ハイモア君のピュアな存在感は、相変わらず心洗われるものがあります。shine しかし、私は何よりもエヴァン少年を取り巻く周囲の大人たちが印象的でした。エヴァンの才能に気づき、自らマネージャーを買って出る通称《ウィザード》(ロビン・ウィリアムズ)エヴァンの母ライラ(ケリー・ラッセル)ルイス(ジョナサン・リース=マイヤーズ)が出逢ったキッカケは、ウィザードのストリート・パフォーマンスの音色でした。note つまりは、ウィザードエヴァンが出逢ったのも運命なんだと思いました。ウィザードは、どこかの劇場の片隅で何人もの子供たちの面倒を見ていました。恐らく、孤児たちばかりを。何よりも稼ぎを重視するウィザードを快く思わない人もいるかもしれないけど。彼なりにエヴァンを思いやっていたのだと私は思います。Kisekino2
児童福祉局の職員リチャード(テレンス・ハワード)も、出番は少ないながらに印象的でした。孤児が養子に入れるようにサポートするのが仕事。エヴァンの夢とは違う方法だけど、両親に再び会えると信じこんでいるエヴァンを遠くから見守ります。子供を亡くしたというリチャードにとって、子供を捨てる親とは信じ難い存在だったかもしれません。死産だと信じこまされてきたエヴァンの母ライラが、真実を知った途端に福祉局に飛んでくる場面があります。「何故、今頃になって子供を探すんだ」と詰め寄る表情が、とても印象に残りました。

ウィザードの下で、少年ながらにストリート・ミュージシャンをしているアーサー(レオン・トマス・3世)エヴァンが迷い込んだ教会で、ゴスペルに参加している少女ホープ(ジャマイア・シモーヌ・ナッシュ)。2人の存在も光ってました。音楽を演奏したり歌ったりする場面では、エヴァンよりも2人の方が輝いていました。notes 他にも、マンハッタンで途方にくれるエヴァンに声を掛けて。少しのお金を差し出すおじさんとか。エヴァンは、たくさんの人に支えられて夢を実現させるのです。「音楽に子供は邪魔だ」と、死産だったと嘘をついたライラの父親はいただけませんが。(父と娘の2人家族だったのかもしれませんね、音楽云々よりも娘を他の男に奪われたことに嫉妬したのかも)エヴァンと同じように年月を数えていたライラを演じたケリー・ラッセルの凛とした美しさや。virgo ルイスを演じたジョナサン・リース=マイヤーズのパフォーマンスに魅せられたり。(ミュージシャンという設定がよく似合うし、スーツ姿も普通に素敵でした)少年に訪れた奇跡そのものよりも。人と関わることの大切さに感動したし、人には色々な人生があるのだなぁということを実感させられました。fuji

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2008年7月 2日 (水)

REC/レック

「REC/レック」
<REC>/製作:2007年、スペイン 77分 R-15指定Rec    
監督、脚本:ジャウマ・パラゲロ、パコ・プラサ 出演:マニュエラ・ヴェラスコ、フェラン・テラッツァ、ホルへ・ヤマン、カルロス・ラサルテ、パブロ・ロッソ、ダビ・ウェルト、ビセンテ・ヒル、マーサ・カーボネル、カルロス・ビサンテ
2008.7.2 レディース・デイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥2,000で妥当 / 評価:4.0★/5点満点★

「何が起こっても撮り続ける――」

封鎖されたアパートの中で拡がっていく【感染】の恐怖――
しかし、彼らはそこに隠された本当の恐怖をまだ知らなかった――

===(チラシよりストーリー紹介)===
2007年、スペインのバルセロナ郊外。ローカルTV局の若い女性レポーター、アンヘラ(マニュエラ・ヴェラスコ)はカメラマンのパブロと共に消防隊の密着取材をしていた。深夜、老婆の叫び声を聞いたという通報を受けて現場アパートに急行すると、そこにはこの世の者とは思えない老婆の姿があった。その後、突如、封鎖されるアパート。その中で拡がりだす《ある病原菌》。閉ざされた空間で、究極の恐怖に直面することとなった人々には、隠れ、逃れ、必死に生き残ろうとする以外、術がなかった。次第に露わになる謎、明らかになるほど増していく恐怖の出来事を克明にカメラはとらえ続ける。アンヘラパブロが最後の一瞬まで記録しようとしたもの。それは、逃げ場のない戦慄の事実。

いやぁ、コレは怖かった・・・。shock shock shock 評判通りの恐ろしさでした。「この後にデカイ音がくるぞ、くるぞ・・・」と予想できる演出ではありましたが。それでも私は、3回くらい飛び上がってしまいました。dash
P.O.V.=ポイント・オブ・ビュー(主観撮影) リアルパニック・ムービー。
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』や『クローバー・フィールド/HAKAISHA』と同じ手法ですし。凶暴化した感染者の唾液から更に感染するという設定は、まるでゾンビ映画です。噛み付かれたら最後、ゾンビのようなモンスターへと化してしまいます。取り立てて斬新な要素はありませんけど、本当に怖かったです。sweat02 映画を観に行ったというよりは、肝試しに無理矢理に参加させられてしまったかのようでした。shadow

アパートの外には、警察と保険局の人間がたくさんいるようです。何が起きているのか訳がわからないままに、アパートは封鎖されてします。出口を見つけられないまま、パニックを起こす人達。run そして、次々と増えていく感染者。まるでゾンビのようです。《ゾンビ》と言えば、ジョージ・A・ロメロ監督が生んだシリーズが有名でしょうか。『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド<Night of the Living Dead>』から始まり『ゾンビ <Dawn of the Dead>』 『死霊のえじき <Day of the Dead>』という3作があります。この後に、『300<スリーハンドレッド>』のザック・スナイダー監督が『ゾンビ』をリメイクしています。日本では『ドーン・オブ・ザ・デッド』と原題をそのままをカタカナ表記にしたタイトルで公開されました。更に加えると、ジョージ・A・ロメロ監督は3作の後に『ランド・オブ・ザ・デッド<Land of the Dead>』というゾンビ映画を作っています。ロメロ監督が描いてきたゾンビさんは、ノロノロと動いて襲撃の瞬間だけ機敏でした。個人的には、怖さの中にどこか愛敬も感じたりしました。snail(変ですかsign02catface 本作『REC/レック』で恐怖を煽る感染者は、ザック・スナイダー監督の『ドーン・オブ・ザ・デッド』で全力疾走して見せたゾンビの如く、俊敏でした。「ぐおぉぉぉーっ」という咆哮と共に襲い掛かり、逃げ惑う人たちは「ぎゃあぁぁぁーっ」という断末魔の叫びで観客を恐怖のどん底へと突き落とします。rock 

ゾンビの如き感染者の姿は、異様でした。最初に感染症状を発した老女。パジャマだか下着姿だか、人前に出る格好ではない薄着で立ち尽くしていますが。様子を見に来た警官に、もの凄い形相でガブリと噛み付きました。impact この老女の迫力には、凄まじいものがありました。防護服に身を包んだ衛生士がアパートの中に入って来ます。彼の話によると、事の起こりは一匹の犬だったようです。dog 動物病院に収容されたその犬が、突然凶暴になり他の動物たちを襲い始めたというのです。複数の鎮静剤を打ち、落ち着かせた結果。japanesetea ある病原菌に感染していたことが判明します。その病原菌は、唾液によって感染するらしいのです。kissmark その犬は、アパートに住む少女ジェニフェルの飼っている犬で・・・。具合を悪くして、母親に抱きかかえられていたジェニフェルに注目が集まったその瞬間。少女は、母親にガブリと噛み付いたのです。ここまでの流れは、まるでジェットコースターのようでした。わかっちゃいるけど、上手い演出にビックリして飛び上がってしまいます。coldsweats02

もう誰にも止められない《感染の輪》。recycle 感染者がどんどん増えていくにつれ、人間がモンスターと化してしまうまでの時間が短くなっている気もしました。watch 感染速度は一定じゃないの?と、小さく突っ込みを入れたくなりましたが。そこは気にすることろじゃないんだろうな。catface ついさっきまでアンヘラを庇っていたはずの消防士まで、アッと言う間に転身。阿鼻叫喚の世界が広がっても、撮影を止めないアンヘラパブロmovie 「何があって撮影を続けるのよ」とヒステリックに叫ぶアンヘラには共感できませんでしたが。typhoon この嫌悪感もまた恐怖を増長させているのかもしれませんね。最後に、アンヘルパブロが逃げ込んだ最上階の部屋。そこには、想像しえない光景が待ち構えていたのです・・・。shock

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2008年7月 1日 (火)

歩いても 歩いても

「歩いても 歩いても」
製作:2008年、日本 114分Aruitemo  
監督、原作、脚本、編集:是枝裕和 音楽:ゴンチチ 出演:阿部寛、夏川結衣、YOU、高橋和也、田中祥平、寺島進、樹木希林、原田芳雄
2008.7.1 映画サービス・デイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥2,500で妥当 / 評価:4.5★/5点満点

「人生は、いつもちょっとだけ間に合わない」

今年の夏も、15年前のあの日につづいている――。
横山家の一日には、誰もが自分の家族の物語を重ね合わさずにはいられない。

===(シネマトゥデイよりストーリー紹介)===
夏のある日、横山良多(阿部寛)は妻のゆかり(夏川結衣)と息子のあつし(田中祥平)と共に実家に帰省した。この日は、15年前に他界した兄の命日。しかし、失業していることを口に出せない良多にとって、両親(原田芳雄、樹木希林)との再会は苦痛でしかなかった。

長男の命日に集まった家族を捕らえているだけなのに。ふとした会話の中に、この家族の過去と現在が浮かび上がるようになっていました。
良多と父・恭平の間には、深い溝が見える。子供の頃は、父に憧れて「将来は医者になりたい」と言っていた良多。しかし父は、出来のいい長男に跡継ぎの夢を託していた。良多は、今でも亡き兄に強いコンプレックスを感じている。wave
ゆかりは、夫を亡くしていた。子連れで良多と結婚していて、あつしは今だに良多のことを「お父さん」と呼べない。ゆかりは、良多の家族に馴染もうと必死になっているのに。良多と父親の関係は、今だに微妙な雰囲気のまま。libra

本作は、母・とし子良多の姉・ちなみ(YOU)が料理をしている姿から始まります。野菜を切りながら、ふとした思い出話に花を咲かせているのですが。tulip ちなみを演じたYOUの明るいキャラクターが効いていて、ユーモアのセンスが抜群であろう樹木希林との会話は漫才のようです。happy01 原田芳雄の頑固オヤジっぷりも妙に愛おしくて。劇場は、ところどころ笑いに包まれました。私が一番笑ったのは。孫たちが「おばあちゃん家だぁ、わーい」とはしゃぐのを見た恭平が「この家は俺が働いて建てたんだぞ、何で《おばあちゃん家》なんだ」と文句を言う場面です。house 言われたちなみが、廊下でコッソリ込み上げる笑いをこらえて呟きます。「ちっちゃーい!」昔気質の頑固オヤジと、太陽のように明るい娘。sun 正反対のようで噛み合っている家族の姿にニンマリとさせられました。wink

私は阿部寛原田芳雄も大好きなのですが。本作は、女性陣の心情を思い描きながら引き込まれていきました。virgo 特に、樹木希林の演技が素晴らしかったと思います。10年以上前の私だったら、本作の良い部分を見つけられなかったかもしれません。今だから、私なりに共感したり感動したりできたのではないかと。gawk 印象的な会話は幾つもあったのですが、特に際立って心に刻まれた場面があります。それは、《女の背中》です。今までは、背中で語るのは男で、それをさり気なく読みとるのが女の役目なのかと思っていたくらいですが。本作では、母・とし子と妻・ゆかりの背中に引き込まれました。eye

自分の命と引き換えに、ある少年を助けた長男。父・恭平も母・とし子も、本当は今だに「なぜウチの息子でなければいけなかったのか」という気持ちを消化しきれていない様子でした。cloud 15年経っても、その時の〈少年〉も命日には呼び続けています。ぶくぶくに太って彼は、就職できずにフリーターで生計を立てていました。「こんな僕でも生きていることに感謝します」と、それはそれは素直に真っ白い感謝を述べるも。父・恭平は、「こんな奴の為に」となじっていました。coldsweats02 「ちゃんと謝ってたでしょう」という、ちなみの明るい突っ込みでその場は通過したのですが。run その夜、「もう赦してやったら?」と言う良多に、母・とし子が「忘れてもらっちゃ困りますよ」と呟く姿を後ろから捕えるのですが。その背中からは、静かな怒りが感じられたのです。bomb 青年を憎むことが生きるエネルギーにもなっているのでしょうか。私は、鳥肌が立ちました。
良多の家族は、実家に一泊します。sleepy とし子は、良多にはパジャマを買っておいたと言います。照れ臭い良多は、着ようとしませんが。「着たらいいじゃない」と言う妻を、良多の視線で後ろからを捕えます。「どうせ買うなら、私の分も買ってくれたって・・・」と呟くゆかり。必死になっても、やはり母親には敵いません。疲弊しきった背中にドキッとしました。sweat01

他にも、良多の家族ととし子が長男の墓参りに行く場面も好きです。foot 急斜面の坂道を下る4人。とし子良多が並び、ゆかりあつしが並ぶ。2組の母と息子の姿が愛おしかったです。club 母親にとって息子は〈恋人〉のような存在なのかもしれませんね。gemini 家に迷い込んだ蝶を、長男の魂だと言い切って優しく捕まえようとするとし子の姿も強烈でしたし。impact 場面が変わってラストの墓参りのシーン。「いつもちょっとだけ間に合わない」と呟いていた良多のセリフを思い出しつつ、元から身長の高い阿部寛が一回り大きく見えました。upwardright

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2008年6月28日 (土)

告発のとき

「告発のとき」
<IN THE VALLEY OF ELAH>/製作:2007年、アメリカ 121分 PG-12指定 Kokuhatsunotoki         
監督、脚本:ポール・ハギス 出演:トミー・リー・ジョーンズ、シャーリーズ・セロン、スーザン・サランドン、ジョナサン・タッカー、ジェームズ・フランコ、ジェイソン・パトリック、フランシス・フィッシャー、ティム・マッグロー、ジョシュ・ブローリン
2008.6.28 劇場前売り鑑賞券¥1,300にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,800で妥当 / 評価:3.8★/5点満点★

「真実を語る、勇気はあるか?」

失踪した息子の行方を捜す父親を通して、過酷な真実が明らかになる

===(チラシよりストーリー紹介)===
2004年11月1日、ハンク・ディアフィールド(トミー・リー・ジョーンズ)の元に息子のマイク(ジョナサン・タッカー)が軍から姿を消したという不穏なニュースが告げられる。軍人一家に育った息子に限って無許可離隊などあり得ないと思ったハンクは、妻のジョアン(スーザン・サランドン)を残して息子を探すために帰還したはずのフォート・ラッドへ向かう。地元警察の女刑事エミリー・サンダース(シャーリーズ・セロン)が彼の捜索を手伝い、一歩一歩真実を解き明かしていくのだが、そこには父親の知らない息子の《心の闇》が隠されていた。

typhoon typhoon typhoon うーん、ちょっと言いにくいんだけど。よくわからない作品でした。catface catface catface
スマステーションの月イチゴローで、吾郎ちゃんが絶賛してたし。tv 私の超お気に入り作品『クラッシュ』ポール・ハギスが再び監督と脚本をこなしているし。pen 実際に起きた事件にインスパイアされて作られたというし。しかも、かなり最近の出来事みたいだし。大好きなトミー・リー・ジョーンズがアカデミー賞主演男優賞にノミネートされたし。crown 共演も、シャーリーズ・セロンスーザン・サランドンといったお気に入りの女優さんだし。virgo 〈社会派〉の作品は、なるべく見るようにしたいし。気になる要素がテンコ盛りなんですもの。初日にドピュッと劇場に足を運んじゃったわよ。run

この日は、年配の方が多く鑑賞に来ていました。三十路の私が一番若い観客だったかもしれません。この作品を通してポール・ハギス監督が伝えようとしたこと、それを理解できる程に私の器は大きくないということかもしれません。despair 冒頭に、チラシからストーリーを紹介してみましたが。実は、もう2つほど大袈裟な文章が書かれていたんですよね。gawk でも、私には「そんな作品でしたかね?」と疑問符が浮かぶものだったので。独断と偏見で当ブログには引用しませんでした。hairsalon 作品の日本語タイトル『告発のとき』というのも、何か違う気がしてしょうがないんですよねぇ。sweat01 原題は「IN THE VALLEY OF ELAH」 というもの。ハンクが捜査で行動を共にしたエミリーの息子を寝かしつける時に聞かせた話の中に出てきます。そのまんま「エラの谷」ではいけなかったのsign02そもそも、ハンク自身によるものでなくても、作品自体が何かを【告発】していた気がしないんですよー。bomb それは私が未熟なだけなのかもしれませんが。punch 何か期待し過ぎでしたというのが正直な感想です。catface

それでも、題材としては興味深いものでした。DVD化したら、もう1度ジックリと見ていようかな。eye ハギス監督の言わんとしていることから逸れたとしても、少しくらいは何かを掴めたらいいなと思っています。rock それに「ポール・ハギスの最新作」と言われたら、またいそいそと劇場に足を運ぶと思います。foot それと、内容よりもご贔屓の俳優陣の安定したパフォーマンスには魅せられました。ですので、評価は低くしないでおきます。
本作は、とにもかくにもトミー・リー・ジョーンズの魅力ですよ。lovely 私がジョーンズさんに一目惚れしたのは『逃亡者』での圧倒的な存在感でした。あの時は、対峙する〈逃亡者〉を演じたハリソン・フォードが寡黙な佇まいでしたが。今回のジョーンズさんは、無言で渋い表情を連発しています。cloud 捜査の途中で容疑者が確保された時、警察署の廊下の椅子に座っているハンクの表情が凄かったです。chair セリフは1つもないのですが、大魔神みたいな顔をしていました。angry 本作の印象的なアイテムとして、星条旗が登場します。身なりやベッド・メイキングから察するに、とても几帳面なハンク。軍警察出身のハンクは、星条旗の向きにもこだわりがありました。逆さの星条旗は《国家の危険信号》 を意味するそうです。息子の死の真相を調べている内に、全く知らなかった息子の苦悩が浮かびあがってきます。若き兵士の心の闇を炙り出すことによって、《反戦》を込めた作品だったのでしょうか。(であれば、もう少しハッキリと強く描いていって欲しかったな)
シングル・マザーの女刑事を演じたシャーリーズ・セロンも良かったです。凛とした態度、全力疾走する姿、顔を殴られる場面。今回は地味目な佇まいだけど、何をやっても華があると思います。shine 出番はかなり少な目ながら、ハンクの妻ジョアンを演じたスーザン・サランドンの存在も光っていました。息子の死を知らされた電話口で涙をボロボロ流すシーンや。telephone 死体安置所で惨たらしい姿に変わってしまった息子を目にしても「寒そうだから側にいさせて」と力なく呟くシーンは、もらい泣きしそうでした。weep 更に出番は少ないけれど、エミリーの上司の署長を演じたジョシュ・ブローリンのいかつい存在感も光っていました。shadow

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2008年6月26日 (木)

カンフー・パンダ

「カンフー・パンダ」
Kung_fu_panda<KUNG FU PANDA>/製作:2007年、アメリカ 92分      
監督:ジョン・スティーヴンソン 声の出演:ジャック・ブラック、ダスティン・ホフマン、アンジェリーナ・ジョリー、イアン・マクシェーン、ジャッキー・チェン、ルーシー・リュー、セス・ローゲン、デヴィッド・クロス、ランダル・ダグ・キム、ジェームズ・ホン、マイケル・クラーク・ダンカン、ダン・フォグラー
2008.6.26 試写会¥0にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,300で妥当 / 評価:3.5★/5点満点★

「自分を信じろ。」

信じること、それは奇跡を起こすこと

===(チラシよりストーリー紹介)===
山深い平和の谷には龍の巻物の奥義を得たものは最強の【龍の戦士】になるという伝説があった。そこに、悪のカンフー・ウォーリアー、タイ・ラン(イアン・マクシェーン)が巻物を狙って向かってくるという。立ち向かうの食いしん坊でぐうたらなパンダのポー(ジャック・ブラック)だった。カンフーは大好きだがちょっぴりのろまなポーは、ひょんなことから【龍の戦士】に選ばれたものの、師匠シーフー(ダスティン・ホフマン)の特訓にはついていけず、修行ははかどらない。巻物を求め迫りくるタイ・ランタイガー(アンジェリーナ・ジョリー)ヘビ(ルーシー・リュー)ツル(デヴィッド・クロス)モンキー(ジャッキー・チェン)カマキリ(セス・ローゲン)のカンフー・マスターたちはおろか、シーフーにまで魔の手は迫っていた。自分の限界を決め付けて前に進めないポーを、シーフーが励ます。「自分を信じろ!信じれば奇跡は起こる」果たしてポーは、平和の谷を守ることができるのか!?

私が一番好きなCGアニメは『シュレック』です。『トイ・ストーリー』や『モンスターズ・インク』など、王道をいくピクサー作品も大好きですが。最高峰は『シュレック』の1作目です。happy02 ドリームワークスのアニメは、どこか温かみを感じるタッチが素敵だと思います。sun 『シャーク・テイル』は、そんなに好みではありませんでしたが。『マダガスカル』や『森のリトル・ギャング』の愛らしい動物さん達に魅了されました。carouselpony そんなドリームワークスの最新アニメがいよいよ7/26に公開されます。今回の主人公は、バランスボールのように真ん丸いパンダさんです。soccer
この日の試写会には、親子で来ている方がたくさんいました。数々の場面で、壊れた笑い袋のように大爆笑している子供の笑い声が聞こえてきました。ear そんな雰囲気がとても楽しくて、私も声高らかに笑ってしまいました。happy02 happy02 happy02 ポーの真ん丸い体型を活かしたシンプルなギャグが満載なのですが。それぞれのキャラクターのちょっとした言動に、大人でもちょっぴりグッときてしまいます。それでは、私が印象に残った部分を振り返ってみたいと思います。

豪快で陽気なポーの一挙手一投足が本当に楽しいです。note ボヨンボヨンと弾むお腹、豊かな表情、そしてカンフーをこよなく愛するマニアぶり。よく見ると、ツギハギだらけのズボンを穿いています。denim 貧しいからなのか、動き回る度にビリビリ破れてしまったのか。何とも愛敬タップリの愛すべきキャラクターです。catface 一見、運動神経ゼロといった雰囲気ですが。食べ物の為となると、信じられないくらいに柔軟で俊敏な動きをします。snowboard 無意識なところがまた凄い。shine 強敵タイ・ランは、自分の力に慢心して道を外してしまったようです。ポータイ・ランに勝っているのは、無欲なところにあると思います。まぁ、食欲だけはかなり旺盛ではありますけどね。restaurant

シーフーの愛弟子、カンフー・マスターの5人衆《マスター5》の出番は意外と少なかったです。タイガーヘビツルモンキーカマキリというバラエティに富んだメンバー。(なぜ虎と猿だけ英語なの?)《マスター5》は、【龍の戦士】選ばれなかったことで執拗に妬んだりせず、ポーに嫌がらせをすることもありませんでした。wink きっと、厳しい修行によって精神的にも鍛え抜かれていたんでしょう。rock そんなところもカッコ良かったです。師匠のシーフーに内緒で、タイ・ランを倒しに行こうとするタイガー。他の仲間がタイガーの心を読んで、黙ってついて行く場面も良かったな。Kung_fu_panda2_2
最強のカンフー・マスターという設定なのに何ですが。師匠シーフーが、ふわふわしていて愛らしかったです。heart04 触ってみたい~。paper それ程に、CGの仕上がりが良かったということですよね。(ちなみに、シーフーは何の動物なんだろ。アライグマとはちょっと違うような・・・)弟子として息子のように可愛がっていたタイ・ランの裏切り。深く傷ついたシーフーは、感情を胸の奥に隠して鍵をかけてしまったかのようでした。key ポーを鍛えている内に、少しずつ笑顔を取り戻して心にゆとりを取り戻す展開も良かったです。tulip
シーフーの師匠でもあるウーグウェイ導師は、ガラパゴス諸島から中国にたどり着いたという亀さんです。「この世に偶然なんて存在しない」全てが必然であると大らかに繰り返すウーグウェイ。一見、ノロノロしているように見えますが。snail 実は、最強の技を持っているようです。punch 桃の花びらと共に姿を消すなんて、神に近い仙人のようなキャラクターに見えました。ポーのお父さんも面白かったです。ペリカンみたいな鳥なんですよね・・・。penguin どう考えてもポーとは実の親子じゃないと思うけど。ラーメン屋で生計を立てるポーの父が作る絶品のラーメン。noodle 《秘伝のスープ》の作り方は、本作のテーマに沿っていると思います。「自分を信じろ」というシンプルなメッセージと、ポーの親近感溢れる存在感で楽しいひと時を過ごせました。notes それと、映画ファンにはたまらない豪華な俳優陣が声を担当しているのも嬉しかったです。maple

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2008年6月25日 (水)

休暇

「休暇」
製作:2008年、日本 115分Kyuka       
監督:門井肇 原作:吉村昭 出演:小林薫、西島秀俊、大塚寧々、大杉漣、柏原収史、菅田俊、利重剛、谷本一、宇都秀星、今宿麻美、滝沢涼子、榊英雄、りりィ
2008.6.25 レディース・デイ¥1,000にて鑑賞
隣の評論家はいくら?→¥1,300で妥当 / 評価:3.5★/5点満点★

「生きることにした。人の命とひきかえに。」

「死刑執行の際、支え役を務めれば一週間の休暇を与える」
生と死の間でゆれ動くひとりの人間が、やがてたどり着く場所とは――

===(チラシよりストーリー紹介)===
死刑囚を収容する拘置所に勤務する刑務官たち。彼らは常に死と隣り合わせの生活を余儀なくされる。ベテラン刑務官、平井(小林薫)もそのひとり。心の平穏を乱すことには背を向け、決まりきった毎日を淡々とやり過ごす男。そんな平井がシングルマザーの美香(大塚寧々)と結婚することになった。なかなか打ち解けない連れ子との関係を築く間もないまま挙式を目前に控えたある日、死刑囚・金田(西島秀俊)の執行命令が下る。執行の際、支え役<死刑執行補佐>を務めれば1週間の休暇を与えられると知った平井は、新しい家族と生きるため、究極の決断をするのだった。

大変申し訳ありません。(土下座)weep 不覚にも、前半に失神してしまいました。sleepy そう言えば、前の晩は寝つきが悪くて。普段より少ない睡眠時間だったのですよねぇ。と、言い訳するのも何ですけど・・・。punch punch punch 全編を通して、丁寧に淡々と描かれていく本作。音楽と言えば、拘置所の起床時間に流れる中途半端な放送だけでした。生活音だけで物語は進行していき、抑揚は感じられません。でも、そこがまた本作の良いところなのかもしれません。例えば、死刑執行の場面の大きな《物音》には驚愕してしまいました。coldsweats02 とは言え、どうしても金田が犯罪者に見えなくて。shadow どうして死刑を宣告されたのか気になって仕方ありませんでした。日本の死刑制度では、死刑囚には死刑執行の詳細は隠し通したままなのかしら。chick 私が見逃しただけかもしれないけれど、その辺は説明が欲しくて。いまいち納得のいかない演出と感じてしまいました。catface

大まかな流れは〈新婚旅行に繰り出す平井(死刑執行後)〉→〈死刑執行までの金田〉→〈再び旅行中の平井〉といった具合に時間軸が交錯しています。平井の場面と金田の場面を、淡々と対比させているように感じられる演出が3点ありました。gemini
one金田は独房で黙々と画を描き続けています。art スケッチブックは、色を塗らない白黒の風景画で埋められていきました。平井の結婚相手・美香には幼い息子がいました。人見知りで俯いたままの息子は、平井と口をきくどころか目を合わせようともしません。この子も絵を描くのが大好きだったようです。
two眠ってしまった子供を平井が抱き上げる場面があります。なかなか打ち解けられないという気持ちもあってか、その手つきはおぼつかないという雰囲気でした。しかし、平井には幼い子供よりも重たい金田の身体を支えるという役目が待ち構えているのです。sweat01
three冒頭、金田が独房で1匹の蟻を見つける場面があります。その蟻の姿をカメラはじっくりと映し出します。snail 平井が旅行を終えて明日には帰るという時に、旅館の仲居さんが部屋で蟻を見つける場面がありました。
意図的な演出だったと断言はできませんが。私は、気がつくと平井金田の心情を比較して見ていたのです。eye

淡々と進行していく作品ながらも、特に印象に残った場面が2つあります。scissors
死刑が執行されるその朝、担当の刑務官が金田を迎えに行きます。いつも通りに目覚めた金田が、〈その時〉を迎えたことで激しく動揺します。それまでは抑えた演技を見せていた西島秀俊が、カッと目を大きく見開きました。あの表情が強烈に印象に残りました。impact
休暇がもらえたとは言え、《支え役》という務めは衝撃的だったようで。結婚したという環境の変化への戸惑いもあったと思いますが、平井は旅行先でなかなか眠れないようでした。朝方、布団から出てボンヤリと佇んでいると。息子がムクリと起き上がります。おねしょをしてしまったようです。その息子を「ゴメンな」と呟きながら抱きしめると、今まで視線すら合わせなかった息子が「うん」と小さく返事をするのです。初めて打ち解けた平井と息子の姿は、少しだけ荷物が軽くなったようでホッとさせられました。tulip

全体的には演出が余り好みではありませんでしたが。『歓喜の歌』ではお気楽な男をポワ~ンと演じていた小林薫が、本作ではシリアスな表情と抑えた演技を見せたり。敢えて存在感を消しているかのような西島秀俊の表現力や。大塚寧々の穏やかな語り口など。キャストの安定したパフォーマンスには、静かに魅せられました。shine

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2008年6月21日 (土)

ぐるりのこと。

「ぐるりのこと。」
製作:2008年、日本 140分Gururi