「マスターズ・オブ・ホラー」の第2弾「13 thirteen」(公式HP)がDVDリリース前にWOWOWで放送中なので、攻略中で~す。「その1」に続いて、後半戦その2でございます。
※採点基準は、あくまでも【テレビ・ムービー】としてどうだったか という感覚で考えました。テレビという枠だと、きっと規制も激しかったと思うので。劇場公開作品とは、基準を違うところに置いてみました。あくまでも見た順番に紹介していきます。
「妻の死の価値」 <Right to Die>
監督:ロブ・シュミット 出演:マーティン・ドノヴァン、ジュリア・アンダーソン、コービン・バーンセン
ストーリー:ドライブ中に事故に遭った夫婦。夫は軽症で助かるが、妻は全身に大火傷を負い昏睡状態に。身体中の皮膚を移植しないと助からないと言われる。安楽死か、延命措置か。選択を迫られた夫の周りで、不可思議な出来事が起こり始める。
評価:3.8★/5.0★
感想:B級ホラーの快作『クライモリ』のロブ・シュミット監督が初参加。『クライモリ』でも潔いくらいに残酷描写を披露した彼が、今回もおぞましいシーンを挿入している。全身大火傷を負った妻の生霊のような存在の強烈さは勿論のこと、終盤に向け夫が取った行動には目を覆ってしまう。実は妻の母の財産に頼っていた夫が、早くから精神的に追いつめられていたと想像する展開なんだけど、ストーリーの面白さは普通かな。ホラー描写の潔さに、高得点を捧げたい。
「ノイズ」 <Sounds Like>
監督:ブラッド・アンダーソン 原作:マイク・オドリスコル 出演:ローラ・マーゴリーズ、クリス・バウアー
ストーリー:ラリーの聴覚は、異常に発達している。6歳の息子が悪性の腫瘍で亡くなる前に、細胞の音を聞いてしまう。それ以来、どんな小さな音でも大きく聞こえてしまう生活が続く。発狂寸前になったラリーの取った行動は・・・。
評価:3.5★/5.0★
感想:ストーリーは、とても興味深いと思う。見るからに神経質そうなラリーの苦悶の表情や、いちいち聞こえてしまう音が些細なものばかりなので面白い展開でもある。でも、個人的にはイマイチまとまっていない印象を受けた。妻も人には見えないはずのものが見えるとエキセントリックな発言をするのが気になったけど。特に、意味深な描写でもなかったみたいだし。血みどろな描写なしで怖がらせるテイストは、面白いけれど。どこか尻すぼみな印象も。
「愛と欲望の毛皮」 <Pelts>
監督:ダリオ・アルジェント 原作:F・ポール・ウィルソン 出演:ミート・ローフ、ジョン・サクソン
ストーリー:毛皮商人のフェルドマンは、ストリッパーのシャンナに夢中。ある日、見事なアライグマの毛を入手する。シャンナの気を引こうと、完璧な毛皮作りに奔走するが、その毛は普通のアライグマの毛ではなく・・・。
評価:4.8★/5.0★
感想:ダリオ・アルジェント監督の過激描写は、進化する一方(汗)。ホラー映画慣れしていたはずなのに、何の気なしに夕食前に見たら気持ち悪くなってしまった・・・。常識で考えてもあり得ない残酷な場面の数々は、作り物だとわかっていても背筋が凍ってしまった。アライグマの姿をした《毛皮作り》の犠牲者たちの呪いなのか、毛皮作りに関わった人達は次々と奇怪な死を遂げる。余りにも奇奇怪怪な方法で、自らの命を絶つ訳だけど。本来は突っ込みを入れるべきあり得なさに、苦笑する余裕も持てませんでした。体調を万全にしてから見てください。
「Vの伝染」 <The V-Word>
監督:アーネスト・ディッカーソン 出演:アージェイ・スミス、ブランデン・ネイドン、マイケル・アイアンサンド、リンダ・ボイド、ジョデル・フェルランド
ストーリー:ゲームに熱中していた少年ケリーとジャスティンは、ふとした口論から肝試しに葬儀場へ死体を見に行く。そこで番をしているはずの従兄弟は見当たらず、気がつくと閉じ込められる。そして、1体の死体がムクッと起き上がり・・・。
評価:3.8★/5.0★
感想:天才子役ジョデルちゃんが出てるとは・・・。少しだけ核心に触れると、ゾンビに噛まれて生まれ変わってしまう悲痛な運命の行く末を描く。ゾンビに襲われた後の視点を描くのも面白い。ゾンビ化していく運命に逆らわずまた別の人を襲うのか、僅かに残された人間としての理性にすがりついて人を襲わないのか。どちらの道を選んでも、その後は更にどういう選択をするのか。ゾンビだなんて目新しくはないけれど、お話自体はとても新鮮に楽しめました。
「グッバイベイビー」 <Pro-Life>
監督:ジョン・カーペンター 出演:ロン・パールマン、マーク・フォイアス、エマニュエル・ヴォージア、ケイトリン・ワックス、チャド・クロウチャク
ストーリー:郊外にある中絶専門の病院に勤める医師2人の車の前に飛び出して来た少女。偶然にも、少女は望まない妊娠をしていた。「中絶して欲しい」と懇願する少女と、なんとしても産ませようとする少女の父親。果たして、少女に何があったのか。
評価:3.5★/5.0★
感想:巨匠ジョン・カーペンター監督の作品としては、どうしても納得のいかない仕上がり。私には何が作りたかったのか伝わらなかった。異形のキャラクターの登場は面白くても意味がわからない。ただ、狂信的な少女の父親を見事な存在感で怪演したロン・パールマンにだけには敬意を表したい。その父の手によって惨たらしい拷問を受けてしまう院長の哀れな姿に、男性陣は吐き気を催すかもしれない。
「言葉なき隣人」 <Family>
監督:ジョン・ランディス 出演:ジョージ・ウェント、メレディス・モンロー、マット・キースラー
ストーリー:閑静な住宅街に引っ越してきた若い夫婦。ある日、酔っ払った末の運転で隣の郵便受けを壊してしまう。素直に謝罪したことで、夫婦と隣人ハロルドの交流が始まるが。このハロルドという巨漢の独身男は、狂気の殺人鬼でもあり・・・。
評価:4.5★/5.0★
感想:これは面白かった!前シリーズではイマイチだったジョン・ランディス監督の改進の1本。まずは、このハロルドという男の異様な生活からスタートするんだけど。明るく軽やかな音楽を聴きながら、地下室である死体を処理している姿が不気味に映し出される。表情もどことなく笑顔だし、処理した後の死体の扱い方も尋常ではないんだけれど。どこか哀れにも見えてしまうから不思議。当然の如く、次第に若い夫婦にも危険が及んでいくんだけど。その結末は予想がつかず、「恐れ入りました」の一言に尽きる。
「ワシントン・コード」 <The Washingtonian>
監督:ピーター・メダック 原作:ベントレー・リトル 出演:ジョナサン・シェック、ソウル・ルビネック、ダンカン・フレイザー
ストーリー:祖母の死を機に、家族を連れて生家に戻ったマイク。そこは、アメリカ初代大統領ジョージ・ワシントンの故郷でもあった。ある日、肖像画と一緒に不思議な手紙とスプーンを見つける。その日から、一家は危険に晒されて・・・。
評価:4.3★/5.0★
感想:アメリカ建国の父であるジョージ・ワシントンは何者だったのか?そんなミステリーを脅威のホラータッチで描いていく。人によっては気分が悪くなってしまう作品。原題にある【ワシントニアン】とは一体何なのか?こちらも脅威の展開で不気味に描いていく。余りにも大胆な作品なんだけど、個人的には一番最後のオチはいらないな。恐怖を中和できるように挿入したのかな、生粋のホラーファンには受けないと思うんだけど。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪制覇後記♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
前シリーズと比較すると、エロスが全開という訳でもありませんでした。そこは残念(なのか?むっつりスケベめ!) 今回の13作品を観終えた感想としては、前シリーズでイマイチだった監督の作品が素晴らしく楽しめました。本当はご贔屓にしている名匠の作品には、パワーが感じられないものもありましたがね。まぁ、どんな監督にも波があるだろうし。見る側の私のテンションにも、その時の差があるだろうしね。
ベストというか、どれが一番強烈だったかと振り返ってみると。ダリオ・アルジェント監督の『愛と欲望の毛皮』でしょうかね。エロスと恐怖は紙一重といってところを、そこまでしなくてもいいじゃないというレベルで見せつけられた気がします。ダリオ・アルジェント監督は、萎えるということを知らないのかもしれないなぁとも思いました。
来年DVD化されるそうですので、興味のある方は是非ご覧になってみてください。
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